スターセイバープリキュア!-Star Saviour Precure!- 作:星龜
その1
翌朝―。
鶴城市郊外の山中の、ベネトナーシュのアジトでは…
「おじさぁん☆
オソロシーの卵、ちょうだい☆」
「はいはい、ただいま…。」
と、アルコルは懐からオソロシーの卵を出して、アリオトに渡す。
「しかし、よかったですなぁ☆
15世様のオソロシーを育てる事のできる水場が―」
「いっただっきまぁ〜す☆」
と、アルコルを無視して、オソロシーの卵を食べるアリオト…。
「だぁぁぁ…ッ!!
だから、オソロシーの卵を食べないでくださいィィィッ!!」
と、激怒するアルコル…。
「いやぁ〜☆
ハラへってたから…☆」
「これは、食べるモノじゃないんですよッ!!」
と、本気で怒るアルコル。
「アリオト。
オソロシーの卵も、無限にあるわけじゃねぇんだ…。」
と、ベネトナーシュも、アリオトを諌める。
「わかったよ、
おじさん、ごめん…★」
と、アルコルに頭を下げるアリオト。
「今回は17世様に免じて許しますが、今度やったら、15世様とて、許しませんからね…ッ!!」
と、アリオトに釘を刺すアルコル。
「まったく…
ん…?」
と、何気なく、空を見上げるアルコル…。
上空から…
緑色の光球
が降下してくる。
「
と慌てるアルコル。
「んなわけないだろ…!!」
と、アルコルを叱るベネトナーシュ。
緑の光球は、ベネトナーシュの前に落着する。
光が消えると…
「フェッフェッフェッ…☆」
と、老婆の笑い声がした。
「もしかして…
メグレスばあちゃん!?」
と喜ぶアリオト。
「さよう☆」
と答えたのは、全身を緑色のローブで包み、青白い肌にシワだらけの顔…
右手に、鞘に納めた魔剣を杖代わりに持つ老婆―
「悪魔伝の七騎士が1人☆
と、老婆は名乗った―。
「ばあちゃんも、この世界に来たんだ☆」
と喜ぶアリオト。
「フェッフェッフェッ☆
来るのに、ずいぶん苦労したがの★」
と言うメグレス。
「しかし…
なぜ、メグレス様もこちらに?」
と訊くベネトナーシュに
「聞けば、20年前に、異次元に消し飛ばした
と答えるメグレス。
「いや、そうではなく、聖星界の方はよろしいのですか?」
「あぁ…★
かまわんよ…★
と言うメグレス。
(そう思うんだったら、とっとと跡目を継がせろよ…。)
と思うベネトナーシュ。
「これ、アルコル坊や☆
オソロシーの卵をお出し☆」
「は…はい、ただいま…★」
と言いつつも
(私を坊や呼ばわり…?
クソババアが…ッ★)
と、アルコルは、懐からオソロシーの卵を出し、メグレスに渡す。
オソロシーの卵を受け取ったメグレスは…
「うまいッ☆」
オソロシーの卵を食べて、至極の笑みを浮かべる…。
「・・・・・・。」
言葉を失うアルコル…。
ついさっき、オソロシーの卵を食べたアリオトを叱ったばかりなのに…。
「ところで、アルコル坊や☆
ホヘィの種はあるかい?」
と、アルコルに訊くメグレス。
「はぁ…いくらでもありますが…★」
(次、坊やって言ったら、ブン殴ってやる…ッ★)
と、スボンのポケットから
ホヘィの種
を取り出す。
「それじゃ、ちょいと、この世界を楽しませてもらうかの☆」
「ばあちゃん☆
僕も一緒に行くよ☆」
「優しいねぇ、アリオト☆」
坊やは、どうするんだい?」
「私は、ここで17世様をお守りいたします☆」
(感謝しろよ、ババア★
私は、老婆とはいえ、女性は殴らない主義なんですよ★)
「じゃ、行くよ、アリオト☆」
「うん☆」
と、メグレスとアリオトは出撃した。
「ところで…
どうして、お前は行かなかったんだ?」
と、アルコルに訊くベネトナーシュ。
「15世様がご同行されましたので…。」
(あんなババアの面倒なんて、見てられますかってぇの★)
と答えるアルコル。
「そうか…。
てっきり
あんなババアの面倒なんて、見ていられないから
だと思ったんだがな…。」
「・・・・・・★」
ベネトナーシュとアルコルの間に、ビミョウな空気が流れた…。
◇
学校に行くため、一緒に家を出る桃花と凛花―。
「昨日は、ごめんね…。
私に、もっと勇気があったら…。」
と、謝る凛花。
「そんなことないよ…。
誰だって、こわいよ…。」
「私が…桃花の後に生まれるべきだったね…。」
そう言って、凛花はバイクに乗り、走り去っていった。
(違うよ…。
凛花を見送って、桃花はバス停に向かって歩き出した―。
バス停に着くと、れもん と南海がいた。
「おはよう、桃花。」
「おはよう、ももちゃん。」
と、挨拶する れもん と南海。
「それよりも…
ももちゃんが星剣に選ばれなかった理由が、次女は成功率低いって…★」
と愚痴る南海。
「でも…
昨日の凛花さんのあの様子じゃ…。」
と言う れもん。
「なんか…
長女じゃないと
けっこう、いい加減なシステムね…★」
と、呆れたように言う南海。
「聖星界と人間界とじゃ、モノの価値観が違うのかもね…。」
と言う桃花。
そうこう話しているうちに、バスが来たので、桃花達はバスに乗る―。
◆
鶴城市・駅前の大通り上空―。
「さて、ここいらでいいかの☆」
と、メグレスはホヘィの種に、魔力を込める…。
そして…
「ほれっ☆」
と、種をバラまく…。
地面に落ちた種から…
「ホヘェ〜イッ!!」
と、人骨の怪物…
スケルトンホヘィ
…が誕生した…!!
「な…何だぁ!?」
「怪物だぁ!!
逃げろぉっ!!」
突如、現れたのスケルトンホヘィの集団に、駅前大通りは大パニックになった。
ちょうど、出勤ラッシュの時間でもあったため、混乱に拍車がかかった。
「ホヘェ〜ィ!!」
と、スケルトンホヘィが骨を投げる。
人間に、スケルトンホヘィが投げた骨が当たったら…
「ぐわぁぁぁ…。」
骨が、体内に侵入していき…
肉体が溶けて、骨だけになり…
新たなスケルトンホヘィとなる…!!
どんどん増殖していくスケルトンホヘィ…。
「ばあちゃん、スゲぇや☆」
と、地獄絵図と化した駅前大通りの惨状を見て、メグレスを称賛するアリオト。
「フェッフェッフェッ☆」
と、笑うメグレス。
◇
桃花達の乗ったバスが、駅前大通りにやって来た。
交差点で信号待ちをしていると…
「な…何だ、あれは…!?」
と、乗客の一人が叫んだ。
桃花も、バスのフロントガラス越しに見える、異様な光景に息をのんだ。
「な…何…あれ…!?」
と、青ざめる桃花。
「どう見ても、映画の撮影じゃないわねッ!!」
と言う南海。
迫りくるスケルトンホヘィの集団に、バスの中は大パニックに陥った。
「逃げろぉーっ!!」
バスの昇降口のドアを開け、乗客達は逃げ出すが、スケルトンホヘィに襲われ、新たなスケルトンホヘィにされていく…。
それを見て、恐怖で体が震える桃花。
「ももちゃんは、ここを動かないでッ!!」
「うん…。」
「行こう、れもんッ!!」
「あぁ!!」
と、南海と れもんは、影から星剣を取り出す。
そして南海が、バスの中に入ってこようとしていたスケルトンホヘィを蹴り飛ばし、れもん と一緒に、外に出る。
「やぁぁぁ…ッ!!」
「はぁっ!!」
同じく、
「何ぢゃ、あの2人は?」
と、上空で、スケルトンホヘィを次々と薙ぎ倒していく南海と れもん を見て、驚くメグレス。
「ばあちゃん!!
あの2人、
「何ぢゃと!?
あの2人が…!?」
降下していくメグレスとアリオト。
そして、スケルトンホヘィを薙ぎ倒していく南海と れもん の前に浮遊停止する、メグレスとアリオト。
「お前はアリオト!!」
と叫ぶ れもん。
「で、あなたは誰…ッ!?」
と訊く南海。
「ワシか?
ワシは悪魔伝の七騎士が1人…
と名乗るメグレス。
「ばあちゃんは強いんだぜ☆」
と、メグレスを称えるアリオト。
「お前達…
と訊くメグレス。
「えぇッ!!」
と答える南海。
「ならば…
死ねぇぇぇ…ッ☆」
と、メグレスが
「いくよ、れもんッ!!」
「えぇ!!」
「「プリキュア!! セイバー・オン!!」」
水色と黄色の閃光がきらめき、スケルトンホヘィの集団が吹き飛ぶ!!
水色と黄色の閃光が消えると―
そこには、キュアドゥローとキュアトネールの姿が―!!
水崎 南海と稲妻 れもん がキュアドゥローとキュアトネールに変身する時間は、わずか7/100ミリ秒にすぎない。
では、もう一度、見てみよう―!!
「プリキュア!! セイバー・オンッ!!」
という、掛け声とともに
が
が放たれ、2人の体は光につつまれる。
すると
南海の着衣は、水色の光
に
れもん の着衣は、黄色の光
に分解される。
光に分解された南海と れもん の着衣は
に再構成され、2人の体に装着されていく。
理由は不明だが、
同時に、南海と れもん の体をつつんでいた光が消えることで…
わずか、7/100ミリ秒で
水崎 南海はキュアドゥロー
へ
稲妻 れもん はキュアトネール
への変身を完了するのだ!!
名乗りをあげる2人―。
「水の
水星剣・キュアドゥロー!!」
「雷の
雷星剣・キュアトネール!!」