男は森に迷い込んだらしく、友人も一緒だったが、化け物に襲われてはぐれてしまったようだ。
軽くため息をつきながらも、ゲラルトは依頼という形で友人の捜索を承諾した。
「あっちの道に進んでいったんだな?」
ゲラルトが確認する。
「ああ。しかし、あんな化けもん里の本屋でも見たことなかったぞ!」
「それは、もしかすると俺の世界の化け物かもしれんな。」
「…は?」
男は困惑する。
「何だよ世界って…」
「俺は元々ここの住人ではなくてな。別の場所から連れてこられたって訳だ。」
「そ…そんなの易々信じられるわけ無いだろ…」
「しかしここにはヨウカイなるのもが存在するだろう。それならば、至って不思議ではないはずだ。」
「もうよく分かんねぇよ…」
男は頭を抱え込む。
それも無理はない。
「じゃあ、ここから先は命を落としてもおかしくないところだからな。もうお前は帰れ。」
ゲラルトに言われ、男はそそくさと帰路につく。
「さて、仕事開始だ…」
どんな場所に行っても、自分のやることは変わらない事に、ゲラルトはあきれて笑う。
「さて、まずは怪物の特徴だが…」
ゲラルトが屈み込む。
草や倒れ具合、歩幅からして中型であること、足跡の細さや複数あることから化け物を特定できた。
「おそらくこれは、エンドレガの類いだな。」
エンドレガとは昆虫種に分類する化け物の一種である。
多くの普通の昆虫と同じく、コロニーを作り、役割ごとに階級が決まっている。
「人を襲っているとなると、ウォリアーの可能性が高いな。」
複数の階級が存在する中で、ウォリアーの役職はコロニーの防衛と食料の調達である。
エンドレガは縄張り意識が強く、巣に近づこうものならどんな相手であれ攻撃を浴びせる。
そのため、コロニーが成長すると、その地域一帯の植物相や動物相が崩壊しかねない。
「仕方ない、あの若造の報酬以上の働きをする必要がありそうだな。」
ゲラルトは道を進んでゆく。
「メダルの反応が強い。このあたりに居るな…」
ゲラルトは身をかがめ、音のしないようにしゃがんで歩いた。
草をかき分けていると、案の定エンドレガの巣がそこにあった。
ウォリアーも居る。
どうやら得た食料を巣に運んでいるようだった。
「…まずは準備をしよう。」
エンドレガはいずれの種も強力な毒を持っている。
『草の試練』で超常的な免疫力を持ってしても、その毒の脅威は収まることを知らない。
ゲラルトは『輝きの小鳥』を飲み、剣にオイルを塗る。
ウォリアーが食料を運ぼうと、巣の中へ入った瞬間、ゲラルトは『イグニ』を唱えた。
外にいたワーカー達が炎上する。
すぐさま危険を察知し、ウォリアーが巣から出てきた。
3体居る。
1対1体が十分すぎる戦闘能力を持っているため、これはあまりにも過保護だと言うべきだろう。
そのうえ、ワーカーも何体か残っている。
「醜い化け物め。」
ゲラルトはそう言い、化け物共を挑発する。
その言葉の意味を知ってか知らずか、一斉にゲラルトに襲い掛かる。
だ~いぶ遅くなり申し訳ありませんでした。
この話を機に、活動を再開したいと思います。
ちょっと、間が開きすぎているので、何かおかしなところがあるやもしれません。
ご了承ください。