ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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第十六話 本物のパパと本物の娘

 第十六話

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「ふぅ~」

 

 家に帰ってきた。

 

 今日はいろいろありすぎて疲れた。魔力を空っぽにするほどの刺激的なマッサージに、本番を間近で見るどころかサポートとかいうオプジョン付きの風俗の社会見学。

 

 なにより大きいのは、パパ候補を見つけれたことだ。何をするにしても、自分に力がない以上はパトロンという存在が非常に大きなものになってくる。俺のこの容姿を最大限生かしたパトロンの捕まえ方が、たまたまパパ活だっただけで別にパパが欲しかったわけではない。

 

 パパ活と言っても、本来言われるそれとは大きく違うものになるだろう。会うのにいちいちお金をせびったりとかしないし、ブランドモノのバックや宝石なんかを買ってもらうつもりもない。そこら辺のJKやJDが行うパパ活と違って、俺が行うのはガチのパパ活なのだから。

 

 俺はあくまで本物の娘であり、相手は俺の本物のパパである。この前提で成り立っているのだ。それをいちいち会うたびに金を要求とか、ことあるごとにバックや宝石をたかるとか、そんな娘明らかにいかれているとしか思えない。

 

 まぁ、ママンと二人暮らしで、ずっと成功した嬢の背中を見て育った一般常識に疎い娘って設定なら、それほどおかしくないかもしれないが。やはり、無駄に警戒心を抱かせるだけの結果になるだろう。

 

 なんたって、俺が欲しいのは別に金じゃないのだから。確かに金はほしいのだが、それは美容用品を買うために欲しいのであって、どうしても直接金が欲しいわけじゃない。

 

 娘がパパに可愛くなりたいといろいろなものをおねだりするのは、何もおかしなことではないだろう。少なくとも金やブランド品を頼むよりよっぽど健全である。俺に娘なんてものは存在しないので勝手な想像でしかないが、娘がかわいくなろうと頑張ることに対して何か思うところのあるパパというのはあまりいないと思う。

 

 それに、おっさんに娘がいるかどうかなんてことは知らないが、娘というのは成長するにつれて自然と父親との距離が離れていくものだ。場合によっては嫌われるなんてことも普通にあり得る。「パパと一緒に洗濯しないでよね」溺愛する娘に、こんなことを言われた日には自殺物であろう。

 

 そう娘とは案外気難しいものなのだ。男親というのはなかなか接し方に難儀する、普通の女性のように扱うのもおかしいしかと言って息子のように扱うのも違うだろうと。だからこそ、俺は娘としておっさんの懐に潜りこめると確信できる。

 

 俺は娘そのものである。そうであろうとしている。そして、俺の容姿は非常にかわいらしいものであり、それでいて子供のようなわがままなどなく非常に物分かりのいい子である。

 

 実に大人のツボをつくこどもであろう。子供のかわいいところだけを頑張って再現して、めんどくさいところはきれいにカットしてるのだから当然だ。これがかわいくない大人なんていないだろう、特に親の経験がある人にとっては。子供嫌いであろうと、虜にするそれぐらいの意気込みである。

 

 まさに、ウィンウィンな関係。俺は高価な美容品が手に入り、パパはかわいい娘とのひと時を過ごせる。こんなもの失敗するはずがない。

 

 まぁ、多少の危険というのは付きまとうことになるだろう。なんたってパパは新人好きのおっさんだし、しかもママン曰く俺を狙ってる節があるらしい。それに、おそらくでしかないがどこかのマフィアの上役だ。

 そうなると俺のことを守ってくれて来たボスの子供バリアーの効果が薄いかもしれない。というか、俺が娘だという話を本当に信じた場合、そもそもバリアー自体が勝手に消えるという説もある。

 

 俺は戦闘はからっきし。当然だ子供の体なのだから。そして魔法が使えるとは言っても、戦闘で役に立つようなものでもない。誰か護衛をつけていきたいところではある。

 

 例えば、幼女とか。井の中の蛙大海を知らずなんて言葉もあるが、少なくともこのスラムという井戸の中ではあの幼女は最強である。俺としては多分外でも最強だと思ってるけど。

 

 しかし、幼女はどれほど天才であったとしても幼女なのである。俺は男心のわかる完璧な娘であるが、そこに子供らしいわがまま幼女がいたら面倒極まりないだろう。ましてや、俺と違って自分の娘でもない赤の他人であるし。

 

 なんなら、俺がいくら完璧な娘の演技をしたところで、そんな友達を連れてきたという点で俺も一緒に面倒な子供扱いされるかもしれない。この世界、実子でさえ簡単に捨てる人がいるのだいきなり現れた娘を名乗る少女を見捨てたところで誰も何も言うまい。

 

 つまり、今回のパパ活は俺とおっさんの一対一の勝負になる。どんな目に会うのかも、どんな成果を手に入れるのかも、全ては俺の演技にかかっているというわけだ。

 

 でも、多少危険かもしれないが、それほど心配はしていないんだ。パパはなんだかんだ真面目そうな人だし。だって、そうだろう? 新人好きなんて言ってるけど、おっさんの立場とこのスラムという場所ならそれこそ風俗嬢にすらなってない女をいくらでも抱ける。新鮮さフレッシュさなんていくらでも味わえる。

 

 それを、このおっさんは新人しか抱かないのだ。簡単にそこら辺の女を抱けて、誰も文句なんて言わない環境にいながら。それってすごいことだと思わないか? いわば、催眠能力を手に入れたのに風俗通いをするみたいなものである。

 

 だから、俺が娘と為ったらパパは絶対に手を出してはこない。パパが娘だと信じなくても、俺がパパだと信じて言い切っている間は少しぐらい付き合ってくれるだろう。

 

 まぁ、あんまりいい人過ぎるとさすがに罪悪感があるが、マフィアの幹部なのだしいい人なんてそれだけというのはないだろう。幼女? 何の話だろうか?

 

 難しくかんがえることはない。全てはネカマの応用だ。

 

 前世の経験を生かすだけ、何も焦ることはない。

 

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「パパ、お待たせ。待った?」

 

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