「私と併走していただけませんか。」
冷たい声で、練習中の私に黒髪ロングのウマ娘が声をかけてきた。見覚えがあるような...ないような...
「私のことを覚えていないことは理解しています。私に6バ身差をつけたあなたにとっては2着以下などどうでも良いのでしょう。あなたが本気で走っていなかったことも、あのレースがデータ収集以外なんの意義も持たないことも理解しています。」
なんでデータの事まで知ってるんだよ。
「アスノセカイさんが。」
またあいつか。
「併走していただけますか?」
私は彼女の赤い目に底知れぬ物を見た気がした。
いいぞ。ただ足は労りたい。選抜レースの半分の距離でいい?
「構いません。併走していただけるだけで私は満足ですから。」
「やはり、影すら踏ませてくれませんか。」
君が本気で来いと言うからだろう。
「嘘ですね。スパートすらかけずに何が本気ですか。まあ、いいです。ついでに私の名前、覚えていってください。私の名前はアイワナビーウィナー。」
「いつか私は、勝者になる。」
理由は分からないが、その日の併走は私の心に何か嫌なものを落として行った。
モヤモヤが晴れない私はぼんやりと観客席からターフを眺めていた。
その時の私は思いもよらなかった。
その後すぐにずた袋に入れられ、あろう事か椅子に拘束されるなんて。
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「私と併走していただけませんか。」
冷たい声で、練習中の私に黒髪ロングのウマ娘が声をかけてきた。嫌という程見た顔だ。
「私の名前すら覚えていないことは理解しています。以前、私に6バ身差をつけたあなたにとっては後ろなどどうでも良いのでしょう。あなたが本気で走っていなかったことも、あのレースがデータ収集以外なんの意義も持たないことも理解しています。」
ではなぜまだ私にちょっかいをかけるんだ。
「五月蝿いです。」
またそれか。
「併走していただけますか?」
私は彼女の黄色い目に底知れぬ物を見た気がした。
はぁ、君はまた私にそんな目をするのか。いいぞ。ただ足は労りたい。昨日の半分の距離でいいかい?
「構いません。併走していただけるだけで私は満足ですから。」
「やはり、影すら踏ませてくれませんか。」
君が本気で来いと言うからだろう。
「嘘ですね。スパートすらかけずに何が本気ですか。まあ、いいです。ついでに私の名前、覚えていってください。私の名前はマンハッタンカフェ。」
「いつか私は、貴女を超える。」
理由は分からないが、その日の彼女の目は私の心に何か嫌なものを落として行った。
モヤモヤが晴れない私はぼんやりと観客席からターフを眺めていた。
その時の私は思いもよらなかった。
モルモットくんと出会い、カフェと頂点で競い合うことになろうとは。
XX年、天皇賞(春)
世代を超えた最強同士の戦い。
それは正しく2頭だけの世界だった。
「レコードなど通過点に過ぎない。」
奇跡を掴む、その馬の名は…
アイワナビーウィナー