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メンタル崩し過ぎて執筆から離れすぎていたので、リハビリがてらにこのすば編の更新です。
どこか文章がおかしな所があってもユルシテ………ユルシテ………
どうも。アクセルの街の冒険者ギルドで受付嬢をしているルナです。先日新しく冒険者になったモモハルさんですが、ゆんゆんさんとパーティーを組むことにしたみたいですね。
初クエストに行って、無事に帰ってきたと思ったら冒険者カードにはクエスト対象のゴブリンだけじゃなくて初心者殺しの項目があってビックリしました。初クエストで倒せるようなモンスターじゃないですからね!
ゆんゆんさんに瀕死まで追い込んでもらってトドメを譲ってもらったのかと思ったら、逆にゆんゆんさんは助けられてほとんど1人で戦っていたとか。前衛職でもないのに初心者殺しと至近距離で戦ってたとか何者なんですあの人?
まぁ、そんなこともありましたが、今では立派にクエストをこなしています。最近では討伐系ではなくポーションなどの材料採取クエストに行っているみたいですが、なんでも、
『こういうクエストをないがしろにしてはいけない。どこに何があるのか知っていると現地で調合できたりもするからな』
と、おっしゃっていたとか。『調合』のスキルを習得できる職業のアイテムマスターならではですね。
今日はまだギルドに見えないのでさっきギルドに見えたゆんゆんさんと話したんですが、今日は別行動をしているそうです。何でも探したいものがあるとか。一体何を探しているんですかね?
「さぁて、どっかでやってるといいんだが………」
『調合』のスキルで作ったポーションをいくつか手提げに入れて、俺は街をブラブラと歩いていた。
なんでそんなことをしているのかというと………ちょっと、ポーションをな、作りすぎたんだ。
ある程度クエストをこなして貯めた金で馬小屋暮らしから安宿に移ってからのこと。モンスターを状態異常にさせる薬が作れるかもと『調合』のスキルを取って、まずは練習としてごく普通のポーションを調合するための薬草を採取した。
ポーションに必要な薬草の群生地は採取クエストで分かったから適当に採取して調合してたのはいいんだが、練習練習と思って調合しまくってたら、気づけばそこには在庫の山。
元々ポーションはそこまで使わないし、ゆんゆんに分けてもまだまだ残っている。いっそのことどこかの店で引きとってもらおうと試供品としていくつか持って訪ね歩いているんだが、なかなか買取をしている店が見つからない。
このままだと借りてる宿の部屋の片隅をずっと占領する事になるから早い所どうにかしたいんだが………………うん?
「ウィズ魔道具店………アクセルに来た日に見かけた店だよな。ポーションは取り扱ってるみたいだが………」
いつぞや見かけた店に辿り着いた。窓から店内を見てみるに、ポーションだけでなく様々な物を扱ってるっぽいな。買取とか関係なくちょっと覗いてみたい。
カランカラン、と開けた扉に付けられた鈴が静かな店内に響いた。
「いらっしゃいませお客さんですかお客さんですね何もない店ですがどうぞごゆっく、りッ!」
ゴツンッ
「いや、少しは落ち着け? 大丈夫か?」
そして、店員なのに何もない店とか言うな。
店内の雰囲気を感じる間もなく現れた女性が俺の目の前で見事にコケた。なんだろう、そこはかとなくポンコツ味を感じる。
「あたた………」
「ほら、大丈夫か?」
「あ、すみません。ありがとうございます」
コケた女性は差し出した手を握って立ち上がると、服に付いた埃を払った。改めてその人を見ると、ウェーブのかかった長い茶髪に鈴が喧嘩を売りそうな出るとこ出ているスタイル、背丈は俺に近いか。結論、結構な美人。
「では、改めまして。ウィズ魔道具店の店主のウィズです」
「最近冒険者になったモモハルだ。職業はアイテムマスター。よろしくな」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。それにしても珍しいですね、職業がアイテムマスターって。初めてお会いましたよ」
「魔道具店の店主がそう言うってことは、職業を選ぶ時も聞いたがやっぱ少ないんだな」
「まともに戦うのが厳しい職業ですからね。けど一時期多かったんですよ? 確か、当時のアイテムマスターが作った武器がきっかけで国に召し抱えられたとかで夢を見た人達が多かったんです」
あわよくば自分も召し抱えられて〜、なんて奴が多かったんだろうな。国のお抱え職人の地位になれば優雅に暮らせそうだし。
「でも『鍛冶』の上位スキルの『鍛冶職人』を覚えられるレベルまで上げるのがかなり苦労するらしく、レベル上げは他の方がトドメを刺す前に奪うのが一般的、とまで言われてましたから」
「仲間同士ならまだしもそれは駄目だろさすがに」
「えぇ。なのでそういう人達が捕まったりした後に、今度は冒険者の職業が増えたんですよ。スキルを見れば、スキルポイントさえあれば覚えられますから」
「………なんかオチが読めたな。冒険者でも必要なスキルポイントが集められなくて、って感じか?」
「その通りです。それで結局他の職業になって、アイテムマスターになる人が激減したんですよね」
そうなると、その国に召し抱えられた人はすごいな。戦闘系のスキルに頼らずレベリングが出来たんだから。
っと、このまま話してたら忘れそうだから今のうちに聞いておこう。
「ところでちょっと聞きたいんだが、ここってポーションの買取はやってるか?」
と持っていた袋を目線の高さまで持ち上げる。ガチャッ、という音や袋からはみ出てる容器なんかでポーション系というのは伝わっただろう。
「買取ですか? やってますけどその持ってる袋の中身くらいの量なら、わざわざ売らなくてもいざという時のために取っておいた方がいいと思いますけど………」
「いや、これは試供品扱いで持ち歩いてるだけでな。部屋に在庫の山があってさすがにそれを持ち歩くのも面倒だし」
「それはそうですね。それなら一瓶お借りしていきますね。ちょっと物を確認してきます」
戻ってくるまで店内を見ててくださいね〜、とウィズさんは店の奥に消えていった。てっきり『鑑定』みたいなスキルでも存在してて持ってるのかと思ったが違ったらしい。専用の道具でも奥に置いてあるのか? ここは魔道具店だそうだし有り得そうだ。
言われた通り店内をざっと見て見たが、魔道具店と言うだけあって色んなものが置かれている。ポーションらしきものもあれば武具もあるし、よく分からない小道具もある。ただ、それらは共通して山積みされてるのが少し気になるな。
もう近くで見てみようかと一歩動かした所で、ウィズさんが紙を持って戻ってきた。意外と早かったな。
ウィズさんが持ってきた紙を受け取るといくつかの数字が二列に分かれて書いてあった。たぶん左が本数で右が値段だな。
「確認してきましたがこれは普通のポーションでしたね。買取となると一本あたりこのくらいかと」
「ん? 思ったより安くねぇな。ありふれた物だから買い叩かれるかと思ってたんだが」
「そろそろ在庫が切れそうだった、っていうのもあるんですが………上達すれば珍しい物も作れるアイテムマスターの方はなかなかお会いできないので、その………」
「これからもご贔屓に、ってことか。そんな頻繁に作れるかは分からないがそっちがよければよろしく頼む」
「はい! よろしくお願いします!」
握手のつもりで手を出すと両手で握られて風切音が聞こえそうなほどに上下に振ってきた。どんだけ嬉しいんだ。
「あ、せっかくですし何か買って行かれますか? お安くしますよ?」
「何か、って言われても店内は遠目でしか見てないんだが………このポーションみたいなのは?」
扉の横に山積みにされた箱から一本を手に取る。色合いは俺が作ったポーションに似ているが、少し赤味がかってる気がするな。横にも色味が違うポーションが何種類か同じように山積みになって並んでいる。
「それはですね、ポーションの体力回復効果に加えて、一時的に攻撃力が上がります! 『パワード』っていうスキルと同じくらい!」
「へぇ、バフもできるポーションか。便利じゃねぇか。なんで残ってるんだ?」
「それが、その分打たれ弱くなっちゃうんですよね………速さは下がらないんですけど………」
「あー………なるほど。ってことは横の奴も似たような効果か?」
「はい………打たれ強くなる代わりに足が遅くなったりとか、足が速くなる代わりに攻撃力が落ちちゃうとか………売れると思ったんですけどこうして在庫の山で赤字なんです………………」
ふむ、話を聞く限りこれらは何かを強化したら何かが弱化するポーションだ。弱化が残ってるのは値段の問題か? スキルと同じくらいの強化もできるポーション、ってなると値が張りそうだし、弱化を残して価格を抑えた、って所か。中々考えられてるな。俺も独自のアイテムを作るとしたらこういうのも考えないといけないな。
そんな事を考えながら改めて店内を見れば、このポーションと同じように山で置いてある物が数えるのも面倒なくらいある。………まさかとは思うが念のため。
「ウィズさん、そこの樽に入れられてる剣は?」
「装備してると魔法スキルの威力が上がります。ただ、重くて扱える魔法職の方がほとんどいません」
「あのポーションとは違う瓶に入ったやつは?」
「どんな匂いも消せる消臭剤です。ただ、強烈な匂いで上書きするだけなので無臭にはなりません」
「………あっちの、デフォルメされた熊みたいな人形は?」
「モンスターの注意を引きつけてる間に逃げられる人形です。ただ、自分も注意を引きつけられるので上手く逃げないといけません」
「………………おい、ちょっと聞くがこの店の商品全部そんな効果のじゃないだろうな?」
「ち、違いますよ! さすがにそんな訳ないじゃないですか!」
「だよな。そんなんじゃ経営が上手くいかないしな」
「全体の三割………二………いや一割は普通の商品です!」
「どんどん割合が減ってるじゃねぇかこのポンコツ店主! 仕入れが下手くそにもほどがあるだろ!」
さっき赤字とか言ってたのはポーションだけの金額じゃねぇな? 店の売上全体で大幅な赤字が出てるだろこれ。
「ポンコツ店主!? それにへ、ヘタクソって言い過ぎです!」
「言い過ぎな訳あるか! こんな売れ残ってる在庫の山、どう捌く気だ?」
「売れ残りなんかじゃありません! ただ必要とするお客さんが来ないだけで」
「それを売れ残ってるっていうんだよポンコツ!」
「店主すら取れた!? 少し前まで名前で呼んでくれてたのに………」
ヤバい、ちょっと言い過ぎたか。ウィズが肩を落としてあからさまにショボンとしてる。あぁ〜っと困りますお客様じゃない店主様目を潤ませないでください困りますあ〜店主様────
「────すまん、言い過ぎた。落ち着いたか?」
「は、はい………」
目を潤ませてぷるぷるし始めたウィズさん………いやもうウィズでいいなこのポンコツ。ともあれウィズを適当な椅子に座らせ、飲み物をコップに移して渡し、その隣に俺も座って落ち着くまでひたすら謝り続けた。
それでどうにか落ち着いてくれたが、俺としてはこれでハイ終わり、と行くのは心苦しい。となると俺にやれることは………
「ウィズ、ちょっと聞きたいんだが」
(呼び捨てになってる!?)
「な、なんでしょう………?」
「商品を仕入れる時、どんな風に仕入れてるんだ?」
「………………はい?」
さっきの流れがあったからか、説教が来るのかと思ったらしきウィズは、ビクビクしていた様子が一変して間の抜けた顔になった。
「えぇ〜っと、お店の経営に興味が?」
「違う………とは言い切れんか。こうも在庫の山を作り上げるウィズの店舗経営術が気になってな」
「なんかバカにされてるような………? それで、えっと私の仕入れについてですよね。モモハルさんのように持ち込んで来る方はほとんどいないので、アイテムを作ってる方を訪ねて作られてた商品を購入する、っていう感じです」
「じゃあこの店に置いてある商品も?」
「えぇ。よく行くのは紅魔の里、っていう紅魔族の住む場所ですね。面白い商品が多いんですよ」
紅魔族って確かゆんゆんの一族だったよな。で、紅魔族はゆんゆんを除いてアレな一族だから………………………なるほど、ロマンを求めたか? いや、それにしては使えない物が多い。仕入れに行くウィズの運が悪過ぎる、って理由じゃ片付けづらいしな。う〜ん、どっかでマジモンの紅魔族に会ってたら分かったんだろうが………
「仕入れる時はどんな感じなんだ? 例えばそこのポーションの時とか」
「また変な事を聞きますね………? え〜っと、確か────」
『このポーションは体力を回復するだけじゃなく色によって様々なバフをかける事ができる! ただまぁデバフもかかるけど問題ないよね!』
『そうですね買います!』
「っていう感じですね。というか、どうしてこんな事を?」
「………ん? これから長い付き合いになりそうな相手が気づいたら赤字で店閉じてました、なんて展開は避けたいからな。これでも商売に関わってた事もあったし、俺に出来そうな範囲でアドバイスをしようかと」
これはわりかし本音だったりする。そこそこ歩き回ってこの店に辿り着いたからな。作り過ぎなきゃいい話かもしれないがクエストとは別の収入源はあった方がいいし、ここが無くなってまた買取の店を探し回るのはゴメンだ。
まぁ、仕入れのやり取りを聞いた時には思わず目を覆いたくなったが、ここは我慢だ。これから改善すればいい。かつてアルバイトやタツの手伝いをしていた俺なら出来るはずだ。
「え、アドバイスしていただけるんですか!? 嬉しいです! 今の経営じゃかなり苦しかったのでぜひ!」
「おう。じゃあアドバイスの前にもう少し聞くがさっきのポーションの話、なんでデバフ効果が問題ないと思った?」
「私はこれでもアークウィザードだったので、デバフをかけられても戦えますから」
「………………なんで商品を自分で使う前提で買うんだ?」
「え? ………………あっ」
「気付いてなかったのかこのポンコツ………」
「うぅっ………甘んじてその呼び名を受け入れます………」
とすると他の商品も似たような感じで仕入れたか? ならまずはターゲッティングの問題か。
「ウィズ、この店は誰に向けた店なんだ?」
「? おっしゃってる意味がよく………?」
「ん〜、なら言い方を変えて、どんな客が来ると思ってる?」
「あぁ、それなら冒険者ですよ。それ以外の方向けの物も置いてますが、基本は冒険者の方に来ていただく事を考えてます。今もちゃんとそういう人達が来てますし」
「じゃあ、どんな冒険者相手を考えてる?」
「どんな、って………冒険者、ってだけじゃダメなんですか?」
「冒険者にも色々あるだろ? 前衛職か、後衛職か。仮に後衛職だったらアーチャーかウィザードかプリーストか。あとは男か女か、若者か年寄か、なんてのもあるな。その辺りを絞るだけでも大分経営が変わってくる」
「なるほど………具体的にはどのような感じですか?」
「ふむ………………俺が前にアルバイトしていた店の経験から考えるなら、性別で分けるならアイテム自体の重さを商品の仕入れ基準に入れてもいいだろうな。ちょっと偏見が入ってるが、力が………ステータス的には筋力か? それが高いのは男の方が多いだろう。男向けなら多少重くても性能が良いのを仕入れても売れるはずだ」
「ちなみに女性向けなら?」
「比較的軽いもの………それに加えて見た目だな。綺麗さや可愛さなんかを基準に加えていいだろう。もし女性向けだったらウィズの感性で見た目の良いものを選べば外れは少ない筈だ」
俺が今言った案は、かつてスポーツ用品店でアルバイトをしていた時に役立った。男性客は機能で選び、女性客は見た目で選ぶ事が多かったんだよな。実益もあって結構楽しいバイト先だったんだが、ショッピングモール計画のせいで一旦閉店する事になったのがとても残念だった。
「はぇ〜………そういうのを考えるんですねぇ」
「飯屋なんかと一緒だ。低価格やボリューミーなメニューを前面に出すか、ちょっとお高めのメニューで非日常を演出するか。店ごとにコンセプトが違うだろ?」
「あ、言われてみればそうですね。私もそういうのを考えた方がいいんでしょうか………?」
「あくまで俺の意見だ。店主はウィズなんだからお前が決めればいい。取り入れるのも取り入れないのも自由だ」
「ですが、せっかくこうして教えてくれたんですからまずは試してみますよ。他に何かアドバイスってあったりしますか?」
「それならすぐに実践出来そうな事が1つ」
「それは一体?」
「長所よりも先に短所を持ってきて仕入れを考えろ」
「? どういう意味ですか?」
「そうだな………さっき、俺がどういうものか聞いた消臭剤だが、仕入れた時ってポーションと同じように『どんな臭いも消せるけど、強烈な匂いがある』みたいに言われて即決で仕入れたんだろ?」
「そうですね、そんな感じでした」
「さっき俺が言ったことをこれに当て嵌めると『使うと強烈な匂いがするが、どんな臭いも消せる消臭剤』だ。これ、仕入れるか?」
「………強烈な匂い次第、でしょうか。その匂いがもしクサいものだったら使いたい人はいないでしょうし………」
「今、ウィズは考えたよな? 即決せずに」
「え? はい、そうですが………あ、もしかしてそういうことですか?」
「おう。仕入れるか決める時に売れるかどうか考える、それの入門用みたいなもんだな。これを実践していくだけで仕入れの無駄が多少は減るはずだ」
「おぉ〜! 確かにこれなら出来そうです! 今度からやってみますね!」
赤字脱却も夢じゃないのでは!? とウィズは喜んでいるが言わせてほしい。むしろ何で今までやってなかったんだ。声には出さないけど。
この後、店内を物色しながらウィズとポーションをいつ頃持ってくればいいか決めたり、アクセルの街を始めとした地理について聞いたりと様々な話を聞けた。
そうそう、聞く所によると転生の時に会った女神アクアを祀っている宗教の街があるらしい。機会があれば礼拝に行ってみるのも悪くないかもな。ウィズはあまりオススメしないと言ってたが、本人に………本神に? 頼まれて選んだとはいえ転生の礼をまだ言ってなかったからそれぐらいしに行くのが筋ってもんだろう。
「またアドバイスしてくださいね! またのご来店をお待ちしてます!」
と、今日のやり取りでかなりの好印象だったのか、店を出る時にウィズが手を振っていた。
「しっかしどうにも不安だな………」
あまりのウィズのポンコツさについアドバイスをしたが、帰路についた今でも不安が拭えない。なんかこう、誰とは言わないが突拍子も無い行動をしでかす直前の空気のようなものを感じる。
でもまぁ、大丈夫だろ。あれでも今まで店を経営してたんだから。
そう思っていた時期が、俺にもありました。
それから少しして。
カランカラン
「いらっしゃ────あ、モモハルさん! いらっしゃいませ!」
「おう、ウィズ。今日もまた作ったアイテム持ってきたぞ。そういえば、あれから仕入れはどうだ?」
「おかげさまで仕入れの無駄がかなり減りました! 売れないだろう商品を仕入れないだけでこんなに変わるんですね。いや〜なんとお礼を言えばいいのか」
「気にするな。こっちが好きでやった事────」
「その分大量に仕入れることができました! これで大口注文が来ても大丈夫です!」
「………………は?」
「それとですね、『私の感性で見た目の良いものを選べ』っておっしゃってたじゃないですか? それで色々仕入れてみたんですがどうでしょう? まぁ、ちょっといつもより多めに買っちゃって赤字が増えちゃいましたけど大丈夫ですよね」
「………………………け」
「け?」
「────結局赤字が変わってねぇどころか悪化してるじゃねぇか! そこに座れポンコツ店主! 経営についてみっちりしっかりきっちり叩き込んでやるからな! 今日は営業できると思うなよ!?」
「え、営業妨害です! お客さんが来たらどうしてくれるんですか!?」
「普段から来ねぇのにピンポイントで来ねぇよ!」
「………………ホントのこと言わなくても………ぐすっ」
「あっ………………すまん」
こうして、これから度々このポンコツ店主の店舗経営に付き合う事になった。が、あまりのウィズのポンコツさに頭を痛める事になることを、この時の俺は知らない。
尚、後々ウィズの店に仮面を着けたアルバイトが増えた時に、
『──これはこれはモモハル様。よくぞ当店へお越しくださいました。ささ、こちらへどうぞ』
『お、おう?』
『ちょっと! なんで女神の私の扱いはぞんざいなのにモモハルは丁寧に扱うのよ! 普通逆でしょ!?』
『黙れポンコツ女神。この方はこの店のVIPだ。貴様なんぞと扱いが違うのは当然だろうが。この方がいなければ店の赤字が今の何倍になっていたか………………我輩、恐ろし過ぎて夜も眠れん』
『むしろモモさんですら赤字を消せないってこの店どうなってんだ?』
なんてやり取りをする未来が待っていることも俺は知らない。
前回はアンケートへのご協力ありがとうございました。
別枠行きと作者の好きでいいが半々、このままここでがそこそこといった結果でした。
意外にも作者の好きでいいが多かったので、このままここで掲載していこうと思います。ちょっとやりたいこともあるので本編とまとめておきたかったんです………いつになるかは分かりませんが。
あと、どなたかは分かりませんが一時の気の迷いで作った他のコラボの選択肢に投票してくださった方、ありがとうございます。いつかきっと多分書きます。
他の方の小説を読んでいると「この原作に百春放り込んだらどうなるかな」と考えることが多いんですよね。トレセン学園とか雄英高校サポート科とか色々。オリキャラ作ったら使いまわしたくなる作者です。
本編の更新はいつになるか分かりませんが、次回更新も気長にお待ちください。