一行は紅魔館なる一風変わった建物に情報収集のためにやってきたが、アリスはそこに居た。
紅魔館に居た理由を聞き出す直前、館内は季節外れの寒さに襲われた。
遅くなりました…
ごめんなさい…
「まだこんなに寒くなる時期じゃなかった気がするけど…」
「また白玉楼の連中の仕業かしら?こんな時にやめてよね…」
早めの寒波だとか、幻想郷の住民の仕業だとか彼女らは話しているが、ゲラルトにとってはそうは思えない。
この一時で急に気温が変化したのだ。
幻想郷の住民はともかく、寒波の影響はあり得ない。
ゲラルトにはもう一つ原因となる者が居ると考えた。
それも比較的記憶が新しい奴らだ。
そう思った矢先、上の方で大きな音がした。
ゲラルトにとって、苦手なものが開かれる音だった。
ゲラルトはすぐさま上の方へ上がり、エントランス方面へと向かった。
予想は的中だった。
だが、なぜ奴らがこの地へ降り立ったのか。
義理の娘の命を狙ってきた「ワイルドハント」、ここにはシリの気配などみじんもないというのに。
ワイルドハントの連中はゲラルトを見つけるなり、とてつもない勢いで向かってきた。
ゲラルトの臨機応変能力の高さはさすがとしか言えないだろう。
剣を抜き、相手の攻撃を弾き飛ばし、頭と体を分離させる。
腹部を一文字に切り、鎧など関係なく二つにしていく。
時には印も唱え、容赦なく焼き殺す。
別の印も使い、仲間同士で斬り合いもさせる。
特殊な爆薬も惜しみなく投げ、奴らの大好きな氷の中に閉じ込めたまま心臓を刺す。
そうして、ワイルドハントの兵を順調に殲滅していった。
だが数が減らない。
どんどん門から流れ込んでくる。
『イャーデン』で塞ぎたかったが、その暇もない。
血と肉と魔法の舞がゲラルトを中心に繰り広げられる。
霊夢らはやっと現場についた。
そこには、見たことのない軍勢と外来者が殺し合いを続けていた。
館の都合上分かりにくいが、血だまりが床に出来ている。
踏めば靴の中にしみこむぐらいに。
自分のねぐらに侵入して、荒らす輩に館の主はまさに怒り心頭。
身の丈に合わない槍を軍勢に投擲する。
さらに床に血がたまり、使用人の咲夜は後のことを考え、頭を抱えながらもワイルドハントに対する適切な歓迎をした。
一つのナイフを投げたかと思いきや、それが一瞬にして何十にも増えワイルドハントの兵らを沈めた。
ワイルドハントの兵が、二人に注目を寄せたことでゲラルトに隙が出来た。
門へと向かい、印の一つ、『イャーデン』を唱える。
門が閉じ、そうしてる合間にもレミリアと咲夜が残党を片付けていた。
「素晴らしいわ。正直に言うとあなたのことを相当なめていたわ。」
レミリアがゲラルトに評価を言い渡す。
「それはありがたい。こっちも足手まといが居なくて良かったと思っている。」
レミリアのことを足手まといと思っていたのだろう。
レミリアは口角をヒクヒクさせている。
「ど、、、どうも」
良くない雰囲気が流れているところ、魔理沙が話を振る。
「そ、そういやアリスは何で紅魔館にいたんだ?」
それもそうだ、とゲラルトはレミリアからアリスに視線を移す。
レミリアはまだゲラルトを見ている。
霊夢と咲夜がヤレヤレと言わんばかりにため息をつく。