スターセイバープリキュア!-Star Saviour Precure!- 作:星龜
その1
聖星界―。
この聖星界は
『
という
『
によって護られていた。
しかし…
ある日、聖星界は
『悪魔伝の七騎士』
と呼ばれる、悪の剣士達が率いる軍勢に侵略された。
ついに
空の剣士・キュアシエル
水の剣士・キュアドゥロー
雷の剣士・キュアトネール
の3人が、異世界に飛ばされてしまった…。
残った
火の剣士・キュアフラム
土の剣士・キュアテール
風の剣士・キュアヴァーン
の3人が抵抗を続けていたが…
戦いに敗れ…
聖星界は、悪魔伝の七騎士の軍勢に征服されてしまった…。
そして―
20年の月日が流れた―。
人間界―。
朝、桃花は目を覚ますと、制服に着替えて、リビングに向かう。
「お母さん、お父さん、おはよう☆」
と、元気よく挨拶をする桃花。
「おはよう、桃花。
悪いんだけど、お姉ちゃん、お起してきてくれない?」
と言う、桃花の母・
「ゑっ…。」
と、怪訝な顔をする桃花…。
桃花には、高校2年生の姉である
桃花は、再び2階に上がり、凛花の部屋のドアをノックする。
「
と、桃花は呼んでみるも、反応は無い…。
まぁ、いつものことなのだが…。
「凛姉、入るよ…。」
と、桃花は凛花の部屋のドアのドアノブをまわす。
鍵はかかっていなかった。
「り…凛姉…。」
凛花の部屋に入るなり、目に飛び込んできた光景にあきれる桃花…。
桃花の姉・凛花は…
ベッドの上で…
全裸で、大の字になって寝ていた…。
しかも、凛花の傍らには…
子供の目に触れさせない方がいいモノが2つもころがっていた…。
いくら
「凛姉、起きてよ。
朝だよ…。」
と、凛花をゆすって起こそうとする桃花。
凛花の体をゆするたびに、凛花の胸がプルプルと揺れる…。
(なんか…朝から、ヘンな気分になっちゃうよ…★)
と、揺れる凛花の胸を見てしまい、顔を赤らめる桃花…。
やがて…
「あン…
マキぃ…
もっと…
もっと激しく…♡」
と、凛花は、うわ言を言い出した…。
「何言ってるのよ!?
ちゃんと目ぇ覚ましてよ!!
てゆ〜か、マキって誰?
何を激しくするのよ?」
と愚痴りながらも、桃花は凛花の体をゆすって起こそうとする。
ようやく…
「あれ?
マキは…?」
と、凛花が目を覚ました…
…が、まだ、寝ぼけているようだ…。
「あれ、桃花…?
そっか…
夢か…★」
と、上半身を起こし、頭を掻く凛花。
「おはよ、凛姉。」
「おはよう、桃花☆」
ようやく、目が覚めたようだ。
「さて…☆」
と、ベッドから降りて、シャワーを浴びるため、全裸のまま、部屋から出ていく凛花。
桃花も一緒に降りていき、リビングに向かう。
シャワーから出てきた凛花も一緒に、家族4人で朝食を食べたあと、桃花と凛花は一緒に家を出た。
凛花は、ガレージに停めてあるオフロードバイクに乗り、ヘルメットをかぶる。
「気をつけてね☆」
「凛姉もね。」
走り去っていく凛花を見送ったあと、桃花は逆方向にあるいていく―。
バス停に着くと―
「ももちゃん、おはよう☆」
と、桃花のことを『ももちゃん』と呼ぶ少女は、
そして、もう1人―
「おはよう、桃花。」
と挨拶するボーイッシュな少女は、
南海も れもん も、桃花とはクラスは違えど、小学校の頃からの付き合いで、家族同士でも付き合いがある。
バス停で談笑していたら、まもなく、バスが来たので、バスに乗る桃花達―。
今日も、いつもの日常が始まる―。
誰もが、そう信じて疑わなかった…。
3時間目の、体育の授業の時だった―。
今日は運動場で、50メートル走を行っていた。
空が、にわかに曇ってきた…。
「何だぁ?
今日の天気予報で、雨降るなんて言ってたか?」
と言う男子生徒…。
「困ったな…。
傘持ってきてないよ…。」
と嘆く桃花…。
しかし、この曇り空は、雨が降る前兆ではなかった…。
◇
桃花の家では…
(この気配は…!?)
何かの気配を感じ取った茉莉花が、庭に飛び出し、空を見上げた―。
「あぁっ…!!」
暗い空を見て、絶句する茉莉花…。
(ついに…
ついに、彼らが…!!)
ポケットに入っている、スマートフォンの着信音が鳴った。
着信画面には、友人にして、南海の母親・
電話に出る茉莉花。
「もしもし…」
『もしもし、マリカ?
空、見てる?』
「えぇ…見ているわ…。」
『とうとう、アイツらが、この世界に侵攻してきたんだわ!!』
「そうね…。」
『今から、ライカと一緒に、そっちに行くわ!!』
で、電話は切れた。
ライカとは、れもん の母の名前だ。
(シズルとライカが、ここに来る…。)
なぜか、茉莉花は沈痛な面持ちで、うつむいた…。
まもなく、桃花の家の前に、1台の青いRV車が停まり、2人の女性が降りてきた。
水崎 南海の母・静流
と
稲妻 れもん の母・ライカ
だ。
2人は、桃花の家の庭に向かう。
庭には、茉莉花が沈痛な面持ちで立ちつくしていた。
「マリカッ!!
子供達を迎えに行くわよッ!!」
と、茉莉花に言う静流。
静流の声を聞き、2人の方に顔を向ける茉莉花。
しかし、静流とライカが右手に持っている物を見て、顔をこわばらせる茉莉花…。
「さぁ、マリカも星剣を持って…!!」
と言うライカ。
静流とライカが右手に持っている物…
それは星剣―!!
そう…
光の剣士・キュアルミエール
水の剣士・キュアドゥロー
雷の剣士・キュアトネール
だったのだ―。
「急げ、マリカ!!」
と叫ぶライカ。
しかし…
「無理…。」
と、うつむく茉莉花…。
「無理…って?
どういうこと、マリカ?」
と訊く静流。
「私は…
星剣を捨てたの…。」
「「ゑゑゑゑゑ…っ!?」」
茉莉花の驚愕の発言を聞いた静流とライカの絶叫が響きわたった…。
「捨てた…って…
どういうことなのッ!?」
と詰問する静流。
「どういうことって、言葉通りの意味よ…。
私はもう、
「何、バカなことを言ってるんだ、マリカ!!
「
と怒鳴るライカと静流。
「えぇ…!!
もう、あんな辛い戦い、懲り懲りだわ…!!
凛花にも、桃花にも、あんな辛い思いなんて、させられないわっ!!」
「マリカ…。」
涙を流しながら叫ぶ茉莉花に、言葉を失う静流…。
「だったら何だ?
この世界も、聖星界のように、滅ぼされてもいいと言うのか!?」
と、ライカは茉莉花を叱責するが
「6人でも勝てなかったのに、たった3人で、どうやって勝つのよっ!?」
「それは…。」
と、茉莉花に反論され、言いよどむライカ…。
「もういいわ…ッ!!
こんな臆病者、放っておきましょッ!!」
と、静流は出ていった。
ライカも、うずくまって泣いている茉莉花を一瞥した後、静流についていった…。
静流の車で鶴城中学校に向かう道中、ライカが
「6人でも勝てなかったのに、たった3人で、どうやって勝つの…か…。」
と呟いたが
「臆病者の詭弁よ…!!」
と、静流は斬り捨てた。
「七騎士から世界を守るためなら、鬼でも悪魔にでもなるわ…ッ!!」
という静流の言葉を聞いたライカは
「鬼はともかく、悪魔にはならないで★」
と苦笑した…。
◆
鶴城市の上空には
紫のロングヘアーに青白い肌、黒と赤に彩られた鎧を着た男・ベネトナーシュ17世
と
シルクハットをかぶって、燕尾服を着た、青白い肌の小太りの中年男性・アルコル
が浮遊していた。
「ここか?
昔、親父達が逃しちまったという、
と訊くベネトナーシュに
「さようでございます、ベネトナーシュ17世様。」
と答えるアルコル。
「…で、
「正確な居場所まではわかりませんが、この街にいるのは確かです。」
「何か、策でもあるのか?」
「そのお言葉、お待ちしておりました☆」
と、アルコルはニヤニヤしながら、懐から
七騎士が使役する怪物・オソロシー
の卵を取り出した。
オソロシーの卵に、七騎士が魔力を送り込むことで、オソロシーが生まれるのだ。
「では、17世様…☆」
「うむ…!!」
と、ベネトナーシュは、アルコルからオソロシーの卵を受け取ると、右手に持ち、魔力を送り込む。
ベネトナーシュの魔力を送り込まれたオソロシーの卵は、赤く、禍々しく輝く。
「いでよ、オソロシーッ!!」
と、オソロシーの卵を投げ落とすベネトナーシュ。
オソロシーの卵は、落下中に殻に亀裂が入り…
空中で爆発し…
爆煙が晴れると…
「オソロシィ〜ッ!!」
バイオリンのような姿をした、身長は20メートルはあろうかという、巨大な怪物…
バイオリンオソロシーが誕生した―!!
「オソロシィ〜ッ!!」
という雄叫びをあげながら、住宅地に降り立ったバイオリンオソロシー。
「何だ、あの怪物は…ッ!?」
「逃げろぉーッ!!」
鶴城市内は、たちまち大パニックになった―!!
◇
「あれは…オソロシー…!?」
バイオリンオソロシーの姿を見て、絶句する茉莉花…。
疑いようがない…。
悪魔伝の七騎士による、人間界への本格的な侵攻が始まったのだ…。
(し…知らない…!!
もう、私は
と、茉莉花は、目の前で起きている現実から目を逸らした…。
◇
鶴城中学校に向かっている静流の車からも、バイオリンオソロシーの姿が見えた。
「あれはオソロシー!!」
と驚くライカ。
「急がないと…ッ!!」
と、静流はアクセルを踏み込んだ―。
鶴城中学校も、バイオリンオソロシーの出現で、大パニックになっていた。
「助けてぇーッ!!」
「逃げろぉーッ!!」
「みんな、落ち着いて、体育館に避難するんだァーッ!!」
と、逃げ惑う生徒達を、教師達が必死になって、生徒達を体育館に避難誘導している…。
しかし、南海、れもん の2人は、体育館に避難せず、教職員用の駐車場に来ていた。
ライカが れもん に、教職員用の駐車場に行くよう、LINEを送ったのだ。
「ここで、何をするの?」
と訊く南海に
「わからない…。
お母さんから、ここに来いって、LINEが来て…。」
と答える れもん。
「あ、お母さんの車だ…。」
と、駐車場に入ってきた静流の車に気づく南海。
「南海!!」
「お母さん!?」
「れもん!!」
「お母さん!?」
自分の母親のもとに駆け寄る、南海と れもん。
「お母さん…
あの怪物は…!?」
と訊く南海に
「あれがオソロシー…
悪魔伝の七騎士が使役する化け物よ…!!」
と答える静流。
「悪魔伝の七騎士…!?
小さい頃から、お母さんが話してくれてた…?」
「そうよ!!」
「ウソや作り話じゃなかったんだ…!!」
ライカと同じようなやり取りをしていた れもん と、顔を見合わせる南海…。
南海も れもん も、小さい頃から、母親から悪魔伝の七騎士の話を聞いていた。
ただの、作り話だと思っていた…。
しかし、現れたオソロシーを見て、本当の話だと知った。