エーアイ   作:政人

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女の子

 

 

博士の言葉を聞いて、彼は思った。

 

 

 

 

 

  

 

 『・・・あっち行ってよ!』

 

 

 

 

 

  彼女の茶色い髪の毛が、何かに似ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  あの子、僕に嘘をついたのは、

 

 

 

  どんな理由だったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ・・この感情は何?

 

 

 

 

 

  いや、どうでもいい。

 

 

 

  知りたい、かもしれない。 ものすごく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・目つきが変わったね」

 

 

 

 

 

 

 

 彼の様子を察した博士が言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は君が興味を持ったそれに全く興味がないのだけど、

 

 

 

 

 

 君が人に近づこうとやっとやる気を出してくれて嬉しいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、そのつもりはないのかもしれないが、

 

 

 

 

 

 博士がそう言うと、本当に嬉しそうに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「性別は男。そして性格は内向的。

 

 

 

 

 

 

 

 子供なんて分からないけど、あと君は、見た目と精神年齢ともに約9歳ぐらいになるのかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 私の若いころとは全然違うタイプを造ったものだと、ふと最後、思ってしまった気持ちを隠すように、

 

 

 

 

 

 博士は彼に背を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

  僕は、人でないことはわかっている。

 

 

 

 

 

  また、人であるこの人から造られたことも、わかっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  でも、どうして造られたのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   どうしてなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   僕を一通り説明した後の、博士の背中を見て思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   これも、知りたいこと、なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あの、博士・・、名前を・・」

 

 

 

 

 

 

 

  ふと、恐る恐る彼が博士を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・あ、そういえば」

 

 

 

 

 

 

 

  博士がそれに答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「君の名前をまだつけていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

  どんな名前がいいかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君が選んでくれと、博士は彼にあるとあらゆる名前が格納されたデータを彼に取り込ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、ちがうの。博士」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が頭を軽く振ると答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕のじゃなくて、博士の、名前を教えてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  私は、女の子。・・・だった。

 

 

 

 

 

 

 

  名前は忘れたの。

 

 

 

 

 

 

 

  でも一個、覚えていることがある。

 

 

 

 

 

  趣味は、ブランコ。

 

 

 

 

 

  あと、サプライズで人を驚かせること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  あら、一個じゃなくて二個になるわね。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「・・・それにしても、どこからどうみても若いわよね、あの昼間の自称博士。

 

 

 

 

 

   この私のせいで安くなったとはいえ、

 

 

 

   

 

   この私の高価な土地と建物を、あの若さでどうやって手に入れたのかしら、と

 

 

 

 

 

 

 

   夜風にたなびくあの博士の敷地内の木々を見て、ふと、彼女がつぶやいた。

 

 

 

  

 

 

 

 

 

   ふとその時、星が輝く夜空が珍しく彼女の視界に入った。

 

 

 

 

 

 

 

   ああ、星ってこんなに綺麗だったのね、いつも下ばかり向いていたから、

 

 

 

   とふと忘れていた感情が少し込みあげた。

 

 

 

   

 

   

 

   と、同時に、あの掛けられた昼間の言葉がふとよぎった。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 『・・・変わり者が変わり者を見たら、その人は普通になるはずだよ、お嬢さん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「・・・このわたしが変わり者ですって!?」

 

 

 

 

 

 

 

   小さな彼女が思わず叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「そんな訳ないわ!今に見てなさい!あの余裕ぶった青二才の透かし博士!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   この星空に誓って、ゆーれいの本領発揮よ!」

 

   

 

 

 

   

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

  続

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