ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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第二十二話 ネカマ少女は金が欲しい

 第二十二話 ネカマ少女は金が欲しい

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「私も学園に行く」

 

「あ……ごめん、お姉ちゃん。私、別にそんなつもりで言ったわけじゃなくって……」

 

「いいの。それに、あなたとの学園生活なんて楽しそうじゃない」

 

 いいこと思いついちゃった♪

 

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 そうと決まれば、さっそく行動開始である。この国最難関の学校に通おうというのだ、時間的余裕などあるはずない。正攻法でいくわけないとはいえ、何するにしてもうまくいくかどうかは結局は時間に大きく影響を受けるのだから。

 

 一緒に学園生活ができると、子供らしく大はしゃぎする幼女に別れを告げ訓練は普段より早めのお開きとさせてもらった。私も一緒に学園へ行くことになるのだとしたら、その前にちょっとやらなきゃいけないことがあるからと言って。

 

 もしかして教師の中に知り合いとかいたりするんですか? 弟子とか? と幼女が目をキラキラさせて尊敬の眼差しを向けてきたが。まぁ、そんなところだと適当に濁して置いた。当然ながらそんなのいるわけないのだが。

 

 いいこと、つまり入試突破の妙案を思いついたとはいえ、どちらにしろバカ高い試験代をはじめとしてかなりの大金が必須であるということに違いはない。俺には幼女のような補正がなかったらしく、入学案内なんてチートアイテム手に入らなかったので。なんだあのチート主人公は。

 

 俺の稼ぐ手段といえば? 正解、パパ活です。

 

 ということで、パパ活路線変更いたします。これまで1人に絞ってじっくりやってきましたが、一気に人数を拡大させてもらうことといたしましょう。お客様一人一人に対して丁寧なサービス? 馬鹿言っちゃいけない、大勢に対して一定のサービスこそ至高である。

 

 そんなことやったら、今の再会したパパと娘という設定が完全に死んで本物のパパ活になる? 

 

 ……そこらへんは、うまくごまかしながら何とか乗り切るんだよ。1人を相手に完全な娘になるっていうのは、確かにリターンは少なめだけどそれ以上にリスクがものすごく少ないってメリットがあって結構良さげな方法だったんだが。まぁ、短期間で大金が必要になってしまった以上仕方がない。

 

 ママンにでも泣きつけば間違いなくなんとかしてくれるとは思うけど、女になって長いとは言え男の時の記憶のせいでどうしても夜は受け付けんのですわ。仕方ないね。

 

 援助交際も、いわゆるパパ活もやりたくないって人間が。風俗、ましてや超高級店でまともに働けるはずもない。本人は嫌々働き、サービス悪いせいで客からの評判は最悪、当然稼げず。

 

 結果、俺は風俗嬢になった上学園にいく資金も稼げない。なんて最悪な未来しか見えない。多少リスクあってもパパ活で行くしかないだろう。

 

 大丈夫大丈夫、どうせ短期間しかやらないし多分ばれない。最悪ばれそうになっても、その時は王都に高跳びしてしまえばモーマンタイ。

 

 ……ここまで大規模にやるなら一応話通したほうが? いや、大丈夫でしょ。ってか、この街じゃ金持ちなんてだいたいマフィア関係なわけで。マフィアメイン客層にしてカモにして金儲けしようってのに、マフィアにケツモチ頼むのもおかしな話だしな。

 

 王立魔法学園なんてエリート校、たとえ何年留年したところで俺みたいな一般庶民には正攻法ではどうやっても不可能。というか、一回受けるだけでまず壁が高くて、何度も受けようなんてそれ自体が不可能なわけだが。

 

 勉強としてのレベルももちろん、人間の価値としてのレベルも、そもそもが俺みたいなのの身の丈に合っていない。そんな学校なのだ。多少のリスクというのはとって然るべきというものであろう。

 

 そうは言っても、入試の費用さえ捻出出来てしまえばあとはこちらのものだろうが。俺はこの世界の勉強なんて全然出来ないし、当然魔法の腕も才能もお察しだ。

 

 でも、俺には一つだけ武器がある。それも、とっておきの最強な武器が。魔法も頭の方も通じそうにはないが、学園でも間違いなく通用するであろう俺の唯一にして最大の武器。ズバリ容姿である。

 

 この世はルックスが全て、なんてことは当然ない。でも、ルックスは人の評価においてかなりの比重が置かれる部分だ。誰もが好き勝手設定できるネット社会ですらそうなのだから、リアル世界ではそれ以上だろう。

 

 ママンからその才能をもらい、自らの人生をかけて磨き上げてきた。人生と言ってもまだそんな長いものではないが。それでも、今世はそのために生きてきたと言っても過言ではない。

 

 その努力のおかげか、年齢の成長も相まってかわいいだけではなく美しい。俺は、そんな美少女に成長しつつある。

 

 そんな武器を使わずしてなんとする?

 

 まぁ、現在も絶賛酷使中で資金調達のその大部分を担ってくれてはいるのだが。容姿っていうのはそれだけじゃなく、本当に便利で最強な武器になりえるという話だ。

 

 例えばそれは、貴族をかどわかす側室であったり、男を魅了してやまない花魁であったり、権力者の首を狙うくノ一であったり、国そのものを傾けてしまうような傾国の美女であったり……

 

 当然、その武器は教師相手であろうとも有効に働いてくれることだろう。

 

 例えばそう、ちょっとした機密を……

 

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 さて、新しいパパ探しだがどうしたものか。

 

 今のパパみたいに、ママンの常連さん方というのも結構いい手ではあると思うのだけれど。ママのお客さんと言うことは、当然ある程度の金持ちというのはすでに保証されているわけで。

 

 接触するにしても、ママンと親しそうだから興味持ったみたいな感じでいけば違和感ないだろうし、その後の接し方も今の人と全く同じ作戦でいける気がしないでもない。実の父親作戦である。

 

 でも、さすがに距離近すぎると一瞬でばれそうだよなぁ。実の子作戦も二人相手に同時進行はさすがに無理ある気がするし、ばれた瞬間悪意ありありなのバレるし。

 

 それにママンの常連さんの中から良さげな人探すのって、多分結構な手間なんだよね。こんな高い女の常連なんてそうそういるもんじゃないし、その上で私が普通にあえてしかもパパ活やって貢いでもらおうと思うとねぇ。

 

 マフィアのボスとかは流石にちょっと怖い気がするし。それ言い始めたら、今のパパもマフィアのお偉いさんではあるんだけどね。とりあえず、ママン関係の男はあまりリスクとリターンが見合ってない気がする。

 

 細々と続けるには最適解ではあったと思うんだけどなぁ。まぁ、急にまとまった金が入り用になってしまったんだ、事情が変わってしまったのだから仕方ないだろう。決して昔の俺の作戦失敗とかではない。……多分。

 

 お小遣いのためにマフィア幹部に手を出す。これっておかしいですか? 普通だよね? うん、そうだよね。ならよかった。

 

 王都までの旅の費用も、向こうでのしばらくの宿泊費用も、王立魔法学園のバカ高い試験費用も、もちろんその学費もすべてはパパ活だよりである。いくら金持ちと言っても、一人から搾り取れるような金額でもあるまい。

 

 やっぱ不特定多数から行くしかないでしょ。

 

 パパ活、

 

 パパ活ねぇ。

 

 ……仕方ないか。ちょっとだけだし、体許すような予定もないし。まぁ、明るい未来のためにちょっとした努力と我慢をするというのは当然な話ではある気がするし、ちょっとだけ頑張るか。

 

 一人一人に最高のサービスより大勢に一定のサービスの精神、

 

『パパ活王に俺はなる!!』

 

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