奏撫視点
…あのね、
どうしよう 何も、考えられないの
「…暁美ちゃん……、…捜査するから、ごめんね。ちょっぴりだけ、そばにいさせて」
「よりによって……はは、本当に身を滅ぼしたとか」
「今は一人にさせた方がいいんじゃないかな…向こうの方を見てみよう、小鳥遊」
「ぁ…ぅ、ん。…ぅん、星霰くん」
「僕は階段調べようかな〜…おわ、血がべったりだ」
「ん〜、歌方さんは階段から落ちたとか…誰かに落とされたとか、そういう死因なのかもしれないね」
みんなが捜査をしてる。
この後の裁判を進めるために、
そう、そうだよね私もずっとそうしてきてて…
「暁美さん、大丈夫ですか?」
『…莎莎匁くん、…ね、私…どうしたらいいのかな…どうすれば、いいと思う?』
聞いて、すぐにしまったって思っちゃった。
すごく困った顔をしていたから
「…、…歌方さんの思いを引き継ぐ意思があるのであれば、歩くしかないです。泣いて立ち止まっていてもどうにもならない、少なくともこの世界では…」
「前へ、前へと、…歌方さんはそうして、生きていくことを決めていましたよ。そして私は彼の繋いだ未来を見たいと言いました、…暁美さん、貴女はこの先をどうしたいですか?」
真っ直ぐ射抜かれて、私はふと考える。
足元に目をやると、自信なさげに閉じられた侘しい自分のつま先が目に入って……
私は、どうしたい?
私は…………
『…君の見た景色、聴いた音…全てを知ることは辛いけれど、全てを知らないまま逃げる方がもっと辛いよね。…君にとっても、私にとっても』
私は!
『私は、私の音色で未来を奏でたいから…だから、』
『____まだ、戦うよ』
そう言いきって莎莎匁くんを真っ直ぐ見つめ返す。
彼もまた、迷わず私を見てくれた。
弱いかもしれないし、情けないかもしれないし、頼りないかもしれない…でもそれを理由にして、真実から目を背けたくない。
「…暁美さんは、大丈夫そうだね。君は…大丈夫?泣きそうな顔してるけど」
「…うん…大丈夫だよ、わたしは。ただ、歌方くんは死なないって思ってたから…かも」
僅かな情報でも見逃さないよう、今まで以上に神経をすり減らして捜査に励んだ。
階段、遺体…だけじゃ、手がかりが少ないから手当り次第に部屋を調べてみたり。
もう少し捜査の心得を学んでおけばよかった…そんなことも思える程度には、私の心には再び火が宿っていて…
そして、
__待ち疲れちゃったよお、そろそろ始めちゃってもいい?
__オマエラお待ちかねの【学級裁判】を!
__【裁判場】に集合してください!
「ッチ、何度聞いてもムカつく」
「モノクロックさんが呼んでますし、行きましょうか。…少しだけ待っててくださいね、歌方さん」
「やっぱり随分人が減ったよね…一体、統率者さんはどこまでやり続けるつもりなんだろう?」
「本当にねぇ…本当、出来るなら皆が元気だった頃に戻りたいよ」