最近少々困っている事があります。
リクエストにプロD編で使うのが難しそうなものが多いんですよね。
まあ、アニメにおける3rd stageあたりまではネタに困らないのはありがたいし、プロD編のエピソード僕自身もいくつか考えてあるのでそこまで困ってはいないんですけど。
もっと問題なのは、隼人君のインプ強化のタイミングで外装パーツ(エアロ)を一部変えるつもりなんですが、それをどうしようかという事なんですよ。
決まってる部分(リアスポイラーとボンネット)は決まってるんですが、それ以外が決まらない。
特にフロントバンパー、もしくはフロントハーフスポイラー部分どうしようって状態になってます。
「こんなのどうでしょう」っていうのがあったらリクエスト募集の方にお願いします。
とあるファミレスにて
バイトの後、俺は池谷先輩に会っていた。
何でも、この前会った佐藤真子さんが“秋名のハヤブサ”と つまりは俺とバトルさせてほしいと池谷先輩に頼んできたそうだ。
それだけなら俺も快く了承した。
かなり速くて気になっていたしね。
だが、話がそれだけでは終わらない状態なのだ。
「頼む、隼人。こんな事、健二達にはカッコ悪すぎて話せないけど、お前にはちゃんと話しておくべきだからさ」
「……池谷先輩、実質的に利用されてるだけだって自覚した上で言ってるんですよね?」
「……ああ」
先輩は俺の質問に力なく頷いた。
「そういう話になってくると、『はいそうですか』って簡単には頷けないですよ。そんなの、いくらなんでも酷いでしょう?」
「隼人……。真子ちゃんの事、あんまり悪く言わないでくれ。彼女は良い子なんだ」
「なんでそこまで庇うんです? なんでそこまで先輩がしなくちゃいけないんですか?」
「頼む隼人……この通りだ」
そう言って頭を下げる池谷先輩。
やれやれ、そこまでされるともう断り辛いじゃないか。
まあ、バトルしたいって気持ちはあったし、これで良かったと考えよう。
「分かりました。受けますよ、その勝負」
「隼人……! すまない、恩に着る!」
数日後
土曜日になり、インパクトブルーとのバトルの日がやってきた。
夕方になり、そろそろ出発しようと思っていたら、親父から話しかけられた。
「お前、そういや今日バトルだって言ってたな」
「そうだけど、それがどうかした?」
「相手はどんな奴なんだ?」
「碓氷峠で最速って言われてるシルエイティだよ。“インパクトブルー”の異名で呼ばれるらしい」
「そうか。んで何だ、そのシルエイティとやらは? どこのメーカーの車なんだ?」
どうもシルエイティを知らないらしい。
まあ当然か。
俺が知らないんだから、親父だって知らなくてもおかしくない。
というか知らないのが普通だ。
「どこのメーカーでもないよ。元の車は日産車だけどね」
「?」
「シルエイティっていうのは車体は180なんだけど、フロント部分をS13シルビアのものに換装した車の通称だよ」
「ああ。要するに顔面スワップか」
「そうそう」
「勝てそうか?」
「少なくとも、相手はかなり速いね。でもまあ、大丈夫」
「分かった。勝って来いよ」
「言われなくても」
そして俺はインプレッサのエンジンを掛けて、家を出発した。
その後、拓海とイツキをピックアップして池谷先輩達と合流し、碓氷峠へと向かった。
上信越自動車道
碓氷峠に向けて隼人のインプレッサと池谷のS13が高速道路を駆けていく。
そんな中、池谷のS13に同乗していた健二が池谷に聞いた。
「なあ池谷、お前に聞いておきたい事があるんだが」
「なんだ?」
「今回のバトル、一体お前はどっちの味方なんだ?」
「どっちって言われてもな……俺はただ、あくまでバトルの仲立ちをしただけだが」
難しい顔をして答える池谷。
それに対して、健二の疑念がさらに深まる。
「お前、本気で言ってるのか?」
「………」
「隼人の立場はどうなるんだよ? お前、真子ちゃんの手前いいカッコしたいばっかりに、仲間の事を蔑ろにしてねえか?」
「そんな事……ねえよ」
「じゃあなんだよ今の間は。断言出来てないじゃねえか! お前、本当に隼人に十分勝てる可能性あると思って今回の事引き受けたのか⁉︎」
「それは……」
2人の間に、S13のCA18エンジンの音が静かに虚しく響く。
「勝ち目がないとまでは言わないけど、あまりにも難しすぎるだろ。確かに隼人はカートで経験積んで、ハイレベルなテクニックも身につけてる。車の性能だって、インプレッサはシルエイティに劣るどころか勝っている。だが、カートと峠のバトルはまるで違う。しかも、あんなに難しい碓氷のコースを初めて走るんだ。オマケに相手はいきなり地元最速。コースの慣れの差が、あまりにもデカすぎるだろ!」
「………」
池谷は健二の言葉に言い返す事が出来ない。
ただ、無言を貫くだけだ。
「練習も無しに走るんだ、アイツが勝てる望みは薄すぎる。お前だって、そんな事分からないほど馬鹿じゃねえだろ。そりゃ、どんな男でも惚れた女には弱いよ。だけど、女に入れ込んで仲間を売るような真似はするな。俺達、アイツに大事な所で助けられたじゃんか。それを忘れた訳じゃねえだろ。こんなバトル……もうやめよう。でなきゃ、お前とは絶交する……!」
「……健二、分かったよ」
パーキングエリア
「 という訳だから隼人、気の進まないバトルはやめておこうぜ。お前は次のインターで下りてUターンしろ。先方には、俺達が説明しておくからさ」
「?」
そんな事を言う健二先輩に俺は思わず頭上にクエスチョンマークを浮かべた。
「そうしてくれ。すまない隼人」
池谷先輩もそんな事を言う。
ここまで来てそれはなくない?
「……先輩方は何言ってるんですか? ここまで来てそれは、なんか逃げたみたいじゃないですか。それに何より、俺は走りたいんですよ。という訳で、引き返したりなんかしませんから」
「隼人……」
「でも、お前だって彼女のシルエイティを見たから分かるだろ。車の性能で勝ってはいるだろうけど、1度も走った事のない碓氷でいきなり地元最速の相手とバトルだなんて、いくらなんでも不利すぎる。勝ち目なんてほとんど無いだろ」
「バトルするのは俺ですよ。それに、勝ち目ないって思ってたら、初めからバトルなんて引き受けてないですよ」
「「!」」
「確かに分の悪いバトルですけど、カートでも分が悪かろうと勝った事何度かありますし。勝ち目さえあれば、俺にとって分の良い悪いは関係ないんですよ」
そして俺は自分の車に戻った。
「……さっきは悪かったな池谷、あんなキツい言い方して。ああ言われちゃうと、返す言葉がねえよ」
「ああ」
そんな話が聞こえた。
多分池谷先輩と健二先輩の間で何かあったんだろうけど、多分大丈夫だな。
その後インターを下りて、碓氷峠へと入る。
そのタイミングでイツキが話しかけてきた。
「なあ隼人、どうやって勝ちに行くんだ? 何か作戦とかねえのか?」
「作戦か……。まあ、ある事にはあるけど、ほとんど博打だな」
「ええ、そんなんで良いのかよ? 俺、お前が負けるとこなんて見たくねえよ! 何か良い作戦ねえかな……。あっ、良い作戦思いついたぞ!」
「?」
「こんなのどうかな? 碓氷は狭くてコーナーばっかだから、ちょっとフライングして前に出る!」
「なんだそれ?」
「そのあとはブロックしまくって抜かされないように走り続ければ勝てるじゃん!」
呆れ果てるくらいバカだわ、コイツ。
そんな単純じゃねえってのにさ。
「あのさ、それやるならフライングする必要ねえだろ」
「え、なんでだよ?」
「コイツは4WDのターボ車、相手はFRだぞ?」
「あ、そっか。加速で勝ってるからスタートダッシュで前取れるもんな」
「そして、そのやり方やれば9割負けるな」
「はあ?」
「ブロックするのを意識しすぎて、ぶち抜かれる未来しか見えないわ」
「ええ⁉︎ じゃあ、ブロックあんまりせずに速く走る事を意識すれば良いんじゃないか?」
「コースに対する熟練度の差で、最終的に抜かれて負ける」
「じゃあどうするんだよ! 前に出られたら、確実に引き離されて終わりじゃねえか。はあ、なんか良い作戦ねえかな……」
「そんな事、お前が考える必要ねえよ。俺は俺のやり方で勝ちにいく」
「お、おう……」
そして、スタート地点にまでたどり着いた。
「ええ〜! 本っ当に君が“秋名のハヤブサ”なの?」
「ええ」
「信じられない、あなた歳いくつ?」
「18歳ですよ」
「18……高校生……勘弁してよ」
真子さんの隣にいる女性、紗雪さんがかなり面食らってる様子だ。
「そっちだって20歳なら十分若いだろ?」
「しかも女ですからね」
健二先輩とイツキもそんな事言い出した。
正直、年齢とか性別とか俺にとってはどうでもいい。
結局のところは腕の勝負なんだから。
「年下となると尚更負ける訳にはいかないわね」
だからそんな事関係ねえだろ。
そう思わず心の中で突っ込んだ。
「それじゃあ、本題に入りましょう。バトルのやり方だけど、横一列に並んでヨーイドンっていうのがちょっと難しくってさ。狭くてスタートで前に出ちゃった方が断然有利だからね。小狡くフライングしたしてないとか揉めるのも面倒だし」
「じゃあ、どうやって?」
「先行後追い形式、要するに追いかけっこでいきましょう。先行が後追いをちぎれば勝ち、ちぎれなければポジションを入れ替えてもう一度バトル。これを決着がつくまで繰り返すサドンデスデスマッチよ」
紗雪さんがそう説明してくれた。
そういうやり方なら問題ない。
「なるほど、分かりました。それでいきましょう」
「私達は地元だから、1本目のポジションの選択権はそっちにあげるわ。先行か後追いか決めてちょうだい」
「え、良いんですか?」
「もちろんよ」
あ、これはもうほぼ勝ったわ。
この人達完全に墓穴掘ったな。
ちょっと今にもガッツポーズしたいくらいだわ。
「ちょっと待った」
「隼人、こっち来い」
健二先輩と池谷先輩がそう言ってくる。
というか強引に引っ張ってんじゃん。
そしてそこから作戦会議になった。
「このルールなら、1本目は絶対先行だな」
「ああ。2本目にもつれ込むのは確実だから、1本分練習出来るもんな」
「負けたとしても、その方がカッコつくし」
何言ってんだ、この人達は。
「何ですか、その最初から負けに行くような作戦?」
「いや、負けにいくとは言ってないが……」
「先行選んだとしても、道幅が2車線分ある以上抜かれないとは限らないでしょう?」
「「………」」
先輩2人は俺の発言に驚いている。
そんなにオカシイ事言ったか?
「でもよ、先行の方が有利なのは絶対間違いないだろ?」
イツキがそう言ってきたが、それはないと思っている。
やっぱり、一から説明してやらないと分からないか。
「少なくとも俺の場合、先行を選ぶと圧倒的に不利だ。碓氷峠は結構長い。秋名がおよそ7kmなのに対して碓氷は10km以上もある。そんな距離を何度も全開走行で攻めようもんなら、すぐにタイヤのグリップは消えてなくなる。特に、下りの時4WDは加速の時にも減速の時にもフロントタイヤに負荷がかかる。流石にウェイトの重いGT-Rやフロントタイヤだけで加速するFFほどじゃないけど、それでもバカにはできない。少なくとも、タイヤマネージメント的に考えて4WDはFRより不利だ。という訳で、そんなに本数はかけてられないのさ」
「だったら、余計に先行の方が良いんじゃないのか?」
「確かにそう思うだろうけどさ、正直なところ1本目でアレをちぎれる自信は俺には無い。それどころか、抜かれる可能性さえ考慮している。2本目までもつれ込んでそこで食らいついたとしても、3本目か4本目あたりで確実にタイヤのグリップが尽きて負ける」
「「「………」」」
俺の話に何も言えずに静かになる周囲。
「一方の後追いだが、先行を選ぶよりも勝てるビジョンがある」
「「「えっ⁉︎」」」
「だって、目の前の車と同じ走りをすれば引き離されたりしないでしょう?」
「た、確かにそうだが、そんな事出来る訳ねえだろ!」
健二先輩が言ってくるが、それはない。
「それが出来たから勝てたレースがいくつもあるんですよ! というか、半分以上それですね」
「「「はあ⁉︎」」」
「……カートをやり始めた頃、下手クソで全然上手くならなくて、負けてばっかりだったんですよ。そんな時にどうすれば速く走れるか、どうやったら勝てるかを必死に考えて走り続けました。そんな中で、相手の走りをコピーするテクニックを身につけました。相手の走りを学習して、自分の走りに落とし込む。そうやって勝ってきたんです。言わばこれは、速い相手に勝つために編み出した、俺にとっての生命線です!」
「「「‼︎」」」
「もちろん、コース知らないから上手くいかない可能性もありますけど、これについては自信あるんでなんとかします。走りをコピーしたら、あとは2本目でまるっきり同じ走りをして、車の性能差で引き離すだけです」
「な、なるほど」
「おーい、そろそろ先行か後追いか選んでくれない?」
俺達がずっと話し込んでいるのに嫌気が刺したのか、紗雪さんがそう言ってきた。
「んじゃ、行ってきます」
「隼人……」
そして、俺は2人に向き直った。
「さて、どっちにする?」
「後追いで」
「ええ⁉︎」
「嘘でしょ……?」
「それじゃあ、後ろから追っかけさせてもらいます」
「……いいわ、ちぎってやる!」
「そうね、その判断を後悔させてやりましょう!」
はてさて、それはどうかな?
そんな事を考えつつインプに乗り込む。
「ゆっくり出るから、慌てないで後ろからついてきて。1つ目のコーナーを抜けたら、そこから全開走行に入るわ。それが、バトル開始の合図よ」
紗雪さんがそう言うと、彼女らもシルエイティに乗り込んだ。
アクセルを空ぶかししてエンジンを温める。
シフトを1速に入れて、シルエイティがゆっくりと走り出したのに合わせてついていき、コーナーへと入る。
そしてコーナーを抜けた瞬間、一気に加速していった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
隼人くんの後追い選んだ理由についてですが、自分なりに結構考えて書きました。
次回ですが、ようやくバトルへと入ります。
碓氷のエピソードが終わったら、そろそろリクエストの方に手をつけていこうかなと考えています。
最後に、もしよろしければお気に入り登録及び高評価、感想をお願いします。
追伸
MFゴーストアニメ化決定おめでとうございます‼︎