至らぬ点などが多々あると思いますが
生暖かい目で見守ってください。
もし意見や感想頂けたら幸いです。
僕の名前は四葩 命という。
しがない高校生だ。突然ですまないが僕の短い人生を振りかえらせてくれ。
都会とは程遠いまではいかないがそこそこ田舎に生まれた僕はおとなしく無口な子供だった。
あまり笑わず外にも遊びにいかず感情をあまり出さない子供だったらしい。
そんな僕を見て心配したのか祖母が近所の集まりで話をしたらしく
同じ年のような子供が何人か来て遊びに誘ってきたこともある。
だが笑わず口数も少なく反応が薄い僕などと遊んでもつまらないもので
すぐに子供たちはこなくなった。
ただ一人を除いて、その子は僕よりも一つ年が上で女の子だった。
その年の割には落ち着いていてそれでいてよく笑っていたのを思い出す。
僕がぼんやりと彼女を見ていると
「今日から君は私の後輩君だ。」
と突然言い出し僕を外の世界に連れ出した。それからというもの
何が面白いのか分からないが先輩はよく僕に絡んでくるようになったのだ。
弟のように思われていたのだろうか、よく山や川に連れていかれた。
何をするにしても僕は基本動かずに見ているだけだったが
それでも先輩は笑っていたのを覚えている。
幼いわりには大人びていた先輩が年相応に笑うのを見て
微笑ましく思い僕も笑っていたのを懐かしく思う。
いつしか僕たちは一緒に過ごすのが当たり前になっていた。
先輩と一緒に学校に行って他愛のない話で盛り上がる。
田舎には娯楽の類が少なく話題にあがるのはテレビで見た番組など
近所の爺さんが腰を痛めただの学校で飼っていた鶏が殺されたなどの
どこにでもある話だ。話題を上げるのはいつも彼女のほうで
僕は聞いているだけではあったが、先輩はそれでも楽しそうだった。
学校につくと学年が違うので別れたが休み時間になると
あちらから訪ねてくる。そのまま時間がくるまでおしゃべりが続く。
よく短い時間であそこまでベラベラとしゃべり続けることができたものだ。
授業が終わり下校となるとまた先輩と同じような会話を繰り返しながら帰路についた。
そんな関係は高校になった今でも続いている。
今現在、高校生になって疑問だったことを聞いたことにした。
僕は相も変わらず不愛想で無口ゆえに
同じ時間を共有するような友と呼べる存在はいなかったが、先輩は違った。
知的で愛嬌もありどこか人を惹きつける魅力があった先輩は友人に恵まれていたのだ。
よく多くの人に話しかけられてるのを見たことがある。
それでも僕を見つけると嬉しそうに近寄ってくるのだ。
それのせいかは知らぬが、
よく見知らぬ人物から睨まれたこともある、
酷い時にはすれ違いざまに殴られたり呼び出されて殴られることがしばしばあった。
理不尽なこともあって頻繁に怪我をしていた。
怪我のせいでクラスメイトや教師から不良扱いされていたが理不尽なものだ。
今になって考えると友人ができなかったのは先輩のせいだったようにも思える。
そんな事もあったのでいつもの帰り道に聞いてみたのだ。
「先輩は僕といて楽しいですか。」
このようなつまらない面白味に欠ける男よりも愉快な存在が先輩の周りには
居るでしょうと聞くと
「おいおいおいおい、驚いたよ。顔をアンパンマンのように膨らせて
そっちから話を吹っ掛けてきたらなんだい?
つまらないこと聞くなよ。後輩君より面白くて愉快な奴はいないぜ。」
「驚きすぎておいおいが、1個増えちゃったじゃないか。
どうしてくれるんだ後輩君。私の1おいおいが無駄になったじゃないか。」
「何ですか、1おいおいってそんなに無駄になって罪悪感を感じないもの珍しいですよ。
あとこの顔は先輩のせいですよ。いい加減やめるように言ってくださいよ。」
好きでアンパンマンになったわけじゃないのだ。誠に遺憾である。
「いやいや、私が言っても止まらないよ。それにいいじゃないか。
アンパンマンは正義の味方だぜ。誇らしく思えよ後輩君。」
「嫌ですよ。あんな顔を食べられて喜ぶ変態の正義の味方なんて
あいつは顔を変えればいいですけど、
僕の顔は治すのに時間とお金がいるんですよ。」
そう思うとなんかムカついてきたな。あまり怒らない僕を怒らせるとは
やるじゃないかいか食品衛生法ガン無視アンパン野郎。
「後輩君は嫌いだったのか、アンパンマン。
私は結構好きだぜ。最強スレとか見るぐらいには
ちなみに一番強いのはアンパンマン(スターライト)らしい。」
ちょっと興味が出てきたが本題はアンパン野郎じゃないのだ。
「後輩君が何を気にしてるのか知らないのだけれど。
君が自分で思ってるより面白いやつだぜ。」
この私が保証しよう。そう言うと先輩は立ち止まった。
見るとちょうど先輩の家の前についたらしい。
「ほら、今日も怪我の手当してあげるからおいでよ。
後輩君のおかげで私の応急手当の数値はなかなかのものだぜ。」
「ちなみにいくつですか?」
「31」
「ほぼ初期値じゃないですか。」
伝わりにくい冗談を交えた会話をしながら先輩の部屋まで行き
治療をうけて夜まで雑談する。
「つまりだよ。アンパンマンとバイキンマンの関係は
単純なライバルという関係などではないということは
分かっていると思うがその関係性を表す言葉は非常に
難しい、そうこの2人は孫悟空とベジータのようでいて
ハンニバルとスキピオに似ていてアーカードとアンデルセン
のような憎いけれども尊敬や敬意などの感情が織り交ぜられた
天の意思により作られた複雑な関係性なんだと私は思うんだよ。
そもそもが………」
この日から僕は一生分のアンパンマンの聞いたと確信したし大嫌いになった。
そんな怪我ばっかりが増えたけれどそれでも楽しいと思える。
とりとめのないどこにでもある日常がずっと続くと考えていた。
だけど、終わりはいつも突然だということを僕は思い知った。
日常なんてのは不良少年が夜の校舎の窓ガラスをバラバラ壊すように
崩れ去るものなのだと。
高校生の夏休み、人によっては友達や恋人なんかと青春の日々を
過ごす一か月近い学生のオアシスのような時間。
僕はぼんやりと先輩と過ごすものだと夏の暑さにくらりくらりと
しながら先輩の家に向かった。家に近づいてくると何か
悪臭のようなものがはなにつく。生ごみでも放置していたのかと
思ったがとりあえず玄関でチャイムを何回か鳴らす。
いつもならすぐに出てくる先輩は現れなかった。
不審に思った僕は玄関のドアを開けてお邪魔した。
お邪魔しなければよかった。というよりもその時の僕に
言えるのなら今すぐ帰れと、暑いし臭いし面倒くさいのだから
なにもいいことなんてないのだから。でもそうしなかったから
今に至るのだと思う。少々たてつけの悪くなつているドアを
開けると嫌な臭いが増して漂ってくる。
嫌な予感がする。臭いがするのは先輩の部屋からだ。
少し早くなった動機を抑えて階段を昇る。ギイギイと
音が鳴り、不安を掻き立てられる。
臭いもきつくなっていき口と鼻を覆い部屋の前に立つ
予感は確信に変わっていた。
開けてはいけないと本能が叫んでいるが、
理性が確認しないといけないと囁く。
僕は確認するためにドア開けた。
先輩のイタズラかもしれないほんの少しの期待を持ちながら。
先輩はいた。
夥しく広がる血の海と美しかった
その肉体の内側をさらけ出すように
バラバラに散らかしていた。
さようなら、今までの穏やかな日常よ
はじめまして新しいまだ見ぬ非日常。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
拙い文章ですが少しでも読み応えのあるものに
できるよう精進します。