仮面ライダーゴーストAnother storys:仮面ライダーナイトメア~ディメンションウォーズ~   作:世界一孤独なチンパン

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 ふぅ…。間に合ったぜ~。(冷や汗)

 というわけで今回も一日空けての投稿になります。今回、雰囲気を崩さないために(?)蓮人好きバレ事件完結編のみでお送りします。蓮人の告白を受け取ったまなが一体どのような結論を出すのか…。ぜひ最後まで(以下略)

 めちゃくちゃ余談なんですけど、自分作品書く時プロット書かずにその場の思い付きで書くから話の整合性保つの大変なんだよね~。じゃあ書けよって話なんですが…。その分いいアイデアが思いついた時の路線変更がしやすいっていう利点もある。

 とまあ余談はこのくらいにしてどうぞ!

(あとがき書きたいことが多すぎるかつ投稿完了した時間がギリギリのため、あとがきは随時更新します笑)

 


第十六話『お前との思い出』

 

 

「…///」

 

「…///」

 

((気まずい…!))

 

 猫娘と共にまなの依頼を解決した日の夜、つまり今だ。蓮人の家を訪ねたまなとまなを家に上げた蓮人は、彼の部屋にてかれこれ約十分ほど続く静寂の中を必死に耐えていた。その理由は明快。

 

『だからッ!俺が好きなのはまな!お前だよッ!!!』

 

 ヨースケに花子失踪に関しての容疑をかけられた際、身の潔白を証明するために放った言葉。その時のまなの顔は、鮮明に覚えている。となると、まなが自宅を訪ねた理由もおのずと見えてくる。

 

(告白の返事…だよな。多分…)

 

 蓮人は机を挟んで向かい側に座る幼馴染を見やる。まなは顔をうつむかせたまま、それ以上のアクションを起こす気配がない。

 

(どうしよう…。あの時の話をしに来たはずなのに…いざ目の前にってなると、緊張で目が…)

 

 

 

 

〈ぐぅぅぅぅ…〉

 

 静寂で包まれた空間の中に、緊張感のかけらもない音が鳴り響く。蓮人がぽかんとして顔を上げると、まながお腹を押さえ顔を真っ赤にしていた。

 

「あ…こ、これは…!実を言うと今日、夜ご飯食べてなくて…!」

 

「ふふっ…あははははは!」

 

「も、もう!なんで笑うのさ!///」

 

 まなの必死な弁解に緊張の糸が解れた蓮人は、盛大に笑い声をあげた。ひとしきり笑った後、必死に抗議するまなにごめんと謝った後、彼は笑いで上がった息を整えるためにふうと息を吐いた。

 

「同じだな」

 

「え…?」

 

「俺も帰ってきてから何も食ってなかったから」

 

 似た者同士だなと言い優しく微笑む蓮人の笑顔を目の当たりにし、まなの心臓が大きく跳ねる。料理を作ろうと部屋を出る蓮人の後ろ姿を見ながら、思わず胸に手を当てる。あの時以降彼の顔を見る度、そして思い出すたびに早くなるそれが、彼女の今の想いを物語っている。

 

(そっか。私も知らないうちに…)

 

 

 

 思えば、前々からそのフラグは立っていた気がする。鬼太郎と出会って最初に解決した事件。そこで蓮人は鬼太郎を庇い、どこからともなく飛んできた矢に貫かれた。そして彼が倒れた時、自身の中で何かが壊れそうな感覚がした。彼が一命をとりとめたのを知ったときは幸福では言い表せないほどの喜びの感情が、彼女の体を駆け巡り涙を流したほどだった。

 妖怪城の時だってそうだ。彼は自身を助けるために命懸けで眼魔と戦った。文字通り命懸けで。その時、彼にとって自分が如何なる存在か。改めてわかったような気がした。その後も…いや、それ以前から、彼は自分のピンチに何度も助けに来てくれた。その度に自分に差し伸べてくれた手の温かさを、優しい顔を、彼の温もりを、彼女は忘れたことはない。次第に積み重なったことによって生まれたそれの種は、まなの知らない潜在意識の中で次第に芽吹き、成長していった。そして花開いたのだ。彼女が自覚するほどに。

 

(蓮人のこと好きになってたんだ…)

 

 彼に伝えなければ。この気持ちを。

 まなは一目散に部屋から出て階段を駆け下りる。向かう場所はただ一つ。

 

「…まな?」

 

 リビングに入って最初に耳にしたのは、玄関を開けた時と同じ言葉。だが同じ疑問調の言葉でも、今の言葉には優しさが籠っていた。

 

「…話があるんだけど」

 

「食いながらでいいか?ちょうど出来た所だし」 

 

 テーブルには、二つのうどんが並べられていた。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「〈ズルズル〉…」

 

「〈ズルズル〉…」

 

 鉄は熱いうちに打て。うどんは熱いうちに食え。夜中のリビングに響くのは、二人が黙々とうどんをすする音のみ。

 

「…話って、今日の事?」

 

「…うん」

 

 双方半分ほど食べ進めたところで、蓮人がおもむろに口を開いた。まなは咀嚼していたうどんを呑み込み、首を縦に振る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蓮人の気持ちには、答えられない…」

 

「…え?」

 

 口から乾いた声が漏れる。重い空気が辺りを包んだ。

 

「蓮人が告白してきたとき、最初はもちろん驚いたよ。それと同時に、嬉しかった。私も、蓮人の事好きだったから…。でも…でもね。蓮人を好きになった理由を思い返してて気づいたの…。私が好きになったのは『蓮人』じゃなくて『私のことを守ってくれる(・・・・・・・・・・・)蓮人』だって」

 

 彼への想いを自覚した瞬間、気づいてしまった。彼女が好きになったのは『影崎蓮人』その人ではなく、『犬山まなの事を守ってくれる影崎蓮人』であるということ。のびあがり。妖怪城。がしゃどくろ。それ以前の記憶。いずれもまなが蓮人への想いを自覚する際に無意識に思い出したもの。しかしその全てにあるのは『蓮人が助けに来てくれた』という共通点。

 もちろん、彼はそれでも良いと言うかもしれない。そしてこれからも相変わらず自分が危機に瀕した時に助けてくれるだろう。これまでと同じように、優しい笑顔を向け、温かい手を差し出しながら。

 

 だが現実はそう上手くはいかない。間に合わないことだってきっとある。そんな時が来てしまった時、自分はどのような行動をとる?

 失望する。そして彼が人助けをしている光景を見ては思う。

 

『自分のことは助けに来てくれなかった癖に』

 

 と。たった一回間に合わなかっただけで。

 

 

 まなは許せなかったのだ。蓮人のことを一瞬でも『都合の良い存在』として見てしまった自分自身を。

 

 

「私は蓮人が好きだったんじゃない。『私を守ってくれる蓮人』が好きになっただけ。私は『白馬の王子様』に憧れる『お姫様』だった。もし王子様が白馬やお金や家を失って、貧乏な平民になったら…?もし蓮人が仮面ライダーの力を失っちゃった時が来たとしたら…?蓮人が私のことを守らなくて済むような時代になったとしたら…?私はきっと興味をなくす。好きじゃなくなる。王子様のお金目当てで近づいていた女の人たちが、次第に離れていくみたいに…」

 

 まなの声は、震えていた。

 

「そのことに気づいた瞬間思ったの。『私は蓮人の想いに答える資格はない』って…。だから…ごめん。蓮人の気持ちには…応えられないよ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よかったぁぁぁッ!!!」

 

「へっ…?」

 

 予想だにしなかった反応に、泣くのも忘れ呆然とするまな。視界の先では蓮人がほっと胸を撫でおろしていた。

 

「でも驚いたよ!まさかまなも俺の事好きだったなんてな~!」

 

 まなが事情がどうあれ自分に好意を抱いていてくれたことに、嬉しさを募らせる蓮人。彼は再び真剣な顔つきに戻ると、まなを見据えた。

 

「実は俺、まなに言うつもりだったんだよ。『さっきの告白。無かった事にしてくれ』って」

 

「…どうして?」

 

「まなには、ちゃんとした言葉で、ちゃんとしたタイミングで告白したかった。でも、ヨースケのせいでムードもひったくれもない感じで告白しちゃって…。でもなにより、まなの気持ち聞いて思ったんだ。『俺もまなの気持ちに答えちゃダメだ』って」

 

「私の…気持ち…?」

 

「あぁ。俺は最初、まなを…好きな人を守りたいって気持ち一心で鬼太郎達と行動を一緒にしてきた。まなさえ守れればそれでいいって。でも今まなの本心を聞いて、それじゃダメだって気づいた。俺はまなを守ることに固執しすぎてたかもしてない。まなにありがとうって言われるたびに、心地よくなって。それが嬉しくて…だけどそれだけだった。もし世界が滅びかねない状況に陥ったら…。このままだと俺は、まなだけが生き延びる道を選ぶ。他の命なんか顧みずに…」

 

 蓮人は立ち上がり、まなの元へと歩み寄る。そして彼女をそっと自身の胸元に抱き寄せた。

 

「ありがとう。話してくれて。それにごめんな。辛かっただろ…」

 

「なんで蓮人が謝るのさ…」

 

 頭を撫でながら感謝と謝罪をする蓮人に、嗚咽交じりで抗議する。守ることへの固執と守られることへの依存。見方を変えれば純愛と捉えることもできるかもしれない。だがまなも蓮人も、その関係がいずれ歪な愛となり、関係を壊しかねない。そう危惧した故の結論だった。

 

 

 

「…落ち着いたか?」

 

「…うん」

 

 まなが自棄になる度に、この問答はされてきた。ああ言った手前、この先その回数も減るといいなと思いながら名残惜しそうに手を放す。

 

「蓮人…」

 

「ん?」

 

「私…頑張るから。これから蓮人のいいところいっぱい見つけて、ちゃんとした理由で好きになれるように…。だから…」

 

 蓮人の目をしっかりと見据え、まなはこれまで以上に真剣な顔で言葉を続ける。

 

「いつかその時が来たら…私にも、気持ちを伝えさせてほしい!」

 

「…分かった。俺も強くなるよ。でも、その力で守るのはまなだけじゃない。沢山の人を…。人だけじゃない。妖怪も守れるようにその力を使う。それで、もしその力が必要なくなった時…。俺も改めてまなに気持ち伝えさせてほしい」

 

「じゃあ約束だよ!」

 

「ああ!」

 

 小指を出し、指切りをする。この問題を話し合うには、早すぎたのかもしれない。鬼太郎との出会いからほんの数週間。仮面ライダーに至ってはまだ一度しか変身していない。その状況下で、守る守られるの話に焦点を当ててよいものなのかと、まなとの会話の最中蓮人は考えていた。

 だが彼らには、鬼太郎と出会う前までに築かれた思い出がある。鬼太郎すら知らない、思い出が。鬼太郎達と出会ってからの物語としてはまだほんの序盤だ。しかし、まなと蓮人が出会ってからの物語には、十年にわたり紡がれた歴史が存在する。そしてそれは、これから熾烈を極めていくであろう。きっかけなんてものはない。ふとこれまで歩いてきた道を思い返し、そしてたどり着いた結論。

 

 

「一緒に…強くなろう」

 

 思春期になるとつい、背伸びをしたくなる時がある。大人っぽく魅せたくて、一人で大丈夫と親に見栄を張りたくて。ただその背伸びは、子供の強がりとはき違えられることが多い。だからこそ強く想う。この背伸びは強がりで終わらせちゃいけない。彼女と歩んできた十年分の思い出が廃れないように。そしてこれから先の未来も、まなとともに歩める未来を創るために。蓮人の魂には、熱い意思という火が宿っていた。

 

「うどん…伸びちゃったね…」

 

「このままでもおいしいし、俺は好きだけどな」

 

 再びうどんをすする二人。その日の味は、数年経っても覚えていたという。

 

 

 





 というわけで、今回は以上です。なぜこの話を早い段階にしたか。約1年半ぶりにこの作品に手をつけだした時、書いているうちに僕自身の中でこう思ったんですよ。

『あれ?蓮人ってまなに対して過保護なってね?』

 と。(確か前回あたりのあとがきでも言ったはず…)

 この先書き続ける上で、蓮人がまなに固執して仮面ライダーの道を踏み外して挫折…。という構成も考えていたんですが、それだとその話の間で蓮人が他の人を守る理由はなんなの?っていう自問に至りまして。ならこの件は先に解決しておこうという風になったこと。
 まなもまなで、この先原作で鬼太郎を助けるために死地に自ら飛び込むシーンが結構あります。ですがここで蓮人が介入してしまうと、まなのこの作品における立ち位置が本当に『主人公のヒロインポジ』で収まってしまうため、原作の立ち位置を崩さずに本作の立ち位置に違和感なく着地させるためにと思ったことが、今回の話を書いた理由です。

 正直、十六話目でこの話を書いていいのか?とは思いましたが、作中でも言った通り蓮人とまなはこの作品が始まる前から幼馴染として共に過ごしているわけです。その二人が過ごしてきた時間の長さを信頼した次第です。
 
 いつもより長くなってしまいましたが、あとがきは以上です。ひとまず互いの気持ちをしりいわゆる『両片思い』になったまなと蓮人。今後どのような物語を見せてくれるのか。こうご期待。

 そして次回から、今度こそ仮面ライダー回になります。大まかなあらすじとしては、ユルセンが持ってきた一つの眼魂。仙人に相談するも、その眼魂は見たことがないと言う。そして眼魂を狙って現れる、眼魔の新たなる刺客…。ピンチに陥ったその時、眼魂の中に宿る一つの魂が反応して…。という感じです。仮面ライダーナイトメアの新たなる力をぜひご覧ください。(恐らくもう一話先になると思います…笑)

 モチベーションが上がるので、感想を書いて頂けると嬉しいです(亀更新じゃなくなります笑)。その他評価もお待ちしております。アンケートも行っていきますので、興味があれば活動報告の詳細を確認の上是非ご回答ください。ではまたヾ(•ω•`)o
  

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