「何をだよ」
「商隊が攫われるところを…」
駐屯地 給水塔
宮島技術士
「本職じゃないんだけどなぁ」
軽く文句を叩きながらも俺は与えられた仕事をやる。
今取り組んでいるのは給水塔のタンクの修理点検。
駐屯地の建物全体に水を送っているこれは水源発見までの短い間ではあるが駐屯地の大きなライフラインの一つとして支えてくれたもの。
また今も水源から汲み上げた水を送り届ける仕事を担っている大切なものだ。
タンクから伸びた複数のパイプを目でたどるとそれは途中でポンプを経由して水撒き用のホースに変わり、森の中へと続いていた。
これはそのまま駐屯地南の水源地点、アイルー達の教えてくれた場所まで続き水を汲み上げている。
水源は水を汲み上げる大型のポンプと一時的に貯蔵するタンクも整備され小さな浄水場のような感じだ。
…それの整備も俺がやった。
畑として開発されたエリアには近くを流れる川の中流から流灌漑用水が引かれ、皆の胃袋に入る予定の作物たちをしっかり育てている。
水もそうだが食料も同じように大切なもの。
無ければ飢えて死んでしまう。
災害派遣等のために大量にあった備蓄食料もそろそろ尽きかけていたために開発の本格始動と交易のスタートはありがたいものだった。
これを繋ぎにして作物の収穫を待ち、最終的には自活出来るようにするというのが今後の展望。夢が広がるな。
水源へと続くホースも近々頑丈なパイプへと置き換えられて拡張され、新たに広げられた区画や最近完成したアイルー居住地へもしっかり整備されるそうだ。
それをするのは俺だから…また仕事が増えるな。
締め終わったボルトを軽く叩くと小気味いい音が辺りに響く。
一通りの作業を終えた俺は開発作業で至るところから砂煙が上がる駐屯地を見回した。
その腕を振るうは主に施設科に普通科、機甲科、特科、情報科の一部、各科幹部…普段の仕事柄や内容問わずといった感じ、まさに"総出"の形相をなしている。
みんな本職だとか本職じゃないとか関係なくできることを、必要な場所で必要な人手を担っていた。
「そうだよな」
本職じゃないとかこんな文句を言っている暇はない。
技術職の自分はますます自分にしかできないことを、必要とされる仕事を頑張らなければ。
ライフラインの整備が終わった今、ただ安心するだけではなくできたこの余裕を積極的に活かしていかなければならない。
実際
俺だって火砲や動力機関や兵器の足回りに関してはちょっとだけわかるつもりで居る。何が絶対にできることがあるはずだ。
"直す"以上のできることが。
『宮島さん、ポンプが壊れてしまって…』
「ああ、すぐ行く!…そのままにしといてくれよ!変なとこ触るなよ!」
だが、まだもうしばらくは直し続ける。
まだまだ直し足りないようだから…
ドラム缶を満載したトラックが通り過ぎるのを横目に、俺は現場へと走った。
プロットが纏まりませんでした。