「全く、酷いよ。」
と、拓海は言った。
「でも、色々聞かれたのよね。」
「ああ、完全に俺は殺人犯扱いだ。」
「本当にどこへ行っちゃったんだろうね。」
「うん。」
拓海の同級生の美弥果と富山の友人の真弓にも、話をした。
「春奈が手紙を残して旅に出るなんて。」
「どこへ旅へ行くって聞かなかった。」
「そうだな、彼女は何か悩みを抱えるとよくひとり旅するからな。」
「それで、どこへ行くとか言ってなかった。」
「そうね、翌寝台特急に乗って行くとか言ってたけど。」
「なるほど。」
その話を聞いた真弓は。
「若しかしたら、誰かと知り合って車に乗って行っちゃったのかな?。」
「その車に乗って。」
「それで、輪島の温泉と朝市の方は。」
「ああ、旅館に電話したんだけど、昨日チェックアウトされたって。」
「朝市へ行った後に、列車に乗って金沢から富山へ行ったって事は。」
「そうね、富山駅に来たら私が迎えに行くはずよ。」
「うん、それもそうね。」
「あのー、もしかして機能公安室に来た方ですか?。」
高山は、拓海と美弥果達に声を掛けた。
「ええ、そうですけど。」
「あのー、あなたは。」
「僕は東京中央鉄道公安室の高山直人です。」
と、高山は手帳を見せる。
「えっ、鉄道公安隊。」
「そうです、僕は私服で捜査をしています。」
「じゃあ、あなたはこの事件の捜査をしている公安隊員なの。」
「はい。」
「その春奈と言う女性の事で探しているんですよね。」
「ええ、能登を観光した後に行方が分からなくなってしまって。」
「なるほど。」
「実はね、その春奈と言う女性は車に乗った男の人に声を掛けられて、その車に乗せて走り去っていった。」
「誰と待ち合わせていたのかしら。」
「私にもわからない。」
「春奈の事だから、男性かしら。」
「それで、寝台特急「北陸」に乗っていたのは。」
「ああ、それ俺だよ。」
「えっ、あなたが寝台特急「北陸」に乗っていたんですね。」
「はい、石川県警の刑事にも話したように、俺は殺してなんかいないよ。」
「じゃあ、犯人に殴られて気絶させナイフを握りしめた。」
「はい、間違いない。」
「間違いないね。」
「ええ。」
「これが、春奈の旅行の日程表です。」
高山がその日程表を見て見ると。
1日目 PM 22時44分上野発 寝台特急「北陸」に乗車 金沢市内観光 金沢で1泊
2日目 AM 7時30分 金沢出発 金沢駅で七尾線急行「能登路1号」に乗車 輪島で1泊
白米千枚田と間垣の里と見附島を観光
3日目 輪島朝市見物 輪島-金沢-富山まで列車に乗り、富山で1泊
4日目 富山から長岡まで特急「北越7号」に乗り、新幹線で帰京
「ほう、なるほど、行きは能登へ行って富山へ行ったんだな。」
「ええ。」
「なるほど、それで富山から特急に乗って帰京する事になっていたのか。」
春奈はどこへ行ったのか?