スターセイバープリキュア!-Star Saviour Precure!-   作:星龜少将

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その3


 

その頃、ベネトナーシュのアジトでは…。

 

 

「アルコルおじさん!!

私達も行きましょう!!

何だか、胸騒ぎがするんです…!!」

と言うメグルに

 

「いや…

そう申されましても…。」

と、困惑するアルコル。

 

「なら、私だけでも行きます!!

おばあちゃんを助けに…!!」

と、メグルは淡い緑色の光球に変化して、空に飛び上がった。

 

「あぁっ!!

お待ち下さい、メグル様ぁ…っ!!」

と、アルコルもメグルを追って、空に飛び上がった…。

 

 

鶴城市の市街地―。

 

 

空を飛んで、トランペットオソロシーに立ち向かうキュアシエルだったが…

 

キュアシエルの目の前に、ベネトナーシュが立ちはだかる。

 

「そういや初対面だったな。

オレの名は、荒魔剣(コウマケン)のベネトナーシュ17世だッ!!」

と、荒魔剣(コウマケン)を振るって、赤い光波を放つ。

 

「く…っ!!」

と、ベネトナーシュが放つ赤い光波を回避するキュアシエル。

 

プリキュア・シエル・シュートォッ!!

と、空星剣(シエル)の刀身から、ピンク色の光線を放つキュアシエル。

 

「そんなモノッ!!」

とベネトナーシュは、キュアシエルからの攻撃を相殺しようと、荒魔剣(コウマケン)を振るって赤い光波を放つが…

 

なんだとッ!?

 

キュアシエルが放った光線は、ベネトナーシュが放った赤い光波を粉砕した!!

 

チッ!!

と、キュアシエルの攻撃を回避するベネトナーシュ。

 

その隙に、キュアシエルはトランペットオソロシーに立ち向かう。

 

キュアシエルは、空星剣(シエル)を一度、鞘に納める。

 

すると

SABER CHARGE

という音が鳴った。

 

再び空星剣(シエル)を抜くと、刀身がピンク色に輝いていた。

 

そして…

 

「プリキュア・シエル・フラァァァッシュッ!!」

 

と叫んで、空星剣(シエル)を振り下ろす。

 

すると、空星剣(シエル)の刀身から、巨大なピンク色の光球が放たれた。

 

オォソロシィィィ…ッ!!

と、キュアシエルの必殺技をくらったトランペットオソロシーは、ピンク色の光につつまれたあと、ピンク色の粒子となって消滅した…。

 

 

メダカオソロシーに立ち向かったキュアトネールだったが、属性において有利だったので、とくに苦戦することなく、撃破することができた―。

 

 

「プリキュア・トネール・プレッシャーッ!!」

と、雷星剣(トネール)の刀身から雷光を放つキュアトネール。

 

オソロシイイイイイッ!!

と、雷星剣(トネール)の刀身から放たれた雷光をくらったメダカオソロシーが、大ダメージをうける。

 

とどめだッ!!

と、キュアトネールは雷星剣(トネール)を、一度、鞘に納める。

 

すると

SABER CHARGE

という音が鳴った。

 

再び雷星剣(トネール)を抜くと、刀身が金色に輝いていた。

 

そして…

 

「プリキュア・トネール・スパークッ!!」

 

と叫んで、雷星剣(トネール)を振り下ろす。

 

すると、雷星剣(トネール)から、雷鳴とともに、金色の雷光が放たれた。

 

オソロシィー…ッ!!

と、キュアトネールの必殺技をくらったメダカオソロシーは、金色の雷光につつまれたあと、金色の粒子となって消滅した…。

 

 

「えぇーいッ!!

不甲斐無いヤツらがッ!!」

と、トランペットオソロシーとメダカオソロシーが倒されたのを見て、憤慨するメグレス…。

 

 

トランペットオソロシーとメダカオソロシーが倒されたのを見たキュアドゥローが立ち上がる。

 

「じゃ、行ってくるね☆」

 

「おぅッ☆

行ってこいッ☆」

と静流に激励されて、キュアドゥローはキュアシエルとキュアトネールのもとに向かった―。

 

 

メグルとアルコルが鶴城市の上空に到着した。

 

「何をしに来たッ!?」

と怒鳴るベネトナーシュ。

 

「もうしわけございません…。

メグル様が、どうしてもとおっしゃいまして…。」

と、言い訳するアルコル…。

 

「べヌゥ、おばあちゃんは?」

と訊くメグルに

 

「無事だ。」

と答えるベネトナーシュ。

 

メグルが下を見ると、たしかに、メグレスは健在だった。

 

しかし…

 

この後のメグレスの行動を見たメグルは

 

おばあちゃん、やめてぇっ!!

と叫んだ―。

 

 

「お待たせ☆」

と、キュアシエルとキュアトネールのもとに来たキュアドゥロー。

 

「あとは、あなただけよ!!

メグレス!!」

と、空星剣(シエル)の剣先をメグレスに向けるキュアシエル。

 

「フンッ!!

お前達みたいなヒヨっ娘どもに負けるものかッ!!

見よッ!!

ワシの能力(ちから)をッ☆」

と、メグレスはジャンプすると…

 

全身が緑色に光り輝き…

 

ルー・ナーニ・ツトヒィィィ…ッ!!

と叫んで…

 

マンモスボーンオソロシーと融合した―!!

 

メグレスと融合したマンモスボーンオソロシーは、目が緑色に輝き、体が2倍ほどに巨大化した。

 

「なんか…ヤヴァそう…★」

と、恐れおののくキュアドゥロー。

 

「ビビってんじゃないわよッ!!」

と、恐れおののくキュアドゥローを叱咤するキュアトネール。

 

「フェッフェッフェッ☆

これが、ワシの力ぢゃぁぁぁ…ッ☆」

と吠えるマンモスボーンオソロシー。

 

身構える、キュアシエル、キュアドゥロー、キュアトネール。

 

「いくぞ、プリキュ…

うッ!?

なんぢゃ!?」

と、突然、マンモスボーンオソロシーの動きが止まる。

 

そして…

 

「な…なんぢゃッ!?

ワ…ワシに従え、オソロシーッ!!

ワ…ワシに逆らうか…ッ!?」

と、マンモスボーンオソロシーから、何やら、口論しているような声が響く。

 

「何…?」

「さぁ…?」

と、呆気にとられるキュアシエルとキュアトネール。

 

「何だか、よくわかんないけど…

どうやら

私の出番ね☆

と、キュアドゥローは水星剣(ドゥロー)を鞘に納める。

 

すると

SABER CHARGE

という音が鳴った。

 

再び、水星剣(ドゥロー)を抜くと、刀身が水色に輝いていた。

 

そして…

 

「プリキュア・ドゥロー・スプラッシュッ!!」

 

と叫んで、水星剣(ドゥロー)を振り下ろす。

 

水星剣(ドゥロー)から、激流のような水色の光波が放たれた。

 

しかし!!

 

キュアドゥローの必殺技は、マンモスボーンオソロシーには効かなかった!!

 

うそぉっ!?

と、驚くキュアドゥロー。

 

 

一方で、マンモスボーンオソロシーの、謎の口論は続いていた。

 

「言うことを聞け、オソロシーがッ!!」

と、メグレスの声が響くが…

 

その声は、次第に勢いを失っていく…。

 

「よせ…

よさんか…ッ!!

やめろ…

やめてくれぇ…ッ!!

い…意識が…

乗っ取るなぁ…ッ!!」

と、メグレスの悲痛な叫び声が響く…。

 

 

「何か…

様子が変だよ…?」

と、訝しむキュアトネール。

 

「2人とも…

油断しないで…!!」

と、身構えるキュアシエル。

 

 

やがて…

 

「や…やめろ、オソロシー…

ぃギャアアアアア…ッ!!

というメグレスな悲鳴とともに、マンモスボーンオソロシーは緑色の光に包まれる。

 

その光は、輝きを増しながら、一点に集束されていく。

 

「うっ…!?」

と、まぶしさに目を閉じる3人の星剣士(プリキュア)

 

集束された光が消えると…

 

そこには、メグレスがいた。

 

「あれ?

オソロシーは?」

と言うキュアドゥローに

 

「わからない…。」

と答えるキュアトネール。

 

メグレスが顔を上げ、目を開くと…

 

目が真っ赤に光り

「オソロシィィィ…ッ!!」

と叫んだ―。

 

 

上空で様子見していたベネトナーシュ達も、メグレスの変化に絶句していた。

 

「兄ィ…

あれは一体…?」

と訊いてくるアリオトに

 

「オソロシーの体を乗っ取るはずが

メグレスの方がオソロシーに乗っ取られた

んだ…ッ!!」

と言うベネトナーシュ。

 

「おばあちゃんを助けないと…!!」

と、降下していくメグル。

 

「おい、待てッ!!」

とベネトナーシュは止めるが、無視するメグル。

 

「やむをえん…

オレ達も行くぞッ!!」

と、降下する

ベネトナーシュ

アリオト

アルコル

 

 

離れた場所で様子見をしていた茉莉花、静流、ライカは、逆に、メグレスの変化を喜んでいた。

 

「あのババァ☆

オソロシーに乗っ取られてやんの☆」

と、メグレスを嘲笑する静流。

 

「このままいけば…

メグレスを倒せるかもしれない…☆」

と、期待するライカ。

 

「でも…

それほどまでに、メグレスは衰えてしまったのね…。」

と、茉莉花はメグレスを哀れんだ―。

 

 

「おばあちゃぁぁぁん!!」

という声が聞こえたので、キュアシエルが上を向くと…

 

「えっ、誰?」

と、レイピアを持ったメグルが降下してきた。

 

キュアシエルの前に着地したメグルは、そのまま、キュアシエルに斬りかかる。

 

「だ…誰…!?」

と、メグルの斬撃を受け止め、鍔迫るキュアシエル。

 

「おばあちゃんはやらせない!!」

と、キュアシエルを蹴飛ばすメグル。

 

アリオトはキュアドゥローと

ベネトナーシュはキュアトネールに挑む。

 

「メグレス様!!

お気を確かに…!!」

と、オソロシーに乗っ取られたメグレスに声をかけるアルコルだったが…

 

「オソロシーッ!!」

と、アルコルを殴り飛ばすメグレス。

 

「ぐえっ★」

と、メグレスに殴り飛ばされたアルコルは失神した…。

 

続いて、メグルと戦っているキュアシエルに殴りかかる。

 

「おばあちゃん!?」

と振り返ったメグルを

 

「オソロシーッ!!」

と殴り飛ばすメグレス。

 

メグレスに殴り飛ばされたメグルは失神した…。

 

「きゃあ…っ!!」

と、キュアシエルもメグレスに殴り飛ばされる。

 

今度は、アリオトと戦っているキュアドゥローに殴りかかる。

 

「ばあちゃ…

ぶうッ!?

と、メグレスに殴り飛ばされるアリオト。

 

痛ぁぁぁ…ッ★

と、メグレスに殴り飛ばされるキュアドゥロー。

 

そして、ベネトナーシュと戦っているキュアトネールに殴りかかるが…

 

ジャマだッ!!

と、荒魔剣(コウマケン)でメグレスを斬り飛ばすベネトナーシュ。

 

オソロシィィィッ!?

と、火花を散らしながら吹き飛ぶメグレス。

 

(そんな…!?)

と、味方をも平気で攻撃したベネトナーシュに戦慄するキュアトネール。

 

オソロシィィィッ!!

と、両目を真っ赤に光り輝かせながら咆哮すりメグレスに、キュアシエルは必殺技を放つ。

 

「プリキュア・シエル・フラァァァッシュッ!!」

 

キュアシエルの必殺技をくらったメグレスは、ピンク色の光につつまれたが…

 

オォソロシィィィ…ッ!!

と、ピンク色の光をかき消した。

 

そんな…!?

と驚いているキュアシエルを蹴飛ばすメグレス。

 

「大丈夫、シエル!?」

と、蹴飛ばされたキュアシエルのもとに駆け寄るキュアドゥローとキュアトネール。

 

さらに、茉莉花、静流、ライカも駆けつける。

 

「お母さん、どうして…?

私の必殺技が効かない…。」

と、苦しそうな声で茉莉花に訊くキュアシエル。

 

「あれは

メグレスの力を得たオソロシー

よ。

そこに

オソロシー自身の力も加わることで、信じられないほどのパワーアップをしている

んだわ。」

と言う茉莉花。

 

「じゃ、どうすればいいの?」

と訊くキュアシエルに

 

3人の力を、1つに合わせるのよ!!

と言う茉莉花。

 

「わかった…!!

行こう、ドゥロー、トネール!!」

と、立ち上がるキュアシエル。

 

そして、キュアドゥロー、キュアトネールとともに、メグレスに立ち向かう。

 

 

メグレスの前に立ちはだかった

キュアシエル

キュアドゥロー

キュアトネール

は、星剣を鞘に納める。

 

SABER CHARGE

という音が鳴り、再び星剣抜く。

 

空星剣(シエル)!!」

水星剣(ドゥロー)!!」

雷星剣(トネール)!!」

と、各自の星剣の名を叫んで、光輝く星剣を上にかかげる。

 

すると、星剣の刀身から光が伸びる。

 

「「3つの力を1つに!!

プリキュア・トリニティセイバァァァァァッ!!」」

と叫んで、星剣を振り下ろす。

 

すると、星剣の刀身から伸びた光が1つになり、巨大な光の刃となった。

 

オォソロシィィィ…ッ!!

と、光の刃をくらったメグレスは、まばゆい光につつまれたあと、ピンク、水色、金色の粒子となって消滅した。

 

 

その直前…

 

メグルが、失神から目覚めた。

 

そして…

 

メグレスが消滅する光景を見た…。

 

いやぁぁぁ…ッ!!

おばあちゃぁぁぁんッ!!

と、絶叫するメグル。

 

「チッ…ここまでか…ッ!!

退くぞ、アリオトッ!!」

と、撤退を命じるベネトナーシュ。

 

「わかった!!」

と、泣き崩れるメグルを抱えて空に飛び上がるアリオト。

 

「いつまで寝てやがる、アルコルッ!!」

と、いまだ失神しているアルコルを蹴り起こすベネトナーシュ。

 

「退くぞッ!!」

と、空に飛び上がるベネトナーシュ。

 

「ひえっ!?

お…お待ちを〜ッ★」

と、アルコルも慌てて空に飛び上がった…。

 

 

メグレスの消滅により、ホヘィ達も消滅していき…

 

ホヘィにされた人達も、元に戻っていった。

 

空も、すでに夕焼け空になっていた…。

 

 

変身を解いた桃花達は、茉莉花達のもとに駆け寄る。

 

「お母さん!!」

と、茉莉花に飛びつく桃花。

 

「よくやったわ、桃花!!」

と、桃花を抱きしめる茉莉花。

 

「でも…

メグレスの魔剣が…。」

と言う静流。

 

「たぶん、回収されたね。

いつの日か、メグレスの魔剣を受け継いだ者が、新たなメグレスとして出てくるわね…。」

と言うライカ。

 

「大丈夫だって☆

出てきたって、またやっつけちゃうから☆」

と言う南海に

 

「調子に乗らないッ!!」

と、南海の頭にチョップを叩き込む静流。

 

それを見て、みんな笑うのだった―。

 

 

夕闇が迫るなか…

 

ベネトナーシュのアジトでは…

 

 

メグレスの死に泣き崩れるメグルを、アルコルがなだめていた。

 

「アリオト、乱魔剣(ランマケン)は?」

と訊くベネトナーシュに

 

「いや…ボクは…」

回収していないと答えるアリオト。

 

「あの抜け目のないババァのことだ。

剣ごと消滅したとは思えん。」

と言うベネトナーシュ。

 

その時…

 

泣き崩れているメグルの前に…

 

空から乱魔剣(ランマケン)が落ちてきて、地面に刺さった。

 

「これは?」

と、立ち上がったメグルは、地面に刺さった乱魔剣(ランマケン)を抜こうとするが…

 

「ぬ…抜けない…?」

と、驚くメグル。

 

「それは、ただの剣ではない。

それは、我ら『悪魔殿の七騎士』の証たる乱魔剣(ランマケン)。」

と言うベネトナーシュ。

 

乱魔剣(ランマケン)…。」

と、ベネトナーシュの方を見るメグル。

 

「そうだ。

騎士の資格無き者は、その剣を抜くことはできない。」

と言うベネトナーシュ。

 

メグルは、目を閉じ…

 

乱魔剣(ランマケン)の柄を握る―。

 

 

『メグル…。』

と、誰かの声がした。

 

(おばあちゃん?)

 

『そうじゃ。

ワシじゃ。』

 

声の主は、メグレスだった。

 

『すでにワシの体は滅び、いまや、魂だけの存在…。

この姿のまま、この世界に留まり続けることはできぬ…。

しかし…

この世界から去る前に、やることがある…。』

 

(おばあちゃん…?)

 

『お前に…

騎士として、戦う覚悟はあるか?

騎士としての誇りはあるか?

悪魔王様に忠誠を誓うか?』

 

(うん…!!)

 

『なら

騎士として戦う覚悟と

騎士としての誇りと

悪魔王様への忠誠を

示してみよ…!!』

 

 

乱魔剣(ランマケン)の柄を握る手に、力を込めるメグル。

 

すると…

 

乱魔剣(ランマケン)の宝玉と刀身が、緑色に輝き…

 

地面から抜けた―!!

 

 

『メグル…

たった今から、お前は

悪魔殿の七騎士が1人

乱魔剣(ランマケン)のメグレス14世

じゃ…!!』

 

 

「私は…」

と、メグルは目を開き、乱魔剣(ランマケン)をかかげ

 

「私は

悪魔殿の七騎士が1人

乱魔剣(ランマケン)のメグレス14世!!

と名乗りをあげた―。

 


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