頭文字D 〜公道のハヤブサ〜   作:Many56

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どうも、またしても2日連続投稿をしたMany56です。
何でこんなに投稿ペースが早いかと言うと、一時的に筆が乗りまくってアホみたいにストックが溜まりまくったからですね。
多分、これかその次あたりでこのメチャ早投稿も終わりを告げます。
さて、昨日の事なんですけど頭文字DACしにゲーセン行ったらDACの動画投稿していらっしゃるYouTuberさんに会いました。
率直に言って、自分とは桁違いに上手かったです、マジヤベエ……!
さて、とうとう拓海対涼介のバトルが始まります。
結果はいかに!


Act.23 もう1つのバトル、そして……

 

 

 

秋名山

 

俺と拓海は山頂のスタート地点に到着した。

それと同時に、周囲のボルテージは最高潮になる。

そして、バトルのための最後の準備が始まる。

ブラインドコーナーのコースマーシャルやタイムを計る要員などが峠に散らばっていく。

 

「池谷先輩、俺も行ってきます。多分、このバトルの勝負が決まるポイントに」

 

「勝負が決まるポイント?」

 

「最後の最後、最終コーナーの1つ手前のコーナーが面白いくらい勝負仕掛けて下さいって感じなんですよ」

 

「分かった。それじゃあ、一応無線渡しておくから2台が来たら教えてくれ」

 

「分かりました」

 

そして俺はインプレッサに乗り込んで秋名を下っていった。

それにしても、ギャラリーの数が凄まじい。

俺のバトルの時はあんまり気にしてなかったが、こんなに多くの人達が来ていたんだな。

しばらく走ってそのポイントに着く。

そして、そこにはすでに先客がいたようだ。

 

「黒のR32と赤いEG6……って事はあの2人かな」

 

そして案の定、予想通りの2人がコーナーの前に立っていた。

 

「どうも」

 

「「おお」」

 

2人が同時に俺に気づいた。

 

「てっきりアンタは、頂上の方にいると思ってたんだがな」

 

そう言うのは中里だ。

 

「一応顔出し程度には行きましたよ。それに、最初からここでバトルを見届けるって決めてたんで。どんな展開に転んでも、最終的にここ決まる」

 

「さすが、“秋名のハヤブサ”って呼ばれるだけの事はある。分かるヤツはここで決まると読むんだよな」

 

俺の発言を聞いて庄司が言う。

 

「さてと、そろそろ時間ですね」

 

そして10時となり、バトルが開始された。

 

 

 

●●●

 

 

 

啓介の合図の元、バトルが開始された。

隼人の時と同様、涼介はハチロクに前を譲る。

 

(隼人の言った通り前に出れた。確かに譲られた感じがする)

 

拓海は不気味な気分になりながらも、そのまま最初のコーナーへと突入していく。

そしていつも通り、最小限のブレーキングから四輪ドリフトへと移る。

当然のように、後ろからFCが食いついてくる。

 

「凄え、あのスピードでツインドリフトかよ!」

 

「初っ端から魅せてくれるぜ!」

 

さらに次のコーナーを抜けてさらにヘアピンも抜ける。

 

「凄え、どっちもよ!」

 

「それにしても、高橋涼介ってあんなにドリフトを多用するスタイルだったか?」

 

「多分、相手の得意分野でねじ伏せるつもりなんだろうな。ストリートキングの名にかけて!」

 

そのテクニックに、ギャラリーは興奮の声を上げる。

一方、涼介は拓海の成長ぶりに驚いていた。

 

(中里とのバトルの時より成長している。以前ならターンイン直後に大きめのカウンターを当てていたが、今はそれがない。少しシミュレーションを修正する必要がありそうだが、結果は変わらない。俺が勝つ)

 

そして、驚いていたのは拓海もであった。

 

(離れない、ピッタリついてくる……)

 

それにプレッシャーを感じながらも、秋名を攻め込んでいく。

そこからさらにいくつもコーナーを抜けていくが、FCは全く離れる事はなく、拓海の走りのラインとリズムをコピーしながらついていっていた。

さらに、そのプレッシャーはじわりじわりと強まっていく。

 

(ダメだ、振り切れない……! なんてプレッシャーだよ)

 

隼人のまんま言っていた通りだと感じ、拓海には気付かぬ内に少しずつ焦りと恐怖心が募っていく。

 

(いや、まだだ。まだアレが残ってる!)

 

拓海はノーブレーキングでコーナーに侵入していく。

そして、イン側の側溝にタイヤを引っ掛ける。

だが、真後ろから食いついてくるFCも同様に、タイヤを側溝に引っ掛ける。

そしてどちらも、普通ではあり得ない速さでコーナーを抜けていった。

 

(嘘だろ、溝落としも通用しないなんて……! 高橋涼介、俺なんかが本当に勝てる相手なのか……?)

 

そして中間地点を通過し、その事が無線で頂上に伝えられる。

 

「なんだと、それは本当か⁉︎」

 

『は、はい……。前回の涼介さんとハヤブサとのバトルとほぼ同じ区間タイム出てます、間違いありません……!』

 

「まさか、あの時と同じ事がもう1度起こるなんて……!」

 

その報告に衝撃を受ける啓介。

この事は、ゴール2つ手前のコーナーにいる隼人にも伝わった。

 

「そうですか、分かりました。ありがとうございます」

 

そう言って一旦無線を切った。

 

「拓海のヤツ、今頃焦ってるだろうな〜」

 

「おいおい、呑気な事言ってる場合か?」

 

「そうだろ。ハチロクの方は、お前の仲間じゃねえか」

 

隼人の発言に、中里と庄司がツッコミを入れる。

 

「いや良いんですよ、これで。アイツ、今まで自分に食らいつける相手とバトルした事ないんです。だから、今のうちにこういう経験しとくべきなんですよ。それに、早い段階で抜かれた方が良いんです。そうすりゃあ立ち直る時間が出来る。諦めさえしなければ、勝つのはハチロク、つまり拓海ですよ」

 

「へえ、断言出来るのか?」

 

「ええ。2人はバトルした事があるから分かるでしょう、アイツの凄さが。そしてそれは、アイツだけが持っているものに由来しているんです。それが、俺がハチロクが勝つと言い切れる理由ですよ」

 

彼らがそんな会話をしている内に、2台は5連続ヘアピンに突入する。

 

「来たぞ!」

 

「ハチロクが頭だ!」

 

その頃には、拓海は精神的にかなり疲弊していた。

その疲れと焦りがミスを生む。

ワンテンポ、ハチロクのブレーキングが遅れる。

 

「オーバースピードだ、曲がれない!」

 

「チクショー、曲がれぇ!」

 

拓海はそう叫ぶも、意に反してハチロクは外側に流れていく。

そして、その隙にFCが前に出る。

 

「「「うわあ……!」」」

 

「ハチロクが抜かれた……!」

 

「信じられねえ、あのハチロクがコーナーでアンダー出すなんて……!」

 

その光景に、ギャラリーからも驚きの声が漏れる。

 

(あれだけの高度なテクを持ちながら、バトル慣れしていないとは。もう少し後ろについて手の内を見せない予定だったが、前に出たからには一気に突き放して勝負を決める!)

 

そして、FCはさらに加速していった。

同時にこの事は、無線で隼人達にも伝わる。

 

「そうですか、拓海が……」

 

「ハチロクが抜かれたのか?」

 

「ええ……」

 

(諦めんじゃねえぞ、拓海。勝負はここからだからな!)

 

後ろにつく事になったハチロクも、それを懸命に追いかけていく。

その時、拓海はとある事に気付いていた。

 

(差がつかない、一気に置いていかれると思ったのに……。凄え、隼人の言ってた通りだ。速さに大して差がないんだったら、縮めるんだ。1メートルでも2メートルでも、前を走るRX-7に近づくんだ!)

 

その頃、FCの方にトラブルが発生していた。

 

(クッ……、またしても熱ダレか!)

 

前回のバトルでタイヤの熱ダレには気を使っていた涼介だが、今回もフロントのグリップが怪しくなっていた。

今回の場合は、自身の車の制御能力の差によるものだった。

涼介もコピーのテクニックは持ち合わせているものの、隼人のそれに比べれば大きく劣っていた。

当然ハチロクの走りの完全なコピーができるはずもなかった。

ほんの数センチだがハチロクよりも寄せ切れておらず、それが少しづつボディブローのように響いていたのだ。

そうとは知らず、少しずつ差を詰めていく拓海。

 

(近づいてる、差が詰まってる……。まだ負けてない、隼人の言った通り必ずチャンスは来る!)

 

そしてテール・トゥ・ノーズまでに持っていき、最後の勝負どころに突入する。

 

 

 

●●●

 

 

 

遠くから、スキール音が響いてくる。

 

「いよいよだな。あのスキール音から察するに、かなり縺れている。読んだ通りの展開だ」

 

「ゴールはすぐそこ。一か八かで仕掛けるにはここは絶好のポイントだ」

 

そうナイトキッズの2人が話している中、俺は池谷先輩に無線を繋いだ。

 

「先輩、聞こえますか? もうすぐ突っ込んできますよ」

 

『分かった。しっかり見届けてくれ!』

 

そして、2台が現れた。

 

「来ました! 前はFC、すぐ後ろにハチロクです‼︎」

 

2台はそのままストレートで加速駆けていく。

直後、後ろにいたハチロクがアウト側にラインを振ってFCに並ぶ。

 

「アウトだと⁉︎」

 

「外からじゃ抜けねえ、最短距離を突けるイン側が絶対有利なんだぞ‼︎」

 

そのまま突っ込んで来て、フルブレーキングから四輪ドリフトに移る。

直後、FCが外側へと流れていく。

 

「FCが膨らんでいく? クリップに付けねえ、このままじゃ失速するぞ!」

 

「うお、ハチロクがインを突きやがった!」

 

そして並行状態で抜けていき、そして   

 

「「「‼︎」」」

 

ハチロクが前に出た。

 

『おい、どうなった? 拓海は抜けたのか⁉︎』

 

無線からそんな声が響いてくる。

正直、衝撃のあまり完全に言葉を失ってしまった。

俺はしばらく放心状態になった後、池谷先輩に伝えた。

 

「ハチロクが……拓海が勝ちました……!」

 

その場は静寂に包まれた。

 

「たまんねえや。四輪ドリフトのままラインがクロスした時は、全身に鳥肌が立った」

 

「ああ」

 

「やっぱり、ここで待ってて正解でした。俺達は、本当のバトルを見届ける事が出来たんだから」

 

そしてその頃、拓海のハチロクがゴールラインを横切っていた。

隼人の出したコースレコードを僅かながらに上回って……。

 

 

 

●●●

 

 

 

翌日

GSゼネラル

 

スタンドでは、前日のバトルの話で持ちきりだった。

朝から、拓海のパッシングについて質問されまくっている。

 

「なるほどな。それにしてもよく分かったよな、あそこで勝負が決まるって」

 

「いやいや、あんなに分かりやすくひっくり返せそうなコーナーは秋名にないですから。俺とのバトルの時も、高橋涼介はあそこで仕掛けてきたので」

 

「そうか。しかし、これでもう秋名に挑戦しようって走り屋はいなくなったんじゃないか?」

 

「そうっすね。何せ、あの高橋涼介が2連敗を喫したんですから!」

 

「いるとしたら、それはもう県外の走り屋とかになってくるだろうな」

 

そんな話になっている。

確かに、秋名でバトルする事になるとすれば、それはもう県外ドライバーくらいなもんだろう。

なんて考えてたら、拓海がいつになく真剣な表情で話してきた。

 

「隼人、俺とバトルしてくれないか?」

 

 

 




なんと、拓海から隼人に挑戦!
という訳で次回、隼人VS拓海!
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