当てたのはHS車のNSX NC1 “PHELIOS”です。
という訳で合成用のメダル貯めて愛車レベル上げてます。
正直まだ扱いには慣れてないのでヘボヘボですね……。
さて、ついにセカンドステージに入ります。
次なる敵は一体?
Act.25 ランエボ現る
群馬のとある峠
そこでは、バトルが行われていた。
先行するのはパープルの180、直後を白いランエボⅣが追いかけている。
「クッソ、離れねえ……! だが、余所者に舐められる訳にはいかねえんだよ‼︎」
180のドライバーは、脂汗を垂らしながら懸命に逃げようとしているが、ランエボを振り切る事が出来なかった。
「へっ、チョロいもんだぜ」
一方で、ランエボのドライバーは余裕の笑みを浮かべて180を追いかけ回している。
そして、コース終盤のコーナーで呆気なく180を抜き去り、そのままゴールラインを横切った。
「ヒエェ、あのエボⅣバカっ速え!」
「チクショーッ‼︎」
そしてバトルの後、180のドライバーは悔しそうに自分のチームのステッカーをエボⅣのドライバーに渡した。
その後、エボⅣのドライバーの隣にいた頭にタオルを巻いている男がカッターを取り出して、それでステッカーを真っ二つに裂いた。
「「「‼︎」」」
180と同じチームメンバーが驚いている合間に、エボⅣのドライバーは自分の車のリアウイングのサイドパネルにその裂かれたステッカーを逆さまにして貼り付けた。
「これでよし!」
「おい、何すんだよ!」
「何って、見りゃ分かるだろ。昔の戦闘機乗りがやってた、撃墜マークと同じ様なモンさ。結構イカしてるだろ?」
「……クソがっ!」
「俺達『エンペラー』が、1ヶ月で群馬エリアを総ナメにしてやる。ランエボ使いこそが、峠のキングだ」
タオルを巻いた男がそう言うと、エンペラーのメンバーは車に乗り込んで峠から去っていった。
拓海とのバトルから少し経ち、またいつもの日常に戻っていた。
今日は休日なので、暇つぶしと気分転換に俺はイツキと拓海と一緒にハチゴーで秋名湖に向かっていた。
「はあ、なんで俺が運転してんだか……」
イツキがそう愚痴を溢す。
「しょうがねえだろ。拓海んとこのハチロクは親父さんが使う用事あって、俺のインプレッサはミッションがイカれちまって修理中なんだからさ」
「分かってるよ。にしても、慣れてくると余計に上りが遅く感じるよ、俺のハチゴー。全然パワーねえんだもん」
「ふーん」
興味なさげに拓海がそう言う。
「俺さ、貯金してハチゴーにターボ付けて改造しようかなって思ってるんだ。絶対速くなるぜ!」
「ターボって後から付けられるのか? 車買った時に最初から付いてくるもんだと思ってたんだけど」
「まあ、俺のインプレッサや池谷先輩のS13みたいに最初から付いてる車もあるんだけど、ボルトオンターボって言って後付けも出来るんだよ。そもそもターボってのは、タービンで空気を圧縮してエンジンに送り込む機構なんだ。吸気のところに排気ガスで動くタービン取り付ければそれでターボエンジンの完成って訳」
「へえ……」
「手っ取り早くパワー出すには、ターボ1番なんだよな。もしも俺のハチゴーにターボ付けて、池谷先輩のS13や健二先輩の180にストレートで勝っちまったら、きっとビックリするぞ! なんなら、隼人のインプレッサにも追いつくかもな!」
興奮気味にそう言うイツキ。
「ないない。同じターボならブースト圧上げないと元々の排気量の差が出てくるし、ハチゴーのエンジンはSOHCなんだからストレートじゃどうやっても勝てないって。それに俺のインプレッサは四駆なんだぜ、FRとは
「何だとー!」
そんなやり取りをしていると、後ろから凄いエンジン音が聞こえて来た。
「イツキ、後ろから速いの来てるぞ。早く避けろ」
「え、ええ⁉︎」
イツキが慌てている間にもあっという間に追いついてきて、そのまま抜き去って行った。
「ら、ランエボだ!」
「ランエボ?」
目の前のランエボはそのままの速さでコーナーに突っ込んでいく。
そして勢い落とさず立ち上がっていく。
「見たかよ、今のエゲツない加速!」
叫び散らかすイツキ。
リアクション激し過ぎんだろ。
R32っていうアレよりヤバい加速する車あるでしょうが。
「あ、ああ。なんだか、隼人の車に近い感じの動きしてたように見えたんだけど」
「そりゃ、ランエボもインプレッサと同じターボエンジン搭載で4WDだからな」
「やっぱり凄えよな、4G63エンジン。たった2リッターなのに280馬力だぜ。しかも、それをフルに活かしてくる4WD。アレこそターボパワーの真髄だよ……!」
「そうか。2個のタイヤじゃ使えないようなパワーでも、4個になれば楽に使えるんだ。だからあんなに速いんだな」
まさか拓海のヤツ、今更気付いたのか?
やれやれ、コイツはどんだけメカ音痴なんだよ……。
しばらく走っていくと、湖畔に到着した。
すぐそこには、さっきイツキのハチゴーを抜いていったランエボⅣが停められていた。
そばでは、車の
「うわぁ、さっきのランエボがいるぞ。なんだか嫌な感じがする……。どこかの走り屋なのかな?」
ビビるイツキ。
「そんなに気にする事はねえだろ」
「そうだよ、イツキ。んじゃ俺、缶コーヒー買ってくるよ。イツキと隼人はどうする?」
「あ、じゃあ俺も同じの頼むよ」
「俺も同じヤツでよろしく」
「オッケー」
拓海はハチゴーから降りて、自販機のところに向かった。
ランエボⅣの男はこっちに気付くと、こちらに向かって歩いて来た。
「よお、ちょっと道聞きたいんだけど良いか?」
「は、はい……」
愛想笑いをしながら車を降りるイツキ。
やれやれ、頼りない感じだ。
俺も降りて、一緒に道を教える事にした。
「 それで、この道をこう行けば近いですよ」
地面に道を描きながら、俺はそう説明した。
「そうか、ありがとよ。分かりやすくて助かったぜ。ところでもう1つ聞きたい事があるんだがよ、この秋名で速い走り屋は誰なんだ?」
「速い走り屋ですか?」
「ああ、そうだ」
「もしかして、“秋名のハチロク”に挑戦しようと?」
男の言葉にイツキが返した。
「俺達がハチロクに挑戦だ?」
「「プッ、ハハハハハ」」
それを聞いて2人揃って笑い出した、
「冗談は顔だけにしてくれよ、レビンの少年。ハチロクに勝ったところで誰も褒めてくれやしねえよ。それどころか、チームの仲間に笑われちまうぜ。ハチロクなんぞに乗ってるヤツは、アウト・オブ・眼中! 頼まれたってバトルなんかしねえよ」
ほーん……言ってれるじゃねえか、このクソ野郎。
俺の
言い返してやろうと思ったが、イツキの方がもっとキレていた。
「“秋名のハチロク”を、まだ1度も見たことないくせに……!」
「ああ?」
「そういう事、言わないでほしいな。あのハチロクは、色んな強敵とバトルして勝ってきて、負けたのただの1度だけ! FCにも、FDにも、R32にだって勝ったんだぞ‼︎」
「ほーん……そりゃ相当の下手クソが乗ってただけじゃねえのか?」
「下手クソなんかじゃない! 群馬エリアじゃトップクラス走り屋ばかりさ!」
「ふーん……。レベル低いね、群馬エリアは」
「何だと!」
「ストップだ、イツキ。そんな挑発に乗るな!」
「隼人の言う通りだよ。気持ちは分かるけど落ち着けって」
戻ってきた拓海と一緒に、2人がかりでイツキを止める。
「お前もだ、清次。そこまで言う事はない。別に喧嘩しに来た訳じゃねえんだからよ」
タオルを巻いた男がそう言った。
そして、コッチに向き直る。
「悪かったな、俺の連れはちょいと口が悪いんだ。誤解の無いよう言っておくが、そのドライバーを貶すつもりはない。そのハチロクのドライバーは、相当ハイレベルな腕の持ち主だ。だけど、車がダメだ。今の時代に、ハチロクではダメなのさ。そういや、1度だけ負けたらしいな? 車種はなんだ?」
「GC8型のインプレッサWRXですよ」
タオルの男の質問にそう答えた。
それが俺である事を言う必要はないだろう。
「なるほど……」
「やっぱりな。インプレッサに負けたんであれば、ランエボが負ける理由はない。そのドライバーに伝えておけ、もう少し
そう言い残すと、2人はランエボⅣに乗り込んで去って行った。
「んぐぅ……クッソー、メッチャ悔しいよ‼︎ 拓海、お前あそこまで言わせて良かったのかよ⁉︎」
「確かに、俺もかなりムッとしたけど……」
「だったら何か言い返せよ!」
「でもさ、メチャクチャエキサイトしているイツキ見てたら、何か冷静になってさ……」
「右に同じ、流石に興奮しすぎだ。正直、今にも腹わた煮え繰り返りそうだけど、あんなに表に出してるイツキ見てたら逆に冷静になるって」
「そうそう。それに、今までだってああいう事言うヤツはいたじゃんか。だから言い返したって仕方ないよ、速いか遅いかなんて実際に走ってみないと分からないんだし」
「そりゃそうかもしれないけどさ……ずっとハチロクに憧れてた俺としては、あそこまでハチロクをバカにされちまったら黙ってられないよ! 確かに古い車ではあるし、ターボはなくてパワーもそんなにないよ。でもよ、好きなヤツにとってはどんな車にも負けない凄い車なんだよー‼︎」
「はいはい、分かってるってお前のハチロク好きはさ」
「ほら飲めよ、コーヒー」
「サンキュー、隼人、拓海」
そう言って、イツキは缶コーヒーを一気にグビッと飲んでいく。
「拓海、お前なら勝てるよな? 下りでランエボに勝って、あの生意気なロン毛野郎の鼻っ柱をへし折ってくれよ!」
「そう言われても、向こうがやる気ないみたいだから……」
「大丈夫だよ、俺のインプレッサとなら向こうもやる気になるはずだ。というかさ、俺の手で直接完膚なきまでに捻り潰してやらないと気が済まないんだよね……‼︎」
「「お、おう……」」
なんだか2人がちょっと引いてたような気がするけど、きっと気のせいだ。
「それでもさ、俺は拓海にもバトルして欲しいな。そうだ、ターボだ! ハチロクにターボ付けてパワーアップしたら凄い事になるぞ、拓海‼︎」
翌日
GSゼネラル
俺達は、昨日会ったランエボの事について話していた。
「なるほど、そんな事があったのか。確かにそのランエボ野郎ムカつくな」
「でしょ、やっぱり池谷先輩もそう思いますよね!」
「もしかしてそれ、この前サンダーファイアのところに乗り込んできたエンペラーってチームじゃないか?」
健二先輩が話に混ざってきた。
「なんでも、栃木の日光あたりから来たランエボだけのワンメイクチームらしい。なんかやたらと威張ってて、でもメチャクチャ速くて、サンダーファイアは散々な目に遭ったらしい」
「俺もその話聞いたよ、健二」
「群馬エリアを総ナメにするって言ってたから、近い内に秋名に来るかもしれないな」
そう言われて思い返すと、あのランエボⅣには『Emperor』って書かれたステッカーが貼られていたな。
「なるほど、昨日のは偵察だったって訳か」
「ランエボは流石にキツいよな。相手の実力次第じゃ、拓海でもヤバいんじゃないか?」
そう弱気な発言をする健二先輩。
「まあ、秋名に限れば何とかなると思いますけどね。あの高橋涼介にも勝てたし、俺ともほぼ互角の勝負だったんですから」
「隼人の言う通り、秋名に限ればそう簡単に負けたりはしないだろう。隼人の駆るインプレッサをあそこまで追い詰めたんだ、ランエボ相手にも勝ち目はある。だが、この先拓海はどんな場所でどんな相手とバトルするか分からない。それを考えると、ハチロクの戦闘力アップは絶対必要だな」
「そうでしょ、そうでしょ! だから俺言ってるんですよ、ハチロクにターボ付けようぜって!」
「おお、イツキにしては良い意見だ。他の車に乗り換えるっていうのがもっと手っ取り早いかもしれないけど、拓海がハチロク以外の車に乗るっていうのはピンと来ないもんな」
「そうだな。拓海には、あくまでもハチロクにこだわってほしいぜ」
イツキの考えに、池谷先輩と健二先輩も乗る。
しかし、ターボねえ……。
下りだけの戦闘力を追い求めるならそれはナシだと思うな。
ターボは確かに簡単にパワー出せて魅力的だけど、パワーが出過ぎる事もあるんだよね。
特にコーナーの立ち上がりなんかは、車の挙動を乱しかねない。
いわゆるドッカンターボにしようもんなら、急にドカンとパワーが出るからね。
というか、俺のインプレッサは純正の時点でドッカンターボだし。
それに、出力が向上したエンジンに対応出来る足回りも一から組まないといけない。
俺としては、スーパーチャージャーが1番だと思うな。
ターボほどパワーは出ないが、ターボラグが発生しないし挙動も安定させやすい。
要するに走行性能に安定感があり、下りでの速さを追い求めるのなら持ってこいなのだ。
その事を話そうとしたのだが、すでに拓海とターボの話になっている。
割り込むタイミングを逃してしまった。
当の拓海だが、ターボチューンにはあまり乗り気ではないらしい。
そもそもハチロクが親父さんのものだからってのもあるみたいだけど。
同時刻
赤城山頂上
駐車場には白いFCが停まっている。
高橋涼介だ。
そこに1台の白い車が走ってくる。
先日、隼人達が出会った白いエボⅣだ。
そのエボⅣは涼介の前で止まると、中から男2人が降りてきた。
「久しぶりだな、涼介」
「須藤京一、やはりお前だったか。群馬に何の用だ?」
「別に大した事じゃねえ。この頃、地元の栃木に遊び相手がいなくなっちまったから退屈していてな、だから活きの良い遊び相手を探しに来たって訳だ。しばらく、このエリアで遊ばせてもらうつもりだ。とりあえず今日のところは、挨拶回りをしに来たのさ」
「律儀な事だな、好きすれば良い。ただしこの赤城では、お前らにとって面白くない遊びになるだろうぜ、俺達レッドサンズがいる限りな……!」
「相変わらず強気だな、涼介。お前こそ覚えておけよ、今の俺はお前に負けた1年前とは違うって事をな。あの時のバトルでは負けたが、今度は俺が勝たせてもらう。俺の全勝記録を止められたお返しだ、今度は俺がお前の全勝記録を止めてやる!」
「フッ、それはどうやっても無理な話だな」
「何だと? 俺がどうやっても勝てないと言いたいのか⁉︎」
「それもあるが、例えお前が勝ったところでお前が俺の全勝記録を止めた事にはならない。何故なら、つい最近俺の記録は止まってしまったからな。なんなら、今は2連敗中だ」
「な、なんだと……! 一体誰が……⁉︎」
「秋名の2人の走り屋にさ。1人は、“秋名のハヤブサ”と呼ばれている白のインプレッサ。そしてもう1人は、“秋名のハチロク”と呼ばれるパンダトレノだ」
「……‼︎」
「引退しようと考えていたんだが、お前に勝ち逃げと言われるのも癪だ。リターンマッチに応じてやっても良い。バトルの前の日には他のチームにも話をつけて赤城のコースを開けてもらうから、存分に走り込むといい」
涼介はそう言い残すと、FCに乗って赤城を下って行った。
「あの野郎スカしやがって。追いかけて野郎のケツを突き回してやる!」
「無理だ清次、お前には勝てない」
「何だと、俺があんな優男に勝てねえって言うのか? 型落ちのFCだし、オマケにハチロクなんぞに負けるようなヤツじゃねえか!」
「バカ野郎が、高橋涼介を甘く見てんじゃねえ‼︎ この俺が、あのFCに完膚なきまで叩きのめされてんだからな‼︎」
(まさか、あの涼介が負けたとはな。秋名のガキが話していたハチロク、恐らくそいつが涼介を倒したんだろうな。それに“秋名のハヤブサ”も厄介そうだ。そのハチロクが唯一負けた相手がインプレッサだと言っていたが、それは恐らく涼介の言っていた“秋名のハヤブサ”に違いない。涼介を倒したその2人は一体何者なんだ?)
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