いずれの者も客を迎えることが出来ない状態なので、消去法で紅魔館になった、というわけである。
しかしそれが良かった。
ゲラルトは、しばらく味わえなかった温かい食事をとることができ、幸福感に包まれた。
紅魔館のディナーを楽しんだゲラルトは、紅魔館の面子と今回の騒動について話し合っていた。
「話し合うも何も、奴らがただ単に幻想入りしてきた、で良いんじゃないの?」
レミリアが最もらしいことを言うが、
「ワイルドハントの現れ方として、その可能性は低い。奴らがここに来た手段は『門』と呼ばれるこっちの転移陣のようなものだ。」
「つまり、あっち側がこっちに干渉してきたって訳ね。」
「そういうことだ。」
奴らが任意でこちらの世界に入り込んできた、と言うわけだ。
「しかし、理由が見当たらん。」
ワイルドハントらがゲラルトの所に現れた理由は、彼の義理の娘、シリを追ってきたものである。
しかしシリはこの幻想郷に存在しないのである。
「だからここに来る事は何かおかしいってことね。」
パチュリーが納得する。
「兵の一人でも生かしておいて尋問するべきだったかしら。」
そうかもな、とゲラルトが言う。
「だが、そのうちまた軍をよこすかもしれん。奴らは諦めが相当悪いからな。」
フランドールは話に飽きて、眠ってしまった。
翌日
ゲラルトは、今日も森の中を散策していた。
もしかしたら別の場所にもワイルドハントが現れたのではないかと思ったのだ。
すると、まだ森に入って間もない頃、ゲラルトは化け物の痕跡を見つけた。
「ふむ…足跡の形と歩幅からして大型の昆虫種と言ったところか。暴れた跡も見えるな…?もう少し奥を調べてみてみよう。」
目当ての奴らのものではないが、これもこっちの世界のものなので、ゲラルトは足跡をたどった。
足跡は奥に進んで行っているが、その横に人の気配がした。
ゲラルトは気配の元へ向かってみる。
そこには、二十歳に満たない程度の男が座り込んでいた。
うずくまり、体は小刻みに震えている。
「何があった。」
その声に、男が体をビクッと反応させるが、その後に安堵したような表情を見せた。
「話せるか?」
ゲラルトは男に手を差し伸べ、男は手を取り立ち上がり、ゆっくり話し始める。
「ば…化け物だ…!でっかい虫の化け物が…おお俺とダチを急に襲って…そんで、離ればなれになって…!」
話していくうちに顔が青ざめていく。
相当怖かったのだろう。
「化け物が向かった先はあの方角で間違いないな?」
「ああ、そいつはダチを狙っていったよ…なあ、頼む!ダチを助けてくれねえか!?アンタ怪物退治してんだろ!?慧音先生が言ってたよ!」
「まあ受けてやるが、その代わり報酬はしっかりもらうからな。」
「う…わかったよ…」
「そもそもこんな森の中に居ること自体が問題じゃないのか?危険な奴らがいる所に何でも無い奴が入っていいわけじゃないと思うが。」
最なことを言うが、男はそれどころじゃない。
「悪かったって!そんなことより早く行ってくれよ!」
男にせかされ、ゲラルトは足跡をたどっていくのを再開した。
ちょっと遅くなってしまいました…
急ぎで書いたので短いし、何か変なところがあるかもしれません。
ご了承ください。