ウィッチャーが幻想入り   作:そうめんつゆだく

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第十二話

 ゲラルトは紅魔館を訪れた。

 見た目は人里の建物とは違い、西洋風な見た目で深紅一色なのが特徴だ。

 大きさもかなり大きいが、実際に中に入ってみると、外観よりも広く感じる。

 「気のせいかもしれんが、外で見るより全然広く見えるな。なにか、ここの住人の能力か何かか?」

 ゲラルトは紅魔館のメイド長である十六夜 咲夜に話しかける。

 「これは私の能力で広くしておりますわ。パーティーの開催やその準備をするときなどに不便に至らないように、来客の方がいつでも泊まられるようにしたり、どこかの泥棒猫が侵入したときに、すぐ追い払うことができるようにしたり。」

 魔理沙を見つめるが、今まで捕らえられたことがないのか、舌を出して咲夜を挑発する。

 じゃれ合いではない、何かが始まる寸前だったが、ゲラルトがやめろと言わんばかりに質問を続ける。

 「これは、妖精か?」

 すれ違うたびにお辞儀をしてくる妖精メイド達を珍しそうに見ながら言う。

 「あら、ご存じで?ここでは従業員の一員として迎え入れていますわ。」

 敬語はなしでお願いするとゲラルトはいい、咲夜はそれを承諾する。

 ゲラルトはあることに気づく。

 「…質より量の方向性か?」

 「…やっぱり、分かっちゃうかしら。」

 所々仕事ではなくドジを働いている。

 言ったそばからゲラルトの顔に雑巾がひっついた。

 雑巾が飛んでくるとはポルターガイストも雇っているのだろうか。

 妖精メイドが青ざめながら必死に謝る。

 ゲラルトは停止、霊夢と魔理沙が大笑いし、咲夜が笑顔のまま圧を放つ。

 そのうち雑巾が剥がれ、顔が汚れたかと思うと、一瞬のの湿っぽさとともに汚れが取れた。

 妖精メイドは頭を痛そうに押さえ、咲夜の手はかすかに赤くなり、水で濡れている。

 なにかもう一つ、咲夜はとてつもない能力を持っているとゲラルトは理解した。

 

 「こちらが私たちのお嬢様のお部屋よ。」

 咲夜が扉を開け、中に入ると、

 「ご苦労、咲夜。下がっていいわよ。」

 と、声色は子供であるが、口調や落ち着きは十分大人の人の声がした。

 言われたとうりに、咲夜は一礼をし、部屋から出る。

 「私が当館の主、レミリア・スカーレットよ」

 容姿はただただ幼い子供。

 しかし、咲夜の主であること、ただならぬ雰囲気を醸し出していること、そして背中からはえている一対の黒い翼がただ者ではないと語っている。

 「俺は、名乗る必要は無いか?」

 「ええ、そうね。でも、先に名を明かした者に対して、名乗るのが礼儀ってものじゃないかしら。」

 「それもそうだな。」

 と言い、ゲラルトは改めて自己紹介をする。

 「リヴィアのゲラルト、ウィッチャーだ。主に化け物退治を生業としているが、その他色々な依頼も受け付けている。何でも屋みたいなものだ。金さえ払えば権力者だって殺すことも出来るぞ。」

 あからさまに化け物であり、権力者である自分にそんなことを言う彼の言葉を、レミリアは軽い冗談だと受け取っていた。

 だが、

 「ちょっとでも気分を損ねたら首の一つや二つは無事じゃすまないぞ。」

 「今度妙なことしでかしたらそこの彼に依頼するから、覚えときなさいよ。」

 幻想郷の実力者の一声もあって、実力はあると理解した。

 「それで、一体何の用だ?」

 ゲラルトは自分を呼んだ理由を確認する。

 「別に。たいしたことじゃないわ。少しお話をしてみたいと思っただけよ。」

 「私たちも暇じゃないのだけれども。」

 霊夢が無駄な時間を過ごした、と言う顔でレミリアを見つめている。

 「例の幻想入りした妖怪退治の件でしょ?私たち紅魔館の住民も手を貸すから少しの間だけ、いいでしょ?」

 「あのメイド達が役に立つのか?」

 「咲夜は立派な戦力よ。」

 咲夜が戦力のうちの一人という事は想像がつく。

 言いたいことはそこではない。

 「戦力と言っても、咲夜と妖精にしか会っていないのだが。」

 魔理沙が門番も、と横からささやき、ゲラルトが付け足した。

 「門番もしっかりとすれば役に立つし、あともう二人居るわ。合わせてあげる。」

 ゲラルトはまた広い館をうろちょろしないといけないのか、とうんざりするが、仕方の無いことだと霊夢に言いくるめられる。

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