ノリモントレイナー:輸送の生命   作:だぶるすたぁ

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19レ後:祝福は聖なる日に

 東京都内某所。

 金剛丸の号鐘を囲むように集まっている、シエロエステヤードの5名。かれらのミーティングが、今始まろうとしていた。

 

「へぇ、JRNは動き出したみたいだね」

「妾共も動きましょうか」

「うーん、まだ時期尚早じゃないかな。彼らが動き出したとはいえ、それが終わるまでには時間がかかる。ならば最高のタイミングで突入したくない?」

 

 そのスタァの提案に、乗ったノリモンがいた。

 

「ならば。私に任せて。この次元に偉大なる祝福のクリスマス・プレゼントを」

 

 ブゥケトスは号証に触れながらそう言った。

 

「クリスマス……いいね、その頃にしようか」

「えぇ。この前の一般公開で、建物の構造と、そしてココマ号の反応からどの場所で鐘をならせばよいかはわかっている」

「それは心強い。みんなはどう?」

 

 スタァインザラブは残る3名へと目線をやりながらそう問いかけた。

 

「それしかないと思います。妾は既にトシマ号と居合わせてしまいましたから」

 

 ライスシャワァはJRNへの襲撃にはまだ適さないと彼女自身考えている。故にその案に乗った。

 

「Affirm。オレは既に警戒対称だろう。あの時のミスのせいで」

 

 エンゲヰジリングが続いた。彼もまた同じだった。

 

「俺もすでにJRNの連中に挨拶をしている。同席していたトレイナーにより報告が上がっていてもおかしくはない。だから念の為控えたいと思う」

 

 ジュウンブライドは少しだけ事情は異なるが、念には念を入れてその役目を降りた。

 結果として、最初からブゥケ以外にはそれを行いうる者はいなかったのだ。その事実に、ブゥケは苦笑いをした。もう少し慎重に行動すべきだと。

 

「スタァ様」

「ボクは封印から解かれたココマ姉さんが変に市民を傷つけたりしないよう、予め人払いとかをしなきゃいけない。だから、その号鐘を鳴らすのはブゥケに任せるよ」

「承りました」

 

 ブゥケは号鐘を手にとると、それを自らの自元(アイゲン)領域(ゾーン)に置いた。ここ数ヶ月の間にCyclopedによりもたらされた技術により、シエロエステヤードはその5名だけでその計画を遂行するのに十分な力を手に入れたのだ。

 

「そしてボクと残るみんなは、並行して次のプロセスの準備を」

「ならばオレは特異点の捜索にあたろう」

「うん、一番警戒されてるリングはそれがいいかもね」

 

 スタァは理解していた。ルースの落し子の復活により、再びこの次元に変革が生じうる事を。そもそも()()()()()()i()()()()()()()()()()/()i()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ノリモノイドに成るようになり、五元神の受肉が能うようになったのだ。ルースの落し子の復活は、そのプロセスの再現に他ならない。

 今ある欠痕の門を閉じる前に、代わりの門を開く。これにより、この次元のノリモンはクィムガンとならずともリロンチを経て完成に一歩近づくことができるようになると。

 そして欠痕の門を閉じれば、ノリモンがそもそもクィムガンへと堕ちることは無くなると。それこそが全てのノリモンに祝福を届ける唯一の手段に他ならないのであると。

 

「リング。あらかじめ言っておくよ。特異点はいつ生まれるかボクもわからない」

「スタァ様でも、ですか」

 

 そもそも、特異点が生まれ、そこに門を開いた事例はこの次元において過去に1つしかない。そこに再現性があるかすら、本当は怪しい事だ。だけど、スタァはこの術以外にそれを引き起こす手段を持ち合わせていなかった。

 

「必ず言えるのは、それはココマ姉さんの復活よりも後って事だけ。前は見つけるまで2ヶ月かかったけど、今ならもっと早くに見つかると思うよ」

「前……?」

 

 リングは首を傾げた。

 スタァはまだ言ってなかったっけと記憶を探す。そういえば、みんなに伝えてなかったな、と。

 

「70年前に今ある門を開いたのはボクだよ。それができたからこそトシマ姉さんはトレイニングして、ココマ姉さんを封印することができた。だけど、ボクはそのプロセスで失敗してしまった――これはその償い。だからこそ、今回は必ず成功させなければならない」

 

 そう語るスタァの目には、決意の星が輝いていた。

 そしてそれを4名がまた目を輝かせながら見ている。4名はみな、スタァに救われたノリモンだからだ。

 

「さて。リング、特異点は早ければ復活したその瞬間より発生しうる」

「I copied。JRNの連中より先にオレ達で。任せてくれ」

「ジュンも別行動だけど、リングと同じことをよろしくね。シャワァはボクと一緒に、学園跡地で復活を見届けて、S(シールド)バーストの備えをしよう」

「Sバースト……? 何故」

「アレがリロンチを促すのは、そもそも超次元の穴を開けるから。だからこそ積極的に起こした方が、特異点は生まれやすくなる」

「なるほど。それが目的だったのですね」

 

 まぁ、机上の空論だけどね。スタァはそう返しながらも、正しい事を疑ってはいなかった。

 これが終われば、この次元は間違いなく大いなる変革を迎え、あるべき姿へと落ち着くのだと。そしてノリモンは進化して、人間とより良い関係を簡単に築くことができるようになると。

 

「さぁ、はじめようか。真実の星夜を。そして全てのノリモンに祝福を」

「「「「全てのノリモンに、祝福を」」」」

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