自衛隊inモンハン 異空の守り人   作:APHE

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「あれは…竜なのか?」

「乗り人さ…」


7話 広げた翼

駐屯地 滑走路

河野空士長

三山一等空士

 

 

雲一つない晴天のもと、滑走路脇に集まるは俺達航空自衛隊。

視線の先には長らく置物と化していた滑走路横の大型燃料タンク。

それに横付けした車から燃料が注がれてゆく。

 

燃料が 注がれて ゆく。

 

「………」

 

俺は感情の高ぶりを抑えて体をプルプルさせながらその様子をじっと見守る。

周りの隊員たちも同じ一点を見つめており、集まった視線はものを燃やしそうなほど、次の瞬間燃料タンクが爆発するのではないかと思うくらいに熱い。

やがてタンクが満タンになりその車が去っていくと抑えていた感情のほうが爆ぜた。

 

「うおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

「キターーーっ!」

 

「ッツシャアアアアアアアアアアア!」

 

一斉に天に拳を突き上げる俺達。

飛び上がって喜ぶもの、はしゃぎすぎて転ぶもの。

だいぶ危ない痛そうな転び方をしたその隊員はしかし笑顔だった。

今の俺たちは喜びが痛覚に勝利している。

 

だって、ついに、ついにだ。

燃料精製計画が軌道に乗り航空機用に回せる燃料がやってきた。

本部と司令からも許可が降り、ついに今日、通常の任務と訓練で飛ぶことが許されたのだ。

前回調査のために飛んだことを散々同僚たちからからかわれていた俺らだが、それももう1ヶ月ちょっと前のお話。

俺らだって飛びたかったんだ。

 

…でも他の隊員は大半が3ヶ月半以上飛んでいない。

初陣は同僚たちに譲るべきだな。

いや、しかし飛びたい。この機を逃したらまたしばらく飛べない気がするので飛んでしまおう。

ちなみにこれは空自だけで勝手に進めている話ではなく、ちゃんと司令から航空偵察及び訓練任務として受け取ったものだ。

ざっくりとした区分なのは最初から空自のガス抜きとして司令が企画し赦してくれたから。司令イケメン。

ハンターやライダー、商人達には開発が立て込んで来たからと理由をつけて数日間の交流停止を行ってまでして…いや、もしかしてコレのついでに赦されたのか?

 

なにはともあれ、そうして受け取った機会を無駄にするなと駆け回る俺たたちの行動は早い。

それぞれの愛機のスカスカな燃料タンクになみなみと燃料を注ぎ満タンにして滑走路へと運びエンジン点火、ずらりと並んで今にも飛び立とうとするF4EJ改とF-15Jの編隊が地上に出来た。

それぞれの機体が徐々にスロットルを上げて機体後方から炎を吹き出し加速する姿は壮観だった。おそらく。

最後尾にいた俺たちの機体からはよく見えなかったのだ…

 

『管制塔、離陸を許可。楽しめよ』

 

《了解!》

 

《飛ぶぜ!》

 

《ありがとうございます!》

 

ただ管制塔からは見えていたらしい。

久しぶりの空に興奮して気の利いた言葉は返せなかったが、とびきりの感謝を伝えて飛び立つ。

それからはもう飛ぶことばかり考えていた。

 

機体が上昇を続ける。

ああ、雲が近い。空が近い。

速度と空の高さを風防越しにしっかりと感じる。

 

〈イヤッホーーーーーーーッ!!〉

 

最高だ。

この瞬間のために空自に入ったようなもの。

何度も宙返りを決めてGを味わい、編隊を組んでの曲芸飛行で駐屯地上空のあちこちを飛び回る。

そうして飛べなかった鬱憤とストレスを散々発散した俺達は急に冷静になって普通の編隊飛行を始めた。

 

長らくお飾りだった俺らだが、これからはそこそこ力が振るえそうだ。

外部勢力を寄せ付けない口実がある時にこれを行ったあたりまだ大っぴらに飛ぶことはできなさそうではあるが、航空戦力という近代戦において最大の力を取り戻したこの基地は確実にこれまでよりも強く出ることができるだろう。

それが有利に働くように、また、その時にしっかりと役に立てるように頑張ろう。

 

〈だよな三山〉

 

〈ああ〉

 

眼下に広がる駐屯地はようやく転移前の雰囲気を取り戻しつつあった。

 




そういえば最近戦闘描写なかったですね…
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