ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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第十一話 親フラ不可避

 第十一話 親フラ不可避

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「わぁ、夕日がきれいだなぁ~」

 

 おはようございます。

 

 早起きはいいだのなんだの語っておいて、朝起きてすぐに二度寝し気づいた時にはすでに夕方になっていたTS転生者です。夜寝て昼も寝るとは、いったいいつ起きて行動するつもりなんでしょうか? 前世の俺もびっくりのダメ人間である。

 

 ぬちょ

 

 起き上がろうと足を動かすと、なんだか湿ったような気持ち悪い感覚がした。上半身を持ち上げ下半身の方を見ると、なんということでしょう。そこには大きなシミが広がっているではありませんか。

 

 ……

 

 まじかぁ~。この年になっておもらしか。転生云々の精神年齢抜きにしても、大体の子はもうおねしょなんてしなくなる年齢だというのに。まさか、中身おっさんの俺がおねしょだと? なんて情けない。

 

 というか、これはおねしょなのだろうか? 

 

 ……おねしょということにしておこう。この年齢でおねしょをする子はいないわけではないが、さすがに潮を吹く子はいないと思うんだ。それに、俺の精神衛生上おもらしの方がまだましな気がする。

 

 それにしても、これはひどいな。前世でも、自己研鑽に励んだ後の片付けというのは面倒なことこの上なかった覚えがあるが。特に、調子に乗って寝っ転がってやったり、研鑽の詰み過ぎで夢の中でまで己を鍛えてしまったり。終わった後のむなしさと言ったらない。

 

 しかし、現状はそのどれもを超える悲惨さな気がしてならない。なぜここまで甚大な被害が……まだ第二次性徴前ということもあり、TS転生したとは言っても体が小さくなって突起なくなったな程度にしか感じていなかったのだ。まさか、こんなことで異性の苦労を体感することになろうとは思いましなかった。

 

 さっさと証拠隠滅に取り掛かるべきであろうが、残念ながらここは異世界。ボタンを押すだけで勝手に洗濯を変わってくれるロボットなんてものはもちろんいないし、蛇口をひねれば水が出てくるなんて神みたいな仕組みも存在しない。

 

 魔法でと行きたいところだが、お察しの通り俺では不可能。というか、無意識下の俺はその貴重な魔力を限界までマッサージに使用していたらしく、現在魔力がすっからかんである。馬鹿なのだろうか?

 

 もしかして、この惨状になったの無意識でずっとマッサージしてたからとか? 勘弁してほしいのだが。俺が無意識のうちに俺を快楽漬けにするとか、いったい何が寂しくてそんな奇行に走らねばならないのだろうか。

 

 と、とにかく近くの川へダッシュだ。これ、乾いたら乾いたで絶対変なにおいするだろ。俺はそんなベットで寝たくはないし、ママンはそういうの嗅ぎなれてるだろうから多分一瞬でばれることになる。

 

 行くぜ、Bダッシュ//

 

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「あら? どこか出かけるの?」

 

 部屋から飛び出し、即捕まった。

 

 まさか部屋を出てすぐの場所にママンがいるとは、不覚だった。しかし不幸中の幸いというかなんというか、シーツを持たずに飛び出したおかけで間一髪セーフである。いつもだったら俺が起きてすぐなんて絶対寝てるのに、なぜ今日に限って….

 

 あ、そっか。

 

 今、夕方か。完全に忘れてたわ。早寝早起き用に調教され切った体内時計が、昼寝のせいで完全に狂ってしまっているらしい。さっきまで夕日眺めてたくせに、起きた直後だから朝だと勘違いしてた。

 

「あ、ママ。ちょっと外で遊んでこようかなって」

 

 ママンからじりじりと離れつつ、風上に立ってしまわないように気を付けながら、自然な動作で玄関へにじり寄る。

 

 見つかってから始まるスニーキングミッションとか、あまりにもあんまりではなかろうか? 見つかるのが悪い? ……そういう説もある。

 

 おそらく、家の中という密閉空間に長いこといるのは得策ではない。自分の匂いはあまりわからないというように、俺は今俺の体からどんな匂いが発せられてるのかはあまりわからない。しかし、あの惨状を見るに無臭ということはないだろう。

 

 かわいい少女だ。さすがに激臭ということはないと思いたいが、それでもそれなりの匂いがするはずである。ベットの方の証拠隠滅もかなりの優先事項ではあるが、それに気を取られて自分の匂いでばれたら結局元も子もない。

 

 ……ママンにはついこないだまで下の世話をしてもらってたわけだし、別におもらしと思われるならばれてもいい気がする。が、まず間違いなく真実に気付かれるのでそれはハズイ。というか、こんなことで普通と違うとか疑われだしたら嫌だ。

 

 転生ばれ、TSばれ、そのきっかけが自慰行為とか前代未聞だろ。末代までの恥である。

 

 まぁ、多分俺が末代ということになるだろうがそれでも、結局一生の恥になることに変わりはないしな。

 

 あのベッドは部屋の中。そして、ママンは滅多に俺の部屋に入らない。爆弾を家に置いたままにはなってしまうが、いったん家から出てしまいバケツにでも水を汲んで来てママンが仕事行った後に処理をするプランBにしよう。

 

 よく考えたら、シーツもって川まで走るとかどれだけ目立つんだって話だしな。ママンにならお漏らしバレてもイイとは言ったが、おもらしっ娘としてこの貧民街で名をはせるのはごめんこうむる。

 

 幼女に「おねえちゃんまだおねしょしてるの?」なんて聞かれでもした日には、あまりの羞恥心で自殺物であろう。

 

「もう暗くなるわよ。夜は危ないから出歩きたくないって前言ってなかったっけ?」

 

 く、昔の俺よ余計なことを。

 

 おそらく、小さいうちから好き勝手行動するために信頼を積み重ねようと、優秀ないい子ちゃんロールをやってた時だな。適当に口から出まかせ並べた言葉の中にあったのだろう。

 

「ちょっとだけだよ。すぐ帰ってくるから」

 

 実際、本当にすぐ帰ってくる。だって近くの川で体流した後、バケツに水汲んでくるだけだから。

 

 それに、口から出まかせとか言ったがここの夜の治安は本当に悪い。昼も悪いが、夜はさらにひどい。そんな場所を一人で出歩く無謀のような勇気は持ち合わせていないし、持ち合わせたいとも思わない。

 

「そう? ママ今日出勤だから、それまでに帰ってくるのよ」

 

「はぁ~い!」

 

 ふぅ、何とかなった。ミッションコンプリートである。あとは川で体を清め、水を汲んできてせっせと洗濯すればすべての証拠は闇に葬り去られる。完全犯罪の成立である。

 

 俺は少しでも早くこの部屋という密室から出るべく、しかし激しく動いて香りを拡散させないように、結果実に気品にあふれた立ち振る舞いでドアへと向かい、

 

 ドアを開けた瞬間、ふわりとさわやかな風が室内に、

 

「……ちょっと待ちなさい」

 

 ビクッ!

 

 ……

 

「はぃ」

 

 くんくん、くんくん

 

 ママンが俺の下半身に顔を近づける。こんな美人に下半身の匂いをかがれるとか、前世の俺なら興奮のあまり心臓爆破待ったなしであろう。本来転生者の定番でいえば、親だから興奮しないと続くのだろうが、今の俺は別の意味で心臓が鳴りやまない。

 

 ドク、ドク、と小さな体がそれによって揺れてるんじゃないかってぐらいの激しさである。これ、もしかてママンにも聞こえちゃってたりする? 多分、聞こえちゃってるよね。

 

「そういうことに興味出てきたの?」

 

 バレました?

 

 もしかして、ゲームオーバー?

 

「そういうことって?」

 

 一応ごまかしてみる。

 

 じとりとした視線で、まっすぐと目を見つめられる。きれいな青い瞳が俺の心の中を覗き込んでくるようである。まるで、すべてを見透かされてしまっているような。

 

 しかし、まだゲームオーバーが確定したわけじゃない。それに、自ら話すというのもそれはそれでどんな羞恥プレイだって話だ。

 

 青い瞳をまっすぐに見返していると、あきらめてくれたのか視線をそらし玄関から離れるように家の奥へ、

 

 ふぅ、助かった。

 

 ……って、そっちって!? 俺の部屋!!

 

「あ、ストップ。ダメ、入っちゃダメ。私のプライベート空間がぁ~」

 

 ママンを止めようとするも、時すでに遅し。俺の部屋の扉は開け放たれ、中にはしっとりと湿ったベットが……

 

 アウト、完全にアウトだ。スリーアウトチェンジ。

 

「あらあら、これまた盛大に」

 

 ママンがにやにやとした笑みを浮かべながら口に手を当て、湿ったベットと俺を交互に見ながらそんなことを言ってきた。完全にからかいにきてやがる。

 

「う、うるさい!」

 

 なんだろう、この居た堪れない気持ちは。

 

 親に自慰をを見られるというのは、何事にも代えがたい恥ずかしさのようなものを感じる。そりゃ、自慰を直接見られたわけではないが、それにしたってこの惨状はもう見られたも同然であろう。

 

 親子丼とか、どういう心理状態なら出来るのか不思議なばかりである。

 

 そんなことはどうでもよくて、自慰はばれてしまったわけだがそれほどの違和感は持たれていないようである。そういえば、昔は一桁の年齢でも結婚していたなんて聞いたことがあるし、俺が知らないだけで幼い子が自慰をするというのはあるあるなのかもしれない。

 

 つまりセーフ?

 

 いや、俺としてはこれ以上ない恥をかいたわけではあるが。

 

「それにしても随分と……もしかしたら才能あるのかもしれないわね」

 

 才能? 果たしてそれは何の才能なのだろうか。HENTAIの才能だろうか? 全く持ってほしくない才能だ。

 

「嬉しくない」

 

「何言ってるのよ。あなたなら簡単に大金稼げるようになるわ」

 

 おいこら、娘を風俗嬢にしようとするな。まぁ、この世界でいえばかなりましな部類の仕事ではあるのだろうが。

 

「ママに似てかわいいからね」

 

 何より、客観的に見て俺に向いてると思ってるのだろう。そういう世界は容姿こそ最大の武器で、それさえあればあとはどうとでもなる。それに、親のコネもあるしな。

 

 というか、どんな仕事でも仕事があるだけましなのだと思う。そこらへんで餓死者が転がってる世界だ、底辺の生活ですら送れているものは恵まれているといったレベル感だと思う。

 

 つまり、これもママンなりの親心。

 

「それに幼いころからこんなに、これは将来が楽しみね。これだけ才能あるならもしかしたら都会でもトップでやっていけるかも」

 

 ……親心、

 

 あんまりありがたみがない。

 

 都会でやってけるって何? 俺の感覚でいうと、都会でやっていけなかった結果そういう店で働くことになるもんだと思うんだけど……

 

 あれ? これ、もしかして俺がおかしい?

 

 そうだよな、職業に貴賎なしっていうし。俺がおかしいのかもしれない。初めからそういう職業に夢見て上京する女の子だっているかもしれないもんね。決めつけは良くない。

 

 ほんとに俺がおかしいの?

 

「そうだ! 今日仕事ついてくる?」

 

「え!?」

 

 ……え?

 

 仕事って、仕事?

 

 ガチ?

 

 ママンの仕事場行くの?

 

 俺が?

 

 ママンの仕事って……え?

 

 ……え??

 

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