ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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外伝 パパside 1 それは天使か悪魔か

 外伝 パパside 1 それは天使か悪魔か

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「パパ、こんなところで何やってるの?」

 

 ……え?

 

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 それは天使だったのか悪魔だったのか、あの日の出会いは俺の人生にとって幸運なものだったのか不幸なものだったのか、

 

そんなものの答えなど出ようはずもなく、結局答えなんてものは人生が終わってみないとわからないのだろう。

 

 ただ、少なくともあの子との日々が天国そのものであったことに間違いはない。たとえその結果がどのようなものであったとしても、何が残ることになったのだとしても。

 

 俺とあの子の出会いは、今思っても不自然極まりないものだったと思う。マフィアの世界じゃ殺し殺されなんて当然の世界、俺も命を狙われた数が指の数じゃ収まらない程度には狙われた。

 

 言って置くが、別に指切りすぎて指の数が極端に少ないとかいう極東風ギャグじゃないからな。あんなの笑えないって、笑ってる奴らも指ないし全員狂ってやがると思ったね。

 

 普段の俺ならまず間違いなく頷かなかったんだろうが、そういうタイミングみたいなものも含めてあの子が特別だったんだろう。無論、俺にとってという意味でもあるが、存在そのものが特別という意味だ。

 

 あの日、俺は久々の風俗に仕事で冷え切った心が少し沸き立っていた。なんでも良さげな新人が入ったので、初プレイどうだ? というお誘いだった。

 

 普段、悲鳴や憎悪返り血なんかで体が汚れていくからこそ、たまの息抜きの風俗には特にこだわりを持っている。

 

 俺のなかなかに肥えた目からしても、かなりの上物に見えたので迷わずお願いさせてもらった。やっぱ嬢は新人に限る。

 

 これをいうと部下からは「そんなに新人好きなら素人でいいじゃないですか、ほらあそこの子とか可愛いじゃないっすか。兄貴の誘いをこの町で断れる奴なんて滅多にいないんすから」みたいなことを言われるのだ。

 

 そういうことじゃないのだ。それ半分レイプだろ? せっかく癒しを求めているのに、そんなことしたら悲鳴と憎悪で普段の仕事と何も変わらなくなってしまうではないか。

 

 確かに初々しい方がいいのだが、あくまで自ら望んで働いているというのが望ましい。だから、店も結構厳選してる。基本高級店しか行かない、下の方は借金のかただなんだと俺の望む嬢とずれることが多いから。

 

 高級店なら、働きたくても働けない人も多い場所だ。なんらかの事情はあるにせよ、積極的に嬢になろうと思った娘ばかりである。

 

 いつも通り、新人の子には避妊魔法と防病魔法をオプションでつけてもらった。これ、金がかかってしょうがないのだけど。

 

 いくらマフィアと言っても、俺はそれなりの立場のある人間だ。子供とかできるとなかなかに面倒なので避けられない。病気も困るしね。

 

 いつもならこれだけなんだけど、今日は久々と言うこともあって奮発してしまった。スラム街の女王様にも是非ともとお願いをしたのだ。

 

 流石に昔のように本番を頼めるほどの余裕はない。いつの間にか本当に遠い存在になってしまった。でも、新人のサポートと称してなら結構割安でサービスしてもらえるので俺でもたまに頼めたりする。

 

 割安って言っても、びっくりするほど高いんだけどね。ただまぁ、彼女は人気だから仕方がない。この街のマフィアのボス全員が虜だっていうんだから、本当にすごい人だ。

 

 部屋でワクワクしながら待っていると、少しぎこちないノックの後に「失礼します」と言いながら少女と彼女が入ってきた。

 

 正直期待以上だった。もちろん顔が可愛いのもそうだけど、それ以上に想像以上の若さだ。もはや幼さと言ってもいいかもしれない。

 

 彼女と比べて引けを取らないというのは流石におべっかがすぎる気がするが、まだ未プレイの新人という要素とこうも幼い年齢というのを合わせれば少なくともちょっとは対抗できているであろうと思う。

 

 まぁ、とにかくそれぐらいの当たりだという話である。いくら高級店といっても、たまにはハズレもあるからね。だからこそ、こういう大当たりを引いたときの喜びは計り知れないものがある。

 

 初めてということで緊張しているのか、動きも硬いし笑みもぎこちない。なんとなく微笑ましく思えてしまう。なんなら、俺の娘でもおかしくない年齢であるし。

 

 そう思うと途端に何か悪いことをしているのでは? という言い知れぬ罪悪感が。倫理的にどうこうは置いておけば、別に何も問題があることをしようというわけじゃないので気にすることじゃないんだけどね。

 

 こんなに緊張している様子を見るに、彼女にサポート頼んで正解だったな。もし2人っきりだったら、全くうまく行く予感がしないというものだ。

 

 そら仕事だししっかりとサービスはしてくれるだろうが、それが満足いくものになるかは別の話だ。そう思うと、彼女は初めての頃から飛び抜けてすごかったように思う。それも一種の才能といったところなのだろうか。

 

 もうほぼ勝利が約束された楽園にすでに夢心地になりつつあるわけだが、

 

 ……あれ?

 

 彼女の後ろからそっと顔を出す女の子がいた。新人の子を幼いといったが、この女の子はそんなレベルじゃない。明らかに未成熟である。

 

 ものすごく整った顔立ちをしていて、正直好みではあるのだが。倫理どうこうの話は置いておいてとかさっき言って置いてなんだが、流石にこの年の子相手にそういうことするのはどうかと思うんだけど。

 

 なるほど、この子が噂の娘さんか。噂には聞いていたが、ママそっくりの美人さんである。ママ以上の逸材だなんて噂が流れる理由もわかるというものだ。

 

 こんななりでよく街をうろうろしているらしく、こんな汚い街で天使に出会えたらその日は一日ハッピーだなんて部下たちが冗談混じりに話しているのを聞いたことがある。

 

 さすが彼女の娘。この歳で多くの男がすでにメロメロだ。

 

 娘さんもサポートしてくれるらしいが、いくらなんでも早すぎないだろうか? 女の子の成長は早い? いや、そういう話はよく聞くが……

 

 まぁ、将来この店を継がせる気なのかもしれない。才能は十分にありそうだし、早いうちからということなのだろう。

 

 この子の容姿ならおそらくは安泰であろうしな。ママはただでさえこの街で盤石の地盤を築き上げているというのに、この子の代でそれがより確実なものになるのかもしれない。

 

 今のうちから仲良くするのが吉だな。女の旬は若いうち、ママも若すぎることはないとこんなとこ連れてくるぐらいだしちょっかいかけても文句は言われないでしょ。

 

 なんなら、あの頃と違って今度こそ……

 

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