ダンガンロンパ・コンパチブル   作:こんぱち

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『モノクマファイル3』

『モノクマファイル4』

『拳銃』

『岸和田先輩の遺体の状態』

『岸和田先輩の手帳』

『磔台』

『モノクマメダル』

『パチスロ』

『手岡先輩の衣類』

『岸和田先輩の電子生徒手帳』

『岸和田先輩のスマホ』

『手岡先輩の電子生徒手帳』

『手岡先輩のスマホ』

『岸和田先輩が抱いていた疑惑』

『動機メモの割り当て』

『ラブアパートの注意』

『カムクライズルプロジェクトに参加する瑞倉先輩の映像』

『ペットボトルと括りつけられたスマホ』

『瑞倉先輩のスマホ』

『破られたリスト』

『モノクマポイズンA』

『竹枡先輩の証言』

『寮内の洗剤』

『モノクマメダル獲得履歴』

『モノクマファイルの違和感』

『擦りガラスの円形の傷』

『破り捨てられていたリスト』

『水の染みこまない動機メモの紙』

『パチンコ・パチスロとその用語』

『手岡先輩の部屋にあった手紙』

『遺体を残さない殺人鬼』


第三章 非日常 裁判編 後編

 そうだ。『自分の秘密を配られて、読み上げただけでその紙自体を見せてない』堀津先輩なら、書かれていた内容に関して嘘を吐けるじゃないか。一目先輩も自分の秘密が配られていたが、すぐに全員に見えるように食卓の上に投げ捨てるようにして公開したから、一目先輩は動機に関しては嘘を吐いていない。

 だが、あの、みんなのリーダーのように振舞ってくれていた堀津先輩が? しかし、気づいてしまったからには言わざるを得ない。

「堀津先輩、……堀津先輩は動機メモを誰にも見せていませんよね。今、持っていますか」

「ああ。持っている」

「実は堀津先輩と岸和田先輩のに渡された動機メモだけ、この中に見た人がいないんですよね。それを見せてもらっていいですか?」

「……あまり心地よい内容ではないが、それで信頼を得られるなら必要なことなのだろうな」

 とポケットからそれを取り出し、反時計回りに、岸和田先輩とカディナ先輩の遺影が置いてある証言席を通り過ぎて瀬戸先輩に渡した。

「……『堀津圭司は加害者を追い詰めることのみを優先し、被害者の不利益になる手段もいとわない』。確かに昨日の朝言ったことと同じっすね」

 読み上げた瀬戸先輩は羽月先輩に渡し、羽月先輩も「その通りだね」と肯定して、僕のもとに回ってくる。それには印刷されたと思われる文字でそう書かれていた。そして右隣の瑞倉先輩の席を通り過ぎて竹枡先輩へと手渡す。それは順繰りに一目先輩のもとにたどり着いた。

「ほうほう。確かに言っていた通りだね。……だけど」

 読んでいた一目先輩はポケットからなにかを取り出して、そのメモに近づける。カチッという小さな音が上がった。

 

 ……すると、じじじじじ、という音と、モクモクとした煙が、一目先輩の手元から上がった。

 

「うわあ、燃えちゃったね」

 どうやら一目先輩が取り出したのはライターで、そのメモに火をつけたようだった。その燃やした当の本人は他人事のようにそんな声を上げている。

「い、一目! お前何してるんだ!」

 珍しく動転した様子で、堀津先輩が怒鳴り声をあげる。……いきなり重要な証拠を燃やすなんて、本当に一目先輩はなにをしているんだ?

「見てわからない? 燃やしてるんだよ。思ったより煙が出たし手も熱いからやんなきゃよかったなあって思ってるけど。擦って消したけどやけどとか水ぶくれとかできないといいなあ」

 そんな剣幕にも柳に風、とばかりの一目先輩。

「それは見ればわかる! 俺が聞いてるのはその理由だ!」

「自分に配られた動機メモ、書かれていることは大したことなくてみんなに見せたとはいえ、こんな紙があるのは良い気分じゃなかったから、破り捨てようと思ったんだけど良い紙使ってるのか全然破けなかったんだよ。燃やそうとしてもダメだった」

 と説明を続ける。そういえば、水がしみこまないところを自分も見ているが、こんな手段でも偽の動機メモの紙を見破ることができるのか。……だからといって燃やすのはパフォーマンス過多だとは思うが。

「……でも追跡者君が今、僕らに回したメモは簡単に燃えちゃったよね。だから偽物なんだよ。ご丁寧に印刷された文字みたいに綺麗に書いて、よっぽど隠したい秘密だったんだろうね。僕の方が嘘吐きだと思う人は、もし今動機メモを持ってるなら破ったりして試してごらん。あ、燃やすのはお勧めしないよ。動機メモは燃えないにしても火であぶると熱いからね」

 そう告げられた僕は、ポケットの中の黒須先輩の秘密が書かれた動機メモを取り出して破こうと試みるが……確かに、かなり力を入れてもまったく破けない。これに関しては一目先輩の言が正しい。

「ほらね。追跡者君は嘘を吐いている。……ここにきて一気に怪しくなったね」

 煽られた堀津先輩は、大きく一つ、深呼吸して。

「……すまない。動機メモに関して嘘を吐いていた」

 そう、いつものように落ち着いた表情で白状した。

「じゃあどうして嘘を吐いたのか説明してもらえるかな?」

「……俺は警察ともかかわる才能から、どうしても職務上知りえた秘密に関しては守秘義務がある。だから、自分が泥をかぶるような偽の秘密をでっちあげてでもそれを守らなければならなかったんだ」

 と大きく、頭を下げた。

「混乱させて、すまなかった」

 その殊勝な姿勢に、堀津先輩をさらに追及するべきか否か、みな迷っている様子で、しばらくの間、裁判場が静まり返る。

 ……だが、これは僕が得た情報と矛盾するところがあるのではないか。思い出してみよう。

 

 

ロジカルダイブ!

 

 

1その情報を得たのはいつ?

 

『一日目の昼~夕』

 

 

2それは誰と話していた時?

 

『岸和田安美』

 

 

3その内容は?

 

『父親も警察官だが公私混同するところがある』

 

 

推理はつながった!

 

 

COMPLETE!

 

「堀津先輩、……一日目、岸和田先輩と話していた時、『父親も警察官だが公私混同するところがある』……といったようなことをおっしゃっていませんでしたか?」

「……は?」

 指摘された堀津先輩は、彼らしくなく、一瞬口を開けたまま呆けていたが、すぐ表情を取り戻す。

「い、いや、父親がそうだとは言ったが、俺はそうじゃない! むしろ俺は父親を反面教師にして、『公私混同はしないようにしよう』と心がけているんだ! だからこのような状況に陥っても公務で知りえた秘密は公開できないんだ!」

「でも……その後『そのおかげで希望ヶ峰学園のお眼鏡にかなうほどの才能を手に入れたんだから問題ないだろう』と公私混同に関して開き直るようなことも……」

「てゆーか、職務上の守秘義務で話せないなら、わざわざ嘘なんてつかないで最初からそう言えばよかったじゃん。追跡者君のやり方じゃ、大きな嘘を隠すために小さな嘘を並べ立てて守ろうとしてるようにしか見えないよ」

 僕と一目先輩のさらなる追求に、感情を失った真顔になったかと思うと

「このっ、なんの、何の才能もない中学生のガキがぁああああああああ!! お前は俺の追跡者としての責務や苦悩がわからんのかぁああああああ!!」

 と、急に感情を爆発させたように暴言を垂れ流した。……豹変、という言葉がふさわしい。

「ちょっとは落ち着いたらどう? 追跡者君。それじゃ自分が犯人だって言ってるようなものだよ?」

「口を開くな! この汚らわしい淫売男めがああああああ!!」

「おお。こわいこわい。じゃあしばらく口を閉じていようかね」

 罵詈雑言を飛ばす堀津先輩。それに対して余裕の一目先輩。

「そうだ……そうだ! 今わかったのは俺が秘密を偽ったということだけ! まだお前らは毒ガスの出どころもわかってないじゃないか! 薬品棚にあったモノクマポイズンAではない! 『まぜるな危険』の洗剤でもない! じゃあどこから俺は毒ガスを手に入れたというんだ!」

「あのーちょっと気になったことがあるんだけどー」

 激しい剣幕でまくしたてる堀津先輩にややひるんだ様子ながら、竹枡先輩がおずおずと手をあげる。

「口を挟むな色ボケぇ!」

 堀津先輩にそう返された竹枡先輩は、ひいっ、と小さく悲鳴をあげる。だが、『使われた毒はモノクマポイズンAではない』ということを暴いた彼女なら、さらに気づきがあるのかもしれない。

「……脅しに屈しないでください竹枡先輩。気になったことは言っていきましょう」

「えっと……なんで使われなかったモノクマポイズンAが持ち出されたのかなー?」

「そういや、リストが破られとったことも気になるな。リストはウチが持ってるカムルンのスマホに画像としても保存してあることは前回の学級裁判で周知されとるはずやからな」

 竹枡先輩に続いて、芳賀先輩も疑問を呈する。確かにそうだ。見つかってバレるリスクを押してまで、わざわざそんな工作をしたことは気になる。誰かに罪を擦り付けようとしたのか? しかし実際、これまでの議論の中で『薬品棚に行ったから怪しい』って嫌疑をかけられてる人はいなかった。

 ……いや、これは竹枡先輩の証言によって『モノクマポイズンA』の話題が出た後に、すぐにそれが使われていないことが明らかになったからだろう。これは竹枡先輩の超ファインプレーだ。もし彼女が変色に関して明らかにしていなかったら、そのまま『モノクマポイズンA』が使われた前提で議論は進んでいき、最終的に誤った人物をクロに指定していた可能性は高かった。

 だが……とにもかくにも、これは『リストが破られているということは間違いなく薬品棚の物が使われた』かつ『犯行は誰でもできた』という印象を持たせるための偽装だったんじゃないか? そしてそんな偽装を行うということは、逆説的に言うと、クロは『誰にでもはできない手段か、何かしらの証拠が残る手段で凶器となる毒ガスを取得した』ことになる。……そう、何かしらの証拠が残る手段。

 

コトダマ合成!

『パチンコ・パチスロとその用語』

『モノクマメダル獲得履歴』

 

 そうだ。岸和田先輩が銃をパチスロで手に入れたように、クロも同じくパチンコかパチスロ(これらをまとめて『遊技台』と呼ぼうか)から手に入れた可能性がある。獲得履歴より現在の所持数が少なければ、それらをやっていた証拠になる。

「クロは証拠が残る手段で毒ガスを手に入れたため、カモフラージュとしてリストを破いたりモノクマポイズンAを持ち出したりしたのでしょう」

「じゃあその証拠が残る手段とはなんだ! 言ってみろ!」

「岸和田先輩が銃を手に入れたように娯楽室の遊技台のどちらかからです」

「え、パチって誰が打ったかとか記録残るん?」

「いえ、それ自体に記録は残りませんが……電子生徒手帳の新たに追加された欄、『モノクマメダル獲得履歴』と現在のモノクマメダルの所持数を比較すれば打ったことはわかるんです。モノクマメダルにはそれしか使い道がないのですから。……岸和田先輩に一枚渡してしまったため、僕の現在の所持数は獲得数より一枚少ないということは先に伝えておきます……それでは、皆さん、開いてみてください」 

 僕がうながすと、全員が電子生徒手帳を覗き込んだ。そのモノクマメダル獲得理的欄を開くとこう書かれていた。

 

 一目……1枚

 勝……0枚

 カディナ……0枚

 岸和田……15枚

 霧生……2枚

 黒須……10枚

 琴間……2枚

 瑞倉……50枚

 瀬戸……2枚

 竹枡……2枚

 手岡……2枚

 羽月……5枚

 福添……5枚

 堀津……0枚

 芳賀……2枚

 

 ……え、堀津先輩が0枚? それじゃあ遊技台も回せない、景品を受け取ることもできないじゃないか。

「ほらな! 俺はモノクマメダルを獲得していない! だから景品となるようなものも受け取ることができるわけないんだ!」

「……それは違うよ。堀津クン」

 そう言い出したのは……勝先輩だった。手にはモノクマメダルを2枚、見せびらかすように掲げている。……あれ、0枚のはずの勝先輩が2枚? 僕が岸和田先輩に1枚渡したように、誰かに渡されたのか?

「……この2枚はね、霧生クンの遺品の中に入ってたんだ。遺品として手に入れたモノクマメダルは、モノクマメダル獲得履歴に反映されないらしいね。……霧生クンの遺品、受け取ってよかったよ」

「この……飯炊きしか能のないデブが……」

「さて、瑞倉クンの遺品を受け取っていたはずの堀津クンは、獲得履歴に反映されなくても、50枚も手に入れていたことになるね」

 堀津先輩の暴言にも動じてない勝先輩。なぜか『動かざること山のごとし』なんて言葉が思い浮かんだ。

「これだけあれば景品が出るまで回せますよね。たしか遊技台には、ここまで回せば必ず当たるという『天井』がもうけられていましたから」

「だが! 他の奴が少ないメダルで当たりを引き当てた可能性も否定できないだろう!」

「……じゃあ、これならどうかな?」

 今度は黒須先輩が声を上げ、モノクマメダルを公開した。その枚数は、獲得履歴と同じ10枚だ。

「獲得した枚数と、今持ってる枚数が同じ人は、パチンコもパチスロもしてないから、景品も受け取れてないってことになるよね」

 黒須先輩に呼応して、みな自分が持っているモノクマメダルを見せる。……全員、獲得枚数と一緒だった。……僕はというと、岸和田先輩に一枚渡したので、獲得枚数から減っているが……

「……開く前にあらかじめ言ってくれたから信じるよ」

 と黒須先輩はそう言ってくれた。

「……それで、堀津君は?」

「も、持ち歩いているわけないだろうそんなもの! 50枚近くもあったんだぞ!」

「……あれ、追跡者として多くの仮説を立ててきた堀津君が、まさか事件に関係のある証拠になるかもしれないモノクマメダルを学級裁判に持ってきてないの? ……本当は使っちゃって持ってないんじゃない? それに今、50枚近くもあった、って言っちゃったよね? 記録に残るような獲得はしてないけど、瑞倉くんの遺品から50枚近く、手に入れてたんじゃない?」

「こっ……このチャリカス女が……」

「……聞くに堪えないね」

 チャリカス……自転車乗りに対する侮蔑を込めたスラングだよな……。

「だがな! 本当に景品の中に毒ガスがあったのか、証明できないじゃないか!」

「あ、それに関してだけど」

 としばらく口を閉じていた一目先輩がスマホを掲げている。画面には何か表のような画像が映し出されていた。

「これね、第一の事件が起きた時、幸運君の部屋にあった『遊技場の景品リスト』を写真に収めたものね。僕は見つけた後、撮るだけにして回収しないで放置したんだけど、追跡者君が見つけてたにしろ、見つけられずに遺品に回ってたにしろ、今追跡者君が持ってるでしょ。……芸人君が見つけてたら、彼の性格から言い出してると思うしね」

 あまり文字は大きくないが、その表には『モノモノポイズンA2』という文字が存在した。

「それだけじゃないよ。これ」

 スワイプして次の画像に移り変わる。……そこには『密閉・低温状態だと液体だが大気に触れると常温で気化、数十分曝されると酩酊などの前兆が起き、その時点で危険水域。その後高濃度酸素吸入などの適切な処置がなされなければ、死に至る。水を加えると無毒になる』という文章がのせられている。……モノクマポイズンの効果とは、『変色あり』という一文が存在しないことを除いて、同じものだった。

「そんな画像……お前の方が偽装してるんじゃないのか!」

「いや、追跡者君じゃあるまいしそんなことしないよ。さて君と僕、みんなどっちを信頼するかな? まあ僕も普段の態度がいいとは言えないからあまり信頼されてないかもしれないけど。……豹変して暴言なんかはいてなかったら、君の方が信頼されていたかもね。でももう遅いか」

「この……淫売男が……そもそもなんで見つけたのに回収しなかったんだ……」

「まあ誰かを追い詰めるのに役立つかもしれないと思ったからね。ちょうど今みたいに」

「だが、どうして俺はアラームを午後11時50分にセットすることができたんだ! 手岡が受け取った呼び出しの手紙には時間の指定もなかっただろう!」

 堀津先輩はまだ明らかになっていない部分を持ち出してあらがうが……これは明らかな失言だ。

 

 

これで証明できる!『岸和田先輩の手帳』

 

「『手岡が受け取った手紙には時間の指定もなかった』なんて、まるで実物を見たかのように言うんですね。そんな手紙がある、っていうことを、黒須先輩の口からしか出てないんですが。……手帳のその下のページを鉛筆で塗りつぶして文字を浮かび上がらせたの岸和田先輩の手帳は掲げてお見せしましたが、僕は『手に取って、至近距離で目を凝らすようにして』ようやく読み取ったんですが、堀津先輩にはその距離から読めたのですか?」

「ぐっ……貴様……」

 ……もはや決まったものだろう。

 真の動機がわかってない以上、未だ釈然としない部分はあるが、事件をまとめよう。動機や内心はどうあれ、事実さえ明らかにしてしまえば学級裁判は終わる。

 

 

クライマックス推理!

 

 ACT1

 この事件の引き金となったのは、昨日の朝の動機メモだったんです。……それは一見、大したことのない内容に思えましたが、手岡先輩の秘密が渡ってしまった岸和田先輩と、自分の秘密が渡った堀津先輩にとっては重大なことが書かれていたのです。そこで二人は、とっさに嘘を吐いたんです。

 

 ACT2

 その後、岸和田先輩はモノクマメダルを使ってパチスロで遊んだ。……コロシアイに役立つ景品目的だったのか、それとも単なる興味本位だったのかはわかりませんが。僕の渡したモノクマメダルで当たりを引いてしまった。……もしここで渡してなかったら、岸和田先輩は当たりを引かず、銃も手に入れずでこの事件は起こらなかったかもしれないのに。

 

 ACT3

 その後、岸和田先輩は手岡先輩にラブアパートで密談しようという手紙を出す。それをクロは何かしらの方法で知って、娯楽室の遊技台で手に入れた毒ガスの罠を仕掛けておいたんです。娯楽室は夜時間に閉まる施設ではないので、夜中誰にも気づかれないように行くことも可能でした。……福添先輩のオシオキを思い出してしまうような磔台の下なら、見つからないと思ったんでしょうね。事実、クロの思惑通りに岸和田先輩と手岡先輩はそれに気づかずラブアパートに入って、カギをかけてしまった。

 

 ACT4

 自然に同衾するように、衣類を脱いでベッドに入った手岡先輩。……そんな彼女を、岸和田先輩は手錠で拘束し、銃を向けた。……突然だったのか、なにか会話を交わしたあとだったのか、これもわかりませんが、岸和田先輩は手岡先輩を撃った。……眉間だったから即死だったでしょうね。なので手岡先輩を殺したクロは岸和田先輩になります。

 

 ACT5

 その後、クロが仕掛けた罠が発動し、ラブアパートに毒ガスが充満する。びくともしないドアに……逃げ場のない岸和田先輩は何とか逃げ出そうと、モノクマポイズンA2によって酩酊した頭で考えた結果、擦りガラスを撃ったのですが……弾は逆に跳ね返って、それが胸に命中してしまった。跳弾で威力が弱まっていたので、それで絶命したのではなく、充満した毒によって。

 

 ACT Final

 その毒ガスの準備と仕掛けを作ったクロは、瑞倉先輩の大漁のモノクマメダルを手に入れていた……『準・超高校級の追跡者』堀津圭司先輩……あなたなんです。

 

「さあ、なにか反論がありますか!」

「くっ、くくく……」

 そう呻く堀津先輩。……これは根を上げた、ということでいいだろうか。

「くくく、ははははははははあああああああああああ!!」

 と思いきや、急に哄笑をあげだし始めた。

「お前は、お前らは! 重要なことを見逃している!! そうさ! あの白髪男、瑞倉のモノクマメダルを使って、パチンコで獲得した毒ガスを仕掛けたのは俺だ! だがなあ! 本当にマスゴミ女岸和田安美が毒ガスで死んだのか、お前らにはわかってないじゃないか! いや、それは俺にもわからないがな!! せっかく俺がクロになれたと思ったら、最後の最後で余計なことしやがってこのマスゴミ女めが、と死体を見たときには思ったが、まさかこのような形になってくれるとはな! 俺は幸運なのかもしれない!」

 と、高笑いをあげ続けながらそう指摘する。

「真実は! こっちだ!」

 

 

クライマックス推理 Reverse!

 

 ACT1~4 No Change!

 

 ACT5 Change!

 その後、『俺』が仕掛けた罠が発動し、ラブアパートに毒ガスが充満する。びくともしないドアに……逃げ場のない岸和田は何とか逃げ出そうと、擦りガラスを撃った……弾は逆に跳ね返って、それが胸に命中してしまった。跳弾で威力が弱まっていた『が、それで絶命した』。

 

 ACT Final Change!

 毒ガスがどうとか関係なく、この事件のクロとなるのは……磯臭さ女、手岡漁子を殺し、その後マヌケにも自分が撃った銃の跳弾でくたばった、『準・超高校級の記者』、マスゴミ女、岸和田安美だ!

 

 ……そうだった。その可能性もまだ捨てきれない。遺体の見張りは堀津先輩がしたし、もし僕らが検分できていたとしても恐らくわからなかっただろう。

「盛り上がってるけどそろそろタイムアップだよ! どっちも頑張れー」

 そう茶化しながら急かすモノクマの声も、僕と堀津先輩の喧々諤々の議論にかき消され気味だ。 ……一体どちらが真実なんだ? ……完璧な答え出なくても良い。少しでも、どちらが正しいのか、真実にたどり着くための手掛かりはなかっただろうか?

 

 コトダマ整理『岸和田先輩の遺体の状態』

 

 岸和田先輩は、胸から血を流し、左手でその胸を抑え、右手に打撲痕、そして右手の人差し指に血液が付着していた。

 ……打撲痕とだけしか記載されていない、右手の人差し指に血液が付着? 岸和田先輩が銃を擦りガラスに向かって撃つ前後のことを考えてみよう。

 毒ガスが充満してることに気づいた岸和田先輩は、まず擦りガラスの窓を右手で殴った。『打撲痕』はこの時にできたものだ。

 しかし、びくともしない窓に対し、『右手に銃を持ち、右腕を左手で抑えるように構えて』銃を撃った。だがそれは跳弾して左胸に当たった。痛みで『とっさに右腕を支えていた左手で胸を押さえ、銃を持っていた右手はそれを離す』だけにとどまったんだろうな。

 だけど、なにかダイイングメッセージを遺そうと、『右手人差し指を出血部分に押し当てた』んだ。切り傷がないのに血がついてる理由がこれだ。

 

 ……だから、

 

 この言葉で、示して見せる!

 

『岸和田先輩の右手の人差し指についていた血』

 

 

「ああ! マスゴミ女の右手の人差し指についていた血だと? それがどうした!?」

「……あれ、跳弾を胸に受けた後も息があって、ダイイングメッセージを遺すために意図的に自分でつけたものなんじゃないですか?」

「だとしても! それはあくまで跳弾で即死はしなかったというだけの話であって、毒ガスでくたばったという確証ではないだろうが! それにあいつはダイイングメッセージを遺そうにも誰の名前を書こうとしてたっていうんだ!」

「……ですが、銃で亡くなった可能性を少しでも減らし、毒ガスで亡くなった可能性を少しでも高めてくれる証拠であることには変わりありません」

 

「さあ、それでは、投票ターイム!!」

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