ただいま地球~異世界帰りのTS少女、文明に毒される(仮)   作:八月朔日

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投稿作の「ママでありながら配信者にもなりまして」の合間に書いた奴



1 TS少女地球に帰還する

「ふう」

「溜息ですか」

「もうやること何もなくなっちゃったからねえ。燃え尽き症候群ってやつ?」

 

 広大な森の中に建つ一軒の屋敷。死んだ師匠が残したあれやこれやの清算をするべく世界中を飛んで数週間。思い返してみれば師匠とはいろいろあったなー。

 この世界に転生して師匠に拾われて18年。師匠の道楽、というか最強の弟子を育てるとかいう名目で世界中を連れまわされた。転生したこの世界、地球とは違ってがっつりファンタジーな世界だからエルフとか妖精とかそういったのが普通にいる。この世界では人間が使う魔法はひどく限定的で完全に血筋と才能がものを言う代物。その中で師匠はこの世界に存在するすべての種族の魔法を使える……んだけど、使えるようになった理由と方法が……うん。

 師匠の目的もあってまったく同じ方法で私も魔法を習得したんだけど……まあその内容は機会があれば。

 そんなこんなで最強の弟子とやらになるべく日々修行だのなんだのを繰り返して18年生きてきたんだけども、その師匠がいなくなった。死んだとかじゃないし、殺しても死なないから死んだってのはまずない。そうなると失踪したというわけで。

 師匠がやるはずだった仕事とかが丸々私に降りかかってきてその清算をし終えて帰ってきたのが今だったりする。

 

「やることがないならヤることやる?」

「ヤらない」

 

 ソファに座ってる私の袖をひっぱってるのは精霊族のレヴィ。魔法を習得する時に世話になって以来ついてきた。

 そして御覧の通り奔放な性格である。

 

「それはそうと、こんなの残してるあたり作為的に失踪したよね師匠」

 

 私の手には七色に光る水晶玉がある。仕事をする過程で立ち寄った天魔の里で渡された一品。師匠が私が来るから渡してくれと言って里長に預けていったものらしい。そしてこの水晶に込められている魔法の名は異世界転移。

 うーん……。

 

「使うかぁ」

「帰るの?」

「こっちでやることもないしねえ。18年ぶりに帰ろうかな」

 

 まあそんなこんなで秋月空、地球に帰ります。

 母さんに父さん、それに妹とかどうしてるかな……その前に男から女に性別変わってるし気づくのかなこれ。

 

*** *** ***

 

 金策、これは地球でも異世界でも共通の課題で切っても切り離せないものになる。あっちもこっちも金さえあれば大抵の事はどうとでも片づけられるし。

 私の場合はそこに魔法が加わるんだけども。とりあえず金策は大事ってことで、表には出せない仕舞われてる現金を頂くことにした。後ろめたいことやってる企業とか裏稼業の本宅の金庫に仕舞われてた現金を根こそぎ。どうせ表に出せない汚い金だし別にいいよねって事で。

 地球に転移してきて早々に着手したのが金策、そしてその理由。

 

「世界樹には負けるけど高い」

「世界樹とタワマンくらべちゃダメでしょ」

 

 拠点づくり。実家に帰れと思うだろうけど踏ん切りがつかないというかなんというか。ひとまず魔法を駆使して戸籍を捏造して口座を開設、不動産屋でも魔法を使ってスムーズにこのタワマンの最上階に入居した。記憶の捏造ってベンリダヨネー。

 家具は備え付けでおいてあるから買う必要もなし。

 

「木が少ない分、空気が汚い」

「まあそんなもんだよ」

 

 レヴィは窓際に立って街を見下ろしてる。私はさっき注文したピザを待ってる。

 ここに入居してその後すぐに近くにあるモールに出かけて必要な衣類とスマホを買ってきたからね。情報収集がてらにピザを頼んだってわけよ。

 PCも買おうかと思ったけどどうせ買うなら高スペックのがいいから後日に回した。

 

「……でもここがソラがいた世界。家族には会わないの?」

「んー……、こっちで死んであっちに転生して帰ってくるまでに10年経ってるっぽいんだよね」

「人間、10年程度じゃ死なないでしょ」

「家族からしたら10年前に死んだはずの息子が家に訪ねてくるって相当ホラーでしょ。それに見た目も面影ないレベルで変わってるし」

 

 異世界に転生した私は魂が一旦漂白されたせいなのか体から色素が綺麗に抜け落ちた状態で師匠に拾われた。髪肌は白くて眼は紅いそんな要旨で。そしてなにより目を引くのは、

 

「魂の特性のせいでレヴィの特徴ばっちりでてるしさ」

 

 師匠のキチ……特異方法による魔法習得は多種族の魔力を保有して循環、自分のものとして収束発散生成をさせるってものなんだけどそこにそれぞれが持つ魂の特性がかかわってくる。

 師匠の場合は支配。保有した魔力を支配下に置いて運用してるのに対して私の特性は調和、交じり合って輪を作るというもの。これによって私が魔法を使う時、もしくは常駐させているときには各種族の特徴が私の体に反映される。

 精霊であるレヴィは踵まで伸びる薄紫の髪に眠たげな眼元、小柄な体躯の割にはメリハリのついたボディラインをしてる。その中でもレヴィが持つ特徴の一つ、薄紫の髪が私にも反映されてる。毛先に向かってグラデーションがかった感じで。

 

 そしてなによりも、死んだはずの息子が娘になって10年越しに帰ってきただなんてどう説明すればいいのやら。

 




行き詰って書けんし違うの書くかのノリで書いた話。
そのうちR18版も書くよ
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