エーアイ   作:政人

8 / 8
末路

 

 

 

「・・いいや。

 

 

 お前はどこにも逃げられない。・・あの時は何をしても無駄だったの」

 

 

 

 

 

「・・!?」

 

 

 

 

突然声のした方を彼女がみると、決して忘れることのない、

 

そこに、目の前に見覚えのある者たちが、いた。

 

 

 

 

 

その者たちは彼女に言葉を続けた。

 

 

 

 

「しかし、・・・あの時は酷いことをしたのかもしれないね。

 

 

 

・・・今は何もしないから、私たちのもとにおいで」

 

 

 

 

 

もう一人も彼女に言った。

 

 

「・・そう、私の母さんの言う通り、早くこっちに来なよ。

 

 

 

 でも、あの時はごめんね。

 

 

 

・・・あの時から、私、夜は毎日良心の呵責で、

 

 

悪夢でうなされるようになったわ。

 

 

 

 

 でもよく考えたら、あの時のあんたの父さんがそれを決めたんだから、

 

 

 私たちじゃなくて、あんたの父さんがすべて悪いでしょ。

 

 

 

 

 とにかく、もう過去のことは何も考えないで、お互い水に流しましょ。

 

 

 

 そして、・・・早くこっちにおいでよ!」

 

 

 

 

 

「・・!」

 

 

 

そこに亡き継母たちがいた。

 

 

 

 

 

彼女らを纏うオーラもまた、悲しみと、憂いと、憎しみに満ち溢れている。

 

 

 

 

とても禍々しく、とても息苦しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

 

 

 

 

 

その後の、

 

 

彼女たちの生きざま、その末路は、知っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・そんな・・・!』

 

 

 

 

継母の方は、親友といい近づいて来たものに嘘をつかれ、裏切られ、

 

 

結局、私のお父さんと結婚して手に入れた、全ての地位と財産を奪われ、

 

 

その者を恨みながら

 

 

自ら死を選んだ。

 

 

 

 

 

 

その実の子供、目に入れても痛くないと唯一大事にしていた、

 

私の継姉を道連れに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、彼女らに何も手は下してはいない。

 

 

 

 

 

いや、悲しくて苦しくて、そして、

 

 

凍えそうなほど寂しくて、

 

 

それらを、恨む暇もないほど、辛かっただけ。

 

 

 

そして今も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・いいよ。僕のをあげようか』

 

 

 

 

 

 

『・・私の家族がみえないのか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと

 

 

あのAIとポンコツ博士の言葉とあの時の真剣な眼差しが、

 

 

が何の脈絡もなしに心に浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・あの人たちの言う通り、あの時、

 

 

 

もしかしたら、あそこに家族が本当にいたのかもしれない。

 

 

 

 

 

でもなぜ、私にはみえなかったのだろう。

 

 

 

 

 

 

・・・いや、わたしの『知っている』ことを遥かに超えた何かが

 

 

 

あの時、あそこに、あったのだとしたら・・・!

 

 

 

 

 

 

 

「・・早く、こちらに来ないのか。・・・まったく、この鈍間な子は」

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女が、その、今目の前に存在している親子に静かに言った。

 

 

 

 

 

「・・・いいえ、私、そちらには行かない。

 

 

 

 だって、あなたたちのその言葉、本心じゃないのバレバレだし

(そもそも死んじゃったら嘘、つけるのかしら?)、

 

 

 

第一、私の大好きな美しくワクワクするものじゃないから、

 

アナタたちに興味がないの。

 

 

 

 

 

・・・生きているときに、たまたますれ違ってしまったたちの悪い人たち

 

 

 ということで、速やかにお互い反対方向向いて、さよならよ!」

 

 

 

 

 

続

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。