もしもゼオンが魔界でガッシュと会っていたら   作:ちゃんどらー

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いつもありがとうございます。

独自解釈入ります。


第二十一話:小さくとも、幼くとも(後)

 

 

 

 

 

 アポロ・ジェネシスという青年は、アメリカの財閥の跡継ぎとして生まれた。

 

 聡い彼はなんでもそつなくこなせて、将来の有望さを誰も疑うことなどなかった。

 

 そんな彼は己の家を継ぐ前の最後の自由として、一定の年齢が来た時に財閥を継ぐ約束の元に世界を見て回ることにした。

 

 小さな籠のような家を出て既に数か月。世界中を回る旅は順調だった。

 

 いろいろな人と出会い、いろいろな人と語って、いろいろな文化に触れて、いろいろな感情を見てきた。

 

 そんな中で出会った旅の道連れ、ロップス。魔界の王になりたいという彼との旅は楽しかった。

 

 一人よりも二人で過ごす時間が大切になっていた。

 

 運命の出会いはもう一つ。アポロという青年の心を変えた出会いは、清麿という少年との出会い。

 

 彼らと語り、戦い、そしてアポロの心は変わった。

 

 どうでもいいと思っていたこの戦いで、ロップスを王にすると気持ちを固めたのだ。

 

 清麿の言葉に、そして清麿とガッシュの姿やロップスの戦う姿に感化されたのかもしれない。

 

 アポロの覚悟は大きい。

 

 清麿達との最後の術の打ち合いで動けなくなるほど心の力を出し切った彼の想いは、きっと大きかった。清々しい気持ちで空を見上げていた彼はその戦いで成長したのだ。

 

 

 ただ……紫電の眼光を持つ雷帝がロップスの記憶で見たのは……アポロだけではなく。

 

 

―――オレは、そのガッシュを王にしたい。口に出すのは照れくさくて嫌だが、あいつに苦しい所を助けて貰ったんだ。

 

―――あんたにはわからないことだと思うが、オレにはそのことがとてもでかいことだったんだ。

 

―――その……助けてくれたガッシュが、優しい王様になりたいと言った。だから……だからオレはガッシュを王にしたい。

 

 たかだか十四歳の少年が恩を感じたからとはいえ、他人の夢の為に過酷な戦いに参加するという。

 

―――くそ……まだだ、まだ奴を……

 

―――くそ、奴が来る! 動け……動け――――――っ!!!

 

 

 足掻き続ける少年の姿と必死の声。

 

 

 大切な弟を預けている少年のその声を聞いて、兄が何を想ったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「舐めているのか、貴様?」

 

―――当てる気がないのを見切って……顔色一つ変えず……

 

 まずは力を見ようと思って指示した攻撃は、確かに彼らの命を脅かすモノではなかった。

 一歩も動かずに、当たらないと見切っていた彼は呆れと失望を深く混ぜた声を出していた。

 

 ため息を吐いたデュフォーと、殺気すら纏うゼオン。

 

「デュフォー。お前の出る幕はない」

「術はどうする」

「別になくてもいいが……一端すら使わないのはロップスに失礼だろう。それでも最小限で十分だ」

「ああ、分かった」

 

 デュフォーが数メートル横へと避けて、バチバチと帯電し始めた掌と本の輝きに、アポロは身の危険を最大限に感じた。

 

「やる気がないのならすぐに終わるぞ」

「ザケル!」

 

 一直線に走ってくる電撃は、ガッシュが放ったモノとは威力も大きさも速さも違った。

 アポロが先に判断して動いて居なければ掠っていただろうソレが、後ろの風車を大破させ破片を降らせて来る。

 

―――ガッシュのより強くて、次の攻撃にもつながっている。でも……

 

「ボクには通用しない」

 

 ロップスを抱き上げたまま危機察知能力で破片の全てを避けていくアポロは、隙あらばとこの戦いを終わらせるべくデュフォーの本へと狙いを定める。

 

「そっちこそ舐めないでくれよ!」

「リグロン!」

 

 ロープの術がデュフォーへと延びる。

 

「はっ……それが舐めていると言っているんだ」

 

 ゼオンのたった一動作。マントをはためかせただけでロップスのロープを弾いた。

 その距離から防ぐなんてと驚愕しているアポロは、ゼオンが次の予備動作に入っていることに気付く。

 

 一瞬で接敵したゼオンを先読みして、既に回避に移っていた。

 だが、人間に出来る回避行動などたかが知れている。

 ゼオンの向ける掌からは、逃げられない。

 

「ザケル!」

「リグロン!」

 

 どうにかロップスの術で躱しても、そのロープをゼオンが掴んで今度はロップスを手繰り寄せた。

 

「き、消えろ!」

 

 咄嗟に術を消して、どうにかロップスの慣性をぎりぎりで止める。

 このままではロップスが術を直撃してしまうと、彼は声を荒げた。

 

「逃げろ! ロップス!」

 

 着地と同時に向かうが、高速移動で先回りしたゼオンがロップスの正面で掌を向けている。

 

――ダメだ、ロップスは避けられない。アレの威力は……やばい。

 

「っ……そぉぉぉぉ!」

 

 攻撃が放たれる……このまま腰に抱き着いて射線をずらせば……そう予測から考えたアポロは、その予測が一瞬で乱れたことで驚愕に目を見開く。

 

 紫電の眼光がこちらを射抜いていた。

 

「ふん……貴様はやはり、勘違いをしている」

 

 寸前で術を止めたゼオンは、アポロの突進をジャンプで避け、そのまま大地へと蹴り落とし―――

 

「がっ!!」

「たかだか少し特殊な力を持った人間如きが……調子に乗ってるんじゃねぇ」

 

 ロップスへ向けて蹴り飛ばした。

 受け止めるロップスと、受け身を取ってどうにかダメージを少なくしたアポロ。

 見上げた先に待つ雷帝は、つまらないモノだというように見つめてきていた。

 

 ゼオンが纏っている感情は、呆れと怒り。

 アポロはそう読み取ったとしても、彼の感情が何に対してなのか分からない。

 

「ロップス。お前はオレと戦うと聞いて覚悟を決めてきたか?」

 

 真剣な目で尋ねられて、ロップスは一瞬面食らう。

 ただ、すぐに決意の籠った眼差しで腕を前に、大きく頷いた。

 

「かう!」

「ふふ、愚問だったな。許せ」

 

 ゴ……とゼオンから大きな力が溢れ出る。

 もはや手加減などしないというように。

 

―――こ、攻撃が防げない。予測出来ても……その動きを止めることが出来ない。

 

 圧倒的な力の差がある相手。大きな力を持っているとは思っていても、まさかここまでとはアポロも考えていなかった。

 それもそのはず。ゼオンはデュフォーの訓練によって己の力を最小限に止める術を磨いているのだから。例えアポロに特殊な能力があったとしても、デュフォーという完全な上位互換の能力を持つ者が教えている対応策が容易に見破れるわけがない。

 身体能力、術の使い方、波状攻撃への繋ぎ、戦闘中の対応速度、行動への対処、次へとつながる策。どれもがアポロの能力の限界を超えていた。

 

―――どうすればいい。どうすれば勝てる? どうすればこの状況を切り抜けられる? 考えろ、考えろ考えろ考えろ……

 

 アポロの顔が焦りに歪む。心配そうに見上げるロップスの方を見ることもなく……ゼオンから目を離すことが出来ない。

 

「デュフォーを狙ってくれてもいいぞ。そんな隙があるのなら、だが」

 

 余裕たっぷりに告げられる声。思考を其処に向けたとしても、そんな隙を晒した瞬間にやられると勘が告げていた。

 

「どうした? 来ないのか?」

「ぐ……ロップス! 散弾だぁ!」

「かう!」

 

 バチリと大きく音を立てた雷の音とゼオンの言葉に、アポロはせめて自分から仕掛けるべきと答えを出して術を唱えた。

 

「リグロセン!」

 

 一ダースを超える数の刃物の付いたロープがゼオンを囲む。

 ロップスの操作によるこの術は、着弾しない限り何処へ逃げようと追いかけ追い詰める。

 

―――さあ、どう避ける。ザケル一つで防げるほど甘い術じゃないぞ。

 

 基礎呪文だけで防げるはずがないと、アポロは思う。

 

 そんな彼の予測を……ゼオンは軽く超えて来ることも知らずに。

 

「速度も魔力量も……レインのバーガス・アボロンに比べれば……くく、児戯だな」

 

 ゼオンという少年が、普段どれほど凶悪な術と対峙しているかをアポロは知らない。

 正しく術一つにとっても格が違う相手と毎日のように訓練をしているのだ。

 

 全力で魔力を込めて尚抜かれる可能性のある身体能力や野生の勘。

 特殊個体であるが故の圧倒的なパワーと手数。

 カイルの持つ大きな心の力とレインの特殊な潜在能力から放たれる規格外の術。

 それらを上回って戦っている王族に生まれし雷には……このレベルの術はもはや児戯。

 デュフォーはその様子を遠目に見つつ考える。

 

―――ダメだなあれ。成長し始めたレイン相手にさえ無敗のゼオンにそれは悪手だ。

 

 ゼオンは一応というように呼吸を整え、

 

「スゥゥゥゥゥゥゥゥ」

 

 大きく息を吸い込むと同時、一つ二つと迫りくる術を両の手とマントで捕らえていく。

 魔力が集められた両腕はこの程度の術で傷つくことなどありはしない。そしてマントに於いては、レインとの戦いによって潤滑な魔力移動を更に磨き上げたゼオンの防御を抜ける者など、それこそ的確に弱所を見極めるか、ディオガを越える高火力を出さなければ足り得ない。

 

 唖然と、アポロとロップスはもう言葉も出せず。

 

 捕えた刃物の数は合計十五。

 ロープを操ろうとロップスが力を込めてもびくともしなかった。

 

 にやりと笑ったゼオンが、吸い込んだ息をため息で吐き出す。投げ返してやってもよかったと言わんばかり。

 カラン、と多くの乾いた音を立てて刃物が大地に落ちた。

 

「呆けていていいのか?」

「!!」

 

 音に気を取られた一瞬の出来事。目の前に居たはずがゼオンはもう後ろに居た。

 先ほどまでの高速移動ではなく、間違いなく消えてから現れた。

 

 振り返った先。既にそこには掌を構えた彼が居る。

 

「ザケル!」

「おぉぉぉぉぉ!」

「かう!?」

 

 ロップスを庇うように抱えて横に飛んだアポロの身体を雷が僅かに掠め、

 

「庇ってる余裕があるのか?」

 

 地面を転がる先に、またゼオンが居た。

 気付くと同時に蹴り上げられた身体は自由が利かない。そのまま空中で中段の蹴りにて吹き飛ばされる。

 

 地面を転がりながら遠くに見えるのは、一人になったロップスの姿。

 

「か、かう!」

「ふふ、幼いからと言って容赦はしないぞ、ロップス」

 

 すぐにロップスを助けに行かなければとアポロは焦りに思考を逸らせる。

 

 ゼオンは楽しそうに笑みを深め、ロップスの攻撃をいなしつつ反撃を繰り返す。

 拳を合わせ、蹴りを受け止め、体当たりを弾き返す。

 小さな体から繰り出される打撃の一つもダメージを与えることはなく、代わりの反撃が数発叩き込まれた。

 

「かぁう!」

 

 それでもと、ロップスはゼオンに食らいつくように握った拳を解かない。

 

「リグロン!」

「つまらん邪魔をしやがる」

 

 唐突な術の声。ロップスはアポロの意図を汲んで一番有効だと思われる使い方でリグロンを放った。

 身体を巻き取らんと迫るロープに、つまらないと零したゼオンが両の手でその術を掴み取る。

 

 分かっていただろうに。そう言いたげな舌打ちを一つ。

 一応の膠着状態の中、眼でそう伝えるゼオンに悔しそうに顔を歪めたロップス。

 力の差があるから、リグロンを掴まれた時点でロップスに出来ることはない。

 

 ただ、ロップスの瞳に燃える闘志は陰ることはなかった。

 

「かう!」

「おぉ?」

 

 リグロンを手繰り寄せられることも計算しつつ、ロップスが弛ませたロープを垂らして……鞭の要領で大地に落ちている石をゼオンへと放った。

 

―――なるほど、考えたな。

 

 動かなければ避けられないし手繰り寄せても間に合わないタイミングの攻撃に、嬉しそうに笑った。

 幾つかを時差付きで放つロップスの攻撃は、状況から咄嗟に考え出されたモノであり、先ほどから少しだけであっても成長したモノ。

 

「やるじゃないか。しかしまだまだ甘い。四十点だな」

 

 リグロンを消せばゼオンの硬直が解けて簡単に動かれるから術は解けない。

 それを分かっていて、ゼオンはロップスのリグロンを逆に利用した。

 

 あらゆる武器の扱いに精通しているゼオンにとって、鞭のようにリグロンを使うなどお手の物。

 ロップスが引く力を計算に入れた上で、彼はリグロンを逆に操って迫りくる石つぶての全てを綺麗に叩き落とした。

 

「相手の体勢を崩すか拘束してから攻撃すべきだ。更なる追撃を見せることをしていないのも減点」

 

「ザケル!」

「かうぅぅぅ!」

 

 逆に利用され続けるとまずいからとリグロンが消された瞬間にゼオンはロップスの背後へと廻っていて、近付こうとしていたアポロとロップスの間へと割り込んで放たれたゼオンの術。

 予測出来ていても、次の行動に移るのが速すぎてアポロもロップスもついていけない。

 ザケルを片手で放ち、蹴りでアポロを転がして再び距離を開けさせた。

 

「これでまた無防備だぞ、人間」

「うぐっ」

 

 声が聴こえる前にアポロは立ち上がろうとしていた。動こうとしていたんだ。だけれども……雷帝の速度には追いつくことなどできはしない。

 

「如何にお前の未来予測のような勘が優れていようと、如何にお前が他者の心の機微を読み取る術に長けていようと――」

 

 ゼオンの小さな足が、アポロの両腕を踏みしめる。

 

「思考も反射も行動も……単純な速度で追いつけないんじゃあ意味がないよな?」

 

 本はどうにか放していない。腕に掛かる力もそこまで強くない。渾身の力を腕に込めて跳ね除けようとしても、

 

「ほら、待ってやるから早く起きろ」

「くっ……うぉおお……」

「それでも力を入れているのか?」

 

 ゼオンの足は、ピクリとも動くことはなかった。

 まるで大きな岩。あるいは数トンはあろうかという鉄の塊。

 力を込められていないから潰されていないだけで、本当なら踏みつぶされていてもおかしくないのかもしれない。

 

「ふん……人間が魔物の力に勝てるわけないだろうが」

 

 どれだけの力を込めても動かない腕が、小さな少年の足一つどかせないという現実。

 人間という種と魔物ではあまりにも力の差がありすぎる。

 

「か、かう―――!」

「復帰が早いな。だが、お前は後だ」

 

 雷撃のダメージから立ち直ったロップスが羽を広げて突進してきても、ゼオンはそちらを見もせずにマントを使ってロップスを地面へと叩きつける。押さえつけられればもう何もできない。

 今、彼が話しているのはこいつだと、その紫電が真っすぐに人間を見下ろしていた。

 

 冷ややかな輝きがアポロを射抜く。

 

「理解したか、人間。そう……お前は人間(・・)なんだ」

 

 突き刺さる言の葉は、ずっと彼のことを名前で呼ばなかった意味を明かすように。

 ゼオンはアポロを……人間、とそう呼ぶ。

 

「どんな特殊な能力を持っていようとも、どれだけ優れた肉体の強さを持っていようとも、どれだけ小賢しく頭が回ろうとも……お前達はただの人間(・・・・・)なんだ。

 オレ達のような魔物の本気の術や拳を受けて無事でいられると思っているなら、それはお前の傲慢な勘違いでしかない。

 記憶の戦闘を見て思ったんだ。お前はあまりにも……魔物という存在に対しての警戒心や危機感が薄すぎる、とな。それはデュフォーが当てたお前の持つ能力故の自信でもあったのだろうが……現実はこれだ」

 

 深く、深く色づく瞳の奥に浮かんでいるのは、怒り。

 この現状を見れば分かる。

 魔物に対して為す術もなく這いつくばっている自分は、ただ無事でいさせて貰っているだけに過ぎないのだと。

 

「いいか、人間。お前とあのガッシュのパートナー……清麿と言ったか? そいつとお前では身体を張って戦っているという姿は似ていても根本的に違う。

 あの必死さ。喰らいつく姿勢。己の非力を理解した上で極限まで計算してガッシュと自分に出来る最高のパフォーマンスをする精神力。そして……“胸に秘められた大きな想い”。

 お前はあいつらとの戦いで少しは変わったのだろう。しかしその根本的な所は、オレとの戦闘での開幕やそこかしこで見られるように、何処かしら慢心した部分がある。

 ロップスは違う。あいつはいつだってずっと本気だ。全力でオレに勝ちに来ている。負けたくないと、必死に抗っている。あの時まで、あの戦闘の最後のあの時まで……己の想いだけで戦っていたのと同じように今回も、な。

 だからこそ、オレはお前にもう一度言ってやる……」

 

 小さな少年の姿であるのに、大きな、とても大きな姿に見えた。

 

「舐めているのか、貴様?」

 

 高貴さを宿した目は己の力に絶対の自信を持ってこそ輝きを放ち。

 奥底に眠る憎悪と哀しみは、自身に膝を付くことを許さず。

 深く深く渦巻く想いは……ゼオンの心と体に無限とも思える力を沸き立たせる。

 

「ぅ……あ……」

「ふん……貴様のパートナーは、オレと戦うとなって既に覚悟を決めているのにな。オレという強大な敵を前にしても折れない心、戦いに対して積極的でない相方を持っても立ち上がったあの精神、魔界の次世代を担う誇り高き戦士になるだろう」

 

 ゼオンの目に浮かんでいた失望の意味を漸く理解した。

 想いの格(・・・・)が違う。違いすぎるのだ。

 

 清麿のと比べても。アポロ自身の戦う理由も。ロップスと己の戦いへの覚悟の差異も。敵に対しての在り方も。そしてこの魔界の王を決める戦いに対しての、想い全てが。

 

「オレは怒っている。そう……これは怒り、なのだろう。

 人間を見下しているわけではない。むしろ人間の中には凄いヤツがたくさんいると尊敬さえしている。

 最近だって、オレと歳の変わらない子供だというのに、友達の為にと理不尽に抗うような素晴らしいヤツを知った。

 だからこそ……貴様に怒っている。寂しさも、苦しさも、つらさもしょい込んで、やっと出会えたパートナーと……未だに心が本当の意味では通じあえていない。清麿という人間のような強い想いではなくとも戦う意思を持ってくれた―――それだけで嬉しいと思ってしまうような、そんな魔物の子がいて、どうして放っておけようか。そんな子のパートナーに対して怒らないでいられようか」

 

 足をどけたゼオンは、ぐいとアポロの胸元を掴んで瞳を覗き込む。

 

「貴様は雲だ。風に流されているだけ。己の意思は何処にある」

 

 自由とは程遠いと、ゼオンは言う。

 

「風はな……いつかは止まってしまうんだ」

 

 

 

―――旅をしていた。偶然出会ったロップスと共に旅をしていて楽しかった。でも……

 

 手を離されて頭を垂れるように俯いて考える。

 

―――いつかは、魔物は消えてしまうから。ボクは何処か他人事として、“どうでもいい”なんてことすら言っていた。

 

 赤い本の魔物とそのパートナーとの出会いでロップスを本当の意味で見るようになった。

 

―――あの時に清麿とガッシュを見て覚悟を決めた。決めた、と思っていた。

 

 隣を見ると、ボロボロの身体で必死にマントの拘束から抜け出そうとしているロップスが居る。瞳に浮かぶ闘志も、こちらを心配するやさしさも陰らずに。

 

―――ボクは……本当に、自分で決めたんだろうか。

 

 思い返せば、自分はロップスの行きたい方へ向かっていただけ。

 まるで己を動かしてくれる風を得た雲のように。

 

 財閥を継ぐという未来が決まっている。

 

 跡継ぎである自分には、もう残された時間は少ない。

 

 だから世界を見て回ろうと思った。

 

 残された自由を満喫する為に。

 

 レールの上を走るだけの人生になるから、そう思っていた。

 

 でも今も尚、これはレールの上から逸れてはいないと気づいてしまう。

 

―――これが……自由なんだろうか。

 

 

 

 ロップスを拘束から外し、少し離れたゼオンは大きく息をついて声を放つ。

 

「もっと必死になれ。そうすれば観えてくるモノもあるだろう」

 

 ぐっと構えたアポロの目は揺らいでいる。

 

 心配そうに見上げるロップスは、精一杯元気づけるようにと彼の手に掌を重ねた。

 

 少しだけ、ほんの少しだけ落ち着いたアポロは大きく息を吸い込んだ。

 

 あの時……清麿と最大術を打ち合った時のように、もうその目には一切の慢心などなく。

 

 気合の入った目を見て、ゼオンはバサリとマントをはためかせた。

 

 再び、紫電が迸る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ○△○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく戦闘を続けての評価として、少しはマシになった、と言えるだろう。

 

 特殊な能力に対しての信頼と慣れによって、こいつには油断や慢心が染み付いてしまっていたがそれも少なくなってきた。

 

 そもそも、オレという大きな力を持つ魔物と戦うことになって、何故初めから本を燃やされない為の算段を建てないのか理解出来なかった。清麿という人間を見たせいで熱量の差に疑問を持ってしまったのが大きい。

 勝てると思っていたのなら舐められているだけだ。しかしこいつには他にもある。

 もし……もしもオレが確実にこいつの本を燃やすつもりで戦いを仕掛けたのならどうなっていたのか。特殊な能力ですら読み取れない力量差に圧倒されて、呆気なく本を燃やされていただろう。

 そんな想像すら出来ないのならと考えたら……どうにも苛立ってしまったんだ。

 ロップスの記憶を見させて貰って感じた、この男への苛立ち。思わずぶつけてしまった。

 

 こいつの持つ大きな勘違いは、人間が魔物と戦えるという幻想だ。 

 先ほどまでの戦いでは、こいつはロップスを守りながら戦っていた。頑強な魔物の子が術を喰らわぬように、自分の能力で躱せるなどという思い上がりをして、だ。

 そんなモノが通じない相手が居ると教えたかったのが一つ。

 このペースでいけばもうすぐ魔物の残りは半分を切るだろう今、ロップスとガッシュの再戦の約束を叶えるのならその慢心と思い上がりを打ち砕いておかねばならない。

 

 シェリーやカイルのように、デュフォー以外の人間と交流を重ね始めているとはいえ、オレは魔物。

 

 同じ魔物であるロップスの気持ちを考えると……どうしてもこの人間が、ガッシュと清麿のように本当の意味でロップスのパートナーになっていないということがやりきれなかった。

 

 オレ達の国を背負って立つ王になる。それがこの戦いの最後の結果。

 まだ幼いロップスなら漠然とした憧憬を持っているに過ぎないかもしれない。

 

 しかし……しかしだ。

 

 小さくとも、幼くとも王を目指しているヤツなのだ。

 

 その夢を手伝うと言うのなら、大人である貴様が足りない所を補ってやらなくてどうする。

 

―――オレとガッシュに与えられたような理不尽が降りかからないとも分からないのだから。

 

 ズキリ、と胸に思い出される鋭い痛み。

 あの夜の痛みと絶望を、オレは生涯忘れることはない。

 

―――あんな思いを……他のヤツに味合わせてなどやるモノかよ。

 

 デュフォーの答えを出す者(アンサートーカー)によって手に入れた情報では、千年前の魔物達の復活の時が近いというのだから、ロップスなどはすぐにやられるかもしれない。

 幼いからと操られて、いいように使われるかもしれない。

 人間を人質に取られるかもしれない。

 何が起きるかなど分からないんだから。

 

 他人であるオレは、此処以外ではロップスに世話を焼くことはしない。出来ない。

 

 “ガッシュに近付いてはならないという制限がある上で千年前の魔物との戦いの補助をしつつガッシュ自身の成長を助ける”なんていう困難な計画がなければ味方に引き入れても良かったのだが……。

 

 オレ達の最大の目的はあくまで“バオウ”への対策だ。

 爆発の一族の企みはガッシュの成長の為にはいい経験値となるだろう。ガッシュ自身の成長なくしてオレ達の計画が成功することはない。

 心と体の成長が成されれば、嘗ての父のようにバオウに首輪をつけることが出来るかもしれないのだから。

 

 そんな計画も、こいつらを仲間に引き入れてあの心の扱いに長けた一族のモノに万が一にもバレてしまっては台無しになってしまう。

 

 少しくらいは誘導するのはいいだろう。しかしレインのようにオレ達の計画に関わらせるには力が圧倒的に足りなさすぎる。

 せめてあと三年……今のオレと同じ歳くらいまで成長出来れば……というのは無いモノねだり。

 

 この先の戦いで、もしかしたらガッシュの手助けをしてくれるかもしれない。

 そんな期待も込めて、そしてロップスが本当のパートナーを得られるように、オレは今回“遊んでやる”ことにしたんだ。

 

「ふん……もう少し歯ごたえがある相手だと思ったんだがな」

「だから言ったんだ。この戦いは無意味だと」

「偶にはお遊び(・・・)もいいモノだろう? それなりに魔物の方に見込みはあるんだ。あのバカ(・・・・)程ではないにしても」

「お前がいいならいいが」

「ククク……それにだ……おい、人間」

 

 デュフォーには悪いが、もう少し付き合ってもらおう。

 真っ直ぐに見つめてくる人間の目。大きな覚悟を宿しているが……やはり足りない。

 

「貴様、まだ勘違いしているな」

 

 ビクリと跳ねた肩。大切そうに抱える空色の本も揺れる。

 必死になってオレと戦ったことで、こいつは何がなんでも本を護る、という選択が出来るようになったのだろう。

 しかし足りない。

 

「貴様は後悔することがないと、本当にそう言えるのか?」

 

 人間に出来ることなど限られている。ガッシュ達に負けても後悔がないと言ったこいつは、まだ足りていない。

 

「“旅”の終わりを誰かに委ねるお前に……本当の覚悟があるというのなら、それを見せろ。でなければ―――」

 

 迸る雷を見せつける。

 押し付けられたような状況ではなく、お前自身の言葉を聞かせるか、行動で示せ。

 

 人間はオレの言葉に唇を噛みしめた。

 

 

「此処で貴様の旅を終わらせてやってもいいんだぞ」

 

 

 両腕で守るように抱えた本を、人間は強く抱きしめた。

 

 

「ボクは……まだ」

 

 

 ぽつりと零れた言葉。けれどもそれは少し熱っぽく。

 

「キミから見たら、足りてないのかもしれない。ロップスが居なくなったら旅を終えて跡継ぎとしての役目を果たそうなんて、確かに自分でする選択なんかじゃないよな」

 

 こちらを睨む目。覚悟によって渦巻いていた昏さではなく、輝くような意思が一つ。

 

「旅をすること自体がボクの選んだわがままだと思ってたけど……違うよね。ごめん、ロップス。ボクの方に覚悟が足りてなかったみたいだ」

「かう?」

「ははは……いいんだ。今はそれで。きっとこれから、ボクもたくさん、キミから貰う楽しい時間の幸せを、何倍にしてでも返していくから」

 

 優しく見つめる目と、暖かい手。

 やっと気づいたか、人間。これでロップスも……

 

「ありがとう。キミが優しい魔物でよかった」

「……貴様、オレの心を感じ取りやがったな?」

「さすがに、ね。ボクに向けてはまだ辛辣だけど、ロップスを思いやったキミの感情がちょっとおっきかったから」

「……ふん、ならせめて答えて示せ。お前はこの先どうする?」

 

 厄介な能力だと思う。こいつに向けてはしっかりと警戒していたのに、ロップスが少しは報われるかと思ってしまったのが失敗だった。

 

 せめて、聞かせて貰おう。こいつがどういった選択をするのかを。

 

「“ボクの旅”は……此処で終わりだ(・・・・・・・)

 

 本を開き、オレをしっかりと見据えてくる。

 本の輝きが先ほどまでとはくらべものにならないくらい大きくなっていく。

 

 こいつは自らの手で、旅を終わらせると言う。

 

 そうだ。やっと気づいたらしい。

 お前が使える“力”は……能力だけではないはずだと。

 

「ボクはもっとロップスと居たい。一緒の時間を過ごしたい。この子の夢を叶えてあげたい。それなら……ボクは全てを使わないとダメなんだ。例えそれが、ボクが逃げてきた窮屈な生活であっても」

 

 バサリとマントを投げ捨てた人間……いや、アポロ(・・・)は、何者にも立ち向かう強き目をしていた。

 

「ロップス!」

 

 大きく声を上げたアポロは、ロップスの頭に掌を置いた。

 

「王になる為の道は、きっと苦しくて辛いこともたくさんあるし、いっぱい傷つくと思う! キミがボロボロになることも、ボクがボロボロになることもあるだろう!

 大けがしたり、死にそうな目に遭うかもしれない! 彼のような強い魔物に勝つ為には、ボク達は沢山そういったことを乗り越えなきゃならない!」

「……」

「だけど……だけど一歩ずつ進んで欲しい! キミが思い描く王様になる為に! そうすればキミに足りないところがあればボクが補う! 助けて、教えて、なんとかする! キミの隣で!」

 

 その宣言と同時にアポロはロップスの頭から手を離し、拳を向けて微笑んだ。

 

「任せて、くれるかい?」

「かぁう!!!」

 

 嬉しそうに拳を合わせるロップスを見て、オレの口元も綻んだ。

 

 やっと、本当の意味でパートナーになれたのだ。

 

 デュフォーの元へと跳んで声を掛ける。

 

「……ふふ、いいモノだな。いつ見ても」

「まあ悪くないな」

 

 絆が強くなって生まれる本の輝きは美しい。

 デュフォーもオレも、魔物と人間の二人が笑顔を浮かべているこの光景が好きだ。

 

 どうだ。オレはお前に、“いい景色”を見せてやれているか?

 

 聞いたりはしない。なんとなく気恥ずかしいから。

 

 いつかは……

 

―――いつかはお前も、あんな風に笑えたらいいな。

 

 絶対に口に出しはしないけれど、お前が心の底から笑顔を浮かべてくれるよう願っているぞ。

 

 

 

 仕上げだ。ロップスとアポロに、最後の仕上げを行おう。

 

「ふん、せっかくだ。オレとお前達との実力差を見せてやる。お前達の最大術を打ち込んで来い。それとも……新しい術でも試すか?」

 

 あの輝きだ。きっと新術が出ていることだろう。

 

 ゆっくりと首を振るアポロは、ロップスと頷きあってからオレへと向かい合った。

 

「いや……ロップスがキミにぶつけたい術は今までの最大術だってさ。ボクもそうだ。此処までのボク達との決別と、新たな出発の為に」

「そうか。なら……来るがいい」

 

 通用するしないではなく、今までの全力では勝てないと理解していての決断。

 明日から新しい日々を踏み出す為の力、ということか。

 

「ディノ・リグノオン!!!!!」

 

 その術は、“十本”もの大きな鎖を以って、大地を捲りあげた。

 五つの極大な質量で押しつぶされれば、間違いなく大きなダメージを負うだろう。

 

 通常の魔物であれば、だが。

 

「ゼオン」

「……あそこだな?」

 

 避けなくてもダメージの低い攻撃ではある。

 しかし指示された其処は、きっとあいつらの術の弱所なのだろう。

 見極めが出来なかったオレはまだまだだ。デュフォーの能力によるモノとはいえ、“答え”はあるんだ。

 それを自分で見つけられないのなら……このオレも、まだまだ成長出来るということ。

 

 デュフォーが指示を出したということは、オレだけのザケル一つでは防げなかったということ。

 甘んじて受け止めよう、このオレの力不足を。

 

「ザケル」

 

 バシリと走った一つの雷撃は、ロップスの最大術の一つの軌道を変えた。

 

 それだけで相手の質量攻撃はオレ達に当たることなく、全てが大地へと沈んでしまった。

 

 

 土煙に紛れて、気配が二つ。

 まだ、というように構えているアポロとロップスは油断など微塵もなかった。

 オレ達がどんな行動に出ようと反撃出来るように。

 

 逃げることは出来ないと理解した上で、一番自分達に出来る最善を選び抜いた。

 

 だからこそ、オレだけで瞬間移動を使ってロップス達の背後へと立った。

 彼らは振り向かない。振り向けない。その隙一つで自分達が負けると理解していた。

 

 此処までだな。

 

「手土産に一つ、教えてやる。

 近いうちにお前達はこの戦いに於いて大きな敵とぶつかる。それはお前達だけで越えられる程甘いモノではなく、今回のオレのように“遊び”をしてくれる相手でもない。お前達と同じく、お前達のライバルであるあいつも困ることになるだろうな。

 オレは直接的には手を下せない理由があるから手助けはしないが、オレの知り合い(・・・・)が少しだけ手伝ってやれると思う」

「……情報、感謝するよ」

 

 振り向いた二人は、オレと真っすぐに目を合わせてきた。

 

「ボク達の負けだ」

「ぎらついた目でよく言う。これはあくまで“お遊び”。二度と起きない気まぐれだ」

 

 ゆっくりと近づいてくるデュフォーは、アポロへと一つの紙を渡す。

 

「オレ達の情報を誰にも話さないということを約束しろ。財閥関係が落ち着いたらこの会社に連絡して、“D”の紹介だと取り継ぎするといい」

「こ……これは……」

「オレが資金援助して立ち直った会社だ。旅をしていても財閥の跡継ぎの為に情報として名前くらいは聞いたことあるだろう?」

「は……はは、参ったな……あの大企業がやばい状況から立ち直ったのは知ってたけど……キミ達は本当に何者なんだ」

 

 ああ、デュフォーが資金繰りと世界中の情報を集める為にほぼほぼ乗っ取ったような会社のことか。

 アポロもそういった世界の人間だというなら、デュフォーが助力も出来るしいいことだろう。

 

 間接的ではあるがこれでガッシュの周りを強化出来た。

 こいつらもライバルとしての成長を見込めるのだから、きっといい具合に刺激しあってくれることだろう。

 

「楽しかったぞ、ロップス。そしてアポロ(・・・)

 また戦う時があればその時こそ全力で相手してやろう」

 

 手は繋がない。

 拳を差し出せば、ロップスが嬉しそうに拳を合わせてくれた。

 

「かう!!」

「次は勝つ、か? くく……楽しみにしている」

 

 それまで勝ち残ってくれ。お前のような相手ならば、オレも誇りを掛けて戦える。

 

「ありがとう、ゼオン」

「ロップスを頼んだぞ、アポロ。オレが王になるのだから、大切な魔界の民の一人を預けるわけだ」

「ふふ、そうはならないよ。だって、ロップスが勝ち残るからね」

 

 くるりと振り向く。

 デュフォーがもういいかと言いたげにオレを見ていた。

 

 マントを伸ばして包み、もう一度ロップス達に目線を送った。

 

「オレは窮屈な王になどならんぞ」

「え……?」

「一番上に立ったのなら、好きなことをすればいい。並び立つ者と助け合って好きなことをして民を救って、そうやってオレは国をよくすると決めている。

 少なくともデュフォーという協力者を得たのだから……お前の窮屈も、少しはましになるだろうさ」

 

 願わくばカイルのように……人間同士として、お前がデュフォーとナニカを繋げてくれるといいが。

 

 もう何もいわなくともいい。

 最後にロップスへと笑いかけて、瞬間移動にてその場を後にした。

 

 きっとあいつらはこれから強くなるだろう。

 少しでも多く、幸せな思い出を残していって欲しい。

 

 オレ達魔物と人間が過ごせる時間は……きっと思ったよりも少ないモノだから。

 

 

 あくびをして部屋へと入っていくデュフォーを見送ってから、オレは握った拳を見詰めた。

 

 

 オレのこの手の中に、少しずつ少しずつ、何かを増やせていっている気がして、胸の奥がまた仄かに暖かくなった。

 

 

 




読んで頂きありがとうございます。

ロップス生存。
原作のアポロくん、追い詰められるまでゼオンくん達には勝てないってこと分かってなかったので慢心あったのではと思いましてこんな感じに。
ゼオンくんが怒ってた理由の多くは清麿くんがかっこよかったせいです。

アポロ・ロップスペアの残存によって原作と違う流れが顕著に出てきます。
もうすぐ千年前の魔物との戦いが始まります。
原作組のバトルもそこそこ書くことになります。

これからも楽しんで読んで頂けたら幸いです。

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