スターセイバープリキュア!-Star Saviour Precure!-   作:星龜

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空星剣はどこにあるの?
その1



 

土曜日―。

 

静流、ライカ、南海、れもん の4人は、静流の車に乗って、桃花の家に向かっていた。

 

その道中、静流とライカは、南海と れもん に、桃花の母・茉莉花が、かつての星剣士(プリキュア)・キュアシエルであったこと…

 

しかし現在、星剣を継がせず、あろうことか廃棄してしまったことを説明した。

 

南海も れもん も、茉莉花が星剣士(プリキュア)であったということよりも、星剣を捨てたということに驚いた。

 

「ていうか、星剣なんて、どうやって捨てたの?

資源ゴミにでも出したの?」

と言う、助手席に座る南海。

 

「無理よ。

星剣は、溶岩の熱でも溶けないわ。」

と言う、車を運転する静流。

 

「じゃ、どこに捨てたんだろう?」

と、後部座席に座る れもん が言う。

 

「それを、今から、マリカに訊きに行くのよ。」

と、れもん の右隣に座るライカが言う。

 

 

まもなく、桃花の家に到着し、車から降りる静流達。

 

静流が、インターホンを鳴らす。

 

『はい…。』

と、インターホンのスピーカーから、茉莉花の声がした。

 

「私よ、静流よ。」

と静流が言うなり

 

『帰ってっ!!』

と言う茉莉花。

 

「何言ってるのよッ!!

今日、行くって言ったでしょッ!!」

と怒る静流。

 

『星剣は捨てたって言ったでしょっ!!』

 

「だから、どこに捨てたのか、それを訊きに来たのよッ!!」

 

『知らないわっ!!

捨てたのは、もう、10年も前の話よっ!!

たとえ、覚えていたとしても、教えないわっ!!』

 

「つまり…

捨てた場所を覚えてる

ってことね…。」

 

『っ…!?』

 

静流の指摘に、絶句する茉莉花…。

 

すると、ドアが開いて、青ざめた表情の茉莉花が出てきた。

 

「何をするつもり…?」

 

「マリカも星剣士(プリキュア)だったんだから、わかるでしょ?

星剣と星剣は引かれ合うって―」

という静流の言葉を聞いた茉莉花は

いやぁぁぁ…っ!!

と悲鳴をあげて、静流にすがりついた。

 

お願い、やめてっ!!

星剣を探さないでっ!!

何でも言うこと聞くからっ!!

何でもするからっ!!

だからお願いっ!!

星剣を探さないでぇっ!!

と、静流にすがりついて泣き崩れる茉莉花の姿に、静流、ライカはもちろん、南海と れもん も凍りついた…。

 

茉莉花の叫び声を聞いたのか、家の中から、桃花と凛花も出てきた。

 

「すみません…

近所迷惑なんで…。」

と、凛花が、全員、家の中に入るように促した…。

 

 

家に入るなり、茉莉花は再び静流にすがりついた。

 

「ねぇ、お願いっ!!

考え直してっ!!

星剣を探さないでっ!!」

 

「どうしたのよ、マリカ…。

何で、そんなふうになっちゃったの?」

と、茉莉花のあまりの変貌ぶりに困惑する静流…。

 

「お願いだから、泣くなら、こっちで泣いて…。」

と、リビングに行くよう促す凛花…。

 

 

リビングで、静流とライカが、桃花と凛花に

 

聖星界のこと…

 

星剣士(プリキュア)のこと…

 

悪魔伝の七騎士に、聖星界が滅ぼされたこと…

 

…を話した。

 

 

ウソつき★

と、南海に言う桃花。

 

な…何よ、いきなり…!?

と、突然、桃花にウソつき呼ばわりされてキレる南海。

 

「この前のあの怪物…

映画の撮影だったって、言ったじゃない★」

と、ジト目で南海をニラむ桃花…。

 

「だから言ったでしょ、南海…。

もっとマシなウソをつけと…。」

と言う れもん…。

 

ゑッ!?

私が悪いの…ッ!?

と、なぜか、悪人にされてしまった南海…。

 

 

一方、茉莉花は、まだ静流に、星剣を探さないでほしいと泣きついていた。

 

「私はね…

ここで手にした幸せを手放したくないの…!!

凛花にも、桃花にも、あんな辛い思いはさせたくないのっ!!

でも、星剣があったら、この幸せがなくなってしまう…!!

だから、私は星剣を捨てたのよっ!!

だからお願いっ!!

星剣を探さないでっ!!

私の幸せを奪わないでっ!!

 

「まさか…

そんな理由で、星剣を捨てたの…!?」

と、あきれるライカ。

 

泣き崩れる茉莉花を見た桃花が

「あの…おばさん…。

お母さんって、どんな人だったんですか?」

と、静流に訊く。

 

「マリカは、本当に強い剣士だったわ。

いつも前向きで…

諦めることを知らない…

私達の、頼れるリーダーだったわ。」

と、回想する静流。

 

「だから、私もライカも驚いてるのよ…。

マリカが、こんなふうに変わってしまって…。」

と、泣き崩れる茉莉花を見る静流…。

 

 

「だいたいの事情はわかったわ。

私は、その、星剣士(プリキュア)とやらになるわ。」

と言う凛花。

 

「凛花!?」

と、驚く茉莉花。

 

「中坊にできて私にできないなんて、格好がつかないでしょ★」

 

「凛花!!

これは、遊びじゃないのよ!?」

 

「わかってるわよ、そんなことっ!!

てゆ〜か、何なの!?

さっきから1人、オロオロして…

みっともないっ!!」

と、茉莉花を一喝する凛花。

 

「私だって、この前の騒ぎは知ってる。

携帯(スマートフォン)のニュースでも見たし…。

だから、静流さんの話がウソとは思えない。」

と言う凛花に

「ありがとう。」

と礼を言う静流。

 

「礼なんて言われる筋合は無いわ。

悪いけど、お母さんの、私を戦いに巻き込みたくないという気持ちも、まったく理解できないわけでもないんだから…。」

と、静流を睨む凛花。

 

続いて、茉莉花に向き合い

「お母さんの言ってることは、けっして間違っちゃいない。

でもね…

お母さんの言う『幸せ』をなくそうとしている者がいるのなら…

私は、その『幸せ』を守りたい…。

だから、お願い。

星剣を捨てた場所を教えて。」

と言った。

 

しかし…

 

茉莉花は、首を横に振った…。

 

そんな茉莉花を見た凛花は、あきれた顔をして立ち上がった。

 

「自力で探すしかないみたいです…。

行きましょう…。」

と言う凛花。

 

「えぇ。」

と、静流達は、桃花の家から出ていくことにした…。

 

「桃花…。

お母さんをおねがい…。」

 

「うん…。」

 

桃花に茉莉花のことをまかせ、凛花は静流達について行った…。

 

 

残った桃花と茉莉花…。

 

「桃花…。」

と、桃花に泣きつく茉莉花…。

 

桃花はただ…

 

泣きつく茉莉花の頭を、優しく撫でることしかできなかった…。

 

 

「探すったって、どうやって探すの?」

と、静流に訊く南海。

 

「さっき言ったように、星剣と星剣は引かれ合うの。

2人とも、星剣を出して。」

と言う静流。

 

「わかった。」

と、地面に映る影から、星剣を取り出す南海と れもん。

 

「あれが星剣…。」

と、星剣を見て驚く凛花。

 

星剣をかまえ、目を閉じ、精神を集中させる、南海と れもん…。

 

2人の星剣の刀身が、ほのかに輝き出した。

 

「こっち…?」

と、南海が向きを変えた。

 

南海が向いた方向には、山があった。

 

「南海の星剣に反応があった…

…ということは

水に関係がある

のかも…?」

と言う静流。

 

「山…

水…

そういや、あっちの山の中に

があったな…。」

と言う凛花。

 

「なら、行くわよ。」

と、静流、ライカ、凛花、南海、れもん が、静流の車に乗り、茉莉花が星剣を捨てたと思われる池のある山に向かった。

 

しかし、その山は…!?

 

 

一方、鶴城市郊外の山中の洞穴では―。

 

 

「アルコル。

ちょっと、気になっているんだが…。」

と、ベネトナーシュが洞穴の奥で寝転んだまま、アルコルに話しかける。

 

「何ですかな、17世様?」

 

「この世界に逃げ込んだ星剣士(プリキュア)は、3人なんだよな?」

 

「さようでございますが…。」

 

「しかし、この前、現れたのは1人だけだった…。

どういうことだ?」

 

「たしかに…。

しかし、いないならいないで、それでいいじゃないですか☆

敵が少ないほうが楽ですし☆」

 

「そりゃそうだ☆

だったら、この前の、あの雷の星剣士(キュアトネール)を始末しに行くぞ☆」

と、ベネトナーシュは立ち上がった。

 

「承知いたしました☆」

と、ベネトナーシュとアルコルが出動しようとしたら…

 

上空から、青い、大きな光弾が降ってきた―!?

 

上空から降ってきた、青い、大きな光玉は、ベネトナーシュとアルコルの前に落着した。

 

星剣士(プリキュア)の攻撃ですか…ッ!?」

と驚くアルコル。

 

「いや、違う…!!」

と言うベネトナーシュ。

 

ベネトナーシュとアルコルの前に落着した、青い、大きな光玉の光が消えると…

 

そこには

青い髪に青白い肌の、黒と青で彩られた鎧を着た少年

がいた。

 

アリオトか…☆」

と言うベネトナーシュ。

 

はいっ☆

悪魔伝の七騎士が1人っ☆

滅魔剣(メツマケン)のアリオト15世ですっ☆

と、やたらと元気よく名乗る、アリオト15世。

 

「これは、これは☆

アリオト15世様☆」

と、アリオトにひざまづくアルコル。

 

「やぁ、アルコルおじさん

それと、べヌゥの(アニ)☆」

と、アルコルとベネトナーシュに挨拶するアリオト。

 

「よく来たな、アリオト。」

と言うベネトナーシュ。

 

「この世界に通じる(ゲート)を通るのに、苦労したよ★

べヌゥの(アニ)ィには、簡単だったろうけど…☆」

と、人間界に来る時の苦労話をするアリオト。

 

「あ、ところで、アルコルおじさん☆

『オソロシーの卵』ある?」

と、アリオトに訊かれたので

 

「ありますよ☆」

と、アルコルは懐から、オソロシーの卵を出す。

 

アルコルからオソロシーの卵を受け取ったアリオトは

いっただっきまぁ〜すっ☆

と、オソロシーの卵を食べてしまった。

 

な…何をなさるんですかぁぁぁッ!?

15世様ァァァッ!!

これは食べ物ではございませんぞォォォッ★

と激怒するアルコル。

 

「ゴメン、ゴメン☆

腹減ってたからさ…☆」

と、アルコルの怒りに意を介さないアリオト。

 

しかし、すぐに真面目な顔をして

「でも、今度こそマジだから☆

この近くに

ボクのオソロシーを育てられるような水場

ない?」

と訊いた。

 

この山の麓に、池がある。」

と言うベネトナーシュ。

 

「ありがとう、(アニ)ィ☆

じゃ、おじさん、行こう☆」

 

「かしこまりました☆」

と、アリオトとアルコルは空を飛んで、ベネトナーシュの言う、山の麓の池に向かった。

 

しかし、そこは…!?

 

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