自衛隊inモンハン 異空の守り人   作:APHE

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「行ったか」

「こちらも動くぞ、遅れるなよ」


4章 調査
1話 歩む目的


大森林 ハンターキャンプから50㎞

佐島一等陸士

 

 

ついに出発した調査キャラバン、ついに始まった共同作戦。

隊列の足取りは軽く、差し込む木漏れ日に誘われて森を北へ北へと進み続ける。

 

「今はどのあたりだ?」

 

「メーターを信じるなら約50kmってとこだな」

 

「2日かけて森を抜けるんだ、まだまだ先だろ」

 

「共同作戦だから仕方ないさ…それに彼らの先導があるから何事もなく来れているわけだしな」

 

俺たちがハンターキャンプに到着したのは4時間前のこと。

連絡員が事前の打ち合わせをしてくれていた関係で到着後速やかに出発することができた。…つまりひと休みするヒマがなかったワケだが文句は言っていられない。

これからほとんど徒歩で数百キロを旅するのだから…

 

「俺らはまだ車があるからいいけどよ…」

 

長野が荷台で荷物に揉まれながら言う。

しかし一ヶ月分の武器弾薬食料を搭載したそれは快適とは到底言えないものだった。まぁ仕方ない。

 

結成された調査隊キャラバンは先導するハンターと後方警戒を務めるハンターの部隊で俺たち(自衛隊)とライダーを挟んだ一列の形になっている。

荷引きのモンスターの後ろでエンジン音を響かせる車両、キャラバンへ無理矢理組み込まれた輸送車とLAVは浮いていた。

 

「彼らにも…アプトノスだったか、家畜のモンスターがいるようだし問題はなさそうだな」

 

「そうですね、道幅も含めて」

 

今調査隊キャラバンが歩んでいるのは意外にも整った道、森の木々を避けてうねってはいるが踏め固められた街道のような場所だ。

ハンターたちの話によるとモンスターの生息域にもある程度はこのような道が伸びている場所、交易ルートになっているところがあるらしい。

駐屯地が転移してしまったのはそのような道も通らない奥地だったわけだ。そりゃあモンスターの巣があるわ…

 

アオッ!

 

「どうした?」

 

「いや、光る虫がいたらしい」

 

パチパチとエレクトリックな光を放つ小さな虫を目で追うチビ。

その声に一瞬前衛のハンターがビビっていた。申し訳ない。

しかし我々としては(も)輸送車の後ろをのっしのっしと歩いてくるライダーのリオレウスの方が恐ろしいんじゃないかと思う。

そういえばこちらの都合で参加してもらったライダーたちだが、マークスやゼイルをはじめとする雇われ民間ハンター達が率先して交流を行ってくれたおかげでイザコザに発展するような事件は起こっていない。

後方で油断なく睨んでいるハンターもいるものの、リオレウスも含めて歩く置き物程度の認識に落ち着いたようだ。無視されてるとも言えるが…

 

『やあ、ちょっといいかな?』

 

肩を叩かれ振り返るとリオレウスを従えるライダーその人、ラダンの姿が。

 

『大丈夫ですよ』

 

『調査だから話しかけるべきではないかと思ってね』

 

『そこまで気にする必要はないですよ』

 

彼と話していると原油採取中のあの出来事を思い出した。

今思えばあれが、彼がリオレウスで基地を発見したのが始まりだったのだ。そこから色々あって交流を持つことができた、ある意味感謝だな。

その彼はこの前の会談で最初の接触時に攻撃一歩手前だったことを知って冷や汗をかいたらしい。本当に撃墜しなくて良かった。映像解析でリオレウスに跨る彼を見つけた隊員のお手柄と言えるだろう。

そういえば、彼らを調査に呼んだのは連携と信頼の強化、今後ハンターと同時に接していくにあたってもめごとが起きないように相互理解を進めてもらうためだった。

だがそれはこちら側の都合、それとは別に彼らにも理由があった。

 

『今回の調査の目的はモンスターたちがなぜ本来の生息域を遠く離れてここまでやってきたのかの調査、だよね』

 

『そうですね、おおまかには』

 

『…ここにいるハンターたちは大事のようにふるまっていないようだけど、これはかなりの異常事態だ』

 

『情報科からもそう言われたな…あ、情報科っていうのはウチの…』

 

『書記のようなもの…だよな?長野さんから聞いたんだ』

 

『微妙にあってない』

 

ライダーたちが首を縦に振ったのは会談時に語られた自衛隊との関係強化、ハンターとの融和とは別にもう一つ、モンスターと共に暮らすものとして感じた胸騒ぎのようなものがあったという。

ラダンの話では息絶えたイズチの表情からはまるで何かから逃げていたような恐れの感情を読み取ることができたそうだ。が、その時には自衛隊との戦闘によるものかと思って深くは考えなかったと。しかしあとからよく考えてみればそれはもっと別のものだったのではないかと感じて心当たりを探してみると神話の件が持ち上がって…

 

『神話に語られる災いが近づいていると考える者もいるんだ。杞憂だといいんだけどね』

 

『世界の危機なんて言われてもピンときませんけどね…』

 

『…僕らも実際に見たわけじゃないからね』

 

『なら、見て確かめましょう』

 

ああ、これから見に行くのだ。

襲い掛かってきたイズチたちがこの道を通ってきたのかはさておき、その長い旅路には何らかの答えがあるはずだ。

それが何であるのか確認し、安全を確かめる。

そして旅の仲間を、新たな友との関係を結び平和へと近づく。

それが今回の、俺たちの目的。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今ごろ先鋒隊は森の外か」

 

キャラバン後方の警戒隊に組みまれだ情報係は目前の光景に感慨する。

リオレウスを従えた乗り人と鉄の乗用機械を携えた異界の軍隊。

一見相容れないように思える彼らだが現状ではハンターよりもいい関係を築いている。

この様子を見て乗り遅れないように、などと思う日が来るとは夢にも思わなかった。

 

「しかし…本部は何を思って"追加戦力"をよこしたんだ?」

 

キャラバン前方の先導隊には先任のものに紛れて本部派遣組のハンターたちが組み込まれていたが、その装備は他の派遣組ハンターたちと比べ少々異質。とはいえ素人目にわかるものではなく、派遣組ハンターと民間ハンターの大多数及びライダー、自衛隊からもその正体は割れていなかった。

だが同じ立場にいる自分にはその軽装備と腰の拳銃がモンスターを想定したものではないことがわかる。

…気になるところはあるが今は任務に集中するときだ。

 

 

 

 

「時間調整は上手く行っているようだな」

 

「調査の目的は…彼らの真意と、正体を知ることだ」

 

 

「これが今回の、我々の目的」

 

 




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たぶん…
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