ウィッチャーが幻想入り   作:そうめんつゆだく

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ゲラルトとフランドールの遊戯は危険極まりないものであった。
弾幕ごっこなるルールを半ば無視してフランドールはゲラルトに襲いかかった。
だが、銀の剣を手にしたゲラルトに、フランドールは腕を切り落とされ戦意を喪失した。


第十七話

 「そろそろうちの妹を解放してくれるかしら?」

 二人の遊戯が終わり、ゲラルトのけがの治療が済んでしばらくした後、レミリアは言った。

 「ああ。そのかわり、次遊ぶとなったらアンタが相手してくれよ。」

 ゲラルトはフランドールとの戯れにどっと疲れがたまったようだ。

 ゲラルトはイャーデンを解除する。

 「いったぁ~い…」

 フランドールはゲラルトに着られた傷を押さえながらぼそりと放つ。

 小さな声で、しかも相当なしわを眉間に寄せていることから、振りなどではないだろう。

 咲夜が傷の様子を見て察する。

 「これは…完治するのはなかなか時間がかかるでしょうね。」

 「すまんな。こうでもしないとアンタの妹は止まりそうにないからな。」

 「いいのよ。うちのフランが迷惑を掛けたわ。」

 

 「それで、この後はどうするの?」

 霊夢がゲラルトに訪ねる。

 「まだ必要とあらば化け物共の調査を続けるが。」

 ゲラルトはそう言ったが

 「今日はもう休んどけ。今日一日で事が起こりすぎてさすがに疲れただろ。」

 魔理沙が休むように言う。

 「それじゃあ、そうさせてもらおうか。」

 「どこにお世話になる予定かしら?」

 レミリアが問う。

 「人里があるじゃないか。」

 しかし、人里は本来人外を受け付けていない場所なのである。

 人に擬態できる者はまだしも、ゲラルトは変異した目のおかげで化け物の仲間入りというわけだ。

 「さすがにうちは無理よ。二人分のご飯を出せるお金なんてないし。」

 霊夢は貧乏を自慢して断った。

 「私のとこも…何というか、、、」

 「人が入れるほど片づいちゃいないものね。」

 アリスが濁りもなく言う。

 「う…ま、まぁ間違っちゃいない。私は研究で忙しいからな。」

 片すのが面倒なだけだろと、その場に居る全員が容易に想像できた。

 「私も、普段なら別にかまわないのだけれど、やりたいことがあってね。泊めることは出来ないわ。」

 アリスも断る。

 「じゃあ必然的にうちになるわね。」

 「そのようだ。問題は無いか?」

 「特に。こっちも暇が潰れていい事よ。」

 その暇つぶしがさっきのものではなければいいが。

 

 大分日も暮れ、里の者が晩酌を始める頃、

 ゲラルト達は少し遅めの晩飯をとろうとしていた。

 料理の方はほとんど咲夜が一人で仕上げたものらしい。

 まあ、他のメイドがあんな感じだと、そうなるのも必然だろう。

 そう考えながら、ゲラルトは料理に口を付ける。

 「うまい…なんだこれは。」

 リアクションが若干薄いが、当の本人は感動している。

 普段から粗末なサンドイッチやドライフルーツ、よくても冷めたローストチキンの生活を送っていたおかげもあるだろうが、咲夜の料理が大変おいしく感じた。

 「ビーフシチューは初めてかしら?」

 自慢げにレミリアは話す。

 「ああ、初めてだ。温かい飯も何ヶ月ぶりかな。」

 温かく、濃いめの味付けの牛肉がしみる。

 そばにあるバゲットだって、バターの香りが際立つ。

 噛めばバターがしみ出して、たまらない。

 シチューとともに食べると、なんとも言えない至福感。

 バゲットで濃い味が緩和されて食べやすくなり、遠慮のかけらもなく腹が膨れる。

 「咲夜の料理がおいしいのは分かるけど、そうがっつくものかしら?」

 「いや、すまん。普段はろくなものなんて食べてないからな。」

 「良くそれでそんな体を保てるわね。」

 「ウィッチャーになった時、どんなときでも化け物を殺せるようになったのかもな。実際に免疫は各段と上がっているからな。」

 「免疫の問題かしら?」

 レミリアが首をかしげる。

 「まあ、何だっていいわ。」

 と、考えるのを放棄して、レミリアは食事を再開した。

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