織斑一夏の兄が行く   作:ふくろう639

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お気に入り登録ありがとうございます。

今回はいくつかの視点を切り替えて話が進みます。

あと、今回は好感度振り切れてる勢の人が登場します。
色んな意味で振り切れてるから会話が弾む弾む。
だから文字数多いし会話も多いよ!


第11話 それぞれの夜

「ん………………知ら」

 

『知らない天井だね』

 

「いやお前が言うのかよ」

 

 ふと目を開けると、ホログラム化したアリスの言う通り知らない天井が視界に入った。周囲を見回すと、点滴が繋がれてたりベッドが並んでたり………病院、いや医務室か? 

 

「しかし、もう夜か………随分と寝てたな」

 

 体を起こし、外を見るとカーテンが開けられた窓からは夜空に輝く星が見えた。

 

『血を流しすぎたんだよ。あんなバイタルで動くから。ちなみにどこまで覚えてる?』

 

「どこまでって………ん?」

 

 そういえば、いつ医務室で寝たんだ? 手術台で麻酔を打たれた記憶はおろか、アリーナを出た記憶も無いな。

 

『やっぱり。覚えてる範囲で言ってみて?』

 

「………確か、鈴の前に出てゴーレムの攻撃を龍撃砲で相殺しようとしたのは覚えてるんだが………」

 

『じゃあ、その後からだね。まず、あの後結局相殺しきれなくてももくんにレーザーが直撃。それで絶対防御が作動した影響でエネルギーが切れて右脚の出血が再開。そして緊急手術での麻酔が抜けたのが今だよ』

 

 普段と違って淡々と無機質に説明される内容に耳を傾ける。あれで相殺出来なかったらと考えると、筋は通るか。しかし………

 

「………アリス、もしかしなくても怒ってるか?」

 

『分かるぅ? この頭の中(処理データ)からして怒りに該当するんだよねぇ。いやぁ、AIだから感情は無いはずなんだけどねぇ?』

 

「おう、その発言はAI差別じゃないのか」

 

 本人………本AI? が言ってるからただの自虐ネタにしかならないが。器用にもこめかみ辺りに青筋を反映してるあたり、ただのポーズであることも否定できない。

 

『私も説教したいけど、それは特別ゲストにお願いするよ。言うことは同じだしね』

 

「特別ゲスト?」

 

 無性に嫌な予感しかしない。もしや、姉貴か。寝起きに姉貴の説教は勘弁して欲しい。それなら詰め寄ってきた箒とセシリアの対応をする方がまだマシだ。

 

『特別ゲストはこの方です! それではどうぞ!』

 

 ビシィッ! とポーズを取ったアリスが指す入口の方を見る。無駄にドラムロールなんか鳴らしやがって、夜なんだから静かに入ってこい。

 

 扉がゆっくりと開いて………………誰もいなかった。誰かいたような気もするが、脇から飛び出ても来ない。

 

「………………………………? 来ないな?」

 

「残像だよ!」

 

「おぅわっ!」

 

 耳元で大声を出されて思わず体が跳ねる。声の方向に顔を向けると、全開となっている窓の前に1人の女性が立っていた。というかどこに残像があった。

 

「いつもニコニコあなたの後ろに這い寄る天災、篠ノ之束、です!」

 

 ビシィッ! とポーズを決めたアリスにそっくりの人物、篠ノ之束本人がそこにいた。何でポーズを決めたのか、そもそも何でここにいるのか、など聞きたいことが出てきた中で真っ先に口から出てきた質問が、これだ。

 

「………………何でナース服?」

 

「え〜、ももくんが入院したっていうから急遽持ってきたのに〜。気に入らなかった?」

 

 似合ってないのかな〜、と裾を引っ張ったりその場で回ったりしている。ナース服を押し上げる確かなそれは白色の服ということも相まって普段よりもその存在を主張してるしその存在を抑えられないのか胸元が開けられていて本来なら見えないだろう肌色が覗いている。いや束さんは普段から胸元開けてるからいつも見えてるんだけど。デフォルト装備のうさみみもいつも通りだしナース帽も相まって似合っているかどうかと聞かれたら似合ってるし「ぶっちゃけ束さんはかわいいから何着ても似合うと思う」

 

『ももくん、本音漏れてる漏れてる』

 

 またやらかしたか………自分で何言ったのか覚えてないのがなぁ。というか、

 

「どこから漏れてた………?」

 

『「ぶっちゃけ〜」からだね』

 

「良かった、漏れていい部分で」

 

『そう言われると漏れちゃいけない部分が気になるんだけど』

 

 ふぅ、と思わず額を拭う。ぶっちゃけの前までは本人というか他の人に聞かれるとドン引かれるからな。聞かれたのがタツなら、ヒメとジェシカに似合うのはあれだこれだと話に乗ってくるんだが。

 

『まぁ、ももくんにとって漏れていい本音でも、マスターからしたらどうだろうね?』

 

「それはどういう………?」

 

 ふと気付くと束さんがふるふると震えている。まさか何着てもじゃなくてしっかりと決断して欲しいタイプだったか………?

 

「ふ、ふふふ………う、うふふふふふえへへへへへ」

 

 束さんが両手を赤く染まった両頬に当てて、体をくねり始めた。そして、

 

「もうももくんそんな思わず抱き締めたいあわよくば押し倒したい願うなら抱きたいなんてそんなストレートに」

 

「そこまで言ってねぇわ」

 

「大丈夫心配しなくていいよももくんは学生だけど今年で18歳になるから結婚は出来るし婚前交渉ってことで問題ないし何ならできちゃった婚でもノープロブレムむしろウェルカム!」

 

「そんなことも聞いてねぇわ。脳内ピンクの花畑か」

 

「やっぱり最初は女の子だよねでもうちにはくーちゃんいるから男の子かなけどやっぱり女の子は欲しいしそうだねももくんの言う通り双子で男女がいいね何なら三つ子いやそれ以上でも」

 

「何も言ってねぇわ! 人の話を聞け!!」

 

「ふぎゃっ!」

 

 ナース帽を潰すようにチョップを落とす。何か入っているのか潰れなかったが、それでもダメージは通ったみたいだな。

 

「あ、あれ!? あのももくんは!? 『束さんに手を出した以上責任は取る。俺と結婚してくれ、束』って言ってくれたももくんは!?」

 

「………それも言ってねぇはずなんだが、その耳は飾りか?」

 

「失礼な! 飾りじゃないよ! これにはしっかりと様々な機能が搭載されていて」

 

うさみみ(そっち)じゃねぇんだよ」

 

 というかうさみみは飾りだろうが。

 

「けれど、そんな………あれが幻だったなんて………」

 

『マスター………』

 

「まぁ、いいや。本題入ろ」

 

「『だと思ったよ』」

 

 がっくし、と肩を落としたと思ったらすぐに戻った。まぁ、束さんはいつも大体こんな感じだったし気にするのが勿体ない。

 

「さて、さっそく説教と行きたいところだけど………まずは謝罪かな。ごめんね、ももくん」

 

「謝罪?」

 

「そ、謝罪。私がゴーレムを送り出してそのまま監視してれば遠隔操作で暴走した時に止められたのに、そのまま対応を任せちゃった。私が止めていれば、いっくんともう1機の方にあたれたのに」

 

「過ぎたものはしょうがないだろ。しかし意外だな。束さんならポテチ片手に観戦するかと思ってたが」

 

 俺は忘れていない。昔、束さんが監視カメラをハッキングしポテチやコーラを用意して、俺が喧嘩しているところを観戦していたことを。一夏と箒の剣道の試合も同じくハッキングして観戦していたことも。

 

「始まるまでちょっと時間があったし、結果がどうであれ学園に行こうかと考えてたからね、お風呂に入ろうかと思ったんだよ。だから、ももくん達が頑張ってる時、私は半身浴に興じていたよ………」

 

「束さんが………半身浴?」

 

「あ〜、今私の裸想像したでしょ〜? ももくんのえっち」

 

 キャッ、と胸を隠すように両腕を交差させる束さん。束さんの入浴シーンの想像とかそれはちょっと置いといて(後でするとして)

 

「あの、研究やら開発やらに集中してたら一週間はシャワーすら浴びない束さんが、半身浴………?」

 

「私を何だと思ってるのかな!? び、美容に良いらしいから試したんだよ! 意外と大変だったけど!」

 

「………束さん、半身浴は下半身だけ入浴するんであって、右半身や左半身、ましてや上半身だけを入浴するんじゃないんだ」

 

「し、ししし知ってるし! だからちゃんと息止めて半身浴したし!」

 

「おう、息止めてる時点で上半身だけ浸かってるじゃねぇか。半身浴に息止めは必要ねぇよ」

 

「上半身じゃないもん前半身だもん!」

 

「結局失敗してるじゃねぇか。しかも前半身とか浴槽内で前のめりに転けただけじゃあるまいな?」

 

「………………………ふゅ〜、ふゅ〜」

 

「誤魔化し下手くそか」

 

 そっぽを向いて下手くそというよりも吹けてない口笛で誤魔化そうとする束さんだが、その行動はむしろ合っていると証明してるようなもんだ。

 

「ま、まぁ、私の半身浴は置いといて。ちょっとごめんね」

 

 よっこらしょ、と俺が寝ているベッドの上に乗り上げた束さんはそのまま俺の上に跨った。………何で?

 

「じゃあ、お説教を始めようかな」

 

「何で俺の上に──」

 

 乗る必要があるんだ、とは聞けなかった。

 

 ズドムッ! と俺を押し倒すと同時にベッドが出してはいけないような音が真横から聞こえたと思ったら、束さんが俺の瞳を覗き込むかのように顔を近づけ、

 

「あのさぁ、前に私言ったよね? 命の危険があるようなことはしないでって。まさか忘れたわけじゃあないよねぇ?」

 

 束さんがキレている。いつもおちゃらけている束さんがキレた事とかそうは無い。前にキレたのは3年前だったか? 目から光が消えている事が尚の事怖い。

 

「最初に言ったのは何年前だっけ? 血だるまになった7・8年前かな? その次はホントに死にかけた3年前? そんで大量出血で死にかけた今日だよ。何考えてるの? 血を流すのが好きなの? 痛みに快感を覚える人なの?」

 

「人をドM扱いしないで欲しいんだが………」

 

「ももくんふざけてるの? 今は黒い三連星の話はしてないんだよ?」

 

「そりゃドムだろうが」

(………理不尽だな?)

 

〈そりゃ天災だからね。天災は理不尽なものだよ〉

 

(それもそうだな)

 

 だから天才じゃなくて天災なんて呼ばれてる訳だな。

 

「で、いつまで黙ってるのももくん? アリスちゃんと相談したとしても何も状況は変わらないよ? 結局、何考えてたの?」

 

「………何、って守ろうと」

 

「うん、そこは別にいいんだよ。助けを求められたらよほどの相手じゃなければ助けるのはももくんの美点だし。私が言ってるのは自分の命を投げ出すな、って言ってんの」

 

「投げ出してるつもりは──」

 

「ももくんさぁ、脚を貫かれた時『必要経費』とか『守れるなら安い』とか思ったでしょ」

 

 ない、とは言えなかった。まさにそのまま思った事だ。というか寧ろ声に出した。

 

「その反応、図星だよね。最初に言った時の事忘れちゃった?」

 

「忘れてない。忘れてないが………どうせ」

 

 ズドムッ!

 

「ももくん。その続きを言ったら今度は顔に叩きつけるよ」

 

 再び落とされた拳が布団を貫いたのか、中に詰まっていただろう綿が宙を舞う。相変わらずおかしいスペックしてるな。

 

「ももくんが自分のことをどう思うのかは自由だよ。どう思ってるのか私にしか溢さないのも、まぁ分かるよ。ちーちゃんに言った日には拳骨なんかじゃ済まないだろうし。だからってさ、本音を溢された私が何も思わない訳じゃないんだよ。分かるでしょ?」

 

 ………束さんが言わんとしている事は何となく分かる。姉貴から昔聞いた学校での話からしても、興味が無かったりどうでもいい人に対しての扱いはかなりぞんざいだ。裏を返せば、束さんがここまでする俺はどうでもいい人じゃないんだろう。

 

「そりゃ、ちーちゃんから『同年代の友人が私だけとか寂しくないか』だの『たまには外に出て他者に接しろ』だの言われたけどさ。ちーちゃんにだけは言われたくないよ! ちーちゃんだって友人と呼べる人少ないじゃんか! 携帯の電話帳に登録されてる番号のほとんどが仕事関係だって知ってるんだよ私は!」

 

「お、おう」

 

 おかしいな。俺への説教が束さんの愚痴に変わったぞ?

 

『マスター、話が逸れてるよ』

 

「おっと………ありがとアリスちゃん。まぁ、私が言いたいのはさ、数少ない友人が傷ついたら悲しむ心くらいは持ち合わせてるんだよ。それとも………ももくんは女性を泣かせる趣味でも、あるの?」

 

 ………そう言った束さんの表情が約束を交わしたあの日の表情と重なる。

 

『こういうのは、もうやめてよ。さすがの束さんでも、つらいよ………』

 

 あの時の原因は何だったか。救急車が来るまで束さんがお気に入りの服が血で汚れるのも構わず手当してくれてたのは覚えてる。その後にいくつか約束をさせられたんだよな。

 

「………………分かった。二度と無いように気を付ける」

 

「………ならば良し。次破ったら問答無用でおしおきするからね」

 

 うぷぷぷぷ、と束さんは怪しげに笑うが、そのおしおきをされると俺は命を落としかねないがそれでいいのか?

 

「じゃ、今回のおしおきを始めよっか」

 

「おう。………………おう?」

 

 今回の、って言ったか今?

 

「あ、何々、『おしおきをするのは次破った時じゃないのか』だって?」

 

「表情から正確に読み取りすぎだろ」

 

「ももく〜ん? 『今回はおしおきしない』なんて束さんは一言も言ってないよ〜?」

 

「その悪どい笑みを止めろ」

 

 フッフッフッ、とさっきまでとは一変して愉しげに悪役のような笑みを浮かべる束さんから猛烈に嫌な予感がした。とりあえず距離を取るために俺の上から退かそうと手を──

 

ジャラッ

 

「ジャラ?」

 

 動かそうとした手から変な音がした。右手の方を見ると鎖の付いた手錠でベッドと固定された右手。まさかと思って左手も見ると同じように固定された左手。両脚も以下同文。………逃げ場ねぇな?

 

「………束さん、何をする気だ」

 

「諦めが良くて助かるよ。じゃじゃ~ん。これな〜んだ?」

 

 と胸元から束さんが取り出したのは小瓶。市販されているような栄養ドリンクと似ているそれには黒いうさぎの絵が描かれていて………黒?

 

「まさか、ハザード………!」

 

「そう! 兎印の栄養ドリンク、ハザード!」

 

「なんつーもんを持ち出してくれてんだ………!」

 

 兎印の栄養ドリンク。タツと同じ高校に進学するにあたって受験戦争に参戦した俺用に束さんが作った栄養ドリンク。市販の物より効果が高いから栄養ドリンクの通常版と、エナジードリンクのスパークリングは重宝していた。

 

 だが、ハザード、これは駄目だ。疲れてる筈の夜に飲んでも元気が有り余った。飲んだ後に束さんに思いっきり迷惑かけるくらいにはヤバかった。その一件の後にハザードって命名したくらいにはヤバかった。

 

「もちろん、改善されたんだよな………?」

 

「あの時は大変だったからね。後々調べたらこれ薄めて飲むのが正解だったみたい」

 

 原液で飲んでよく死ななかったな俺。薬物の過剰摂取で死ぬだろ普通。

 

「………で、手に持ってるそれは?」

 

「もちろん原液だよ! 効能も何もかも前回のまま!」

 

「欠点も前回のままじゃねぇか!」

 

「本当は薄めたいけどおしおきだからねー仕方ないねー」

 

「おう、その棒読み止めろ。で、本音は?」

 

「さっきの妄想(ユメ)を叶えさせてもらうよ!」

 

「潰えてしまえそんな欲望(ユメ)!」

 

 が、俺の抗議も虚しく、無慈悲にも小瓶の蓋に手がかけられる。両手が自由だったら止められたのに………!

 

(………………誰でもいいから助けてくれ。いやホントに)

 

「ふっふっふ。愉しい愉しい時間の始ま──」

 

「おい百春。声が外にまで聞こえていたぞ。夜なんだから静か、に………?」

 

 願ったからか、見事なタイミングで姉貴が入ってきた。扉も開けっ放しだったし、さっき叫んで本当に良かった。ただ惜しむらくは、

 

「やっ、ちーちゃん。さっきぶり」

 

 ベッドに固定された俺に跨がる束さん(うさみみナース)という光景を見られたことか………

 

「………百春。そういうことに興味を持つ年頃なのは分かるが、いきなりアブノーマルではなくもっと順を追ってだな」

 

「そこじゃねぇだろ姉貴」

 

 衝撃映像過ぎて思考回路がバグったか?

 

「む、それもそうだな。まずは束のことか」

 

「そうそう」

 

「束! 私の目が黒いうちは百春との結婚なんぞ認めんからな!」

 

「いやそこでもねぇよ。結婚とか話が飛躍してるわ。かつての同級生が結婚し始める中で彼氏出来なさ過ぎて拗らせたか」

 

「こ、拗らせてないわ!」

 

「好みの男性のタイプが自分より強い男とか家庭的な男とかって弟がそれぞれ当て嵌まりそうだし、むしろブラコン拗らせてるんじゃない?」

 

「ブラコンでもないわ!!」

 

「何で俺だけっ!」

 

 出席簿代わりと言わんばかりに拳骨が2回頭に降ってきた。拘束されてるから避けようがない。束さん? あぁ、姉貴が近寄った瞬間にベッドを挟んだ反対側に逃げたよ。

 

「いっつ〜………………失踪してた本人束さんが学園ここにいることにツッコめよ」

 

「………あぁ、それは既に突っ込み済みだ。何でもISを引き取りに来たらしい」

 

「それについては私から説明しよう!」

 

「………その前に拘束具これ外してくれ。身動ぎ1つ出来ない」

 

「………………鍵どこやったっけ?」

 

「「おい」」

 

────────────────────

 

〜鈴音視点〜

 

(………………寝れない)

 

 あたしはいつもより早くベッドに入った。ルームメートもあたしに気を使ってくれたのか早めにベッドに入ってくれて、隣のベッドからは規則正しい寝息が聞こえる。

 

 寝れないのは別に気持ちが昂ぶってるとかじゃない。確かに普通の試合とは違って命の危険もあったけど、ISに乗る以上どんな状況であれ付いて回る危険だし、多少昂ぶっていたのもゆっくりとお風呂に浸かって落ち着かせた。原因は別にある。

 

 ………そう、命の危険。強いて言うならそれが原因だ。時間はちょっと遡る。

 

 あの最後の、もも兄があたしの前に立ってレーザーを相殺しようとした時、ある光景ともも兄の背中が重なった。

 

『──寄ってたかって女の子をいじめてんなよな』

 

 あたしが一夏ともも兄に出会った公園での一件。あたしが一夏に恋心を抱いたきっかけでもあるその時の背中と、もも兄の背中が被った。

 

(………いや、兄弟なんだから被るでしょ。背格好くらい)

 

 相殺しきれなかった攻撃からあたしを庇ったもも兄が運ばれた後も、事情聴取を受けている時も、クラスメートと話している時も。そう思おうとしたあたしの頭の中からある疑問が消えなかった。

 

 ──もしかして、あの時の人は一夏じゃなくてもも兄だった………?

 

 もも兄じゃない、一夏だったんだと思おうとするたびに分からなくなる。あの時のあたしは地面に倒れてたから背の高さじゃ分からない。髪色も若干違うけど光の当たり方によっては同じに見えるから分からない。声なんて今の2人の声しか覚えてないから分からない。

 

 今となってはもう、分からない。

 

 ………………と、思っていたけどクラスの子が、授業で分からない部分があったから明日先生に聞く、なんて話していて気付いた。

 

(本人に聞けばいいじゃん)

 

 思い立ったが何とやら。うだうだ悩んでるくらいなら本人に聞こう。さすがにストレートに聞くのは嫌だからちょっと遠回りに。

 

 今日の出来事について他愛無い会話を交わす。実は試合に勝った方の言うことを何でも1つ聞く、なんてことを直前に話してたから主にその話。途中、一夏が、

 

『そういえば、酢豚の話ってもしかして味噌汁のやつ?』

 

 なんて不意に言うもんだから思わず否定しちゃったのは、ちょっと後悔しちゃった。否定しなければもしかしたら、とか思わないでもないけど、その時のあたしは『最初に助けてくれたのはどっちなのか』って事しか考えてなかった。そして、

 

『………ありがとね、一夏』

 

『ん? 何がだ?』

 

『今日のもあるんだけど、昔いじめられてた時にも助けてくれたのを思い出してね。ほら、一夏が初めて助けてくれた時よ』

 

『あぁ、学校で助けたやつだな! 今更気にしなくていいって!』

 

『が、学校で、って………な、何言ってるのよ一夏。その前に助けてくれたじゃない』

 

『その前………?』

 

『そうよ! 公園で助けてくれたでしょ? ほら、ベンチで膝枕してくれたじゃない!』

 

『公園………膝枕………………あぁ! 初めて会った時か!』

 

『そうそれ! また忘れてたらどうしようかと思ったわ………』

 

『いやいや、いくら俺でもそこまでひどくないって。覚えてるよちゃんと』

 

『ふ~ん………じゃあ、最初に何て言って助けてくれたか言える?』

 

『あ〜………、それは兄貴に聞かないと分からないな………』

 

『覚えてないじゃない。というかもも兄と一緒に助けてくれたの?』

 

 

『いや、あの時鈴を助けたのは兄貴だよ』

 

 

 その言葉を聞いた後、何も考えられなかった。俺が公園に着いた時にはもう喧嘩が始まってた、とか、ベンチに寝かしといてくれって言われたから膝枕してたんだよな、とか色々一夏が話してたような気がするけど聞いた傍から出ていった。

 

 そうして、気付いたら部屋に戻ってた。ルームメートに話しかけられたけど、生返事で答えてたと思う。それくらい何も考えられなかった。

 

 何も考えたくないからさっさとベッドに入ったけど、やっぱり寝れなくて今も起きたまま。

 

 あたしは、一夏のことが好き。それは間違いない。日本にいた頃からの想いは間違いない。

 

 もも兄のことも………好き。兄のような、友人のような、そんな関係だけど好きか嫌いかなら好きな人。異性として見るなら………………アリ

 

(──ッ! 考えちゃ駄目!)

 

 もし、もも兄を異性として見てしまったら、一夏と比べてしまう。一夏はああなのにもも兄はと比べてしまう。そう見てしまったら、もう、一夏だけを一途に好きでいる自信がない。

 

(違う! あたしは一夏のことが好きなの!)

 

 脳裏に浮かんでしまいそうな答えを忘れるように、深く布団を被る。けれど、あたしの心は聞いてくる。

 

 ──あたしは、本当に一夏が好きなの? それとも………………もも兄のことが、好きなの?

 

 

────────────────────

 

「さて、改めて説明しよう!」

 

 束さんが開けた布団の穴から見つかった手錠の鍵で自由になり、姉貴と束さんが椅子に座った所で話が切り出された。

 

「その前に束さんは何時来たんだ? ISを引き取りに来た、って話だったよな」

 

「あぁ。数時間前、襲撃してきた2機のISを調査している時にいきなり何食わぬ顔で現れた。思わず拳骨を落としたよ」

 

「そうなんだよ聞いてよももくん! 集中してるみたいだったからこっそりと声をかけたらちーちゃん殴るんだよ!? 見てよこれ!」

 

 と束さんがナース帽をどけると見事なたんこぶがあった。さっきチョップした時何故か硬かったのはこれだな?

 

「何がこっそりと、だ。いきなり耳元で『ハァイ、ちーちゃん』などと言われる身にもなってみろ」

 

「だからってたんこぶが出来るほど殴らなくてもいいでしょ! ナース帽なかったら目覚めたももくんに開口一番笑われる所だったよ!」

 

「今からでも遅くない。百春、思いっきり笑ってやれ」

 

「さすがに怒るよ!? ももくんはそんなことしないよね!?」

 

「おう、しないからさっさと本題入ろうぜ?」

 

 この分だと話がいつ終わるか分からない。下手すると日付が変わりかねない。俺は一応怪我人だから睡眠は取りたいんだ。

 

「っと、すまん、話がズレたな。それでその後、何しに来たんだと聞けば………」

 

「ISを引き取りに来たって訳さ」

 

 改めてナース帽をかぶり直した束さんが答える。いつになく真剣に思える。

 

「元々、ゴーレムを引き取るつもりは無かったんだよ。そのまま学園に回収されても問題ないというか気にしないし」

 

「それならISを向かわせる、なんて事をしないで欲しかったんだがな………未確認のコアとかどうしろと」

 

「だけど、どっかのもう1機が来たから話が変わった。回収せざるを得なくなったんだよ。何でか分かるかな?」

 

「無視をするな」

 

 毒島は箒を誘拐しに来た。箒を始め篠ノ之家は束さんがISを開発したことによって証人保護プログラムを受けている。そんなある意味束さんの枷にやっている箒を誘拐しようとして、俺は怪我をした。導き出される結論は、

 

「………IS学園への襲撃、篠ノ之箒の誘拐未遂、男性操縦者おれの負傷。事実はどうであれ、世間からみたら一緒の犯人に思われる。ここにもし、束さんが関わってるという証拠(未確認のISコア)があったら」

 

「そういうこと。世界に喧嘩を売ったように見える。負ける気はしないけどね」

 

 箒を誘拐し、世界に2人しかいない男性操縦者を蔑ろにするような情報。こんな情報を国の上層部が受け取れば、束さんが言ったように思われる。

 

「そんな風に思われたら後々面倒だし。それに何より」

 

「何より?」

 

「──ももくんに怪我をさせた、なんて汚名を誰が背負うか!」

 

「「………そこ?」」

 

 真剣な顔で何を言うのかと思ったら、そんな事を言うので姉貴と揃って気が抜けた。

 

「何さその反応! 当然でしょ! 私の行動原理は友情・努力・勝利ならぬ箒ちゃん・織斑3姉弟・ISだよ! 理由はそれで充分!」

 

「………私だけならまだしも、弟達が束にそこまで想われてる事に喜べばいいのか嘆けばいいのか………」

 

 姉貴が目頭に指を当てて本気で悩んでいる………そっとしておこう。

 

「ま、そんなわけでゴーレムを回収しに来た訳だよ。あとついでにもう1機のデータ吸い取り。ちょっと時間がかかりそうだったから、ももくんの顔見ようかな〜、って」

 

 脚をパタパタと動かしながらそんな事を言うが………にしてはハザードを持ってきてるあたり来る気満々だっただろこの人。

 

「そうだ、そのもう1機の方なんだが」

 

「どしたのももくん」

 

「中身はどうなってた?」

 

 そう言った瞬間、空気が重くなった。心なしか冷えた気もする。やはり春先はまだ冷えるな、うん。

 

「中身………中身ね。うん、まぁ、私のISでよくもあんなことをしてくれたもんだよ」

 

「………一応機密情報に当たるが、簡単に言うとコアは以前盗難があった欧州の物だ。これは後日秘密裏に返却する。そして、それ以上の厄ネタがあってな………女性の物と思われる胴体が見つかった」

 

「ッ!」

 

「私が来た目的でもあるが、オルコットを始めとした生徒達にお前が戦っていた状況を聴取している。………操縦していたのは男だそうだな?」

 

「………あぁ。かつての部活仲間だ。俺に恨みがあったらしい」

 

「その他に聞いたことは?」

 

 戦闘中の会話から拾った情報を伝える。ISに乗らずに操縦する方法があるということ、箒の誘拐はその方法の提供者の目的であること、ゴーレムに何かを貼り付けて暴走させたこと。あと、

 

「これは関係あるか分からないが………連絡が取れない元柔道部がいるらしい」

 

「それってあれだよね? ももくんが中3の時に叩きのめした連中の1人だよね?」

 

「あぁ。その連中がどうも全員連絡が取れてないらしい。この前の休日にたまたま知ったが、今日のこの感じだとそいつらも同様にどっかの誰かに関わった可能性がありそうでな」

 

「ふむ、お前への恨みを刺激して唆し、犯罪に巻き込んだ可能性がある、という訳か。その線で調べられるか、束?」

 

「モチのロンロン。ちょっと時間もらうけど、3年前から今日までの行動経路から接触者リスト、ウェブサイトの閲覧履歴まで探り当ててあげるよ!」

 

「最後だけはやめてやってくれ」

 

 どんな別れ方をしていたとしても、それだけは同じ男として止めねばならない。俺のような被害者を増やしてはならない。………俺? 姉貴への誕生日プレゼントを探してる時に『こっちの方がちーちゃんの好みだよ』ってチャットが届いた瞬間に諦めたよ。

 

「さて、と。そろそろデータ吸い取りが終わっただろうし、さっきの部屋に戻ろうか、ちーちゃん」

 

「あそこは一応関係者以外立入禁止なんだが?」

 

「ほら、私はIS開発者だから」

 

「そんな事を言ったら世界のどんな立入禁止エリアでも入れるだろうが。………………まぁいい。そろそろ百春も休ませないといけないしな」

 

「それもそうだね。ももくん、お大事に〜」

 

(さっき休ませるどころか無理矢理元気にしようとしたあんたが言うのか束さん)

 

〈それは、まぁ、マスターだし………〉

 

「あ、そうだ」

 

 姉貴に付いて部屋を出ようとした束さんが声を上げた。

 

「ももくんにお礼言ってなかったよ」

 

「礼? お前が?」

 

「そうだよちーちゃん。ちょっと待ってね」

 

 とベッドに束さんが戻ってきて、

 

「今日はありがとね、ももくん。箒ちゃんを守ってくれて」

 

「おう。目の前で知った奴が拐われるとか見過ごせないし、それに何より束さんに頼まれてたしな」

 

「お、嬉しいこと言ってくれるねぇ。じゃ、そんな頼まれ事をこなしてくれたももくんにお礼!」

 

 ちゅっ

 

「え」

 

「な」

 

「じゃあね、ももくん! また今度!」

 

 ………俺の頬に口付けをした束さんはベッドを飛び越えて開けっ放しだった窓から飛び出ていった。心なしか頬が赤かったような気がする。昔からスキンシップ激しいのにまだ慣れないのかあの人は。

 

「………………ハッ!? 逃げられると思うなよ! というかデータ吸い取りはどうした!」

 

「そんなのちーちゃんの前に現れた時には終わってるよ! 医務室ここに来るための口実に決まってんじゃん! じゃ〜あね〜、ち〜ちゃ〜ん」

 

「待たんか束ェェエッ!」

 

 どこぞの大泥棒と国際警察のような掛け合いをしながら声は遠ざかっていった。あの2人の追いかけっことか久しぶりじゃないか?

 

(………しれっと置いていかれたハザードはどう処分したものか)

 

 とりあえず枕の下に隠しながらそんな事を考え、目を閉じた。

 

 

────────────────────

 

〜???〜

 

「──で、今回の結果はどうだったのかね?」

 

「はい。概ね予想通りの結果でした」

 

 ブラインドが下げられたオフィスのような場所で、椅子に座るスーツ姿の若い男に白衣姿の研究者らしき壮年の男が報告を行っていた。

 

「操縦面としては、やはり脚はある方が操縦性が上がります。人体に近い方が感覚が近いのでしょう。不要といえども最低限、人体の下半身に近いものは必要ですね」

 

「ふむ、なるほど。脚は飾り、という訳には行かないか。パイロットの方は?」

 

「えぇ、そちらも予想通りです。機能諸々向上のためにISからのフィードバックを最大にした結果、パフォーマンスは最高値でした。ですが」

 

「壊れた、か」

 

「その通りです」

 

 スーツ姿の男が持っているタブレットに、目から鼻から耳から口から、あらゆる穴から血を流している少年の画像が表示された。

 

「この少年………毒島くん、でしたか。戦闘終了後、画像のような状態に陥りました」

 

「原因は?」

 

「各種情報のフィードバックを最大限にしたことによる処理能力のオーバーフロー、といった所でしょうか。戦闘中からオーバー気味にでしたが、最後の一撃で完全に壊れました。簡単に言うなら、電子回路が焼き切れた感じですかね?」

 

「生きてはいるのだな?」

 

「えぇ。生きてはいます。ですが、ただそれだけです。目の焦点は合わず、口は呻くような声をあげるのみ。おそらくもう二度と自分で動くことも考えることも出来ない、というのが医療班の見解です」

 

「なるほど。ではこれも、以前までと同じように………いや、『箱』に送っておいてくれ。今後、あれも必要になるだろう」

 

「………あぁ、なるほど、確かに。了解しました。では、そのように」

 

 ここで話は終わりなのか、ブラインドが徐々に上がっていき、窓の外には青い海が広がっていた。

 

 その間に白衣の男は部屋の隅に置いてあるポットでインスタントコーヒーを2人分作ると、1つをスーツの男に渡し、机に寄りかかる。

 

 ズズズッ、とコーヒーを一口飲んで、

 

「………しかし、よく実験に協力してくれる人材がこうも見つかりましたね。普通、こんな怪しげな実験、協力しないのでは?」

 

「あぁ。君は日が浅いだろうから知らないだろうが、裏には優秀な下請けがいるものだよ。話題の人物に対して恨みを持ち甘い言葉に乗りそうな人物、と指定しただけだが、なかなかどうして女にしては使える奴らだ。追加で探させても短期間で探し出してきた。兄の方しかいなかったから人数が少なめだったのは残念だが………まぁ、兄弟の性格の差だろう」

 

「話題の人物、兄………あいつか」

 

「? ………あぁ、そういえば君もアレに恨みがあったのだったか」

 

「あいつ、というよりかはあいつら、ですがね。あいつらがいなければ私はまだ」

 

「まぁ、いいではないか。それがあったからこそ、こうして私達は出会ったのだから」

 

 スーツ姿の男は山盛りの角砂糖が覗く、もはや角砂糖のコーヒー漬けのような物に口をつける。ふぅ、と一息ついた後、

 

「………しかし、あの年であそこまで恨まれるとは、末恐ろしいな。おかげで研究は進んだが」

 

「いや、恨んだのはこんな甘言に乗るような奴らですし、案外あいつに非は無いのでは? 私にとってはどうでもいいですが」

 

「一理ある」

 

 言外に毒島を始めとする実験に参加した少年達は馬鹿だと言う2人であった。

 

「あぁ、そうだ。コーヒーブレイク中に済まないが、次回の実験は夏の始め頃の予定だ」

 

「夏? だいぶ先ですが何かあるんですか?」

 

「あぁ。少し前からアメリカとイスラエルの動きが怪しい。今あの女達に改めて確認させているが………恐らくISの開発だろう。次はそれを使おうかと思ってな。今回の実験でISのコアも無くなってしまったことだしちょうど良いだろう?」

 

「その開発とやらが形になるのが初夏だと」

 

「そう見込んでいる」

 

「………あ、初夏で思い出しました」

 

「何をだ?」

 

「この前、欧州の友人と久々に会いまして。後一歩なのに完成しない、とプログラム関係で悩んでいたんですよ」

 

「ほう。どのようなプログラムだったのかな?」

 

「その完成したプログラムがこちらになります」

 

「料理番組かな?」

 

 スッ、と白衣の男のタブレットに文字列が表示されるが、スーツ姿の男はイマイチ理解していないようだった。だが、プログラム名を見て目を見開いた。

 

「これは………!」

 

「今回の実験を踏まえると、これが使えるんじゃないかと思いまして」

 

「確かにアリだな。だが、これ自体の実験は済んだのか?」

 

「これからやるそうです。夏に入る前だとか」

 

「なるほど………………可能なら初夏の実験に間に合うように調整してみてくれ」

 

「分かりました。それでは、私はこれで失礼いたします」

 

「あぁ。引き続きよろしく頼むよ。────玄武君」

 

「えぇ、おまかせください」

 

 玄武と呼ばれた男が部屋を出ていく。1人になったスーツ姿の男は、窓の外に広がる海を見ながらポツリと呟いた。

 

「──すべてはあるべき世界の為に」

 




TOPICS:毒島
 百春のかつての柔道仲間。とある男性に声を掛けられISの実験に参加し、箒を誘拐しようとIS学園を襲撃した。百春に撃退されたが、その際の戦闘情報のフィードバックに耐え切れず物言わぬ人形となった。その後、どこかへ運ばれたらしい。毒島が操縦していたISは暫定的にアルファと命名された。

TOPICS:アルファ
 百春が戦った所属不明のISを暫定的な呼称。近接格闘用に調整されており、銃火器などは量子変換されていなかった模様。内部からは女性の胴体が見つかっており、これでISの判定をクリアしたと思われるが、どのようにして男性が操縦していたのかは不明。


というわけで第11話でした。

好感度が振り切れてる人は束でした。まぁ、昔からの知り合いならそうなるよね。
いつか過去話書かねば………いつになるか。

そして鈴は葛藤中。自分が好きなのは一夏なのか百春なのかごちゃごちゃ考えてますが、9話の鈴視点を見ると、おや………?

そしてどっかの誰かの暗躍。ラスボスは用意しておかないとね。広げた風呂敷たためるかはさておいてね。

次回は閑話で小話の予定です。

ではでは、次回も気長にお待ちください。
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