ウィッチャーが幻想入り   作:そうめんつゆだく

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ゲラルトは、魔理沙の家の中を掃除しているとき、かの太陽の石を発見した。
奴らをおびき出せる魔法を掛けられるのは、アヴァラックただ一人であるが、魔法を多用する者のそばに置いておけば誤作動の危険もあるので、ゲラルトが管理することとなった。


第二十四話

「あった。これだ。」

さらに二十分ほど、ゲラルトが声を上げた。

目の前には、ゲラルトが自分の世界で何百と見、使い続けてきた物と同じ物があった。

「ああ、それか。使おうとしたけど、中になんかまだ入ってて、洗うのが面倒だったから使わなかったやつなんだよ。」

ここでも、魔理沙の性格が露わになる。

「…少し机を借りるぞ。」

他の製作器をどかし、ゲラルトは作業を開始した。

「…私の家の掃除は?」

「これが済んだらな。」

まあ、霊薬やオイルでゲラルトの戦力はより高いものとなるので、優先事項だと思い、魔理沙は文句は言わなかった。

「…よし。これで十分ほど待てば完成するはずだ。」

流石に、何百と扱ってきた物なので、作業が異常に早い。

「霊薬ってさ、私たち人間が飲んでも平気なのか?」

魔理沙がふと疑問に思う。

「いや、霊薬は人間が摂取したら毒になる。少し前に、ほんの少量だけ霊薬を取り込ませ治療したことはあるが、量を間違えば苦しむことだろう。」

ゲラルトが霊薬と過去の依頼について語る。

「お前ら魔女が摂ったらどうなるかは分からんがな。」

魔理沙はすぐに否定する。

「いや、私は魔女では無いんだ。確かに魔法は使えるが、これでも種族はまだ人間だぜ。アリスやパチュリーは魔女だけどな。」

「そうか、すまないな。」

「いや、別に良いんだが。」

そんな話をしている合間にも、霊薬が出来たらしい。

「あ、これ…」

「知っているのか。」

「いや…知らないけど、森ででっかい鳥と戦ったときにこれ飲んでなかったか?」

「ああ…そうだな。この紫色をしているのは、『森の賢者』と名前を付けた物だ。主にこの霊薬は気力の回復を早めることが出来る。『印』には気力が必要なのでな。重宝している物の一つだ。」

「もう一つは何だったんだ?」

「この場には無いが、緑色の霊薬は『雷光』だ。力を一時的に高めることが出来る。」

「何というか…もとより能力が高いゲラルト達がもっと化け物になるのは、狡っぽいぜ…」

魔理沙が苦笑する。

「だが、そうでなければ、勝てることの敵わない者があっちにはたくさん居たと言うことだ。」

「うへぇ。」

魔理沙はそのような言葉しか出なかった。

「素材には余裕があるので、まだ使わしてもらうぞ。」

「ああ、掃除忘れんなよ。」

「分かっている。」

 

霊薬も大量に入手でき、魔理沙の家の掃除も終わったゲラルトは、帰路へ付く。

「やれやれ、我ながらよく終わらしたものだ。」

何も感じていないように見えるが、しっかり内心はくたくたである。

紅魔館に向かう道中、人里の前を通るのだが、そこには例のごとく奇抜な格好をした少女がいた。

「ここで何をやっている。」

ゲラルトが声を掛ける。

驚いて、こちらを振り向いたが、すぐさま落ち着いて言葉を交わす。

「こんにちは。突然ですが、人里の皆さんに伝言をお願いしたいのです。私から伝えてもよろしいのですが、お目付役としての仕事が残っているので…」

ゲラルトは警戒を解かない。

「まず名前を名乗ってもらおうか。」

「失礼いたしました。私は『永江衣玖』と申します。ここ、幻想郷の天空に位置する『有頂天』に住む天人の一人、『比那名居天子』様のお目付役でございます。」

その衣玖と名乗った少女は、首あたりのひらひらしたものが目立つ。

「天人の目付役が何のようだ。」

「ええ、近頃外の化け物達が幻想郷に出現したことはご存じですよね?」

「ああ、そうだな。」

「今からそう遠くない時期に、今とは比べものにならない脅威が迫ってきます。くれぐれも、警戒を怠らないよう、よろしくお願いいたします。」

「なに?」

ゲラルトが眉をひそめる。

「なぜお前にそんなことが分かる。」

「私の能力の応用みたいなものですわ。では、これで。」

それだけを告げると、衣玖は天空へと帰っていった。

「重労働を強いられそうだ。」

ゲラルトはのんきにそうつぶやいた。

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