ホロライブオルタナティブ~彗星に捧げる星詠みの詩~   作:星夜見流星

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新年は最高のスタートを

「二人ともいらっしゃーい!」

 

日付は一月一日。

無事に新年を迎えた俺達は二人は朝早くから少しだけ長い階段を登りきると正面に見えた鳥居の下からこの神社の巫女であるさくらみこが出迎えてくれる。

何故朝早くかというと時は遡り数日前。

 

「鏡君来年の初詣どうする?」

 

「別にいつも通りでいいんじゃない?」

 

「うーん、一回朝早くに行ってみたいなぁって思うんだけど」

 

「…起きれるか?」

 

「徹夜ならなんとか」

 

と言った感じで予めみこちに連絡してまだ人の少ない六時前に来ていた。

 

「悪いな。こんな朝早くにきて」

 

「別に大丈夫!ところで…すいちゃんどうしたの?」

 

そう言ったみこちの視線は水色の着物を着て俺の左腕に抱きつき目を細めるすいちゃんに向けられていた。

 

「眠いんだと」

 

欠伸をした後右手で目を擦るすいちゃんに何があったのかというと宣言通り徹夜したまでは良かったのだが来る途中に乗った電車に揺られたのがまずかった。電車に揺られた事でなかったはずの眠気に襲われてそれが限界に達しかけてしまい今にも寝そうになっているのだ。

 

「すいちゃんみこのベッド貸そうか?」

 

「だいじょうぶ〜ありがとうみこち〜」

 

「いや大丈夫じゃないだろ。みこちベッド借りてもいいか?」

 

「オッケー。じゃあついてきて〜」

 

みこちに先導され歩く事数分。少し離れたところにある家に着き中に入ると顔馴染みであるみこちのお母さんが出迎えてくれる。軽く事情を説明するとお母さんはみこちを連れキッチンに行き俺はその間にみこちの部屋に入ってすいちゃんをベッドに寝かせる。

 

「ほら、時間になったら起こすから」

 

「うん、鏡君ありがとう。おやすみ…」

 

すいちゃんはそう言って目を閉じると寝息をたて眠り始めた。

 

「すいちゃん寝た?」

 

ドアが開く音と共にお盆にマグカップを乗せたみこちが部屋に入ってくる。

 

「ああ、助かったよみこち」

 

「エリートですから!」

 

「それはないわ」

 

「おい」

 

いつものやりとりをしつつみこちはテーブルにお盆を置いてお茶を差し出してくる。

 

「さんきゅー」

 

外にいたことで冷えきった身体をお茶を飲んで温めているとみこちがすいちゃんに近づいて行く。

 

「ぐっすり眠ってるけど来る前になにしてたの?」

 

「徹夜するって話になって出る直前までマリカの練習してた」

 

「なるほどにぇー。お疲れ様〜」

 

みこちから労いの言葉を貰ってスマホを見てみると丁度六時になったところで少なくても一時間は寝せてやりたい。

 

「みこち、八時ぐらいってどれぐらいの人来るかわかるか?」

 

「んー、例年通りならいつもぐらい。混み始めるのは九時ぐらいかな」

 

「なら二時間寝かせるか。みこちなんかするか?」

 

「じゃあ映画観ようよ」

 

提案に賛成しみこちが準備をしてる間になにを観るかを決め俺達は映画を見始めるのだった。

 

 

 

 

 

「ん〜よく寝た♪」

 

あれから約二時間後。

映画を観終えたみこちは準備があるから先に神社に行くとのことでしばらくした後予定通りすいちゃんを起こして今に至る。

家を出る時にみこちの母さんにお礼を言ったら朝食を誘われたが流石に申し訳ないので気持ちだけ受け取って外に出た。

隣では寝たことでスッキリしたのかすいちゃんが背伸びをしている。

 

「そういえばみこちは?」

 

「先に行って待ってるってよ」

 

「じゃあ私達もいこっか」

 

すいちゃんが俺の左手に自分の右手を絡めて恋人繋ぎをして歩き出す。

鼻歌を歌いながらご機嫌に歩くすいちゃんだが神社にいけば手を離すのはわかっている。

本人は人に見られるのは恥ずかしいと言うがいつも並んで歩く時必ず握ってるのが当たり前になってるし今更な気がしなくもないのだがどうなのだろうか。というかみこち達には見せつけるくせに一般の人には恥ずかしいって、まあそこが可愛いのだが。

 

「あ、みこちだ。おーいみこちー!」

 

そんなすいちゃんはみこちを見つけると手を振りながら駆け寄って行くが見てるこっちは慣れない着物で転ばないか心配で仕方ない。

 

「走ると危ないぞ」

 

「大丈夫だって!」

 

恐らく転びそうになったら俺が助けてくれると信じているからこそなんだろうけど普通に怖い。

信じてくれるのは凄く嬉しいがそれとこれとは話が別だしソロライブも近いんだから身体を大事にしてもらいたい。

それに怪我して本調子じゃありませんなんて洒落にならないし。

 

「早くしないと置いてくよ!」

 

「はいはい」

 

俺もすいちゃんに続いてみこちのもとに行くとそこには巫女服を着て仕事モードのみこちが仁王立ちしていた。

 

「改めまして二人ともさくら神社にようこそ!」

 

元気に言うみこちを見て苦笑いする俺とすいちゃん。

というのも月に一回は必ず来るのもあってこの台詞も数十回は聞いている。前に二人揃って別に言わなくていいよと言ったら巫女仕事中ぐらいはしっかりしたいからそれは出来ないと言われてしまい何も言えなかった。

 

「二人は参拝だけだったよね?」

 

「ああ、後は適当に見て回って帰るよ」

 

「オッケー!何かあったらいつでも言ってね」

 

「みこちもお仕事頑張って〜」

 

手を振るすいちゃんと一緒に仕事に戻る為歩き出したみこちを見送ろうとしたがここで一つ思い出した事があった。

 

「そうだみこち。昼ぐらいに他の奴らも誘って飯でも行くか?俺が全額出してもいいぞ」

 

「マジで!?行く行くー!」

 

「約束だからにぇ!」と言って足取も軽やかに仕事に戻るみこちを見送ると右腕の袖が引っ張られる。

 

「あんな約束してよかったの?」

 

「まあ新年だしこれぐらいしてもいいだろ。余裕だってあるしな」

 

いつも世話になっている人達ぐらいには恩返しをしたいしこういう時の為に活動費や生活費の余りを貯金に回している。

 

「鏡君がいいならいいんだけど」

 

少し心配そうな顔をするすいちゃんの左手に右手を重ねて握ると納得してくれたのかいつもの顔に戻り歩き出す。

少し遅くはなったが時間もあってか思ってたより人はいなく拝殿前に着くと直ぐに参拝が出来た。

 

「大会で優勝出来ますように大会で優勝出来ますように」

 

「声に出てるよ。あとライブの心配しろよ」

 

「だって寝る間も惜しんで練習してるんだから優勝したいじゃん!」

 

「いや俺だって毎日付き合ってるんだから優勝は兎も角いい結果は残してくれよ?」

 

「アァプレッシャーガァァァァァ」

 

数日に迫った大会のプレッシャーに襲われるすいちゃんを宥めながらおみくじを買いに店に向かう。

 

「だからライブより大会のほうが緊張するんだって!」

 

「はいはいわかったよ」

 

「むぅ、本当にわかってる?」

 

「わかってるよ。で、なんだったの?」

 

すいちゃんは頬を膨らませ不満そうにしながらおみくじを開くと「あっ」と声をあげる。

 

「大吉…」

 

「よかったじゃん。これで大会もばっちりだな」

 

「なんかこれに運使った気がするのは気のせい?」

 

「…気のせいだろ」

 

一瞬いつもソシャゲのガチャで嘆きまくってるすいちゃんなら有り得なくはないと思ってしまった。だって毎回毎回カードが止まるか止まらないかまで回してる姿を見れば誰だってそう思うだろう。

実際目の前で「なんで直ぐに言わなかったの!」と泣きそうな顔で問いただしてくる彼女がいい証拠だ。

 

「さーてやる事やったしさっさと帰るかー」

 

「ねぇ鏡君ってば話は終わってないんだけど!第一鏡君はなんだったの!逃げるなコラァ!」

 

話を逸らす為階段に向かって歩き出す俺を騒ぎながら追いかけてくるすいちゃん。

俺は自分のおみくじを開きそこに書かれた大吉の二文字を見てからポケットにしまうのだった。

 

 

 

 

 

そして数日後。

 

「やったよ鏡君!優勝したよ!」

 

パソコンで作業しながらデュアルモニターの片方でとある配信を観ていると部屋のドアが勢いよく開かれてすいちゃんが上機嫌に飛び込んできた。

 

「ちょっ!?嬉しいのはわかったけど危ない!」

 

椅子に座っていたところに飛び付いてくるすいちゃんを注意するが彼女は全く聞いておらず更に抱きついてくる。

例えるなら飼い主が帰って来た時の犬のようで今度は押し付けた顔を上に向けて話し出す。

 

「だって優勝だよ優勝!あれだけのメンバーが揃っての優勝だし凄くない?!」

 

「いやちゃんと観てたからわかってるって。ほら」

 

俺はつけていたモニターの片方に指を指すとそこには配信が終了しているすいちゃんの画面がありそれを見たすいちゃんは満面の笑みで抱きしめてくる。

可愛い彼女とこのままイチャつきたい気がしなくもないが気になる事が一つある。

 

「てか優勝者インタビューどうしたんだよ」

 

優勝したすいちゃんは表彰式を兼ねてインタビューがあるはずでここに来る時間はないはずだ。

 

「あ、そっか。忘れてた」

 

「おい。だったら早く戻れよみんなが待ってるぞ」

 

急に素に戻るすいちゃんにツッコミを入れつつ早く戻るように言うとすいちゃんは渋々と立ち上がり離れていく。

その顔は凄く残念そうで寂しそうだった。

 

「別に終わったらなにもないんだしそんな顔すんなよ」

 

「だって私は今褒めて欲しいんだもん…」

 

「はぁ…困ったお姫様だこと」

 

椅子から立ち上がりしょぼんとしてるすいちゃんに近づいて前髪を上げて額に軽くキスをする。

急にしたものだからすいちゃんは何が起きたのかわからないといった感じでぼーっとしていて現実に戻す為に頭を撫でる。

 

「今はこれで我慢な?。ほら、行ってきな」

 

「う、うん!行ってくる!」

 

俺は駆け足で部屋を出て行くすいちゃんを見送り配信画面を切り替え作業を再開する。

残すは数週間後に迫った2ndLIVE。スケジュールはぎっちり埋まっていて体調管理が不安だが本人と一緒に頑張って気をつけるしかないだろう。

聞こえるのは嬉しそうに優勝インタビューを受けているすいちゃんの声。

この声を聞いて自然と笑みが溢れるが仕方ないだろう。

だって大切な人が嬉しそうにしているのだから。

 

 

 

 

 

そして更に数週間後。

 

「みんな盛り上がって行くよ!!!!!」

 

大規模ライブ会場。

そこには満面の笑みでステージの上に立ちライブを楽しんでいるすいちゃんの姿があった。




まず初めに2ndLIVEお疲れ様でした。
自分は現地に行けないので配信で観させてもらいましたがやはり生演奏と声出しはいいですね。
3rdLIVEに二度目のファーストテイクと情報盛りだくさんでとても楽しませてもらいました。すいちゃんも1stの時に声出しありでやりたいと言ってたので叶ってよかったです。
今回のライブでたくさん元気をもらったので今年も自分に出来るだけ推して恩返しをしていきたいと思います。
それではまた次回。

すいちゃんのキャラ崩壊について

  • 流石にし過ぎ
  • いいぞもっとやれ
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