「挨拶しとくか」
「近くにちょうどいい売り場もできたしな」
人里観測地点から3km
ハンターベースキャンプより2㎞
前沢陸士長
「あれがハンターのキャンプね」
「割とでかい…が、遠目にはわからないな」
「対空兵器の類は無し…か」
同僚たちは双眼鏡の先に広がる野営地にそれぞれの感想を述べる。
私の2回目の任務はまたしても偵察だった。
避けなければならない最悪の事態が半分起こりかけている事実に焦った我々(主に幹部たち)は再度の偵察作戦を強行し今に至る。
今回は前回のようなただの偵察ではなく威力偵察、邪魔が入れば吹っ飛ばして逃げることが許されている…が、実のところは護衛にFVがついただけのただの偵察だ。
とはいえ駐屯地に1両しかないFVを引っ張り出して私達の後方1km、つまり偵察地点から3kmの位置に配置したのはかなり強気。
何より安心感がある。
…あと、移動が楽。
道路が建設されている75km地点からまたジョギングしなくても良かったのは少し気が楽だった。
しかし任務の方は気が楽ではない。
前回の偵察で録音した内容をよく聞いてみると当時はこちらの位置がバレているかもしれない事実(実際バレていた)に気を取られて見えていなかったことが見えてきて、同時に恐怖した。
この内容ならば幹部たちが焦るのは順当だ。
何しろ、『不幸な行き違い』がすでにあちらで発生しているのだ。
ここから挽回するためになんとか情報を集めてくれ…との事だが、正直自信はない。
できるだけ情報を集めるために様々な器具を持ってきたが、これが役に立つのかどうか。
キャンプの方はというと、だいたいライダーたちの住処より少し小さいくらいの大きさだ。野営地としてはでかい。
大小様々なテントに横付けされた多数の荷車、調理用と思わしき焚き火に固めて置かれた荷物の数々。
それらには草木が絡ませてあったりと申し訳程度のカムフラージュも施されていた。
立場も文化も違うのだろうが、ライダーたちの華やかな住処とは対極の見た目だ。
外をうろつくハンターたちも簡素で無骨な装備を身にまとい、様々な武器を携帯している。
「あれはボウガンだ…」
「改めて見ると本当に銃だなこれは」
そのうち一人がボウガンを携帯していた。
あの大口径銃を向ける先となるとモンスターなのだろうが、今後の展開次第では我々に向くかもしれない。
…それは避けねば。
「だいたいあのメラルーの言ったとおりだったな」
「そもそもあの状況で嘘を吐けるとは思えんが…」
このような短期間での強引な偵察が許されたのは先日捕虜となったメラルーの情報提供によるところが大きい。
普通科隊員の通報で捕縛されたメラルーは向こうからあっさりとハンター達のスパイであることを漏らし、開放を要求。
しかしすぐ返すわけにも行かず、かと言ってアイルー(メラルー)の尋問などどうすればよいのか、と困窮していたところに助けに入ったのはなんとアイルーたち。
彼らは得意げにすべての情報を聞いてくると言っていたらしい。
…そして、本当に全ての情報を引き出してしまったようだ。
詳しいことは知らないが、基地所属のアイルー達がほぼ全員集まって問いただしたとかなんとか。
手を出してはいけないと念入りに言われていたこともあってメラルーは無事だった…肉体的には……が、開放されたメラルーは涙目だったという。
「その後どうなったんだっけ?」
「確か、まだ保護してるよ」
開放されたは良いが行く宛がない可愛そうなメラルーはアイルー達をなだめた隊員に泣きついて保護という形で駐屯地にとどまっている。
その場に立ち会ったわけでもなく聞いた話ではあるが、正直なところアイルー達の少しやりすぎな尋問のことが外に出たらマズイ気がしたので良かった。
「…ん?」
キャンプの外周あたりにいた軽装のハンターがこちらを見ていた。
見つかったかもしれない、というのは杞憂だった。
私達はギリースーツを纏った上で本気で隠れているので簡単に見つかることはない。
現にその目は我々ではなく、もっと後ろの方を見ている。
待てよ、後ろの…FVが見つかった!?
持ち込んでいた集音マイクで拾った声がイヤホンから流れてくる。
『何だあれは?』
軽装のハンターは応援を呼んで双眼鏡を構えた!
マズい!すぐに撤退を…
『あれは…あれは竜!?』
『なっ!?双眼鏡俺に貸せ!』
ん?
違和感を感じた我々は動きが止まる。
竜…竜!?竜だと!?
『怪鳥だ!』
クオオオオオオオオッ!
上空から凄まじい轟音と…巨大なモンスターが降りて来た。
修正するかもしれない。
プロットは立っているのでここからは比較的スムーズに…進めたい(願望)
更新停止してる他の小説も何とかせねば…