何かとこの作品、シャチの事確認してくるのでそこそこ面倒だったりするんですよね…
後、博多弁はちゃんと調べたのか?
まあ愚痴っても仕方ないので、良ければお楽しみください!
祠堂「というわけで君には区立第二高等学校にいってもらうよ。」
区立第二高等学校は学生身分の獣人が通う学校。「ヒトミ」もいるし、石田財閥の「河馬」もいる。
岡島「新しい派遣外部体育講師の「黒田 水翔」先生。何か困ったことあれば聞くとよか。」
闘獣士「河馬」。二年前のデストロイヤルで石田財閥の闘獣士として参戦していた獣人。
尊夫人曰く、「私の言う通り、他人の命をも蔑ろにしない家族思いの優しい人」らしい。家族ぐるみで石田財閥に恩があるのだろう。
黒田「どうも。管理局直轄課から来ました「黒田 水翔」です。部活は水泳部を担当します。よろしくお願いします。」
祐「ちょっ…はぁ!?アンタ!!!」
来た時から目に入っていたがやはり昨日の獣人、「牙魔猫」が反応した。
純「祐ちゃん知り合い?」
岡島「そこ2人、今は談笑する時間ではなか。」
純「ごめんなさい!」
黒田「まぁ…とりあえず授業しますか?」
授業と言っても俺がやることは特にない。せいぜいレポートの回収程度。怪我人はそうそう出ない。
授業後、前回授業のレポートを回収しに来たのだが…
純「あっ、黒田先生!ちょうどいい所に!今日の放課後ってお時間空いてますでしょうか?」
黒田「空いてるけども…どうしたの?」
純「祐ちゃんから聞きました!強くなるコツとか教えてくれませんか?」
横に座っていた本人をチラりと見ると「あちゃ〜」とでも言いたげな様子だ。
そもそもシャチに強くなるコツなんて聞いてどうする。
黒田「強くなるコツね………それって手合わせとかもしたいって事かな?そうなるとちょっと厳しいかもしれないけれど…。」
今日来たばかりなのだから放課後に水泳部に顔を出さなくてはならないし、もしかしたら飲みに連れていかれるかもしれない。祠堂には「瞳が闘る気出さないように」と遠回しに牙闘を控えるようにも言われている。
純「可能ならそうしたいんですけど…ダメですか?」
黒田「悪いけれど牙闘は無理だね。水泳部に顔を出さなくちゃいけないから。放課後、直ぐなら話程度はできるよ。」
上から言われている以上、何としても「穏やかな若手の先生」にならなくては。
祐「…なぁ、明日とかみたいに土日とかに闘るのはどーなんスか?」
純「おぉ!さすが祐ちゃん!先生、いけますか?」
リベンジさせろと言わんばかりにこっちを睨みつけての提案。面倒事を……
黒田「土日…か…。」
断ったところであと伸ばしになるだけだろう。
黒田「わかった。それじゃあ明日、お昼頃に職員室に来てくれるかい?」
純「ありがとうございます!」
祐「……ありがとうございます。」
何とか乗り切ったような乗り切れていないような……
純「失礼します!黒田先生居られますか!?」
水泳部顧問の隅田先生と件の話をしていると、ちょうど本人が来た。
隅田「黒田先生、それではまた後で。」
黒田「はい、よろしくお願いいたします。……それじゃあ、ここで話すのもなんだから移動しようか?」
場所は変わって2人のHR教室に。
何故か人が多い。
ハイジ「なんで私まで…。」
祐「良いから聞いとけって!それで…初さんとは…」
純「祐ちゃん!違うって!その話は別でしてよ!えっと…早速質問なんですけれど、黒田先生って元プロだったりはしますか?」
元も何も現役なんだが。
黒田「いや、闘獣士では無いよ。2年前は獣人の力を使って暴れた闘獣士を取り押さえる仕事をしてたね。今でも並の闘獣士よりは強くないと生徒に何かあったら対処出来ないからトレーニングはしてるね。」
闘獣士と殺り合うボーナスキャラなんて言っても分からないだろうし言うなと言われているので筋書き通りの答え。事情を知っているタスマニアデビルにはアイコンタクトで軽く圧をかける。
純「ほうほう…どれぐらい強いんですか?」
黒田「どれぐらいって…チーター…とか?」
実際引き分けている相手なのでまあ妥当だろうか。
祐「チーターって初さんに2年前、最後の最後で負けた…?」
黒田「あー…そーいやそんなことあったか〜…兎の蹴りは確かにまあ強いけれどもまさか1発で落とせるほど上手く入るとはね…。」
純「あの人そんなに強かったんですか?」
祐「おいバカッ!初さんが弱いわけ…」
黒田「そもそも兎は逃げる速度で言えば時速70kmになる。筋力もかなりあるし人程の大きさの兎が勢いをつけて回転蹴りすればそれなりの火力は出るよ。チーターなら防ぐことはできるだろうけれど、攻撃しようとして顔がガラ空きだったから負けたみたいだね。」
純「あれ?それって結局う…」
黒田「運も実力の内さ。君たち2人だって分かるだろう?闘獣士になれた理由。」
純「た…確かに…。」
ハイジ「ね〜え〜本題進まないじゃん〜。」
純「そうだった!黒田先生、何か強くなるコツとかってありますか?」
強くなるコツと言っても獣化手術を受ける前と後の経験で培ったものなのだから普通に暮らしている子供ができそうなことならば…
黒田「そうだね……2ヶ月ぐらい野生のシャチの群れに混ざって暮らしてたからかな。完全獣化してたからバレ無かったけれどね。そこで色々と教えて貰ったんだよ。」
純「私も山で色んな動物達と一緒に過ごしました!黒田先生もだったんですね!先生はどんなことを?」
黒田「大体は狩りのことだね。コミュニケーション大事だから。サメとかも狩ったりしたけれど…牙闘じゃ意味無いか。あぁ、泳ぎ方とか、注意の惹き方、逸らし方、後は追い込み方とか尾鰭の使い方とかかな?」
ハイジ「尾鰭の使い方?」
祐「この前やったアレっスか?」
確かに犀にも喰らわしたが野生のシャチがあんなことをするはずがないだろう。
黒田「まあ、そうなるかな?さて、話は何か役にたちそうな話はこの程度かな?」
純「そういえば、黒田先生って兎さんに勝てるんですか?」
ハイジ「はぁ?何のことなの?」
祐「おい純っ!」
黒田「……勝てるよ。兎の弱点と先生の攻撃方法はかなり噛み合うからね。それに、兎みたいなベテランと闘るのにわざわざ相手の有利な場所に出たりなんかしないさ。」
純「そうなんですか…それじゃあ、また明日お願いします!」
黒田「はい。金曜だからってハメ外してどっか行くんじゃないよ?」
祐「…はーい…チッ」
タスマニアデビルの方を見ると、舌打ちをして目を逸らした。
黒田「さて、先程授業で会った人は分かると思いますが改めて。黒田 水翔です。よろしくお願いします。」
特注の水着と乾きやすい服を着ているので前から見ると普通の人だろう。ただ、こうしていないと牙闘でついた傷痕が威圧的に見えてしまう。そういう訳でこういう服装をしている………という設定だ。実際は獣化できるのがせいぜい尾鰭ぐらいになるから。
隅田「黒田先生、よろしくお願いしますね。それじゃあ皆、解散!各自練習始めてね!」
隅田先生は「豹海豹(ヒョウアザラシ)」の獣人。本人曰く「下から読んでも上から読んでも豹海豹!」だそう。なんとも元気な若々しい先生だが、獣人になる前は女子都一位の水泳選手だったのだから適材適所だろう。
ヒョウアザラシはペンギンを主食にする危険なアザラシ。人が噛まれて怪我をするなんてよくある事だ。
下手に手を出す馬鹿な男は文字通り噛みつかれるだろう。
隅田「そういえば黒田先生は水泳部だったんですか?」
黒田「うーん…ここに来る前は海難救助もしてたので泳ぐことはできますが…。」
この学校に来るについての肩書きは「2年以上前から獣人で闘獣士の取り締まりをしており、その後救助隊になった正義感の強い獣人」なのでこの答えも与えられたロール通りの定型文でしかない。
隅田「海難救助を?水泳経験があまり無いのに?」
黒田「あぁ、隅田先生は僕が何の獣人か知りませんでしたっけ?」
隅田「ええ…。私達が何の獣人かは理解されていると聞いていましたが黒田先生ご本人は何なのかまでは…。」
黒田「海獣人なのでそれなりに泳ぎはできますよ?」
隅田「そうなんですか?それなら少しお手本でも見せてくれませんか?見ての通り、獣化してもあまりお手本にならない事もあるので…。」
獣人にもある程度被りは有り得る。ワニなんかもだ。クロコダイルの他にアリゲーターやイリエワニもいるのだから。
カワウソ等もそれに当たる。ビーバーや泳げるネコ科、イヌ科なども部員には居る。
こういう時鹿島なら上手くやれるのだろうか。獣化すると上手い具合に人魚のようになれるのだがあいにく俺がやっても足は残ってしまう。
黒田「うーん…マイルカ科とかの生徒って居ますか?そういう子ならお手本になるかもしれませんが…」
隅田「そういうのならマイルカ科ではありませんが、イッカクの子がいますよ?岸田さ〜ん!ちょっとこっち来てくれる〜?」
岸田「は〜い。どうしました?」
隅田「岸田 優梨ちゃん、「一角」の獣人よ。」
優梨「始めまして。岸田 優梨、1年です。よろしくお願いします!」
きっちりとした礼儀のある子で良かった。これでタスマニアデビルみたいな曲者だったら…
黒田「えっと…イッカクか…ねぇ、肉食動物の獣人って…大丈夫?」
獣人全員が戦える訳でもないし獣人になる理由は持病がマシになったり、大怪我から後遺症なく回復するためと様々。闘獣士ならまだしも、雌のイッカクなんてとても戦闘向きでない。いや、兎みたいなやつもいるのだが。
優梨「大丈夫ですけど…先生は一体…?」
黒田「えっと…シャチなんだよね。」
隅田「シャ…シャチ!?」
優梨「シャチ……凄いですシャチなんて!!!」
黒田「へ?」
てっきり怖がられるかと思ったがそうでも無いらしい。
優梨「是非お願いします!!!」
黒田「あ…あぁ…こちらこそ…。」
黒田「そうそう、上手い具合に身体をひねれば方向転換はできるから。」
優梨「やっぱりシャチって凄いです!」
黒田「…そんなにかい?部下にクジラやイルカいるけど…。」
優梨「だとしても大きすぎず、それでいてパワーもあるのでやっぱり凄いな〜って。私みたいに戦えないような子からすれば鯨類の中でもシャチって結構憧れなんですよ?」
黒田「あ…ありがとう。」
…確かに「シャチ」ではある。しかし、そんな理由なら祠堂になんて選ばれてない。
マッコウ、ドルフィンの2人……「レヴィアタン」、「ジゴリーザ」は俺の持っていた「バシロサウルス」の遺伝子を元に作られた。絶滅した生物、シャチに近い生物達。しかしサメと同様シャチも現代に生きている。
メガロドンは身体の大きさゆえに淘汰された。そして現在を生きるには大きすぎるシャチの血族もまた途絶えた。
獣巨人「巨抹香(レヴィアタン)」、「巨海豚(ジゴリーザ)」、そして、「巨鯱(バシロサウルス)」その進化の行き着く先「原始鯱」。海獣課は表向きは普通の海獣の獣人達の就職場所だ。その実はこの3匹、海洋において覇権を握った哺乳類の再現。
祠堂の狙いは分からない。「宇崎」という苗字。それが何を意味するのかも。祠堂の狙いは進化の道筋の再現ではないだろう。
そんな身の上だからこそ「憧れ」を抱かれる事に抵抗を感じずにはいれなかった。他の2人はクジラとイルカなのだからまだ親しみ易いだろう。そんな2人が少し羨ましくなった。
黒田「…シャチは結構思ってるよりも古い生物なんだよ?地球の海が今ぐらいになるにつれちっちゃくなってったみたいだからね。進化してるのは君たちの方だろうし、憧れなんて…。」
優梨「なるほど、ベテランだからこそ憧れるってことですね!」
今の若い子の考えはよく分からない………
隅田「セット…ピッ!!」
号令と共に生徒に混じって飛び出す。上下に大きく身体を揺らせば直ぐに先頭へ抜け出る。目の前に迫る壁を足で蹴り、腹を上に向けてターンする。プールの真ん中ぐらいまではこのまま泳いでいける。
部員「先生すげぇ〜!!」
そんな声が聞こえる頃にはまたターン。前から戻ってきた獣人の部員達が見える。
イッカクの彼女は他の部員より頭2つ3つほど抜け出ている。
黒田「(ちょっと本気だすか…)」
なんだか南アフリカの海の先輩達と泳いでいる時を思い出して楽しくなる。意外と笑えるもんだ。
ドパァァァァン!!!
ターンし、大きく90度ほどに上げた尾鰭を叩きつけてさらなる加速。
あっという間に泳ぐ部員達が迫る。プールの壁をタッチして、水面上へ飛び上がる。
ザパァァ……!
黒田「はい、先生が一番。」
部員達「「「「「おぉぉ〜〜!!」」」」」
優梨「やっぱり凄いです…!」
黒田「いや、君もいい泳ぎだったよ。」
実際全員が完全獣化しているのではなく泳ぎに関する部分のみである。とは言っても、こちらは体内獣化をしているので少しズルかもしれない。
隅田「はい、今日の練習はおしまい!終礼するよ〜。」
は〜いと和やかな返事と共に全員での終礼。明日は自主練の日で隅田先生が行くらしい。
部長「黒田先生、ありがとうございました!」
部員達「「「「「ありがとうございました!」」」」」
黒田「こちらこそ。職員室にいるから、何かあったら来るんだよ〜。」
昔なら考えたこともなかった生活。獣人風俗に連れていかれた腐った本局よりはマシだ。
祠堂「ずいぶん楽しんでいたようだね、オルカ…いやバシロサウルス?」
黒田「申し訳ありません…。」
祠堂「謝ることは無い。メガテリウム、そしてその他の原生生物。…君もその1人なんだ。先生らしく自然に振る舞えるのは良いが…瞳と他の闘獣士達、しっかりと見張っていてくれよ?レヴィアタン、ジゴリーザは確かに優秀だが…彼らは君より戦闘での調整が足りていない。…すまない。君にこのような役目をさせてしまって……。」
なぜ祠堂が謝る?こちらは特に何もしていないが。
祠堂「私のことを不審に思うこともあるだろう。ただ、管理局の上は…詳しくは私からも言いかねる。ただこれだけは覚えておいてくれ。もしかすると、君には原生生物の獣人達の相手をしてもらうかもしれない。お願いできるかい?」
黒田「どうせ拒否け…」
祠堂「もちろん拒否しても構わない。君は君で野本君とは別の点から瞳にアプローチしてくれた。ゆっくり休んでもらっても構わない。」
黒田「…分かりました。お受けしますよ。祠堂さん。」
祠堂「ありがとう。では、また追って連絡しよう。そうだ─────」
黒田「…………はい、わかりました。お疲れさまです。」
祠堂「お疲れ様。混乱してしまうかもしれない。本当に申し訳ない。」
黒田「大丈夫ですよ。それでは。」
切られた電話。彼はどう受け止めてくれるのだろうか。
祠堂「(バシロサウルス…メガテリウムと合間見えれば…どうなる…?もし彼がメガテリウムに負けた時…瞳は彼を兄と認知するのだろうか…0人目の宇崎とも言える彼を………)」
宇崎 水翔。そう名乗ってもらうつもりだった。兄として瞳が超えるべき壁となる事、それが祠堂さんの望んでいたことだった。
黒田「分かったよ、祠堂さん。兄貴としてなんかやれねぇかやってみるよ……。」
明日、若い3人の前に教師ではなく、壁として立ち塞がろう。
そうすることで何か教えられるのなら。
はい、前回よりはほんの少し短い話ではありましたが、後書きです。
作品におけるキャラ達
基本オリジナル。たまに原作キャラ。基本的に海獣を中心に出てきます。シャチが主人公なのは、書いてる私と関係があるかららしい。
キリングバイツ、読んでみると結構勉強になるので気になる方は読んでみては?ただし、購入するにはちょっと勇気がいるカバーですけども……: