ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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第十三話 煌びやかで真っ黒な場所

 第十三話 煌びやかで真っ黒な場所

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 結局、新人風俗嬢のサポートをさせられることになった件。

 

 まぁ、ママンも一緒だし、俺が直接客取るわけでもないしいくらかましか。俺にもお金くれるらしいし。

 

 この新人の子と同類にされるのは癪ではあるが、現在俺も金が要りようなのである。もちろん目的は美容だ。魔力でいろいろと頑張ってはいるが、金はあるに越したことはない。過剰にあっても困るというものでもないのだし。

 

 やはり、美の追求に金はつきものである。

 

 俺の武器は容姿なのだから、それを磨くためにリソースをつぎ込まずにどうするという話だ。まぁ、どこかのおバカさんは快楽に身を任せリソースを使い込んだ挙句、風俗にやってきているわけだが。いったい何処の誰の話だろうか?

 

 それはさておき、見方によっては俺は運がよかったともいえる。ママンに自慰を見られ風俗に引っ張ってこられた時点で幸運もくそもない気もするが、ここで俺がサポートするのがこの新人ではなくママンだったら一体どれほどの地獄だっただろうか。

 

 職業に貴賎なしとはいえ、実の母親の行為のサポートはさすがにきついものがある。いや、いくらママンが夜の街に染まっているとはいっても、実の娘に行為を手伝わせるなんて狂ったプレイに興じることはないと思うけど。

 

 ……ないよね?

 

 俺、思い付きで連れてこられたわけで。この子がきょう初プレイでママンがサポートに入る予定だったのもたまたま。

 

 もし、普通の出勤日でママンに指名が入ってた場合、俺はママンの接客を見学させられるなんて可能性も? 新人ちゃん、裏切り者なんて言ってごめん。もしかしたら君は俺の命の恩人なのかもしれない。

 

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「じゃあ、お願いね」

 

 悲報、俺氏雑用になる。

 

 サポートというのは、プレイだけじゃなくて事前の準備も手伝わされるらしい。というか、おそらくそっちがメインだろう。特別な性癖を持たない限り、2人っきりの方が何かとうまくいくというものだ。それに、今回の客は新人キラーだし。

 

 というか、教えることが多いのも事前に何をするかという話がほとんどなのだろう。行為中はほとんどが嬢のオリジナル、でないと頭真っ白になった状態で細かいマニュアル通りにとか無理が過ぎると思う。

 

 今日使うという部屋に連れてこられたのだが、さっきのスタッフの部屋とは大違いである。とんでもなく豪華なつくりだ。まぁ、この建物の外観から言えばさっきの部屋が場違いなわけで、この部屋はむしろ外観のイメージそのものといったところか。

 

 ろうそく型のシャンデリアとか、リアルで見たのは初めてである。これ使うと天井が煤で黒く汚れてしまうなんて前世で聞いたことがあるが、この部屋の天井のやけに豪華な絵画は特に汚れることなく健在である。

 

 綺麗に掃除がいきわたってるということだとは思うが、前世でそういうのがあったのも貴族の屋敷なのを考えるとここまできれいなのはすごいと思う。いくら魔法があるとは言っても、魔法使いは当然のように高いのでこの部屋だけでもだいぶ金がかかっているのだろう。

 

「それでですね。私が落ち込んでたら、レンくんが……」

 

「かっこいいのね。そのレンくんって子」

 

「あ、ダメですよ。レンくんは私のです」

 

「ふふ、取ったりしないよ」

 

 俺がせっせと雑用をしている横で、マニュアルの最終確認はもう終わったのか新人ちゃんとママンが楽しそうに談笑している。しかし、客を取る直前の女というのは初めて見るのだが意外と普通なんだな。雑談の内容に薄ら暗いものが見え隠れするのは置いておいて。

 

 多少表情が硬くてしっかりと緊張はしているようだが、アルバイト初出勤で緊張しています程度の物のように思える。内心どう思っているのかなんてものはわからないけど、俺の想像ではもっと表情にすら出てもいい程度の葛藤をするものだと思っていたのだが。

 

 これがこの世界の文明レベルからくるのか、又はこの貧困街という場所だからこその価値観なのか、それはわからない。もしかしたら、俺が知らないだけで元の世界でもこんな感じだったなんて言う可能性もある。

 

 ただ、本当に『仕事』という認識なんだなってちょっとした衝撃を受けた。

 

「ふぅ~終わった」

 

 なれない作業ということと。この小さい体も相まって意外と重労働だった。これ、ここで働いてる子は客を取る前にいつも一人でやっているのか。大変だな。しかし……

 

 準備をしていて思ったのだが、避妊具は?

 

 前世のころ動画で見たというだけだけど。こういうお店だと雰囲気を壊すことなく自然に付けられるようにと、手荷物のタオルの中なんかに挟むのは当然として部屋のいたるところに隠して置いてあるモノらしいのだが。

 

 準備していてそれっぽいものを一切見なかったが。外から見えなければいいだけで、そんな躍起になって隠すものでもないのに一切見つからないなんてことあるだろうか? なんなら準備した手荷物の中にもそんなものなかった。

 

 そういえば、転生してからゴムというものを見た覚えがないような気もする。そういう用途の物だけじゃなくて、ゴム製品そのものをこの世界にきてから見た覚えがない。

 

 よく考えたら、あれって気の樹液だったり石油だったりをごにゃごにゃして作るんだったか。まさにざ科学なつくり方って感じ。科学系のMODなんかでもゴムって基本要素になってたりするし、科学の象徴的な面あるな。

 

 そら魔法でも作れるだろうけど、それ言ったらそもそも科学の実験を魔法でサポート出来たらどれほどスピーディーに文明が進むかって話になってくる。結局は考え方文化の違いなのだろう。魔法文化と科学文化は根本から違う。だから出来る出来ないじゃなくてあるないに帰着すると。

 

 実際、すでに前世では廃れてしまったものに錬金術というものがる。その最大の命題とされた金の錬成とか人体の錬成とか、現代科学の進歩で出来るようになり不可能ではなかったことが証明されてしまったわけだが、まぁそういうことなのだろう。

 

 後は、魔法はその才能に依存が大きく個人主義が強い傾向があって世代の経過と技術の進歩がイコールになりにくく、科学はもちろん個人の才能も大きいが比較的才能の比重が小さく発見さえできればある程度の才能でもそれの理解は可能であり世代の経過と進歩がイコールで結べるみたいな面もあるのだろう。

 

 実際、あの幼女がめちゃくちゃすごい魔法開発したとして他人が使えるようになる未来は見えないしな。

 

 となると、この世界の風俗って前世とは比べのにならないレベルの重労働なのでは? 

 

 嬢は、当然のように妊娠のリスクにさらされることになるわけか。妊娠のリスクって…… この世界中絶も難しいんじゃないの? 

 

 よく職業として成り立つな。

 

 いや、前世の世界でも避妊具なんて存在しない頃からあったか。輝かしいイメージのある花魁とかあそこら辺の時代も、なんか和紙をつめて否認したとかそれ効果あるの? 的な迷信を嬢が信じてた時代だったというしな。

 

 マジか……

 

 思春期の女の子がこういう店で働くってだけでもカルチャーショックが大きかったが、妊娠のリスクを当然のように背負って働くのか。まだ子供だろ?

 

「ママ、こっち来て」

 

 いくら気になるからとは言って、さすがに今日初出勤の子の前でこの話はあまりよくない気がする。手招きしてママンを部屋の隅に呼ぶ。ママンならこの業界長いだろうし、娘の無邪気な疑問にも答えてくれるだろう。

 

「どうしたの?」

 

「ママ、……これって望まぬ妊娠しちゃった人とかはどうなるの?」

 

 妊娠する、それだけでもリスクだ。でも、それ以上に妊娠して子供が大きくなっていけば肉体労働なんてものは不可能になるわけで、ここで働くことも難しくなるだろう。

 

 仕事がないなんて珍しくもないこのスラム街で風俗という仕事に何とかありつき、しかし妊娠しその仕事を続けられなくなる。当然、その結果はわかり切っているわけで……

 

 なんて世界なのだろうか。

 

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