「…ただ、少し法に触れる、な」
大森林 オッカの里より2km
調査キャンプ
フレキ
「偵察に行ったメラルーが帰らない?」
「捕まったと考えたほうがいいでしょうな」
「奴らを少し舐めていたか…」
調査キャンプに設営されたテントの中には会議のために俺と数人の仲間たちが集まっていた。
ライダーの連中から未確認の集落があるという報せを受けて来てみれば、なんとその立地はモンスターの巣があった場所。
さらにそのことで我々ハンターの関与が疑われる始末だ。
呼んでおいて言うことはそれか?
そもそも共通の理念として我々もライダーも行き過ぎた自然破壊はしない。
我々の生活圏まで侵食されれば話は別だが、特に害のないものを出ていって叩くことなどよほどの理由がない限りしない。
我々ともライダーとも違う集団が占拠していると考えるのが妥当だ。
そう考えると浮かんでくるのは密猟者共。
利益を優先して簡単にモンスターの命を奪うような連中だ。
奴らが徒党を組んだなら巣が潰れたのも理解できる。
その跡地に住処を構える神経は到底理解できないが。
「奴らは…本当にモンスターを殲滅してしまったんだな」
この情報が真実であるか疑わしいところもあった。
しかし状況を見れば答えは見えてくる。
もともとあの場所はランポスとジャギィの激しい縄張り争いが起こっていた所だった。
我々はこの地域でジャギィ達がいきなり活発になった事に頭を悩ませていたのだが、ライダー達からこの件について情報を得たことで辻褄があい、この答えも導き出されたのだ。
「我慢ならん!即刻叩き出すべきだ!」
横で控えていた仲間が大剣に手をかけて唸った。
彼の気持ちはよく分かる。
この件は流石に度が過ぎる。到底許される行為ではない。
しかし。
「駄目だ、奴らの戦力は未知数だ」
「フレキ!お前もわかっているだろう!」
「ジャギィの巣を一夜で壊滅させた相手だぞ!」
「うむう…」
詳しく探るために強行偵察を計画し、このキャンプの設営が終わった直後のこと。
ジャギィの巣の状態を確認に行ったハンターが巣が壊滅、消滅しているとの報告を上げてきた。
その前日の調査ではまだそこにあったものが消えていたのだ。
それもジャギィ達が狩猟されて巣が抜け殻になっていたということではなく、文字通り巣が『消滅』していたのだ。
ジャギィの巣が具体的な調査が始まるまでの緩衝地帯として機能することを期待していた我々に激震が走った瞬間だった。
「しかしライダーの連中は何なんだ?自分から呼び出しておいて何もしていないじゃないか」
ライダーの連中は調査を主導すると言って譲らないわりに何もしていない。
むしろ我々の調査を妨害しているふしもある。
少しはアテにしていたレウス乗りも偵察をしなくなり役立たずだ。
レウスは飾りか?
「どうやら何かの神話を恐れているようですな」
彼らはどうやら我々が到着する前に彼らの神話に登場する『銀龍』を見たらしい。
それに関連する何かを恐れているようだが…
「銀龍など存在するのか?」
「都合のいい言い訳だろう」
「役立たずめ…」
例えライダーの連中が役立たずでも、我々だけでやればいい。
最初から半分くらいそのつもりでいた。
「少しずつだが、情報は集まりつつある」
奴らの危険性を考慮して現地で雇ったアイルーやメラルーを小出しにする作戦は功を奏した。
奴らはそれらに対して無警戒だったようで密偵たちはかなり奥まで入り込み、奴らの情報を持ち帰ることができた。
野営地の正確な場所、奴らの服装、武器、行動など、表面から見えることは何でも。
我々が知らぬ間に長大な道を建設していたことには恐怖した。
それも木々を避けずになぎ倒し、まるで我を通さんとする奴らの心情が現れたかのようなとんでもないものだった。
しかし奴らも対抗してきたようで、もうこの方法は使えない。
戻ってこなかったメラルーの仲間たちには補償をしておいたが…
彼がどんな目にあっているか心配だ。
この方法は正しくなかったのかもしれない。
だが、そんな甘いことが言えるような状況にも立場にもいない。
俺はギルドナイトだ。
「次の手を考える必要があるな」
それについてはこの場にいた全員が賛成した。
俺は静かにうなずく…静かじゃないな。外が騒がしい。
と、伝令がテントに飛び込んできた。
「大変です!」
「何だ?奴らが動いたか!?」
「いいえ、クックの襲撃です!」
間の悪いときに…
以上、書き溜めでした
再装填に入ります…
書くのはすごく楽しいんですが、その時間がない!
クックも十分危険だと思います