ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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第十五話 ネカマ少女、パパ活に手を出す

 第十五話 ネカマ少女、パパ活に手を出す

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 新人ちゃんの性行為と俺のサポートは全カットとなりました。仕方ないね。

 

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 プレイが終わり、現在。泣き崩れている新人ちゃんをママンが「頑張ったね」と言いながら抱きしめ、それを全裸のおっさんがうんうんと腕を組んで頷きながら眺めている。実にカオスな状況である。

 

 新人ちゃんは、はじめの方は頑張って奉仕しようとなめてみたり挟んでみたりいろいろと積極的に動いていたのだが……途中からだんだんと表情が死んでいき動きがぎこちないものになり、最終的にはただヤられるだけのマグロと化して目から涙をこぼしていた。

 

 ここで働くということは、好きでもない男相手と性行為をするということである。新人ちゃんも当然そんなことは理解していただろうし、その覚悟を決めた上でここに入ったのだとは思う。でも、覚悟を決めたつもりになっていただけで、実際は覚悟なんて決まっていなかったのだろう。

 

 当然である。何事においても想像と現実というのは大きな乖離を起こすもので、むしろ想像通りだったなんてことが起こる方が稀と言うものだろう。実際、就活で頑張って入った会社が想像と全然違ってすでに辞めたいなんて現象前世でもありふれたものだった。それがここでも起きたというだけの話、なにも不思議なことはない。

 

「別に減るモノじゃない」「避妊もさせてもらえるし、今回に限っていえばお客さんが性病まで対策してくれる」「処女でもないのだし、これほど美味しい話はない」

 

 お金欲しさにそんな言葉で自分を納得させて、リピーターになってもらおうと嬢として頑張って、でも行為をするにつれだんだんとそのペンキがはがれていってしまったのだろう。

 

 1人の女の子として、好きでもないおっさんと裸で行為に及ぶ自分を客観視してしまいった。そんな自分という存在が、無性に悲しくなったってしまったのかもしれない。しかし、こういう仕事で稼ぐということはそれを乗り越えるということでもあるわけだ。

 

 乗り越えずに、自分の中で決着を付けずに、だらだらと続ける子もいないわけではないだろう。でも、そんな子は当然稼げるようにはならないし本人もただただ辛いだけだろう。特にこの店は他の子のレベルが高いわけで、新人ちゃんは確かにかわいいけどかわいいだけでやっていける場所ではないだろう。

 

 やりたくもない仕事をとても満足とは言えない給料で続けることになる。そんな人生とてもつまらなそうで、自分の人生はこんなものにしたくないと思って、大概の平凡な人はこういう人生を送る。新人ちゃんもおそらく……

 

 そして、これは俺にも言えるわけである。俺はママンに似て容姿が整っているが、それだけでは前世基準の普通の生活というこの世界の王様以上の生活を実現することは到底不可能。しかも俺の場合、新人ちゃんと違って体を売るという武器すらも自らのわがままでつぶしているわけである。

 

 もはや、大概の平凡な人が送る人生というものすら送れるかわからないほどの長所のつぶし方である。ただかわいいだけで、新人ちゃん以上に何もないといっても差し支えない。泣いてるとこ悪いけど、非常に勉強になったというか身に染みたというか。今日ここにきて正解だったのかもしれない。

 

 ママンに自慰を見られ、風俗でのプレイを手伝わさせられて、黒歴史に黒歴史を重ねたわけではあるが、もし俺が大きくなれるのだとしたら今日という日が転換期になることだろう。まぁ、失敗しても同じことが言えるわけではあるが。

 

 ママンと新人ちゃんの後ろで後方腕組おじさんと化している全裸のおっさんに、そっと耳打ちをする。

 

 

「初めまして、パパ」

 

 

 満足げな顔をして賢者モードに浸っていたおっさんが、ガバッとこちらに顔を向ける。俺は満面の笑みでおっさんを見つめる。

 

「いや、俺は君のパパじゃ……」

 

 お金が欲しい。でも、今の俺に出来ることなんて限られている。

 

 絶えず働き手を求めているような重度の肉体労働なんてこの体では論外だし、当然体を売る選択肢は自らの手で選択肢から外した。まぁ、仮に売ろうとしたとしてこの未成熟さだと売ろうにも買い手を探すの苦労するだろうけど。

 

 そんな覚悟を決めたつもりで実は決まっていなかった新人ちゃん以上にあれな、そもそも覚悟なんてものを持ち合わせていない俺である。そんな俺が見つけ出した、たった一つの冴えたやり方。

 

 パパ活である。

 

 もちろん前世でJKとかJDとかがやっていたような、援交まがいのパパ活ではない。それやるぐらいなら、ここで嬢デビューでもした方が儲かりそうなものである。稀にパパ活に肉体関係なんて存在しない派もいるが、俺は信じてない。

 

 なんだそれは? 清純派AV女優並みの説得力の薄さである。肉体関係なし説を信じてる奴は、ナンパもののAVに女優の名前奴と同じぐらい仲良くなれる気がしない。ん? 時間停止? 当然、時間停止ものの一割は本物である。常識だ。

 

 俺がやるのは、パパ活はパパ活でもガチのパパ活である。

 

 俺のパパは現在不明。もちろん、ママンは一応知ってはいると思うが、それが公然となっているようにも感じられない。何より、ママンか知っている真実が事実という保証もない。

 

 こういう世界で働いている以上、狙った相手以外との子供ができるなんて言うことはざららしい。そもそも初めからパートナーのことなんて狙っていなかったという説もあるが。

 

 日本人夫婦から黒人の子供が生まれたみたいなの、前世でも何度か聞いたことがある。絶対ばれるのに、なぜそんな選択に踏み切ったのかは疑問にしか思わなかったのだが。おそらくこれが真実の誤認という奴だろう。多分、夫の子供だと思ったのだ。

 

 要は、周りへの説明と真実が違うなんてことはありふれているということ。そして自分だけが知っていると思っている真実ですら、事実とは異なることがあるということだ。

 

 特にこの世界では、ゴムなんて目に見えるものではなく魔法での避妊である。避妊魔法がそもそも100%避妊出来る代物なのかという疑問もあるにはあるが、それ以上にその魔法が失敗してたとしても避妊出来てないことに気が付けないだろう。

 

 ママンが仮に父親を知っていたとして、それは生プレイをしたのか普通に恋をして子作りに励んだのかは知らん。まぁ、予想としてはこの街を占めてるいくつかのマフィアの内の一つのボスとそういうプレイをして孕んだのだとは思う。

 

 恋愛ならここれほど地位あって一緒にいない理由もないし、破局したなら子供にそんな優しく出来るはずもない。意識しても態度に出てしまう物であり、この世界では子供を育てるというのはかなり大変なのだ。破局した相手の子供を売り払ったところで、大変だったね程度にしか思われないだろう。

 

 そして、周りも何となくどこかのボスの子供だと思っているとは思う。

 

 だからこそのママンの今の地位であるし、俺へのこの街の過剰な特別扱いでもある。でも、その前後で魔法が失敗してお客さんとの子をそいつとの子だと認識したという可能性は少ないがある。事実は不明だ。

 

 俺はママン成分が高いので、正直誰が父親だとなったとしても見た目としてはママ似なんだねですべてが片付く。それはもう、父親要素が皆無なまでにママン似である。初め、この世界の人類は単性生殖が可能なのではないかと疑ったぐらいだ。

 

 そら、調べれば父親なんて言うのはわかる。科学が遅れているとはいえ、その代わりに魔法が発展しているのだ。それにこの世界は王と貴族が力を持っている、彼らにとって血は非常に大切なものである。それを明らかにするための魔法というのは大いに研究され、すでに確立された方法である。

 

 しかし、それを使うのは不可能であろう。もちろん値段の問題もある。対象が王族貴族に絞られているうえかなり高度な魔法なせいで金額がべらぼうに高い。それゆえ貴族も滅多なことでは使用しない。

 

 だが、それ以上の問題がある。問題は、俺の父親候補である。俺の父親はおそらくマフィアのボスだろうと予想される。そして調べるとなれば当然そこから調べていくことになるわけで、そこの関係を調べるとすれば当然マフィアのボスのいろいろな情報が国に近い機関にわたることになる。

 

 かなり大規模なスラムを占めるマフィア、そのボスの魔力的な詳細情報である。そんなもの渡せるはずもないという話だ。別に家督を継がせるわけでもないのに、大金払ってそんなリスクを冒す馬鹿はいない。

 

 結果、俺の父親はたぶんマフィアのボス。この認識で全員が思考を停止させたのだろう。それ以上は意味がないし、誰も幸せにならない。だから誰も会話になんて出そうとしないし、ママンも俺に父親の存在なんて話せない。

 

 それは、言ってしまえばシュレディンガーのパパである。

 

 さて、である以上ママンの常連のこのおっさんがパパである可能性は零じゃない。まぁ、限りなく低いことに変わりはないが。そして、おっさんの頭に自分がパパという可能性がよぎらなかったなんてことはないだろう。

 

 新人好きで風俗狂い。避妊魔法を徹底するということは、過去に何かやったからの徹底かもしれない。なくても、妊娠という可能性が頭にあるということだ。

 

 そうであれば、もしかしてと思考してしまうのは男のサガだ。可能性があれば、たとえわずかであったとしても。それが種を残すという本能に起因するものであるからこそ、強烈に思い描いてしまう物である。自分が入れ込んでいる相手なら特に。

 

 パパと呼ぶ根拠?

 

 そんなものいらない。可能性さえあれば、あとは全部娘の勘の一言で事足りる。

 

 やっぱり、パパを見つけるのに娘の勘(金の匂い)以上の物はないのだから。

 

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