仮面ライダーゴーストAnother storys:仮面ライダーナイトメア~ディメンションウォーズ~ 作:世界一孤独なチンパン
約2年半前、僕はあとがきでこう言いました。
『さて、来週はようやく仮面ライダーの登場…かも?もしかしたらもう1週先延ばしにするかもしれないです。』
と。
そして、これを書いている僕はこう思いました。そして読者の皆さんもこう思ったでしょう。
「これ1週間ってレベルじゃねぇぞおい!!」(分かる人には分かるやつです)
とね。
ということで皆さん大変お待たせしました。心の中でこれ休止したんじゃね?と思われた方も多いんじゃないでしょうか。約2年半ぶりに蓮人とまなの物語、再開します。
楽しみに待っていた方、大変申し訳ございませんでした。2年半ぶりの新作、ぜひとも温かい目で見守っていただけたら幸いです。それではどうぞ。
これは、俺の幼き日の記憶。
当時俺は、周囲の人間から煙たがられていた。理由は分かっていた。だからその状況を飲み込むことは、すぐにできた。それ故に学校でも、街中でも、とりわけ目立った苦労はしてなかった。
「ほらあの子よ…」
「ホントにあんな風にはなりたくないわね」
近くで高齢者2人が噂してるのが聞こえた。どうやら話題の的にされているようだ。でも、自分でも不思議なくらい何も感じなかった。悲しいとか、悔しいとか、ムカつくとか。そう言った感情は一切合切なかった。
「あいつだよ例の…」
「うわぁ~…近づきたくねえよ…」
学校に着いても、待っているのは見ず知らずの人から指される後ろ指。でも、何も感じない。というより、これからこれが日常になるのだから、むしろ感じなくてよかったとまで思える。なんせ自分は…
「よろしくね、蓮人君!」
誰だ?この娘。なんで俺に慣れなれしくするんだ?放っておいてくれればいいのに…。
「ねえ蓮人君。一緒にご飯食べよ!」
なんなんだ。
「ねえ蓮人君。学校終わったら私の家に来ない?」
なんなんだ。
「ねえ蓮人君。ここ分からないから教えてよ!」
なんで俺にここまで構う…。
「ねえ蓮人君。今日何して「いい加減にしろッ!!」」
ある日、強いて言うなら休日とだけ言っておく。あまりにも鬱陶しかったので我慢できずについ怒鳴ってしまった。小1だった俺に自制という言葉はまだなくて、口から思ったことをどんどんと言ってしまう。
「毎日毎日うざったいんだよッ!なんで僕に構う!なんで僕のことを気に掛ける!?僕が悲しそうに見えたからか?だから一緒にいるってか?そんなのいつ頼んだ!?僕は別に一人でも平気なんだ!もう僕に構わないでくれよッ!!」
極めつけに、俺は歩み寄ろうとしてくれた彼女を突き飛ばした。今思えば、女の子に向かって最低なことをした。だが彼女は尻もちをついて痛そうにするが、すぐに立ち上がった。そして、こちらに歩み寄る。
「ッ!?…僕に構うだけ時間の無駄だ。そんなことをしてる暇があるんだったら、少しは自分のためになることをしたらどうだ?」
罪悪感で顔を背ける。その間もあいつを俺から突き放すために辛辣な言葉を浴びせようとする。そして、小学1年生の語彙力で並べたその言葉を発した当時の俺は、その返答に思わず顔を上げた。
「蓮人君と仲良くなることを、自分のためって思っちゃダメかな?」
「え?」
視線の先の彼女の表情はとても優しく、夕日に照らされた顔は誰よりも可愛く見えた。
「私と、友達になってよ。蓮人君」
その日から、俺と彼女『犬山まな』との日常が始まった。そして同時に、俺の恋という木が芽生えた日でもあった。なんてロマンチストなことを言ってはいるが、要約すると初めてできた友達に一目惚れしたということだ。
でも、この恋は実ってはいけない。心の中で、この想いを封じ込めないといけない。そう決心して約10年間、まなとは向き合ってきた。そして今、
まなが妖怪に攫われたという、猫娘もとい姉ちゃんからの一報を受けた。
◆◆◆◆◆◆
「父さん!あれを…」
まなたちが社会科見学に来ていた建物の近く。その上空にはカラスたちを使い空を飛んでいる鬼太郎がいた。彼の目線の先には、大きな城が築かれていた。その城の名は『妖怪城』。今回の子供失踪事件の犯人である『たんたん坊』が『かまいたち』と『二口女』とともに封印されていたはずの城だ。その城がなぜ復活したのかというと
「妖怪城が封じられた山は人の手で見る影もなくなっておる」
「まさか都市開発のために崩された山の中に、あいつらが封じ込められた石があったなんて…」
蓮人とまなが社会科見学で足を運んだ競技場こそが、元々それらが封じられた山があった場所なのだ。
「鬼太郎~!!」
焦った様子でこちらへと駆けてくる猫娘。彼女から差し出されたスマホには、まなからのメッセージが届いていた。
『柱の中に子供たちが捕らわれているみたい。蓮人にも止められたけど、どうしても気になって確認に来たの。約束破ってごめん。でもお願い。みんなを助けてあげて!!』
「蓮人の制止も振り切って行ったなんて…なんて無茶なことをするんだって思ったけどね…」
「じゃが…いい子じゃな」
「はい…」
まなの自分を顧みない命がけの行動。それに蓮人は怒りはしたが、その行動のおかげで確かに救える命がある。メッセージを見た鬼太郎の表情は分からない。だが、必ずこうは思っているだろう。
「行きましょう…。まなを助け出す!!」
「うぉ~い!」
いざゆかんとしたとき、彼らの頭上から声が聞こえた。降りてきたのは、ねずみ男を除く鬼太郎ファミリーのみんな。
「鬼太郎の問題はわしらの問題じゃ!」
「一緒にまなちゃん助け出すばい!」
「みんな…いくぞ!!」
こうして、鬼太郎ファミリーによる『まな救出及びたんたん坊一同退治作戦』が決行された。
「きやがったな!!」
まず最初に彼らの行く手を塞いだのは、たんたん坊一味の中で唯一飛行能力を兼ね備えたかまいたち。それに対抗するは鬼太郎一味の中で唯一飛行能力を兼ね備えた一反木綿とそれに乗った鬼太郎、そして作戦のために一緒に乗っている子泣き爺だ。
「髪の毛針!!」
かまいたちの初撃を辛うじて避けた一反木綿。奴との高低差を利用した鬼太郎はすぐさまかまいたちに髪の毛針を打ち込む。見事に命中し、目を視界を遮ることに成功した鬼太郎はすぐさま次の段階へ。
「子泣き爺、あの壁を壊してくれ!」
「任せい!降りられるのなら何でもするぞい!」
高いところでの戦闘が性に合わないのか、鬼太郎の指示にすぐさま答え飛び降りる。落下の最中に赤ん坊のように泣き叫び、次第に石へと変わったその体で城の塀に突撃。高所からの質量攻撃をまともに受けた塀は大破し、ぬりかべが自身の体を使い橋を架けた。
「行かせないよ!」
続いて立ちふさがったのは二口女。髪の毛である蛇を使い、下から潜入してきた猫娘と砂かけ婆と戦闘を開始する。
「ニャァァァッ!!」
ここに、熱き女同士の戦いが幕を開けた。
◇◇◇◇◇◇
「やっと着いた…。ここが妖怪城の地下か…」
鬼太郎が戦闘を初めて数分後、蓮人は彼らの死角となるルートから妖怪城の地下へとやってきていた。そのルートとは、
「どんな城にも地下通路があると思ってはいたけど…ビンゴみたいだったな」
妖怪城の地下通路。潜入のために付近を探索していた蓮人は探索の最中ふと思ったのだ。
あれ?これどっかに地下通路あるんじゃね!?
と。その予想は見事に的中。地下通路の入り口を見つけさらに運がいいことに、まなが捕らわれた十三本の柱へと続く道へと出てこれた。
「ちくせう。やっぱ地下だから電波悪いな…」
地下へ潜れたのはいいものの、電波が届いていない限りはGPSを使っている意味もない。早急にスマホをポケットにしまい、自身の勘に任せて道を走り抜ける。
「うおっ!?」
時折通路全体が揺れ、轟音が蓮人を襲う。恐らく鬼太郎が戦っているのだろう。
「待ってろよ…まな!!」
蓮人はそう吠え駆け出す。自身が約10年間愛し続けた少女を助けるために…。
◇◇◇◇◇◇
「鬼太郎。貴様は今の世をみてどう思う?」
鬼太郎を妖怪城の中から物理的手法を使って追い出し、彼の落下地点まで降り立つたんたん坊。傷を負いながらも立ち上がる鬼太郎に対し、たんたん坊はそう問いかけた。
「どう思う…だと?」
「おうよ。封印による永き眠りから目覚めてみれば、この世は人間の欲しいままに
自身の目的を明かしていく彼から感じられるのは、人間に対しての憎悪。これに尽きた。
「人間を滅ぼす…それが目的か?」
「おうよ!人間は傲慢で欲深い…。このままではこの世は壊されてしまう!」
この世を守るために人間を滅ぼす。辻褄が合っていそうで合っていない暴論ともいえるたんたん坊の発言に、鬼太郎は俯く。
「たんたん坊…。お前の言っていることは一概にも間違っているとは言い切れない。見えないものを軽んじて、闇を恐れない今の傲慢な人間たちには、確かに腹が立つこともあるさ」
否定はしなかった。実際問題、彼もそう思っていたのだから。だが彼は
「でも…そのやり口を真似て人間を滅ぼそうとした時点で、貴様は人間と同等。いや、それ以下だ」
肯定もしなかった。人間と妖怪、交わりそうで交わらなかった2つの種族の中立的立場になって初めてわかる、それぞれの痛み。
「人間と、妖怪と…どちらか一つでいいなんてことは絶対にない」
人間と妖怪が仲良く暮らす世界なんて大層なことは望まない。お互いに自身の守りたいプライドがある。想いがある。そのせいでぶつかり合うことだって目に見えている。鬼太郎はそのことを決して間違っているなんて思わない。生きている以上、争いというものはなくならないのだから。だが、
「僕は…自分と異なるものを認められない奴が…大っ嫌いだッ!!!」
互いを認め合うことは出来る。そのことに誰よりも早く気づいている彼だから、鬼太郎という少年は今日も戦っているのだ。
「いや~…素晴らしいなぁ!!」
彼を遮る、一つの声。その方向へと目を向けると、一人の人間が拍手をしながら2人の間へ立つ。
「感動的なスピーチをどうもありがとう。『ゲゲゲの鬼太郎』」
「誰だお前は…」
たんたん坊に対する怒りは収まり、冷静に問う鬼太郎。この戦いに乱入してくる時点で、ただの人間ではないということだけは理解していた。
「おぉ!来てくれたか…」
「たんたん坊。よくやってくれた。おかげで俺の計画がまた一歩進みそうだ」
「そうか。なら協力してくれ。わしとともに鬼太郎を倒すぞ!」
現れた人間は口端を上げ、たんたん坊へ向き直ると一言。
《ドシュッ!!》
『い~や?お前はもう用済みだ…』
「な…なにを…」
姿を変えた人間…いや、怪人の腕は、たんたん坊の胴体を深々と貫いていた。
「フンッ!忘れたのか。わしらはこの妖怪城がある限り、何度でも蘇る…」
妖怪城によって不死身の体となっていたたんたん坊が怪人に告げる。怪人はそれを聞くとたんたん坊に向かって銃を構える。そして
『ああ。忘れてはいないさ。だから…お前の魂。この俺に寄こせ…』
銃の引き金を引いた。打ち出された光線は次第に網状のエナジー態をとなってたんたん坊を包み込む。そして包み切った後はどんどんとその体積を小さくさせていき、
「ぐぉぉぉぉッ!!」
やがて、体を維持できなくなったたんたん坊は魂だけの存在となる。怪人はこれを好機とみてその魂を自身の手中に収めると、
『フンッ!!』
それを自身の体内に取り込んだ。
『お前は俺の中で…生き続けさせてやる…!ハハハハハッ!!ハァァァアアアアッ!!!』
怪人を眩い光が包み込み、彼を中心に衝撃波が発生する。
「鬼太郎!どうなってるのよこれ!?」
「父さん!これは一体…!」
「こんなの前代未聞じゃ!!わしにも分からん!」
やがて光と衝撃波が収まり、そこにいたのは
『う~ん…やはりすさまじい力だ。これが妖怪とやらの力か…』
どこかたんたん坊の面影を残した、怪人の姿。
『さて…お前は誰だだったっけか?遅れたが教えてあげよう』
先ほど凶暴性の片鱗を見せた怪人は、今更ながらに紳士的に一礼し名乗り始める。
『俺は『スペリオル』!眼魔世界の戦士さ…。まあこの姿にちなんで今は…『たんたん坊眼魔』とでも呼んでくれ…』
優雅に、そして可憐に自己紹介を終えた怪人『たんたん坊眼魔』は、鬼太郎達に再度一例をして怪しく笑って見せた。
今回出てきたオリジナル眼魔についてはこいつが倒された回のあとがきで説明します。後、3度目の正直で、次回こそ仮面ライダーナイトメア誕生いたします。2年半前に『来週』とか言っておきながらめちゃくちゃ伸ばしたという。亀更新ながら頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いいたします。最後に2年半ぶりの決まり文句で。
モチベーションが上がるので、感想を書いて頂けると幸いです。その他評価もお待ちしております。ではまたヾ(•ω•`)o
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