ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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第十二話 TS少女、大人の街に降り立つ

 第十二話 TS少女、大人の街に降り立つ

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 やってきました風俗街!

 

 ……やってきてしまいました。

 

 日が沈んで真っ暗になったこのスラム街の中で、ぼんやりと火に照らされ明るく活気にあふれたエリア。そら前世の夜の街のようなネオンに彩られた場所ではないし、都会のように魔力灯で昼間のような明るさを保っているわけでもない。

 

 しかし、この活気は前世の街にも都会にも勝るとも劣らぬものだろうと思う。もうそろそろ肌寒くなる季節だというのに、人々の熱気で蒸し暑さすら感じてしまう。

 

 風俗街というとあまりいいイメージがなかったのでずっと避けていたのだが、こう改めてみるとなんかすごいな。貧困街のものだし、もっと寂れたものを想像していたのだが、意外と高級志向らしい。

 

 いや、ラブホテルとかって値段の割にかなり豪華なつくりになってるところも多いと聞くし、そういうものなのだろうか? 一夜の夢を見る場所だからこそ、みたいな? まぁ、俺には縁もゆかりもない場所だったけど。

 

 性欲は国・世界を問わず実に偉大だということなのだろう。

 

 ママンに手を引かれながら風俗街の街並みを奥へ奥へと進んでいく。こういう街にきたおのぼりさん特有の、きょろきょろとあたりを見回して浮足立ったりみたいなのは一切ない。ここで働いていて長いのだから当たり前なのだろうが。

 

 こういうちょっとした所作などから感じ取れるものを夜の人間の雰囲気とでもいうのだろうか。俺の手を引き仕事場に向かうその背中は、いつもより大きく見えて少しかっこよく見えた。

 

 実態は、娘を風俗店に連れ込む母親という何とも言い難いものなのだけれど。

 

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 少し歩くと、貧民街ながら煌びやかな街並みの中でひと際豪華な店が見えてきた。

 

「ここがママのお店よ」

 

 はぁ~これが……すごいな。

 

 これまでのこの街の住人の自分への扱いから、何となくママンはこの街の中ではすごい人なのであろうと漠然とした感想を持ってはいたが。そうか、これを自分の店だと言って紹介できるレベル感なのか。

 

「「「お疲れ様です」」」

 

 ママンに連れられるまま店内に入ると、店員たちが一斉に頭を下げた。こういう店だから当たり前といえば当たり前だが、女性の容姿のレベルが高くてやたらと露出の多い服を着ているので目のやり場に困る。

 

 ママンは慣れた様子で店の奥に俺を引っ張っていく。

 

 体一つでここまで成り上がったのかと思うと、本当にすごいな。たとえママンほどの容姿を持っていたとしても、ここまで上り詰められる人なんて少ないだろう。

 

 昔、なんでこんなに美人なのに貴族の愛人や後妻にならなかったんだろう? なんて疑問を抱いていたのだが、なるほど。ここまで自力で登れるのなら、好き放題できる分こういう人生の方が楽しいのかもしれない。

 

 俺が目指しているものと最も近い場所にいるのは、もしかしたらママンなのかもしれない。方法としては残念ながら参考に出来そうにないけれど。

 

 店の奥、この店の雰囲気にしてはやたらと地味な普通のドアを開けると、中には俺より少し大きいぐらいの女の子がいた。

 

「あ、店長。お疲れ様です」

 

 ここは従業員の控えスペースなのだろう。今は一人しかいないが、荷物がいろいろとおいてある。

 

 例に漏れることなくこの子もかわいい。でも、ほかの人達と違って服が普通だ。それに、なんというのだろうかまとう雰囲気が違う。

 

 外の人たちはママンほどではないにしろ夜の人間の雰囲気というのをバシバシ感じたが、この子はどっちかというとお上りさんというかお客さんというか……

 

「お疲れ、どう? しっかり心の準備は出来た?」

 

「はい!」

 

 ……多分、そういうことなのだろう。

 

 そっか、この年でか。俺みたいなざおこちゃまボディーって感じではないが、第二次性徴の真っただ中といったところか。まさに熟れかけの果実だな。

 

 前世だったら即逮捕レベルだが、こういう文化なのだから何らおかしいことはない。こういうことがあるというのは知識で知ってはいたのだが、リアルで目の前にすると少し思うところがあるというのも前世の価値観を引きずっている身としてはまた当たり前のことであろう。

 

 まぁ、無理やりといった様子じゃないのが唯一の救いか。この世界じゃというかこの街じゃそんなことありふれてるからな。正規に働けて金がもらえるなら御の字だろう。

 

 むしろ、ここの店構えほかの店舗に比べかなり気合入ってたし、この街の人間にしてはなかなかのエリートコースを歩んでいるのかもしれない。

 

「ならよかったわ。あの人、いろいろなれてるし新人大好きだからなにも緊張しなくても大丈夫よ」

 

「はい、」

 

 ああ、どこの世界でも変わらずそういうおっさんっているんだな。まぁ、こういう世界で働いていくなら、むしろましな部類に入るのかもしれない。金はしっかり落としてく人種だろうしな。

 

 新人ねぇ。

 

 初体験ってことはないだろうけど、仕事でするのとじゃわけが違うだろう。明らかに固まってるし。まぁ、おじさんはそういう初々しいの含めて好みなんだろうけど。全く、難儀な仕事だな。

 

 何を考えているのか、ところなくさまよっていた視線が俺にまっすぐ向いて止まった。そういえば、俺ママンに連れられて入ってきてずっと黙ったままだったな。彼女からしたら、でその子は誰? といった感じだろう。

 

「……あの~、店長。もしかしてその子って?」

 

 流石に俺ぐらいの子はまだこう言う所じゃ働かないだろうし、新入りの子とは思わないだろう。働かないよね? ロリコンというのは一つの性的思考であるとはいえ、そういう人も基本的にはこの女の子のような熟れかけが好みだ。

 

 俺レベルの女児が好きというガチロリコンはいないことはないだろうが、数が少なすぎるだろう。ネットなんて広大な海の中での商売ならともかく、貧困街内の狭い中じゃ多分商売になんてならない。

 

 個人的な売りがあるか、大きめの都市ならそういう専門店があるのかもしれないが。

 

「私の娘よ」

 

「ど、どうも」

 

 それにしても、ママンは俺をここに連れてきて一体何をさせるつもりなんだろうか。普通だったら店のみんなに紹介とかなんだろうけど、経緯が経緯だし……

 

 まさか、客取らせられるなんてことはないと思うが。思いたいが。もしそんなことになったら、いろいろぶん投げて一目散に逃げるからね。

 

 大丈夫だよね?

 

「やっぱり? いやぁ、噂には聞いてましたけど本当にかわいいですね。将来はきっとママみたいな美人さんになるんだろうなぁ」

 

「いやぁ~そんなこと。えへへ、」

 

 上司の娘相手だ、単なるお世辞かもしれないが。まぁ、褒められて悪い気はしない。特に容姿は最近色々と気を使って頑張ているところなので、努力が認められているようで気分がいい。

 

 今日の分のケアは、誰かさんがばかなことで魔力すっからかんにしたせいで中途半端に終わってしまっているのだが。それでも日ごろの成果というのがしっかり表れてくれているのだろう。

 

 気を使いだすといろいろとやりたいことも出てくるもので、しかし魔法は万能ではなく最近やきもきしている。美容には何かとお金がかかるのだ。こういうのじゃなくて、キャバクラみたいのだったらやりたいんだけどぁ。

 

 残念なことにというか、この世界のそういう店というのは基本最後までワンセットだ。それ目的じゃないキャバっぽいのもあるにはあるのだが、基本誘われれば断れないしそれならあまり意味がない。

 

「あなたのオプション兼サポートなんだけど、この子も一緒に入れることにしたから」

 

「「え!?」」

 

 オプション兼サポートってなに?

 

 俺、もしかしてお客さん取るの? 

 

 それはちょっと聞いてないんですけど。見学だけでしょ? 話が違う。

 

 ……そういえば「そうだ! 今日仕事ついてくる?」見学なんて言ってませんでしたね。

 

 詐欺だ!

 

「嫌?」

 

 嫌に決まってるだろう。全く持って、こんな小さい子に客を取らせようとするとは何たる毒親だろうか。……冗談です。

 

 いや、まぁさすがに客取ったりはしないとは思うけど。しないよね? それにしたって、ねぇ。サポートってことはどちらにしろその場に連れてかれるわけで、それどうよって話じゃん。

 

「別に、嫌ってことは無いですけど。さすがにこんな小さな子に見られるのは恥ずかしいというか、なにかいけないことしているような気が……」

 

 そうだもっと言ってやってくれ。ママンは夜の街に堕ちて一般常識の方がかなりぶっ飛んでしまっているのだ。その点、この女の子はまだ堕ちきってないので幾分か期待できるというものだ。

 

「小さい子ねぇ」

 

 ママンが意味深に俺の方を見てくる。なんだよ。小さいだろ、間違いなく。

 

 ……

 

 俺の方を見ながら、なにかにやにやしている。

 

 あの~もしかしてさっきのこと言いふらしたりしないよね。しないよね?

 

 女子のうわさ話はあっという間に広がるっていうし、それはさすがに勘弁してもらいたいなぁみたいな。大丈夫だよね。

 

 さすがに……

 

「そういえば、「ママ、余計なこと離さないでよね。プライベート、タイセツ」

 

「はいはい。プライベート、プライベート」

 

 危なかった。セーフ。全くもう、娘の恥を広めようとするとか勘弁してほしいんだが。

 

「お客さん取らせるわけじゃないし大丈夫よ。それに私もいるしね。英才教育? ってやつよ」

 

「はぁ」

 

 何が英才教育だ。こんな小さいうちから性行為見せていったい何になるというのだろうか? 碌な大人になる未来が見えない。

 

 女の子も同意見なのだろう。明らかに困惑している。俺の味方は君だけだよ。

 

「それに、手当も弾ませちゃうわよ」

 

 卑怯者、金で釣りやがった。でも、この子だけは俺の味方だって、そう信じて……

 

「え!? ほんとですか?」

 

 悲報、俺の味方簡単に金に釣られる。

 

 マジですか。見方がいなくなったってことは、俺性行為見学ルート決定ですか?

 

 前世ついぞリアルに見ることなく終わったそれを、まさかこんな幼くして見ることになろうとは。というか、他人の性行為リアルで見たことあるやつなんてめったにいないだろ。

 

 映像越しでなら、俺もものすっごくお世話になったが。

 

「ええ、だって娘の教育ですもの。いわば教師です。相応の金額払うのは当然でしょ」

 

 何が教師だ。性行為を実技で教える変態教師なんてそんなものいてたまるか。

 

 しかし、こうも簡単になびくとは。やはり金の力とは偉大である。まぁ、金のために体売りにきてるわけだし、ここならその効き目も倍増といったところなのだろうが。

 

「やった! これでレンくんがナンバーワンに……よろしくね」

 

 あ、察し。

 

 レンくんねぇ。

 

 闇の住人の匂いが感じず、どちらかといえば客っぽいっていう俺の勘は当たってたわけか。ガチのお客さんでしたか。

 

「よ、よろしくおねがいします」

 

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