スターセイバープリキュア!-Star Saviour Precure!- 作:星龜
(1)
鶴城山中のベネトナーシュのアジト―。
深夜―。
メグレスが眠っている間…
アルコルはこっそりと、麓の池に向かった。
そして、滅魔剣を池に漬けた。
数秒後…
「をろあ」
と、アリオトが復活した。
「あれ?
おじさん…?」
と言うアリオト。
「アリオト様。
一体、何があったのですか?」
と訊くアルコル。
「え?
ナニって…
その…。」
と言い淀むアリオト。
そして
「それよりも、兄ィに謝りたいんだ。」
と言う。
「それが…。」
と、沈痛な顔をするアルコル。
「兄ィ…
まだ怒っているのか?」
と訊くアリオトに
「メグレス様に殺されました…!!」
と言うアルコル。
「はぁっ!?
どういうことだよ!?」
と叫ぶアリオト。
「メグレス様がお産みになられたオソロシーの卵を食べたことに立腹されたメグレス様が、ベネトナーシュ様を弑されたのです…!!」
と言うアルコル。
「何だって!?
ふざけんなよ、あの女!!
兄ィの仇討ちだ!!」
と激昂するアリオト。
「おやめください、アリオト様!!
仲間同士で戦うなど…!!」
と、アリオトを制するアルコル。
「うるせぇ!!
あんなヤツ、仲間でも何でもねぇ!!
裏切り者だ!!」
と、青い光球となって、アジトに向かって飛ぶアリオト。
「あぁっ!!
お待ちください、アリオト様ぁっ!!」
と、アリオトを追うアルコル―。
・
アジトの広場に降り立ち
「メグレス!!
どこだ!?
出てこい!!」
とアリオト。
「うるさいわね…。
誰よ…
…って…
アリオト…!?」
と、茂みの中から出てきたメグレスは、アリオトの姿を見て驚く。
「メグレスゥー!!」
と、滅魔剣を右手に持ち、メグレスに斬りかかるアリオト。
メグレスも、右手に乱魔剣を持って、アリオトの斬撃を受け止め、鍔迫り合う。
「あなた…
どうして…!?」
と訊くメグレスを
「うるさいっ!!」
と蹴飛ばすアリオト。
倒れたメグレスに、アリオトが斬りかかろうとした―
その時―!!
アリオトとメグレスの間に、上空から紫色の光球が落ちてきた―!!
「な…何だ…!?」
と、踏みとどまるアリオト。
光球の光が消えると、そこには
身長が2メートルをこえる大男
がいた。
「ア…
アンタはフェクダ…
フェクダ13世!?」
と驚くアリオト。
「いかにも☆
ワレこそは、悪魔殿の七騎士の一人
と名乗るフェクダ。
そこに、アルコルも来た。
「ゑっ?
フェクダ様?
なぜ、ここに?」
と訊くアルコル。
「なぜと訊かれても困るな★
聖星界で
次元移転球が誤作動
してしまったのだ★」
と言うフェクダ。
「聖星界で
じゃ
ってこと?」
と、立ち上がるメグレス。
「その可能性は否定できん★」
と、なぜか、ふんぞり返るフェクダ…。
「ところで、お前は誰だ?」
と訊くフェクダ。
「そうね…。
初対面だったわね…。
私はメグレス…
乱魔剣のメグレス14世。」
と名乗るメグレス。
「何?
14世?
13世はどうした?」
と訊くフェクダ。
「殺されたわ…。
と言うメグレス。
「ヌゥウゥ…★
どこまでも憎いヤツ…★」
と激昂するフェクダ。
「し…しかも、フェクダ様のおっしゃったことが本当だとすると、それはマズいですよ?」
と言うアルコル。
「何がマズいのだ?」
と訊くフェクダに
「この世界に、
もし、フェクダ様と戦っていた
と言うアルコル。
「ヌゥウゥ…★
たしかに、それはマズい…★
と焦るフェクダ。
「こうなったら、明日の朝、ワレが出撃し、この世界にいる
しかし…」
と、横になるフェクダ。
「どうしたんだよ、フェクダのアニキ?」
と訊くアリオトに
「眠い…★
ワレは寝る…★」
と言って…
イビキをかきながら、本当に、そのまま眠ってしまったフェクダ…。
フェクダのイビキが響く夜空の下―
「ごめん…。
その…
本当に、ふざけていただけなんだ…。」
と謝るアリオト。
「それで謝ってるつもり?」
と、横目でアリオトを見るメグレス。
「でも…
かわいいって言ってくれたのは、素直にうれしかったかな…★
自覚はあるけどね…★」
と、髪を掻き上げるメグレス。
「いいわ。
忘れてあげる。
でも、これだけは約束して。
私が産んだ卵は食べないで。」
と言うメグレスに
「わかったよ…☆」
と答えるアリオト。
「なら、一緒に来て…。」
と、アリオトを茂みに誘うメグレス。
「何を…?」
と訊くアリオトに
「卵を産むのを手伝って…。
一緒だったら、食べようなんて気が起こらないでしょ?」
と言うメグレス。
「たしかに…♡」
と、アリオトはメグレスと一緒に茂みの中に入っていった…。
(よかった…☆
あの2人が仲直りしてくれて…☆)
と、喜ぶアルコル。
(では、私も寝ますか…☆)
と、眠りにつくアルコル。
「何なのよ、あの2人…ッ★」
と、茂みから顔を出して、フェクダとアルコルを睨みつけるメグレス。
「…ったく…★
デリカシー無さすぎだぜ…★」
と、茂みから顔を出して、あきれるアリオト。
じつは
フェクダとアルコルのイビキがうるさく
て、とても産卵どころではなかったのだ…。
「もうちょっと奥に行こうか…★」
「そうね…。」
と、アリオトとメグレスは、フェクダとアルコルのイビキが聞こえないような、森の奥へと向かった…。
◇
翌日―。
「あぁあ…
よく寝た☆」
と、目覚めるフェクダ。
そして
「起きろォー☆
アルコルゥー☆
朝飯だァー☆」
と、アルコルを蹴り起こすフェクダ。
「ぎゃんッ★」
と目覚めるアルコル…。
「フェ…フェクダ様、おはようございます…★」
と、フェクダに蹴られた場所をさすりながら立ち上がるアルコル。
「アルコル☆
朝飯だ☆」
と言うフェクダ。
「あ…はい…★
ただいま…。」
と、洞窟に向かおうとするアルコルの首根っこをつかむフェクダ。
「バカモンッ★
朝飯といえば、お前が持ってる
オソロシーの卵
だァ☆」
と言うフェクダ。
「な…何をおっしゃいますか!?
これは食べ物ではありませんよ!?」
と抗議するアルコル。
「出せェ★」
と、アルコルに争魔剣を突きつけるフェクダ。
「ひィッ!?
お許しを…
フェクダ様ァッ!!」
と、許しを請うアルコル。
「ならば出せェ★」
と怒鳴るフェクダ。
アルコルは泣く泣く、懐からオソロシーの卵を出し、フェクダに渡した。
アルコルを解放したフェクダは、アルコルから渡されたオソロシーの卵を丸呑みした。
「オォー☆
元気100倍だァ☆」
と、ガッツポーズをするフェクダ。
「よし☆
アルコル☆
出陣じゃァ☆」
と、紫色の光球となって空に飛び上がるフェクダ。
「ハッ!!」
と、フェクダに続くアルコル―。
「ようやく静かになったわね…。」
と、広場に出てくるメグレスとアリオト。
「どうする?」
と、メグレスの肩を抱くアリオト。
「やりたくないけど…
アイツに食わせる分も産まなきゃならないみたいね…。」
と、うつむくメグレス。
「手伝おうか?」
と言うアリオト。
「そうね…。
その方が、負担が軽いから…。」
と、メグレスはアリオトにキスをした―。