ネカマ傾国記~TS転生した元ネカマガチ勢は乙女ゲームの世界で元気に傾国の美女やってます~   作:哀上

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第四話 TSネカマの生きる道

 第四話 TSネカマの生きる道

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 未来に不安しかない。

 

 とはいえ取れる選択肢なんてほとんどないというのが現状だ。神様からチートなんてもらった覚えもなければ、親から特殊な才能を引き継いでいるみたいな展開もなさそうだ。

 

 結局今の俺は貧乏な平民の家の子供でしかなく、将来もまた貧乏な平民になるのが半ば約束された立ち位置にいる。

 

 階級社会とはそういうものなのだ。

 

 ある程度の実力がなければ生まれの差を覆すことのできない、そんな前世の社会もなかなかにひどいものだと思ったことはある。が、階級社会というのはそれこそ生半可な実力では生まれの呪縛からは逃れられない。

 

 なんたって俺が生きていてなかなかにひどいと思った世界ですら、はるかに良くなった世界のさらに先進国のお話なのだから。

 

 そういう意味でいえば、地位のあるおっさんに嫁ぐというのは比較的現実可能な地位の脱却方法ではあるのだ。ただ、俺が嫌だというだけで。

 

 俺の理想としては、こう男どもをからかいながらも手は出されないみたいなポジション。まさにネトゲの姫、前世でやっていたネカマのポジションが望むところではあるのだ。

 

 ただ、あれはリアルと隔離されたゲームの中だからこそ成立した話で、現実でそれが可能なのかと言ったら正直なところ不明である。

 

 実際、そういうポジションっぽい女の子というのはいるのだ。

 

 いわゆる小悪魔系? と言われるやつだ。ギャルっぽい見た目をしていて、クラスの一軍に所属。たまに陰キャをからかってたりしていて、陰キャにとっては貴重な女子とのふれあいであり大体惚れる。女子からは蛇蝎のごとく嫌われるが、男子から絶大な支持を誇る。そんな存在だ。

 

 俺の目指すべき姿ではあるのだが、いかんせんあんまり持たないのだ。女子から嫌われすぎていじめの対象になりクラス内での地位を維持できなくなったり、一軍にいるという前提で成り立つ存在のせいで一軍の男どもにいいように遊ばれたり、一年持つのを見たことがない。

 

 まぁ、それ以外よさげな案も浮かばないしな。まさか一軍と交際することで自分の地位を向上させる側の手段をとるわけにもいかないし、やはり階級社会でとれる手段なんて限られている。それをえり好みすれば、まぁこんなものであろう。

 

 実際、不可能な話ではないと思う。ママンがあれだけの美人だ、おそらく俺も見込みはあるはず。子供のころの容姿はあまり参考にならないとは言うが、ひいき目なしに見ても俺はかわいい。

 

 自画自賛? それに何か問題がでも?

 

 あまり参考にならないとはいえ、かわいいに越したことはないはずだ。前世と違って、キャラクリにはかなり期待できると思っていいだろう。

 

 いうまでもなく、キャラクリは超重要である。普通のRPGではキャラクリなんて強さに何の影響も及ぼさない、いわばオマケみたいなものである。が、リアルの人が関わると話は別。MMOみたいなものですらすでに変わってくるのだ。それがリアル社会でどうなるかと言えば、察して知るべきであろう。

 

 人は見た目で印象がほぼ決まる。

 

 それは容姿を自由にできてしまうMMOでも似たようなもので、だからこそネカマというのが成立するのだ。リアルの女よりネカマがモテるのは男の心を理解した言動というのももちろんあるが、男心を理解したキャラクリというのも大きい要素であると思っている。

 

 ネカマプレイしていた頃は、何度もアカウントを作り直してキャラの見た目を大量に試したものだ。なぜわざわざ作り直すのか? キャラクリのリセット課金アイテムだし、同じアカウントで前の顔知ってる人がいると整形したみたいでなんか嫌じゃん。

 

 そんな男から見て、うちのママンは割と完璧である。金髪碧眼というのがすでに心くすぐり、そこに豊かな胸、さらには母性が加わりパーフェクトに近い。

 

 何が足りないのかって? 子持ちに言うことではないと思うが、男というのは処女が好きなのである。

 

 俺は処女を守り切る自信がある。だって、男とやる気なんてないし。なればこそ、ママンを超えてパーフェクトをたたき出せるかもしれない。

 

 階級社会の平民というのは学がない、だからママンはこれほどの容姿を持ちながらここまで貧しいのだろう。うまく自分を売り込むことが出来れば、有力な商人どころか貴族の側室にぐらい簡単になれそうなものなのに。結局平民は搾取される側でしかないということだろう。

 

 でも、ゲームの中とは言え俺には億を稼ぎあげた経験と自信がある。それほど頭がよかったわけではないが、義務教育課程も終了している。九年も学校に入るなんて、それこそ貴族ぐらいの物であろう。この世界ではそこそこのエリートだ。

 

 この世界で、何とかやっていけるかもしれない。平民から成り上がっていけるかもしれない。男を手のひらの上で転がし金を搾り取る、そんな悪女として。

 

 全ては、この世界で人として生きていくために。

 

「美味しいでちゅか?」

 

 ママンのおっぱいを飲みながら、俺はそう硬く決意した。

 

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 そのために、まず出来ることから始めよう。

 

 今の俺に出来ることなんてそれほど多くはない。しかし、時間もまた有限だ。やれることが少ないうちに今やれることを出来るだけ伸ばしておくのが吉である。

 

 おそらく、この世界には魔力というものがある。

 

 おそらくとか言ってるが、直接見たことないだけであること自体は確定だと思っていい。魔力なんて言うのはテンプレから言っても幼いうちが伸びやすく、何ならある特定の時期を過ぎると魔力量を増やせないなんてこともざらだ。

 

 この世界がファンタジーな世界だとわかり、時間もたっぷりある今魔力の訓練をしない理由がどこにあるだろうか? いや、ない。

 

 というわけで、さっそく今日から魔力の訓練を始めたいと思う。と言っても、魔力がおそらくあるだろうというだけで、簡単な魔法すら見たことがない。完全にカンで進めることになる。

 

 瞑想なんてものをしてみたり、魔力があると強く信じて見たり、血液以外に何か流れてたりしないか意識したり……

 

 とりあえず、思いついたものを片っ端からやっていく。が、特にこれと言って変化はない。アニメなんかだと主人公は結構簡単にコツをつかんだりするものなのだが、どうやら俺の場合そう簡単にはいかないらしい。

 

 おそらく、俺に魔法の才能と呼べるものはないのだろう。ママンが使ってるの見たことないし、生まれてこの方自分が特別な力を使えそうな気配なんてものも感じたことはない。というか、そんなものあったらもっと早くこの世界がファンタジーだと気が付いていた。

 

 父親の才能がという可能性もなくはないが、俺はかなりママンの血を強くひいているように思う。だからこそキャラクリに期待が出来るわけで、魔法の才能に関してはあきらめた方がいいだろう。

 

 まぁ、特に問題にはしていないのだけれど。

 

 容姿と魔法の才能、転生特典で並べられたなら俺は確実に容姿を取るだろうし、何ならネカマやってた時も装備や種族の性能より見た目を優先していたぐらいだ。だから、魔力の才能とトレードオフで容姿が手に入ったのならむしろ願ったりかなったりといったところだ。

 

 ただ、おそらく才能がないからちょっと試してダメだったからと言って、それがその方法がダメだったのか俺の才能が足りないだけで続けていれば成功するのかの判断に迷うのは少し不便だが。かといって家に魔法の書籍のようなものもなければ、家庭教師なんて平民には夢のまた夢であろう。ひたすらがむしゃらにやるしかない。

 

 これは……かなりの耐久戦になりそうだ。

 

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