東京都新宿区西新宿、新宿駅。
3面3線の地下ホームで、ポーラーエクリプスは出発を待っていた。
いや、ポラリスだけではない。既に20名のノリモンが10名ずつ、1番線と3番線に分かれて入線していた。
『高尾山冬そば杯』。それが今日この線路で行われるレースの名前だ。この新宿駅から高尾山口駅までの片道27マイル50チェーンのワンウェイレースが、まもなく幕を上げようとしていた。
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さぁ、この日がやってまいりました冬そば杯。
まさに東京の冬空、雲ひとつない澄み渡るほどの快晴に恵まれたこの武蔵野の鉄路を20名の選手が駆け抜けます。
現在中継は新宿駅に繋がっております、ただいま入線が完了したところでしょうか。3番線先頭には今レース注目の選手、現在
注目の選手といえばもうひとり。同じく3番線前から8番目、現在2戦2勝、デビューランでのコースレコードの記憶もまだ新しいチーム【キラメキヒロバ】のポーラーエクリプス。
他に1番線には前から3番目に一桁世代の実力者、チーム【シュンカンイドウ】のナンプウメモリアル、さらに6番目にはゴムタイヤの刺客ナンコウスミノエなど、目が離せない展開となりそうです。
さあ、まもなく発車のメロディ鳴りスタートです。
(3音の下降音、3音の上昇音の後、7音のメロディ、そして和音で構成されるレース開始の合図が2回鳴る)
さぁスタート、ここでヤマダがいいスタートを切った、第一コーナーを抜けて下り線へ、続けてその後ろからレーサルビアがピッタリと後をつけています。上り線の先頭はデンエントシスズカケが力強い加速を続けて下り線のヤマダに追いつくかというところです。
笹塚で地上に出まして並ぶように飛び出してきたデンエントシスズカケ、ヤマダ。その後ろからレーサルビア、コマゴメホープが続いてウイングヘイワジマ。そして地下で追い越しをかけたのかナンコウスミノエここにいる。ここまでが第一集団。ここから追い抜き追い越しが激しくなってゆきます。2チェーン離れて第二集団にシーズンアロー、並ぶようにナンプウメモリアル、その後ろからラピッドオジカとオーエステン、すこし離れてアルペンロマンスそこから半チェーン離れてアカイソニックそしてトウヨコハクラク、ただいま明大前。そして後方集団がおおっとここでポーラーエクリプス猛烈なアタックで第二集団へと向かっている、後方集団はマーヴェリック、並びかけてきたナラビスタ、追い上げるキューカンバーヒカリ、ヒタチネモフィラ、ズームサンライン、そして最後方ぽつんと独りアサヒスーパーレラ。
さぁ先頭は八幡山を下山しながら芦花公園のカーブへ。ヤマダのリード少し開いたか、続いたデンエントシスズカケ。第一集団きれいに通過していく。第二集団ここでも強いポーラーエクリプスがごぼう抜きで前めにつけて虎視眈々と先頭を狙っている、その後ろナンプウメモリアルも上がっていく。
しかしここから高速区間、集団のペースも上がっていきます。加速しながら次々と千歳烏山をしっかり通過していきます。おっとここで最後方アサヒスーパーレラ、ぐんぐん進んでゆく、キューカンバーヒカリはこのままだと追い越され義務違反だが……なんとか下りに転線し乗り切った、そしてスリップストリームを掴むように上り線に再転線しその後を追い上げています。後方集団からアサヒスーパーレラが抜け出した! 後方集団、ペースが速い速い、国分寺崖線の下り坂に勢いづけられあっという間につつじヶ丘を通過しています!
各選手次々と柴崎からの地下区間へと入っています、地下区間での追い越しはテクニックが必要ですからここでのコース選択は重要になりますが全体的に下り線に入った選手が多いように見えます。ここでは上り線の下り坂で勢いをつけたいところですが……と先頭のヤマダは早くも地下を抜けて西調布、差は開いている、差は開いている、はるかな空の果てまでも君は飛田給! 二番手レーサルビア粘るも届かないか、ヤマダが独走状態だ!
そして後ろを振り返りますと伸び切った第一集団の最後方を既にポーラーエクリプス捉えている、差は少しずつですが縮まっているようにも見えます、がほぼ同速といったところでしょうか。その後ろナンプウメモリアルはやや遅めか、オーエステンが並んでじわじわと左から抜き返しています。
さらにその後ろからはものすごい勢いでアサヒスーパーレラが猛追! 地下を走っている間に何があったのでしょうか、既にアルペンロマンスを抜いてナンプウメモリアルまでおよそ3チェーン、2チェーン……。
おっと並走状態ナンプウメモリアルようやく後ろを振り返りました、がしかしもう遅かった、武蔵野台にて追い越され義務違反、無念の失格となってしまいました。
そして先頭ヤマダはまもなく府中、その先に向けて火花を散らしながら速度を落としています。レーサルビアとデンエントシスズカケもそれに続いてブレーキ、さぁレースは後半戦へと進んでゆきます。