もしもゼオンが魔界でガッシュと会っていたら   作:ちゃんどらー

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遅くなってすみません。
年内最後の投稿です。

あとがきにて少し報告などします。


第十五話:言いたくないこと、聞きたかったこと

 

「本当にそれでいいのか、ゼオン?」

 

 抜けるような青空が広がる海岸線を歩きながら、デュフォーが“答え”の分かりきっている問いを投げかけた。

 ゼオンは彼の方を向くことなく、歩みを止めずに吐息を零す。

 

「……ああ。この先の戦いでガッシュの生存確率を少しでも向上させるために、レインは絶対に必要な存在だ。あの内包された圧倒的な力と成長の見込み、パートナーへの思いやりの心、ガッシュとの関係性……どれも水準を満たしている。

 オレが苦戦することなどまずないが、王が言っていたイレギュラーの出現や竜族の神童との敵対、そういった時にオレに次ぐ程度の予備戦力が居なければ万事に対応できんからな」

「そういうことじゃない」

 

 ばさりと切ってくるデュフォーの言の葉に、ゼオンはぴたりと足を止める。

 

「そのやり方でいいのかと聞いている」

 

 振り向かず、緩い沈黙に頬を撫でる風。一寸の間を置いてから、また小さなため息を吐いて言葉を零した。

 

「お前が出してくれる答えならよりいいモノもあるのだろう。お前ならば暗示などでカイルという少年の心の有り様を操作できるかもしれないし、カイルの現状を金と権力と根回しで全てぶち壊して連れ出すことだってできるだろう。レインと共に徐々に徐々に絆を深めていって心を強くしていくことも出来るだろう」

 

 一拍。

 半身だけ向けたゼオンの紫電の瞳が、いつにも増して真剣な色を映して見つめてくる。

 

「だがな……それではダメだ。ダメなんだよ。

 レインという存在のパワーが大きすぎてカイルの心に甘えを植え付け始めていて、カイルという存在の奥底に眠る可能性を信じすぎてレインの心は一歩踏み出すことが出来ない。あまりに危うい二人の関係性は、オレ達がどんな形であれ割り込んでしまうことによっていつか壊れてしまうだろう。

 デュフォーが心理を誘導すれば聡いレインは必ず気付いて不信感を膨らませ、カイルの現状をぶち壊して連れ出しても恩や義理や他者からの救いなどという余分なモノが二人の絆の本当の成長の邪魔をする。そして成長を待つだけならば……オレ達の望む道筋には足りえないし、オレ自身のレベルアップも望めない。

 絶対に必要なのは奴ら二人ともが本当の意味で絆を結び、この魔界の王を決める戦いに参加するという意思を持つこと。限られた時間の中で……既に残りの魔物が七十を切った今(・・・・・・・・・・・・・・・)、レインとカイルというペアを最高の状態で同志として迎え入れておく最善のタイミングはきっと此処しかない」

 

 じっと聞き入っていたデュフォーは、ゼオンから視線を切ることなく僅かに目を細めた。

 

「それはお前の勘か? それとも思考の果てに出した答えか?」

「……どちらとも言えるし、どちらとも言えない。ただ……一番の理由は違う……のかもしれない」

 

 ふいと視線を切ったゼオンは、己の胸に拳を当てて呟く。

 

「踏み出すのならあいつら二人自身で、と。この後にオレの目的(わがまま)に巻き込むのが自分勝手なことだとも分かっている。それでも……あいつら二人がしがらみなく笑い合える時間が増えてほしいと……いつか来る別れがあるのなら、あんな風に笑い合えるあいつらの笑顔を少しでも多く増やしたいと……そう、思ったまでだ」

 

 黙って聞いているデュフォーの頭に“答え”が浮かぶ。

 

(……バルトロを魔界へ返したことで思うことがあったんだな、ゼオンも)

 

 この戦いの最後には、必ず別れが付きまとう。負ければパートナーとは別れなければならない。其処にどんな絆があろうとも、その繋がりが希薄だろうと強固だろうと、離別の時は無慈悲に来てしまう。

 そのことをバルトロとの一件と、目の前で楽しそうにじゃれ合うレインとカイルを見て実感したゼオンの出した“答え”に、デュフォーは目を伏せて小さく吐息を吐き落とす。

 

「分かった。それがお前の出した“答え”なら付き合おう」

「……恩に着る」

 

 寂しそうに空を見上げたゼオンが思うのはなんなのか、デュフォーは能力を使って知ろうとは思わなかった。

 そっと、彼の肩に掌を置いた。

 

「上手くいく。俺達が共にすることなら不可能はない」

 

 不安に感じているのではないと分かっていて、デュフォーは言葉をつづけた。

 

「あの茶会は悪くなかった。これから何度でもしよう。今度はヨーロッパで」

 

 次、その次という多くの未来を提案されて、ゼオンは漸く微笑んだ。

 

「ああ、次の茶会はオレ達のホームでだ。もちろん椅子は四つ、そして……カツオブシは最高級のモノを取り寄せておけよ?」

 

 手を大きく広げて空を仰ぐ。

 大きく呼吸を一つ、二つ。

 楽しそうに笑った後で……彼の空気が変わった。

 

 

 

 

「オレは目的を間違わない。オレの全ては……ガッシュとの未来の為に。その為ならオレは……」

 

 此処よりは本気だと、その紫電がモノ語る。

 

「優しい誰かを傷つけることも、厭わない」

 

 

 目を瞑ったデュフォーが、心の内で呟いた。

 

―――お前はお前の父とは違う。足りないモノは、必ずオレが補おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ○△○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し冷めた紅茶がほど良く心を落ち着かせ、緩く吹く風が心地よさを運んでくる昼下がり。

 レインとカイルはゼオンの話を思い出していた。

 

 物心ついた頃より与えられた王族の厳しい訓練。虐待に等しい“痛み”による教育。寝る間さえ削られる知識の補充と研鑽。

 訓練の日々の中で聞いた“バオウ”という、魔界の王から受け継がれた最強の術の情報と、ガッシュという民間に里子に出された双子の弟の存在。

 問いかけることすら禁止され、情報を集めることよりも己の眼で確かめることを決意したゼオン自身の始まり。

 

 双子の弟がどれほど安穏と暮らしているかを一目見るだけでいい。そうすれば己は王としての第一歩を踏み出せるのだと。

 

 しかしそうして出会った弟は……里親による虐待と、学校の生徒たちによるいじめと、孤独という名の絶望を繰り返すだけの日々を生きていたという現実。

 やせ細った体躯と、虚ろな瞳と、こけた頬と、殴られたり鞭を受けた痕。

 空っぽのその姿を見て、儚い笑顔を向けられて、兄は胸の痛みに泣いたという。

 

 その時に弟の取った行動は……レインがよく知っている親友そのものだった。

 兄は、無意識の内に抱きしめられたという。

 

 己の不幸や迫る脅威などお構いなしで、他者の幸福の為に踏み出すその心。

 嗚呼、とレインは嘆息を零す。

 その優しい心こそがガッシュ・ベルという子の強さだと、彼は知っていたから。 

 噛みしめるように、懐かしむように思い出しながら語るゼオンを見ながら、レインはガッシュのことを想い顔が綻ぶ。

 

 ゼオンは其処でガッシュに生きろと伝え、一つ約束をした。

 必ず迎えに行くと。

 

 その時から、ガッシュも立ち直ったのだろうとレインは確信した。時系列的にも、自分が助けられたのはその時の少し後。

 “くるった力”を持っていた己を叱りつけて命を救ったガッシュの存在を、レインは生涯忘れることはない。

 まだ魔力の制御も今ほどこなせず、棘だらけの崖から落ちて死にかけたあの時、力で威圧したレインに怯むことなく真正面から手を差し伸べたその姿。

 ゼオンも同じく、ガッシュに救われたのだなと知ってレインはうれしくなった。

 

 話は続く。

 ガッシュの扱いと己の扱いから、ゼオンは自分達が憎まれた子供なのではないかと予測を立てた。

 訓練に次ぐ訓練の日々を乗り越えて迎えた運命の日、魔本を与えられてこの世界へと転移させられるその日に……ゼオンの予測は正しかったのだと思い知る。

 

 ゼオンは魔界の王を決める戦いにおいてデバフにしかならない呪いを刻まれた。ガッシュと会えば魔力が暴走を起こし無力化されるという、まるでゼオンを負けさせたいかのような呪いを。

 過酷な戦いで弟を護れず、あまつさえ近づくだけで己さえ敗北させられる確率が上がるその施しは、レインでさえ聞いた時に唖然としたモノだった。

 

 一族から疎まれていたレインにとって、家族の関係というモノは希薄だ。それでもその扱いが通常の家族の在り方でないことはよくわかる。

 実の両親は間違いなく幼い時のレインを愛してくれていたし、粗暴になってからも最低限は気にかけてくれていた。己のあまりにも強大な力に恐れてはいたが、それでも慮ってくれてはいたのだ。

 

 話を戻そう。

 そうして、ガッシュにさえ細工をしたと言い残されて人間界に送られたゼオンの話に、レインは憤りを覚えていた。

 ただ、ゼオンは幸運なことに、デュフォーというパートナーによって呪いを軽減する特殊な方法を教えてもらい、ガッシュと会うことが出来たらしい。

 ガッシュとの出会いやその時の会話を語っているゼオンの表情はあまりにも穏やかで、紫電の瞳に浮かぶ光は暖かく、ああ、これが兄というモノなのかとレインの頬も緩んだ。

 

 その時に起きた絶望を聞くまでは。

 

 

 

 ゼオン達との茶会の数日後、レインとカイルはいつものようにカイルが押し込められている小屋の中で昼食を食べていた。

 ゼオンの話を聞いたレインにとって、もはやガッシュとゼオンのことは他人事ではなくなった。ガッシュは親友であるし、その兄の頼みというならなおさらのこと、出来るなら力になってやりたいとそう願っている。

 しかし……しかしだ。

 本来ならばこんなみすぼらしい小屋で暮らすべきではないカイルの境遇を改善し、カイル自身の臆病さを改善しなければ、とても過酷で苛烈な魔物の戦いへの参加など出来ようはずもない。

 

 術一つ放っただけでも気絶してしまうくらいで、虫にさえ腰が引けてしまう程の恐がり。

 家の事情で少しでも反抗を試みてくれたらと願っているが、不当な暴力や扱いを受けても縮こまってしまうカイルをずっと助けてきたレインには、カイルがこの戦いに耐えられるかの方が心配だった。

 

―――根っこの方は……ガッシュのような強さを持っているんだがな……

 

 カイルとの出会いの時を思い出しながら、サンドイッチをもふもふと頬張っている彼を見る。

 大人たちの怒声や殺気を感じながらも、重症のレインを小さな荷台に乗せて数キロの距離をその小さな体で運びきり命を救った彼の背中を、レインは今でも鮮明に思い出す。

 見た目からしても明らかにこの世界でもない異常な獣の自分を、話したこともないのに救おうとするその心。

 

 傷だらけの自分を放っておけないと、威嚇する自分を叱りつけて救ってくれたガッシュと同じ、他者への思いやりの心と勇気。

 

 その強さにレインの心は救われた。二度目の救いによってより強固に、優しい勇気の暖かさこそが大切なのだと心に刻んだ。

 いつかきっとカイルもガッシュのようになれる。そう確信してはいる。

 

―――せめてカイルが本来の家でしっかりと暮らせるくらいに現状を変えることが、オレに出来る恩返しだ。しかし……

 

 今でさえ居候として暮らしていて何も手助けが出来ていない。

 遊び相手や少しの勉強の手伝いはしていても、カイルの現状を変えるという目標には全く届いていない。

 

 確かに魔物としての圧倒的なフィジカルや“くるった力”に頼れば容易に現状を変えることなど出来よう。

 恐怖させ、震えあがらせ、痛めつけ、従える。暴力は最も単純にして明快な心理の支配の方法なのだから。

 

 それをしてしまった結果……どうなった。

 レインは暴力の行きつく先を知っている。

 彼自身が一族に振るって来た暴力の結果こそが、心の荒廃と孤独に繋がったのだ。

 

 カイルの後ろにレインが居るから、恐ろしいから従う―――そんな状況にしてしまうことは正しいのか?

 

 否、否、断じて否だ。

 レインがこの戦いが終わって消えてしまうことを抜きにしても、カイルを虎の威を借るキツネにしてはならない。

 

―――カイルをそんな……そんなしょうもない大人にしたくはない。

 

 レインは優しい勇気を心に秘めるカイルの心が好きなのだ。

 臆病の底に秘める温もりを、心を許した相手に届けてくれるその微笑みが好きなのだ。

 春先の陽だまりのような暖かさを与えてくれる彼をこそ、ガッシュと同等の友と思い始めているのだ。

 

 そんなカイルだからこそ、救いたいと思うのだ。

 

 故に、レインは暴力に頼らない。

 一度だってカイルをいじめている奴らに手を上げたことはない。

 庇って護ることはあっても、耐えることはしても、言い返すことはしても、決して暴力になど頼らなかった。

 

―――もう既に奴らは俺が暴力に頼らないことを知っていて、カイルがそれに甘えはじめていることも見抜いている。

 

 傷が癒えてから、搾取され続けるだけの子供を護ることは出来たが、救うことはまだできていない。

 まだ幼いカイルがレインの保護を頼りにし始めているのも理解している。

 後ろ盾のない五、六歳の子供が大人に面と向かって歯向かえるはずもなく……守ってくれる存在に甘えてしまうのなど当然のこと。

 

 レインにはまだ分からない。

 このままでいいとは思っていないが、どうすれば変えられるかが思いつかないのだ。

 

 その上でガッシュを救いたい気持ちまで沸いてしまって、レインの心には焦りと哀しみが広がっていた。

 

「……レインは」

 

 思考に耽っていた頃、食事を終えたカイルが唐突にぽつりと言葉を落とす。

 

「友達を助けたい?」

 

 不安そうに聞いてくるつぶらな瞳。

 奥底に宿る感情を読み取ろうとじっと見つめた。

 

 此処でどう答えるのが正解かは分からない。レイン自身も悩んでいるのだから。

 

 ガッシュの手助けをするということはカイルを危険に合すことであり、何よりもカイルが大切にしている父が護ってきたこの土地を何度も離れることになるということ。きっと奴らはその間にカイルから財産を奪う算段を立ててしまうだろう。

 父の財産も全てを手放すことなど、カイルにとってどれだけ残酷なことだろうか。親との思い出の詰まった家を好き勝手されているだけでなく、あまつさえ全て奪われるなど……。

 既に特大な恩があるのに、更に自分勝手を押し付けて、カイルの大切なモノを天秤にかけてもいいのかどうか……。

 

―――こんな時……ガッシュならどうするだろうか。

 

 ふと思った。己の親友ならばどう動くのか。

 どっちも大切なのに、どちらかしか取れないであろう選択肢。ガッシュならばどっちを選ぶ?

 

―――どっちも、とか言いそうだなぁ。

 

 苦笑を一つ。

 きっとあの優しい親友ならば、目の前の友の現状も変えて見せた上で、旧知の親友のことも救って見せるのだろうなと思った。

 

―――オレに出来るだろうか……いや……それよりガッシュなら……

 

 親友が一番いいそうなことを思い浮かべて、レインは嬉しそうに笑った。

 大きな手をカイルの頭に置いて、ぐしぐしと撫でる。

 

「ゼオンも言っていただろう? 無理にとは言わないと。それにな……オレの親友のガッシュならこういうんだ」

 

 懐かしそうに、彼は言葉を流す。

 

「オレの、レインの友ならば私の友だ。ならば私のことよりも、そちらを優先するのだぞ。なんて言いやがるんだ。

 だからな、オレはガッシュよりもまずは此処を変えてからにしようと思う。今は、まだ」

「ミ……ミミミ……」

 

 申し訳なさそうに俯くカイルの頭を、またぐしぐしと撫でやった。

 

「ハッ、そんなしょぼくれた顔しなくていい。むしろお前のことをほっぽりだして助けに来たなんてあいつが知ったら怒られちまうよ。オレだって怒る。うん……そうだな、あいつが新しいトモダチのことほっぽって助けになんてきやがったらぶん殴ってやらぁな」

 

 くつくつと喉を鳴らして嬉しそうに話すレインに、カイルは覗き込むように下から見上げてきた。

 

「カイル、オレはお前の力になりたい。助けてくれた恩もあるけどそれだけじゃない。友達としてお前を助けたいんだ」

 

 差し出すのは大きな指を一つ。

 

「その後で……無理にとは言わない。オレは一人でもゼオンの手助けをしようと思っているから。でももし、もし勇気を出してくれるのなら……オレの魔界での親友を助ける為に手伝ってくれないか?」

 

 じっと見つめるそのつぶらな瞳は何を思ってか、レインには読み取れない。

 震える肩が恐怖を教えている。

 

 小さくいつものように声だけを出すカイルは、すぐには答えを返せないようだった。

 

 まだこれでいいと、レインは思った。

 無理に急ぐ必要はない。まずはカイルの現状を変えるのが最優先なのだから、と。

 

「じゃ、ゼオンに伝えてくる。出来る限りの手助けはするが、こちらが落ち着くのを待ってほしいってな。昨日も怒ってやったけどジルが何かしてきたらいつもの海岸線まで逃げて来るかオレを呼べ」

 

 微笑み言いながらドアを開けていくレインは、カイルが後ろでぎゅっと手を握っていることに気付くことはなく。

 その震える肩が彼のどんな感情を孕んでいるのかもまだ気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ○△○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人の気配のない海岸線。

 茶会をした場所でレインはゼオンに渡されていた髪の毛を引っ張った。

 

 これを引けばゼオンが察知して瞬間移動してくると渡されたモノだったが……ものの数秒で海岸に二つの気配が現れる。

 

 目の前に現れたゼオンは緩く笑みを浮かべ、デュフォーはいつも通りに無表情。

 レイン一人であることに気付いだようだが何も言うことはなかった。

 

「呼んだということは話し合いは終わったか?」

「ああ。とは言っても、そこまで深く話したわけじゃない。前に言った通り、やはり数日ではカイルの生活の現状を変えることは出来ないし、戦いの度にカイルと共に此処を離れるわけにもいかない」

「……」

 

 顎に手をやって考え始めたゼオン。そのままレインは話をつづけた。

 

「ガッシュはオレの親友だ。出来ることならすぐにでも力になりたい。しかし……この人間界に来てから、オレにはもう一人親友が出来たんだ。

 そいつが困っていて、泣いていて、苦しんでいる。そいつは泣き虫で臆病な子供だ。でも、オレみたいな化け物の命を助けてくれるようなヤツで、一緒に笑い合ってくれる大切な友達になったんだ。

 きっと今ガッシュを助ける為にオレ達の戦いにそいつを巻き込んだら、何やってんだってガッシュに怒られると思う。おぬしの友が目の前で困っているのだから先にそっちを助けろって。オレもガッシュが自分のトモダチほっぽりだしてオレなんかを助けに来たら怒っちまう。

 ゼオンの境遇も、人生も、ガッシュへの想いも聞かせて貰った上で言うのは本当に申し訳ないんだが……すまん。もう少し待ってくれ」

 

 すっと頭を下げて目を伏せたレインの所作に、ゼオンは何も言わずにデュフォーを見た。

 

 コクリ、と一つ頷く。合わせるように頷いて……声を出した。

 

「そうか……まあ、こちらも数日お前とお前のパートナーの状況は内密に観させて貰った」

「……」

「人間に変化出来る時点でお前が超上級の魔物であることは理解出来た。戦闘もその身の熟しや僅かな身体の使い方からある程度予測できる。内包する魔力は竜族にすら比肩するだろう。間違いなくお前はこの戦いで五本の指に入るほどの逸材だ」

 

 

 今度はレインが話に聞き入る番……と思われた。

 

「だからこそ惜しい。実に惜しいな、レイン。せめてパートナーがもっと違うモノであれば―――」

 

 すっと、掌が前に上げられる。

 レインは一寸疑問に思うも、ゼオンから溢れだす魔力の大きさに、そしてデュフォーの持つ魔本の輝きに、全身の毛を逆立てる。

 本能が警鐘を鳴らす。両脚に自然と込められる力。目の前の小さな体に高まる魔力がより一層大きくなり閃光が瞬くのと、レインが飛びのくのは同時だった。

 

「ザケル!!!」

 

 雷撃が頑強な毛皮を持つレインであろうとただでは済まない威力を持って砂浜に突き刺さり、飛びのいたレインは驚愕と疑問に混乱する頭のままゼオンを睨む。

 

「―――お前はオレにとってのとても優秀な駒(・・・・・・・)となってくれただろうに」

 

 引き裂かれる口。怪しく輝く紫電の瞳。バチバチと身に纏う雷は美しくも激しく。

 ゼオンから発せられた言葉に、レインは目を見開いた。

 

「……っ」

「ふん、やはり優秀だなレイン。オレのザケルを初見で、しかもあの距離で避けるか」

「どういういことだっ! お前はガッシュを助けたくてオレに話を持ち掛けたんじゃなかったのか!」

 

 茶会で語った弟への想いを聞いたからこそ、レインはまだ会話を選ぶ。

 なんのことはないというように、ゼオンは話し始めた。

 

「なんだ、そんなことか。これから消えるお前に話してもしょうがないことだとは思うが……せっかくだから教えてやるか。ただし……」

 

 ふっと掻き消える姿。魔力反応を追って上げたレインの腕に、重い蹴りの一撃が突き刺さる。

 

「このゼオンの攻撃に耐える度に、一つずつ解き明かしていってやろう!」

「ぐっ」

 

 衝撃から吹き飛ぶ身体。思いのほか強い一撃に踏ん張りが効かなかった。

 

「ガッシュを助けたい? ふん、バカなことを。なぜこのオレが、このゼオンがバオウだけが取り柄の落ちこぼれ(・・・・・)などを助けなければならんのだ」

 

 茶会で語っていた弟への想いなどまるで嘘なのだと、その悪辣な笑みが塗り替えていく。

 

 次は連撃。

 再びの瞬間移動の接近後、小柄な体からは想像も出来ないような蹴り上げで浮くレインに、すかさず叩き込まれる拳と蹴りの五連撃。

 その全てを、レインは堅牢な毛皮と筋肉に魔力を分散移動して防ぐ。

 

「バオウさえ手に入ればあいつなど用済みだが、父の小賢しい策略によってオレでは時機が来るまであいつに近付けず、容易に奪うことが出来なくなった。だからガッシュに近しく強大な力を持つお前という駒を手に入れてバオウを早期に奪い取ろうとしたんだ。バオウの為ならくだらぬ謀りも一興と思ったが……この戦いのシステムにまで邪魔されるとはな」

 

 目的はガッシュからバオウを奪うことだと、ゼオンははっきりと口にした。そのために茶会などという欺瞞の席を設けたのだと。

 ぞわぞわと、レインの毛が怒りに逆立ち始めた。

 

 次の一撃は単純だった。

 まっすぐに込められた魔力。純粋な力のみを込めたその拳が、ゼオンの圧倒的な身体能力による跳躍と共にレインに向かって来る。

 それに合わせて、レインは握りしめた拳を突き出した。

 

 ぶつかる魔力と魔力が弾け、腕が本気の力のぶつかり合いに軋みを上げる。互いに頑強にして魔力操作によって反動を流したからこそこの程度で済んでいるが、普通ならば拳が砕けているだろう。

 

 感嘆のため息を漏らして、ゼオンは嬉しそうに、愉しそうに笑った。

 反対にレインは、怒りを全身に滲ませていく。

 

「貴様……」

「ああ、ああ。そうだな。怒れレイン。これもまた求めた一興。お前のような強者を倒してこそ、オレの実力の証左となってくれる。オレこそがあの憎きダウワン・ベルをも凌ぐ王になれるのだと、そう証明してくれるのだから」

「そんな……そんなことの為に……ガッシュをダシにしてウソをついたのか……」

「そんなこと……?」

 

 ぴたりと、ゼオンの表情が凍り付く。瞳にどす黒い光が宿った。そこに滲む感情は、間違うことなき本物の怒りと殺意だった。

 

「あいつを殺すことがオレの目的だ。あの老いぼれがいたから、オレは……オレと……は……ずっと苦しんだ。全身を貫くあの痛み、四年の虐待に耐える地獄の歳月、奪われたいくつものモノ、一度も愛されたことのない生、抜け殻のような……姿を……アレを……許せるわけがあるかっ!」

 

 バチバチと、ゼオンの身体に雷が走った。

 

「術無しでと思ったがヤメだ。貴様にはオレが受けた雷の一端を喰らわせてやる。あいつが如何に悪辣なクズ野郎かを、絶対に使わんと決めていたコレ(・・・・・・・・・・・・・・)で教えてやろう」

 

 ふっと、ゼオンの身体がまた消える。何度目かの瞬間移動。

 その強大な魔力反応は隠せていないからと、レインはゼオンを、今度は“捕まえた”。

 

「慣れてきたぞ。お前のそれ」

 

 超速の反応速度と危機への嗅覚は獣型だからこそと言えようか。

 ガシリと掴んだゼオンの腕を宙へと向けて、雷撃が放てないようにと調整した。しかし、それすらもゼオンの思惑通りだったとしたならば……

 

「ふん、結構。その見切りの速さも惜しい。だが、甘い。やはり甘ったれだお前は。掴んだ瞬間に地面に叩きつけるべきだった。その左手の爪をオレの胸に突き立てるべきだった。

 魔界の王となるこのゼオンが、お前の能力の高さと戦いへの甘さを計算していないはずがないだろうが。そんな甘ったれに打つからこそ意味がある! この一撃はなァ!」

 

 掴んでいる片腕を、ゼオンの反対の小さな手が掴む。決して逃がさないというように。

 デュフォーの持つ、まるで憎しみの全てを込めているかのような魔本の光を、レインは視た。

 術の発生源は掌だけだと、レインは勘違いしていた。

 

 天に現れ集まる雷が球体へと。ゼオンから供給される魔力はザケルの数倍はあった。

 

「これがベルの子が与えられし試練だ!! 我がベル家に伝わる悪の象徴たる(いかづち)を受けよ!!」

 

 ゼオンとデュフォーに宿る憎しみを込めた雷は、天より無慈悲に降り注いだ。

 

「バルギルド・ザケルガ!!!」

 

 瞬間、レインはゼオンを拘束していた手を放した。放してしまった。

 否、掴み続けることなど無理だったのだ。

 

「ぐっああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 絶叫が海岸に響く。

 全身に針を突き刺され続けるようなその痛みは、じくじくと脳内さえ狂わせるほどの熱量をも伴って。身体の中から引き裂き、叩き潰され続けるようでもあり、言葉だけでは言い切れないほどの痛みの津波。

 屈強な身体など、この雷の前では無意味だと言わんばかり。

 

「死ぬことも許さん拷問の雷だ。心が壊れるまで痛みを与え続けるこの術は、耐性を持っていないのならばどんな強き心を持つ魔物であろうとも屈服させる」

 

 続けられる放電に、与えられるその痛みに、心にまで浸食してくるその苦痛に、レインは叫びをあげることしか出来ない。

 

「がぁああああああああああああああ!!!!!」

「ははっ、初めて見たぞ。オレ以外にこの術を受けているモノの姿をな。そうか……これがそうか……っ」

 

 どろどろと、粘着質に渦巻く泥のような感情が胸から吹き荒ぶような、そんな色を紫電の瞳が湛えていた。

 絶叫だけが鳴り響く。その痛々しい悲鳴に、次第にゼオンの瞳が揺れ始めた。

 

 ふっと彼が雷の術を解いた。

 ギシギシと鳴らす拳が、滴る血が、彼の怒りと憎しみを表している。

 

「こんな……こんな術を……あいつは……っ」

 

 ほんの少しの使用でさえ、ゼオンの心に嫌悪感が溢れた。

 大地に倒れ伏したレインを見もせずに、震える手を見詰めていた。己が行った行いに対して、彼は張り裂けるほどの感情を抱いていた。

 

「……安心しろ。もう二度と唱えない」

 

 不意にポンと叩かれる肩。デュフォーがゼオンに語り掛ける。荒くなり始めた呼吸を整えながら、ゼオンはデュフォーの掌の上に手を置いていた。

 

 レインは途切れそうになる意識を繋ぎながら、その光景を睨み上げていた。

 たった一つの術。それだけで此処まで追い詰められたのは初めてだった。

 

―――これが、こいつが幼少の頃より受け続けた雷だと?

 

 明らかに異常で異質な術。しかしゼオン本人が忌避しているらしく、もう二度とあの痛みが来ないことに安堵している自分もいて。

 畏れているという事実に、レインは歯をギシリと噛み鳴らした。これを耐え抜いた化け物が目の前に居て、その化け物を倒さなければガッシュを救えないという現実。

 

「う、ぐ……ぉおぉ」

「……さすがだな、まだ立とうとするか。オレでもこれを初めて受けた時は数時間は伏していたぞ」

 

 称賛を投げられてもなんら意味がない。自分よりも十以上も歳が離れた子供が受けたのなら、そんなことは当たり前だろうと感じて。

 

「お、お前は……本当にガッシュを……なんとも、思っていないのか……」

 

 震える声で問いを投げる。

 まだ信じたくないと、レインは思った。

 それほどまでにゼオンが茶会で語っていた様子は彼にとって忘れられない優しい表情をしていたのだ。

 兄が弟を想うその姿に、レインは心を動かされていたのだ。

 

 救いたいと、助けたいと、手伝いたいと思っていたのだ。

 

 だから……此処までレインは何処かで本気になれずにいた。その爪を立てずにいた。

 

 そんな彼を……ゼオンは嘲笑う。

 

 伏しているその両手が重なっていたから、なんのことはなしにゼオンはレインの手を踏みしめた。

 

「クク……まだそんな甘ったれたことを言っているのか? 言っただろうが。オレはガッシュになど、バオウ以上の価値を認めていない。あいつからバオウを奪い取り、この戦いを勝ち抜き、憎き父を……ダウワン・ベルを殺すことこそがオレの至上の望みだ。

 憐れな……落ちこぼれの弟などその為の使い捨ての道具に過ぎん」

 

 にやりと笑うその口を、その声を聴いて、レインの身体に闘志が溢れだす。

 ギシギシと鳴り響く筋肉の躍動と歯。踏みしめられている両手にも力が戻りだす。

 

 そんなレインをもっと怒らせるように、ゼオンは胸ら取り出した水晶を見せつけつつ、最悪の言葉を放った。

 

「ははっ……これがガッシュの記憶が封印されている水晶だ。さすがに“シン級”にでも辿り着けばこいつを壊すことも可能だろう。そうすれば……ガッシュは二度と魔界の記憶を取り戻せず、お前の親友だったという事実も消える。オレは独りぼっちだったのにあいつにはトモダチが居たんだ。これで兄弟そろって同じになれると言うモノ」

 

 それは余りにも、余りにも残酷なこと。実の弟にする仕打ちではない。

 レインの怒りの気が膨れ上がった。牙を噛み鳴らし、恐ろしい形相でゼオンを睨みつける。

 

「貴様ぁ……なんてことを……貴様は……自分が憎んでいる魔界の王と……同じじゃぁないか……させねぇ……そんな、ことは……」

 

 レインがぽつりと零したその言葉に、ゼオンは真顔になって瞳から光が消える。

 

「唸るだけの負け犬め……それがどうした。オレは“オレの目的の為”ならなんでもする。オレの願いを叶える為なら悪にだって堕ちる。オレは……譲れないモノの為なら……あいつみたいなことだってしてやる」

 

 王を殺す為に、それが全てなのかとレインは思う。

 デュフォーが後ろで少し顔を歪めて目を瞑り顔を逸らしたが、レインは気づくことは無かった。

 

「せめてお前のパートナーがあんな臆病モノでなければお前も此処でリタイアせずに、少しはオレの本心に気付いて打倒出来る可能性があっただろうに……使えないクズで逃げてばかりのお前の陰に隠れてるだけな心の弱い惰弱な人間がパートナーの魔物など、足手まといでしかない。オレの目的を知った今、下手にガッシュと繋がられても面倒だ。此処で消えてもらうこととしよう。

 貴様のことは惜しいが……ガッシュのような落ちこぼれと友になり、お前の能力を生かせないハズレな人間をパートナーに引く運の無さを恨め」

 

 ぶちり、と音がした気がした。空気がより一層張り詰めた。

 懐に水晶をしまって掌を向けたゼオンに対して、レインは小さく唸った。

 

「訂正……しろ」

「聴こえんな」

「訂正、しろっ!」

「ははっ、吠えろ負け犬」

「ガッシュも!!! カイルも!!! 優しくて貴様などよりも強い!!! オレの大切な!!! 友達だ!!!」

 

 瞬間、ゼオンの踏みしめていた足が弾かれる。

 飛びのいたゼオンはデュフォーをマントで包んで距離を取る。

 

 溢れる魔力と怒りの気。

 その恐ろしい形相は野生の獣よりも尚威圧感が大きく、ゼオンでさえその圧に少しだけ足が踏み出しにくくなった。

 両の手の爪がより鋭く輝き、先ほどまでのぬるい攻撃とはくらべものにならない威力を誇るだろう。

 

 

「■■■■■■■■■――――――っ」

 

 その声は、その雄たけびは、もはや爆発音にも等しい。レインの本気の声は、それだけで衝撃の音波すら出るほどに。

 

―――こいつだけは……許さねぇ

 

 胸に灯った怒りの炎は他が為に。

 自分が騙されたことはいい。そんなことはどうでもいい。

 友が侮辱されて燃え上がった炎はもう止まらない。

 

 大人の魔物達でさえ畏れた、暴力の獣の王と呼べるモノが、此処に甦った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 初めて感じる本物の殺意に、ゼオンの口角が吊り上がる。

 己が全力を出さなければならない初めての相手。油断すれば間違いなくやられるであろう相手。

 魔力による防御などでは貫かれること必至の野性の力。獣型魔物の頂点とも言える特殊な存在が、目の前に居るのだ。

 

 怒りでもはや聞く耳さえ持たないだろうと、ゼオンはデュフォーに向けて小さく声を投げ渡した。

 

「初めてだ、本気を出すのは。一対一の戦闘についても、“術ありの戦闘”についても、“その後”についても、時期も何もかもをお前に全てを任せる、デュフォー」

「ああ、任せておけ。だが一つ……胸に留めておけ」

「……なんだ」

 

 少しだけの間を置いて、歩みを進めながらデュフォーはゼオンに聞こえる声音を流す。

 

「よく頑張ってつきたくもないウソを吐いた。今回はあと少しだけがんばれゼオン。愛する弟の為に、お前の未来の為に」

 

 頭の中が一寸真っ白になって息が詰まった。

 

 引き裂かれそうだった胸の痛みが、じわりと沸き立つ暖かさに癒されていく。

 

 緩んだ口元から、熱い吐息が一つ。

 目も少しだけ緩くなりそうだった。

 

 無理やり口を引き裂いて……震える声で、ゼオンは笑った。

 

 

「ははっ……バカモノめ。当たり前だっ!!!」

 

 

 膨れ上がった全力の魔力が、紫電と白銀に揺らめいていた。

 

 

 一人じゃないというその事実がうれしくて、ゼオンの心に新しい震えが生まれた。

 

 

 

 幾瞬。

 

 獣王と雷帝の眼差しが交差し、茹るような日差しが降り注ぐ海岸線で……

 

 今回の戦いが始まって以来の大きな戦闘が幕を開けた。





読んでいただきありがとうございます。

お久しぶりです。
仕事と他の趣味に加えて、二次創作の新しい試みの為にお時間をいただいておりました。

液晶タブレットを買ってイラストの練習を始めまして、今後は挿し絵も不定期で入れていこうと思います。
小説とイラストのどちらも楽しんでレベルアップしていきたい為、ご容赦ください。
今回の話に入れたかったのですが間に合わず、年明けにこっそりと付け足しておくかもしれないです。



さて今回の話。
レインくんを仲間にする為にはカイルくんの成長が必須なのでゼオンくんがこんな感じのことをすることになりました。
勧誘が失敗してもこうすればガッシュくんの仲間になるだけなので別に問題なかったりします……ただしレインくんと出会ったガッシュくんにはラスボス認定されてしまうけど。

次回は戦闘

これからも楽しんで読んでいただけたら幸いです。

レインが持ってて欲しい術・使って欲しい術は下記のうちどれですか

  • 肉体強化系(例ラウザルクなど)
  • 部分強化系(例ディガル・クロウなど)
  • アボロディオ以外の衝撃波系
  • 種族特有の特殊攻撃系(デモルト等を参照)
  • 上の項目全部使うところが見たい
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