ホロライブオルタナティブ~彗星に捧げる星詠みの詩~   作:星夜見流星

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ワクチンの副作用とともに書き上げました。


星は悩みを解決したい

場所は変わってそらが勧めた喫茶店に来た三人はそれぞれ注文した物が届き、ケーキを食べながら世間話や自分達の近況で盛り上がっていた。

 

「また0期生コラボやりたいにぇー」

 

「そうだね〜、でもみんなの予定がなかなか合わないからなぁ」

 

「今日も集まれなかったしにぇー」

 

「うん、あずきちとロボ子さん今かなり忙しいみたい」

 

「みこは落ち着いてきたけど今は事務所が全体的に忙しい時期だし仕方ないで」

 

みこと楽しげに話していたそらはふと先ほどまで一緒に話していたすいせいが無言なのに気づき話を振った。

 

「そういえばすいちゃんも来週初ライブだよね?」

 

「そうそう!すいちゃん念願の初ライブ…ってすいちゃん?」

 

そらに続きみこが話しかけた時すいせいは心ここにあらずと言った感じで手に持ったカップの中身をじっと眺めていた。余りにも無反応なためみこが再度数回呼びかけるとすいせいは我に帰ったのか咄嗟に顔を上げてみこの方を見る。

 

「え?」

 

「「え?」じゃなくてそんなにぼーっとしてどうしたの?もしかして調子でも悪い?」

 

みこが気にかけるがすいせいは首を横に振り大丈夫と答える。そんな彼女を一目見たそらは彼女に対して尋ねる事にした。

 

「ねぇすいちゃん。悩み事あるんじゃない?」

 

「…わかる?」

 

少し困った様な顔をして返すすいせい。

 

「わかるよ。大切な後輩だもん」

 

「やっぱりそらちゃんには隠せないなぁ」

 

その言葉を聞いて微笑むそら。みこも一瞬驚いていたが真剣な表情になる。

 

「私でいいならいつでも相談に乗るよ?」

 

「み、みこもいつでも聞くよ!」

 

「うん、ありがとう二人共。じゃあ聞いてくれる?」

 

「「うん」」

 

「実は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「歌がスランプ!?」」

 

「そうなの…」

 

すいせいから話を聞いた二人はあまりにも予想外な回答が飛んでくる物だから驚愕していた。

すいせいが言うにはライブが近いためダンスや歌のレッスンがあるのは当然なのだが歌の方がどうしても自分の納得できる仕上がりにならず悩んでいるらしい。本人曰く初のライブという事もありいつもの歌では悔いが残ると思った結果こうなってしまったとのことでかれこれ一週間近くこの状態が続いてるとの事。

 

「せっかくゲストにとこちゃんとAZKiちゃんまで呼んだのにこのままじゃみんなに迷惑かけちゃうよ…」

 

それを話した途端柄にもなくすごく落ち込むすいせいを見て二人はかなりの重症だと気づいた。二人はここまで落ち込んでいるところは見た事がないためどうしたものかと考えているとみこがいい案を思いついたのか「あ!」と言う。

 

「みこにいい考えがあるよ!」

 

それを聞いたそらとすいせいは首を傾げ漫画なら頭の上にはてなが浮かんでそうな顔でみこの方を見る。

 

「ふっふっふ、この超絶エリートであるさくらみこちゃんに任せなさーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんでカラオケ?」

 

みこが自信満々に宣言した後会計を済ました三人はみこに連れられカラオケに来ていた。

 

「たまには仕事とか関係なしで好き勝手に歌うのもいいと思ったから!」

 

「そういえば久しぶりにカラオケ来たかも」

 

三人はよく個人で歌枠などをとって歌うことはあるが多忙の為店に来てまで歌うのはかなり久しぶりだった。そしてなにより放送ではリスナーがいるので歌いたい曲は歌えるが好き勝手にできるという訳ではない。それを思ったみこは後先考えるよりも先に行動に移していた。

 

「でも今は歌いたい気分じゃ…」

 

「まぁまぁすいちゃんそう言わずに。はい、マイク!」

 

そう言いながらすいせいにマイクを渡すみこに彼女は渋々マイクを受け取った。

 

「でもみこちの言う通りかも」

 

二人の様子を見ていたそらは二人に向かってそう言うと思った事を話し出した。

 

「ほら、私達って歌が好きだから今まで頑張って来れたしこうしてみんなと出会えたでしょ?それなら今回も歌が解決してくれると思うの。それに今のすいちゃんがわかれば私達も何かアドバイス出来るかもしれないし」

 

すいせいは「流石そらちゃん!」と言っているみこを置いといてそらに言われた事を考え始める。確かに自分達は歌が好きだから今こうやって出会い遊んでいる。そしてなによりこの二人は気安く言い合える数少ない友人だ、ならば遠慮する事は無いのかもしれない。

 

「わかった、じゃあお願いしてもいい?」

 

「もちろん」

 

「みこ達に任せな!」

 

「ありがとう二人共。そうと決まれば思いっきり歌うから!」

 

すいせいは二人に礼を言うと楽しそうにタッチパネルを操作し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すいせいが乗り気になり歌い始めてから三時間以上が経ち三人は自分達の曲や好きな曲を歌い楽しんでいた。そして本題の彼女の歌を聞いていた二人はとある事に気づきすいせい本人に話し出した。

 

「すいちゃんの歌いつもと変わってないよ?」

 

「本当に?」

 

「というかいつもより生き生きしてるような」

 

「二人がそう言うならそうなのかな」

 

そう言われたすいせいは自分の気にしすぎだったのかも知れないと思い始め改めて二人に聞く。

 

「本当に変わってない?」

 

「間違いないよ。もっと自分に自信持とう?」

 

そらはテーブルにマイクを置きその後スマホで時間を見ると時刻は夕方の十六時三十分を示していた。

 

「すいちゃんもライブ控えてるしそろそろ終わろうか」

 

「みこも疲れたー」

 

そらは背伸びをしているみこを横目で見る。

 

「少し早いけどどこかでご飯でも食べる?」

 

「みこダブチ食べたい!」

 

疲れを忘れ目をキラキラさせたみこを見て微笑むそらはすいせいの方を向き声をかけた。

 

「すいちゃんはどこか行きたいところある?」

 

「私は特にないかな」

 

「ならみこちの案に決定かな?」

 

「そうだね〜」

 

「ダブチがみこを呼んでるにぇ!」

 

自分の好物が食べられる事にハイテンションなみこはそそくさと周りの片付けを始めそらとすいせいもそれに続き持ち物を整理する。

程なくして片付けを終わらせた三人は部屋を出て会計を済まし外に出る。

外に出れば空は茜色になり始め街には自分の家に帰宅しようとしている人や買い物をしようとしている人で人混みが出来ていた。

 

「人増えてきたね〜」

 

「みこち逸れないでね」

 

「お前はみこをなんだと思ってるの!?」

 

「ポン」

 

「ポンだね〜」

 

「そらちゃんまで!?」

 

そらにまで言われたみこは「みこはエリートみこはエリート」と繰り返し言いながら目的地に歩き始めた。

その様子を見ていたそらは「ちょっといじりすぎちゃったかな」とすいせいに聞きすいせいは「いつものことだから」と言い二人はみこのあとを追いかけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダブチうまー!」

 

二人が拗ねたみこを宥めながら十分ぐらい歩くと目的地の店に着きその頃には好物が食べられる事で機嫌を直したみこは早足で店に入りカウンターで注文していた。二人はみこに続きカウンターで注文し近くのテーブル席に座り程なくして注文した物が出来上がりそれを持って先程まで座っていた席につく。席に座るや否やみこは待ってましたと言わんばかりに包装紙をめくりハンバーガーに齧り付いていた。

 

「本当にみこちは美味しそうに食べるよねぇ」

 

その正面に座りポテトを摘んでいるすいせい。

 

「ダブチは世界一なんだにぇ」

 

「でも食べ過ぎたら太るから気を付けるんだよ?」

 

「そらちゃんそれは言わないで…」

 

「みこちは太ったところで変わらないし大丈夫だって」

 

「お前ェェェェェ!」

 

みことすいせいの小競り合いを見てそらは笑うのであった。

そしてそんなやり取りをしながら食べ終わると外は完全に暗くなり街明かりが辺りを照らしていた。

 

「それじゃあそろそろ帰ろうか」

 

「みこも帰って配信しないと」

 

みこは「すいちゃんはなにかするの?」と言うとすいせいは少し悩んでから口を開いた。

 

「一回お姉ちゃんとこに帰ろうかな、最近帰ってなかったからLINEで泣いてたし」

 

「ほら」と言いつつ自分のメッセージアプリを開き二人に見せるすいせい。二人はそれを見ると画面には『寂しいから早く帰ってきてぇぇぇぇ』という文字が書いてあった。

 

「相変わらずだね」

 

「いい加減妹から卒業して欲しいんだけど」

 

「そう言って本当は嬉しいくせにー」

 

「あ?」

 

「だからお前はすぐみこに喧嘩越しになるのやめろって!」

 

「えー?すいちゃんわかんなーい」

 

「ウゼェェェェェ!」

 

「まぁまぁ二人とも落ち着いて。とりあえず途中までみんなで帰ろ?」

 

そらが二人に言ったその時突如として強風が街を吹き抜ける。みことすいせいは帽子が飛ばされないようにし、そらはスカートを押さえる。

 

「すごい風だったね」

 

「危なく飛ばされるかと思ったにぇ」

 

二人がそう言っていた時すいせいは街外れの山を見ていた。正確には山にある展望台付近にできている紫色に光る壁のような物を。それを見ていたすいせいのスマホに入っているメッセージアプリの通知音が鳴り彼女がそれを見ると急に真剣な表情になり二人に言った。

 

「ごめん二人共!用事あるの思い出したから先に行くね!」

 

そう言ったすいせいは見ていた方向に向かって駆け出した。

 

「う、うん。気をつけてねってもう見えなくなっちゃった。何かあったのかな?」

 

「にぇ?」

 

二人が話している間にすいせいは全速力で壁のような物に向かって走る。

 

(間違いない、あれは鏡君の結界!でもなんであんな場所に?)

 

そう、光の壁の正体は鏡華が作った結界であった。すいせいは鏡華があれを作っているところを何度か見た事がある為気づいたのだ。そして彼が結界を張る理由は周りに対する被害を最小限に抑える為。つまりあの場所だけで大規模な戦闘が起こるという事。そこにさっきメッセージアプリに来たメッセージ。

 

彩歌『多分鏡華が倒れると思うから迎えお願いね』

 

鏡華の師である彩歌からのメッセージであった。そして()()()という不穏な文字。これを見るに彩歌も一緒にいるであろう事はわかる、だがそれでも不安なのだ。初めてちゃんと話したあの日に彼は死にかけてまで自分を助けてくれた。その借りを返したいと思い早二年、多忙な中空いた時間に魔術を教えてもらい実用レベルまで練習もしてきた。しかしいつまで経っても守られる側という事に変わりはなくそんな自分が悔しかった。

 

だから少しでも彼を支えようと決めたのだ。

 

「はぁはぁ、お願いだから間にあって!」

 

星空が綺麗な夜、そこには一人の少女が街中を駆け抜ける姿があった。




今月は動画に力入れたいので更新頻度落ちます。
もしよろしければそちらの方も見ていただければ作者のモチベが上がりますのでよろしくお願いします。
https://youtube.com/channel/UCCZXZ_8wHCEnaUl0N3zDBWw
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