設定も一応作っておいたのでご覧になって下さい下さい。
因みに、1話で隼人くんのインプを2ドアクーペにしましたが、変更して4ドアセダンにしました。(意外とクーペよりセダンの方が種類多いんだな……。よく考えたらドリスピに実装されてるGC8インプも4ドアセダンだし)
それに合わせて1話の方にも2ドアクーペから4ドアセダンと書き換えました。
さて、今回は拓海メインの回です。
というかしばらく拓海メインの回続きます。
頂上のスタート地点に戻ると、スピードスターズのメンバーが大歓声で迎えてきた。
「隼人ー! すごかったぞ!」
「ああ。まさか、あの高橋啓介に7秒もの大差をつけて勝つなんてな!」
「最初は色々心配だったけど、蓋を開けてみれば完全勝利だったな!」
イツキ、池谷先輩、健二先輩と全員感激しすぎじゃない?
「いやいや、半分は車の性能のおかげですよ。十分に馬力があって、トータルバランスも良くて、何より扱いやすい。この車だったからこそ勝てたんですよ」
「謙遜しすぎだよ。いくら車が速くても、それを完璧に使いこなせるだけのドラテクがなけりゃ、勝てないだろう。それに、1週間しか車とコースに慣れる期間が無かったんだから。それでこの結果を出したお前が凄いんだよ」
「そうそう。今度、色々と教えてくれよ! ドリフトのやり方とかライン取りとかさ」
「あはは、ありがとうございます」
確かに謙遜もあるけど、マジで車が良かったんだって。
親父のソアラと比べて本当に乗りやすい。
曲がる、止まるについてはおそらくソアラを上回ってる。
加速だって4WDだから、低速域ならインプの方が速い。
そんな会話をしていると、高橋啓介さんが話しかけてきた。
「よお、ちょっといいか?」
「……ええ、なんでしょう?」
「……今回のバトル、俺の敗北だ。冗談抜きに、お前の方が速かった。だから勝ち続けろ。俺がお前に勝つまで、絶対にどこの走り屋にも負けるんじゃねーぞ」
「言われなくても勝ち続けるつもりですよ。相手がどんな強敵だろうと、負けるつもりなんてありませんから」
「そうか、ならいい」
そして、啓介さんはハチロクへと目線を移す。
「ところで、そこのハチロクのドライバーは?」
「ああ、俺です」
拓海が手を挙げて答えた。
「随分と若いな。来週の土曜日に、俺はお前にリベンジする」
「「「ゑ?」」」
その言葉にスピードスターズのメンバー全員がフリーズする。
「い、いや、ちょっと待ってくれ! 確かにそうだが、正確にはこのハチロクはコイツの親父さんの車であって、アンタを抜いたのも !」
「いや、拓海で合ってますよ。啓介さん抜いたの」
「「「ゑ⁇」」」
再び凍りつくスピードスターズのメンバー。
「んで、どうするんだ、拓海? 挑戦、受けるの?」
「……少し、考えさせて下さい」
「じゃあ来週の土曜9時、ここで待ってる。やる気があったら来い」
啓介さんはそう言い残すと、レッドサンズのいるところへと戻っていった。
ヤバい、ニヤケが止まんねえ。
「な、何だよ?」
「いやあ、面白くなって来たなって思ってさ」
直後、フリーズ状態から解放された池谷先輩が聞いてくる。
「お、おい! それは本当なのか⁉︎」
「え、ええ、まあ」
「で、でもどうして……いや、ちょっと待て! なあ拓海、秋名湖へのとうふ配達ってもしかしてお前がやってるのか?」
「ええ、5年くらい前から」
「5年前からだって⁉︎」
それを聞いて、納得した顔になった。
「⁇」
一方、イツキはポカンとしていて話についていけてない様子だ。
「秋名を走らせたら、もしかしたら俺より速いんじゃないですかね?」
「……それは確かに、あり得そうだな。現に、2人ともあの高橋啓介をぶち抜いてる訳だし」
「でも俺、信じられないっすよ、池谷先輩! だって拓海は、ついこの前までハチロクさえ知らなかったんですよ⁉︎」
あ、やっとイツキも話を理解した様子だ。
でも、それとこれは関係ないだろ。
「5年も秋名を毎日往復してたら、車の知識関係なしに上手くなるって、イツキ」
「そうだな、俺も隼人と同意見だ」
池谷先輩も同じ意見らしい。
「せっかくなんだし、ちょっと拓海に秋名をハチロクで下ってもらいましょうか」
数十分後
ギャラリーもほとんど帰っていき、残っているのはスピードスターズのみとなった。
秋名山の頂上、料金所跡にはハチロクの4A-Gエンジンの音が響き渡る。
「なんだろ、この感じ。スッゲェ緊張してきた」
「いいなあ。毎日欠かさず5年間も走り込んだんなら、相当良いのが見れるはずだから」
「そんなに良いもんじゃないと思いますけど……。それじゃあ、行きますよ」
「おう!」
そしてハチロクは飛び出していき、1分足らずで戻ってきた。
「どうしたんだろ? こんなに早く戻ってくるなんて」
「なんか車にトラブルでもあったのかな?」
そんな事を話し合いつつ、停車したハチロクの中を覗いた。
そこには、ヨダレを垂らして失神した池谷先輩がいた。
「「「失神してる!」」」
特にイツキが驚いていた。
「おい、拓海! いくつめのコーナーだ?」
「えっと、3つ目」
「えええええ‼︎ 断末魔が鳴り響く恐怖のダウンヒル! 池谷先輩コーナー3つで……失神事件‼︎」
なんか変なリアクションだな、イツキ。
それはそうと、そんなに凄いのか?
「じゃあ、次俺乗るわ。俺とどう違うか気になるし」
「お、おう。気をつけろよ」
失神した池谷先輩を降ろして、代わりに俺が乗る。
「それじゃあ、行くよ」
「ああ、頼む」
そして再び料金所跡を出発するハチロク。
グングンと加速していき、第1コーナーが見えてくる。
さーて、どんなコーナリングを見せて……って、ブレーキングは⁉︎
ていうかオーバースピードだろぉ‼︎
そう考えた瞬間、コーナーに入るギリギリのところでブレーキングをし、4輪ドリフトで突っ切って行く。
ここまでブレーキング僅かなのかよ!
そして、俺以上にガードレールギリギリまで寄せてコーナーを立ち上がるハチロク。
そしてすぐにキンコン鳴り出す。
ハチロクでこの短いストレートで100キロ超えんのかよ!
そしてすぐに次のコーナーへと入っていく。
やっぱり速すぎぃ!
そして色々と苦しみながら下っていき、そして頂上へと戻っていった。
「ハア、ハア、ハア……」
なんてまあ心臓に悪いドライブだろう。
「ど、どうだった?」
健二先輩が聞いてくる。
「いやあ、ヤバかったですよ。あそこまで限界ギリギリのブレーキングはマジでヤバかったですね。そしてそこからは全開の4輪ドリフト。あんな速さで曲がる車は初めてですよ」
「マジかよ……! あれだけ速い隼人でさえ、異次元体験するほどの走りだったのか……」
「俺達には、もう想像できないほど凄いんだろう。一体どんなチューニングされてるんだろうな?」
イツキと健二先輩が言う。
「チューニングは、足回りとボディだけなんじゃないですかね。加速から考えて、エンジンは大していじってないんだと思います」
まあ、足回りを考えてもあの速さはやはり異常だな。
コイツのテクニックの底が知れねえわ。
その後、スピードスターズのメンバーが何人かハチロクの
やっぱり拓海の奴ハンパないわ。
その後、軽く流しながら秋名を下り、帰宅した。
ちなみに俺のペースについて来れたのは拓海のハチロクだけだった。
やっぱりおかしいわ、アレ。
そんな事を考えつつ帰宅。
「ただいま」
「お帰り、兄ちゃん。今日のバトル、勝ったの?」
出迎えてくれたのは妹の希里江だ。
「おう、ちゃんと勝った」
「やっぱ、そうだよねー。でもその割には元気なくない?」
「勝ったのは良いんだけど、そのあとに経験した事が事件なんだよ。同級生に藤原拓海ってやつがいるんだけどさ、ソイツがメチャクチャ速かったわ。ハチロクのくせして」
「ふーん。何か、すごいチューニングを施されてでもいたの?」
「いや、足回り以外はほぼいじってない感じだった。拓海のエグいテクニックで、ダウンヒルがとんでもない事になってるって感じだ。まあ、そういう訳でちょっと疲れたんだ」
「ほう。文太から聞いてはいたが、やっぱりアイツの
感心した様子で親父が部屋に入ってきた。
「なんだ。知ってたんだ」
「まあな。どうする? アイツに対抗できるよう、お前のインプもいじるか?」
「それはいい、強化した足回りだけで十分。親父に任せると碌でもない車に仕上がるだろうからね。頭イカレたチューンされるのは親父のソアラだけでいいでしょ」
「おいおい、その言い方はないだろう」
「ソアラの7M-GTEUをA70型スープラ仕様にするだけじゃ飽き足らず、ターボ増設して400馬力近く絞り出すようなチューニングしている時点で大概だっていうのに、今度は2JZに載せ換えようと考えるなんて、頭イカレてるとしか言いようがないでしょうが」
「外観も色々ヤバいしね。カーボンボンネットにGTウイング、フロントスポイラーに至っては自作。エンジン積み替えようものなら、もはやソアラじゃなくなるね」
俺に続いてキリエも突っ込む。
チューニングの腕は良いけど、ちょっとやる事が頭おかしいからね、親父は。
翌日
群馬エリアの走り屋達には、とあるドライバーの話が広がっていた。
それはここ、妙義山でも同じ事だ。
「なあ、聞いたか? レッドサンズの高橋啓介を破ったインプの話」
「ああ、“秋名のハヤブサ”の事だろ」
「でもそれ、ただ車の性能が良かったからじゃないのか?」
「いや、噂じゃ最近買ったばかりで、ほとんどノーマルの状態だったそうだぜ。実際、1番長いストレートの所でギャラリーしてた奴に聞いたんだけど、ストレートの伸びでインプが離されてたらしいからな」
「おいおい、マジかよ! それで高橋啓介に勝ったのか?」
「しかも、7秒差で圧勝したんだとよ」
「な、7秒⁉︎」
「いくらなんでもヤバすぎだろ」
「しかも、その前にはハチロクにちぎられたそうだぜ」
「ハチロクなんかに?」
そんな会話を聞きつけた男がいた。
その男は、黒のR32スカイラインGT-Rから降りてきた。
「おい。その話、詳しく聞かせろ」
「ああ、中里さん。来てたんすか」
「コレは、俺の知り合いから聞いた話なんですけど 」
そして、彼らは中里に話のあらましを話した。
「なるほどな。秋名には、思いの外良い獲物がいるらしい。今度、秋名でそのバトルを見物しに行くぞ」
金曜日
啓介が拓海にバトルを指定した日の前日である。
バイトを終えて家に帰ると、父親である文太が新聞を読んでいた。
そのまま2階の自室に戻ろうとした時、ふとある事が脳裏によぎった。
クラスメイトの茂木なつきと一緒に海に行くと約束した事だ。
(車ないと、行けないよな)
「なあ親父、今度の日曜日に車使って良いか?」
「日曜? ダメだ」
「何でだよ? 配達の仕事はちゃんとやるからさ」
「そんな問題じゃねえよ。商工会の寄合で、俺が使うんだ」
「マジかよ……。俺どうしてもその日使いてえんだ。あんなボロでも、無いと困るんだよなあ。どうしよう……」
「ははーん。さては、女だな」
「良いだろ、なんだって! 俺、勝手に乗っていくからな」
「キーなきゃ車は動かねえよ。紐つけて首に下げとこうか」
「何だそれ、きたねー!」
「ま、どうしてもって言うんなら考えてやっても良い」
「本当か⁉︎」
「ただし、条件がある。この前、お前赤城最速とか吹かしてるガキに挑戦されたそうじゃねえか?」
「そうだけど、何でそれを?」
「ちょっと小耳に挟んだんだよ。ソイツを軽く捻ってこい。秋名の下りでな。そうすりゃあ車は無条件で貸してやる。なんなら、ガソリン満タンのオマケもつけてやる」
「ガソリン……満タン!」
「どうする?」
「……分かった。やるよ」
翌日
今日も秋名山には多くのギャラリーが集まっている。
「また秋名スピードスターズと赤城レッドサンズのがバトルするなんてな。先週の雪辱戦か?」
「なんでも、ここであの高橋啓介がインプレッサ以外に1度負けてるらしいんだ。そのリベンジなんだとよ」
「“秋名のハヤブサ”以外にか?」
「ああ。なんでも、偵察に来た時、パンダカラーのハチロクに負けたんだとよ」
「ハチロクだあ?」
「本当かよ、それ」
「ハチロクなんかに、あの高橋啓介が負けるとは思えないが」
道沿いにいるギャラリーがざわついている。
そして、頂上にはすでに赤城レッドサンズや秋名スピードスターズのメンバーが揃っていた。
「拓海、来ますかね?」
「俺達は信じて待つだけだ」
あの日から1週間が経ち、高橋啓介と秋名の無名のハチロクの勝負の日となった。
俺は今、藤原とうふ店の前に来ていた。
ひょっとすると、来てくれないんじゃないかと心配になったのだ。
店の前では、拓海の親父さんがタバコをふかしながら新聞を読んでいる。
「今日はもう閉店だぞ」
「ああ、いや、そうじゃなくて。拓海……じゃなくて、息子さんいらっしゃいますか?」
「おお、そろそろ出発するつもりみたいだぜ」
どうやら杞憂だったようだ。
「あれ、なんで隼人がここに?」
「ああ、その、迎えに来たんだよ」
「別にそんなもんいらねえって」
「ははは、そうだな」
そう言って、車の前で立ち止まる拓海。
「どうかしたか?」
「いや、何でもない」
「まさか自信無いとかじゃ無いよな?」
「別に、そんなんじゃねーよ」
「そっか……」
そんな会話をした後、俺達は秋名山へと向かった。
しばらく車を走らせると、秋名山の麓に到着した。
そこにはすでに、多くのギャラリーが集まっていた。
先週と良いとこ勝負くらいじゃなかろうか。
麓の駐車場も、ほぼ満車状態である。
そこでは、ギャラリーが色々と話していた。
「おい、もしかしてアレか? 高橋啓介をちぎったっていうハチロクは」
「そうらしい。後ろにハヤブサもいるし、多分間違いない」
「でも、ぱっと見はどノーマルのパンダトレノだぜ。あんなのが高橋啓介のFDよりも速いのか?」
それを横目に見ながら、俺達は峠を上っていく。
そして、頂上にたどり着いた。
そこにはすでに先輩達や、レッドサンズのメンバーが集まっていた。
ハチロクはすぐにFDの隣に並べられる。
俺はスタート地点横のスペースに車を停めた。
「そういえば、まだお前の名前を聞いてなかったな」
「藤原拓海です……」
「覚えておくぜ。俺は高橋啓介だ」
そして、バトルが始まった。
スタートダッシュではハチロクが置いていかれたが、拓海の驚異的なテクニックでハチロクがコーナーで詰めていき、スケートリンク前のストレートでFDに追いつく。
「何、啓介が?」
『ああ、煽られてる。異常だ、秋名のハチロク。メチャクチャ速い。下手したら、コーナリングはハヤブサより速いかもしれないぜ』
そして、5連続ヘアピンで勝負が決まる。
『啓介が抜かれちまった! 呆気なく、インからスパーンッと!』
「おい、そんな説明じゃあ全く分からん。ちゃんと説明してくれ!」
「いや、俺達にもよく分からねえんだ。車ってのはタイヤのグリップ以上のスピードじゃあ絶対曲がらないもんだろ……。それなのにあのハチロク、インベタの苦しいラインなのにまるでジェットコースターに変な曲がり方をしたんだ」
拓海が何をしたのか、周囲は全く分からないといった様子だった。
ただ1人、中里を除いて。
「なるほど、そういう事か」
(あのハチロク、道路脇にある溝にタイヤを引っ掛けて、普通は曲がれない速さで曲がっていきやがった。単純な思いつきだが、誰にでも出来るテクニックじゃあない。世の中にはとんでもないバカ野郎がいる。楽しみが1つ増えたぜ)
レッドサンズのメンバーが衝撃に包まれている中も、拓海のハチロクは啓介のFDを突き放していく。
そして、ゴールに着いた頃にはなんと7秒差となっていた。
「「「えええええ〜‼︎」」」
「勝っちゃいましたよ、あのボケた拓海が!」
「隼人と同じくらいのタイムで、7秒差でゴールするなんて、凄すぎるぜ!」
「こりゃ、隼人と拓海がバトルしたらいい勝負になるんじゃねえか⁉︎」
イツキ、池谷、健二の順に言う。
またしても、秋名の走り屋の快進撃に沸き立つスピードスターズであった。
だが、隼人はどこか悔しそうだった。
(健二先輩はいい勝負になるって言ってるけど、勝負したら俺が負けるだろうな。俺はコース中盤のヘアピンで抜いてから、残りのコース半分使って7秒差まで持っていったけど、アイツはそこからさらに行った5連続ヘアピンで抜いて、残ったコースの3分の1だけで7秒差まで持って行った。拓海の方が速くなくちゃ、こうはならない)
隼人としては、どこか苦い気持ちが生まれていた。
最近アーケードのオンライン対戦勝てないんですよね。
今シーズンの勝率3割切ってる。
結構惜しいのもあるんですけど勝てない……。
黄色のオーラ手に入ったところから進まない。