中央歴1639年7月31日 日本国沖の鳥島沖375キロの海域
日本連邦の排他的経済水域にあと5キロの海域で、アルタラス王国の偽装商船タルコス号が帆を張り、進んでいた。そしてタルコス号の最上甲板にいたアルタラス王国王女ルミエスがやつれた顔をしていた。
(お父様…)
3日前に祖国を出たルミエス達は、日本連邦へ向かっており、目的は祖国解放の為の協力と亡命だった。
「海賊だ!全員戦闘用意ー!」
「姫様!奥の部屋へ!ここは危険です!」
「あと少しなのに!」
数分後には、海賊との戦闘が始まり、船の上から矢を打ち合う戦闘になっていた。
「帆が破れた!早く取り替えろ!これでは風神の涙も意味がない!」
「打ち続けろ!このままだと、乗り込まれるぞ!」
海賊船は2隻、タルコス号の両側に挟み撃ちで航行している。そのため人員が両側に割かれ、海賊船への攻撃力があまりないのだ。
そこに…
同海域
タルコス号から数キロ離れた地点にいた本土防衛艦隊所属南部防衛隊の吹雪型防衛駆逐艦112番艦柊では、数分前からレーダーに反応が出ていた3個の点が排他的経済水域に侵入しようとしていることを、警告するため向かっていた。
防衛駆逐艦
「どうだ?反応はまだあるか?」
柊艦長がレーダー員に聞くと
「はい。真ん中の反応を囲むように
「わかった。速度このまま、接近せよ!」
「了解」
数分後
「艦長!目視で確認したところ、3隻の反応の内、真ん中の船が攻撃を受けているようです。多分商船を狙った海賊船です。」
「よし、国際法に基づき、海賊船を撃退するぞ。戦闘用意!」
「了解」
「2連装速射砲砲撃用意!弾種徹甲弾!」
「撃ち方始め!」
13cm2連装速射砲から発射された徹甲弾は、海賊船に命中。榴弾ではないため、甲板などを貫くだけだが、航行能力を失うほどの威力があるため、四回の砲撃で海賊船2隻は、動きを止めた。
残された偽装商船タルコス号では、乗組員が騒然としていた。
「なにがおきた!」
「急に海賊船を穴が空いたぞ!」
「おい!あれはなんだ?!」
遠くを見た乗組員は、接近してくる防衛駆逐艦柊に気づいた。
「大きいぞ…こっちに来る!」
「どうする?!逃げるか?」
「無理だ。帆を取り替えるのにまだ時間がかかる。」
隣に横付けで、接近した柊は、立入検査隊を出動させた。
「我々は、日本連邦海軍、立入検査隊です。貴船の航行目的を教えてください。」
「いや…その…」
この船はアルタラス王族を乗せた偽装商船であり、今はパーパルディア皇国と戦争状態にあるため、真実を話せば、亡命を拒否される可能性があると考えていた船長は、なんと言えばいいかわからずにいた。
「私が話しましょう。」
「姫様?!」
「姫?」
「私は、アルタラス王国の王ターラ14世の娘であり、王女ルミエスです。あなた方の祖国、日本に亡命したく、ここまで来ました。」
「嘘だろ…」
「どうする?」
「とりあえず、報告をしてから本国の返答を待とう。」
「わかりました。少々お待ちください。」
その後、ルミエス達の乗るタルコス号は、比売神島に曳航され、乗組員は、怪我人などもいるため、病院などの施設へと移送された。
比売神島 連邦議会特別応接室
今日も議会が開かれ、論争を繰り返している中、3か国の総理大臣である海馬隼人、近藤文麿、岩田樹の3人は、アルタラス王国の王女が亡命目的で来訪したと聞き、議会の特別応接室で待っていた。
樹「なんでこんな時に…」
隼人「しょうがないですよ。とにかく会って話を聞きましょう。」
文麿「そうですよ。」
3人が話していると、ドアからノックが鳴る。
「総理、お連れいたしました。」
文麿「入ってくれ」
近衛の言葉でドアが開いた
ルミエス「急な来訪を受け入れていただき感謝いたします。アルタラス王国王女ルミエスと申します。」
樹「いえいえ、遠いところから遥々いらっしゃり、とてもお疲れでしょう。」
隼人「早速ですが、殿下、あなたの祖国であるアルタラス王国は、2日前にパーパルディア皇国の侵攻で降伏しました。その事を踏まえて、我々は、殿下達が日本への亡命をしに来訪したと聞いてますが、違いますか?」
ルミエス「そうです。日本のことは父から聞き、強く優しい民族が住まう国だと聞いています。これを頼りに東を目指していたところ。」
文麿「海賊船に襲われ、我が軍が海賊船に攻撃をした」
ルミエス「その通りです。お願いします!どうかアルタラス王国を救ってください!失礼を承知なのはわかっています!パーパルディア皇国に対抗できる国は、日本しかないのです!お願いします!」
樹「殿下、申し訳ないのですが、我が国は民主主義を中心とした平和主義国家です。そして今は、フェン王国での衝突に関して、関係修復と国交開設をするため行動しています。」
ルミエス「まさか…監察軍に勝ったんですか?!」
樹「はい、多分その軍に勝った模様です。」
ルミエス「……失礼ですが、パーパルディアとの関係修復は不可能でしょう…」
隼人「なぜ?」
ルミエス「お言葉ですが、あの国は、あなた方の思うほどで甘くはないのです。異常なまでのプライドの高さで勝つこと以外を知らない…貴国に敗北したとなると、遠回しではありますが、結果的に宣戦布告をしてきますよ…」
文麿「わかりました。全力で善処いたします。それでは、殿下の目の前で申し訳ないのですが、亡命に関しては…」
隼人「いいんじゃないですか」
文麿「え?」
隼人「最近開設した情報機関、
樹「確かに…それなら、ばれる可能性は低いですね。」
文麿「それに、殿下の仰ることになるのなら、皇国との戦争状態に突入しても、我々がアルタラス王国を最初に攻略し、ルミエス殿下を王として独立宣言をさせれば…」
隼人「世界中に驚きが響くでしょうね。」
ルミエス「列強国が負けることは、あり得ないというのが常識ですので、反響は凄まじいでしょう…」
樹「それでは、滞在先はどうしましょう…日本国は、全然大丈夫ですが…」
文麿「帝国は、現在も都市開発を続けており、殿下へお渡しする住居が少ないと思うので、皇国か日本国のどちらかに…」
隼人「JFIIB本部が皇国にあるので皇国でもいいのですが、あいにく皇国滞在の捜査員が少なくここは、日本国にお願いします。」
樹「わかりました。それでは日本の公安からもJFIIBへ協力いたします。」
ルミエス「何から何までありがとうございます。亡命まで許していただきなんと言ったら…」
文麿「いえいえ、お気になさらず、住居の用意に2時間程かかるとJFIIBから連絡が来たので、その間この議会でゆっくりしてください。」
2時間後 日本国 東京 某所
議会へJFIIBの捜査員が到着し、日本の用意された住居へ移動した。捜査員による住居設備の説明を聞き終えたルミエスは、ベッドに横たわっていた。
(なんとかここまできた…でもこれからどうすれば…)
そう、日本へ亡命には成功したものの、結果的には日本連邦は戦争には参加せず、パーパルディア皇国と関係修復を行っている状態で一足遅かった。
悩んでいる時に、ドアがコンコンとノックされる
「はーい?どうぞ~」
「失礼します。」
「えーと…どなたですか?」
「突然の訪問をお許しください。私は、日本連邦統合軍統括司令長官の中谷守と申します。以後お見知りおきを、王女殿下」
「まあなんと!日本の軍の最高司令官ですか?」
「まあそんなところです。」
「それで、ご用件はなんでしょうか?」
「はい。お話しさせていただくと殿下、この日本と皇国は、戦争に突入します。現時点でJFIIBが捜査したところ、秘密裏の亡命で、殿下は他国にはほぼ消息不明という認識になっています。」
「はい。」
「そこでです。私いや軍としては、戦争状態になった際は最初に殿下の祖国アルタラス王国を解放します。そして独立した暁には、全世界に皇国属領から最初の独立国として独立を宣言していただきたいのです。」
「近衛総理もそう仰れており、誠に感謝いたしています。中谷長官」
「今後も、日本の公安、
「はい、わざわざ来ていただきありがとうございます。それでは」
翌日7月31日フェン王国南西部 ニシノミヤコ沖合
「上陸目標、ニシノミヤコ」
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会話文にいちいち人物名書く書かないか
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「名前無し」
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○○○○「名前有り」