その化け物は種の中でも残虐性の高い、厄介な相手だった。
肉団子にされるのは勘弁だと思いながら、ゲラルトはその化け物に立ち向かった。
エンドレガ・ワーカー
ウォリアーに比べ、比較的戦闘能力の低いこの種が外敵に挑み勝つ方法。
それは、波のように束なり、数で応戦していくことである。
それは相手が小さなウィッチャーでも例外ではなかった。
仲間がやられようが自身がやられようが、その命がつきるまでは爪と毒を繰り出してくる。
同然、ゲラルトはそれに苦戦する。
『輝きの小鳥』のおかげで、毒に対する免疫力は桁違いになっていた。
しかし、それでも相手は攻撃の手を休めない。
侵入者を排除し、自分らの糧とするべく攻撃を続ける。
しかも、運の悪いことにこの化け物に爆薬はあまり効果が無いのである。
火には弱いものの、破片による攻撃は巨大で頑丈なキチン質の殻のおかげで通さない。
故に、印と銀の剣が主戦力なのだ。
様々な攻撃手段を得意とするウィッチャーにとって、このアドバンテージはかなり厄介だろう。
やがて、毒液による攻撃は目潰しのような攻撃に変わった。
効果が無いと知ったのか、搦め手と転じた。
ゲラルトはかろうじて防いだものの、目元を覆ったことにより結局視界が悪くなり、次の攻撃を食らってしまった。
ウォリアーの槌のような尾による打撃だ。
それはゲラルトの左腕に命中する。
衝撃に耐えきれず、体は大きく後退する。
ウィッチャーは変異を行ったことにより、感覚が研ぎ澄まされているが、痛覚は鈍くなっているのである。
この攻撃も、たいした痛みではないが、強く打たれたことにより、動きが若干鈍くなっている。
「クソ…」
思わずゲラルトが言葉を漏らす。
「助太刀してあげましょうか?」
上空から声がした。
そこにはアリス・マーガトロイドが浮遊していた。
ゆっくり降りてくると、アリスの周りに複数の人形達が姿を現した。
「残念だが、人形劇を見ている暇なんて無いんだ。」
「失礼しちゃうわ。この子達も意外と戦力になるのよ。この虫達みたいにね。」
降り立つと、エンドレガ達がアリスめがけて駆けてきた。
しかし、アリスは慌てることはなく、静かに
「気をつけた方が良いわよ。この子達、私を守ろうと必死みたいだから。」
そう言うと、アリスはスペルカードを唱えた。
「偵付『シーカードールズ』」
人形達が展開し、それぞれがレーザーを放った。
堅い殻も難なく突き破り、人形の数だけエンドレガが沈んだ。
「さあ、形勢逆転よ。ゲラルト、今すぐこいつらを根絶やしにするわよ。」
外見とは裏腹に、少し乱暴な言葉遣いをする。
「綺麗な魔女さんもそんな汚い言葉を使うんだな。」
綺麗な薔薇は、毒の棘を持つものだ。
それはどの世界でも変わらない。
彼の世界の魔女だって、そうだった。
アリスが来てから、エンドレガ達に未来はなかった。
銀と炎と魔法の乱。
化け物にとって、これ以上の悲劇はないだろう。
老いも若いも問わず殺され、繭や子まで潰され、最後には巣ごと爆散。
酷だが、この地に害をなすものは、すべて彼らの殺害対象だった。
東方キャラ達のスペルカードや戦闘方法などは、原作やロストワードやその他のゲームなどを参考にしています。
その方が、動きがあるかな、と。