ウィッチャーが幻想入り   作:そうめんつゆだく

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第三話

 ウィッチャーのゲラルトと、異様な服に身を包む女性は「博麗神社」という場所を目指していた。

 「そういえば名前を聞いていなかったな。」

 ゲラルトが話しかける。

 「あら、これは失礼。」

 改まって、その女性はゲラルトの方へ体を向ける。

 「ここ、幻想郷の管理人を務めております。八雲 紫と申します。」

 その彼女が纏う雰囲気は、文字の通り「妖艶」、妖しくも艶やかである。

 若干胡散臭さもあるが。

 「管理人?」

 と、言うことは

 「ええ、この幻想郷は私が一人で管理を施しているのですよ。」

 幻想郷には博麗大結界と幻と実体の境界なるものが張られているらしいが、彼女は幻と実体の境界を一人で張ったというのだ。

 「その結界と境界に異変がないか監視するのが主な仕事です。」

 自慢げに紫はそう言った。

 だが、実際は自分の式神に丸投げしているようである。

 (これは後の話なのだが、それがばれてしまった紫は嘘をついてまで「すごいでしょマウント」を取ろうとしたことから、ゲラルトと自分の式神に哀れな目で見られてらしい。)

 そして互いに質問回答していくうちに目的地が見えてきた。

 

 彼女、博麗神社の巫女である「博麗 霊夢」は、げっそりとしていた。

 参拝客が手足の指で数えるほどしか訪れず、おまけにお賽銭も「ご縁がありますように」とか遅刻しそうで飯を食いながら走り、曲がり角でぶつかり手を差し伸べられるだけで叶いそうな願いを込めて五円のみ投げ込んでいくので、金があまりにも集まらず飢えているからである。

 それに、何らかの理由で外から流れ込んできた見るに堪えない汚らしい化け物が現れたと聞き、一応異変解決係としてで向いたものの、意外と強く、激しく動いたせいで疲れが出、空腹も無事促進したためである。

 その彼女にお構いなしというように喧しいのが飛んでくる。

 「おーう霊夢ー、今日も死にかけてんなー」

 と、彼女の親友、おとぎ話に出てくる魔女そのまんまの格好にエプロンを掛けた少女、霧雨 魔理沙は言う。

 「…うっさい腹に響く」

 といった刹那、

 グオオオオオォォォォォォォォ…

 と、霊夢の腹が音を立てる。

 「ギャハハハハ!響いてんのはおまえの腹じゃねーか!」

 もう魔理沙が霊夢に指をさして笑う。

 「身ぐるみと本全部質屋に売ってその金で肉でもたらふく食ってやるわ。」

 そのまなざしと声色のおかげで、妙にリアルに感じ取ることが出来た。

 だが魔理沙は気づかない。

 「わ、悪かったよ、、、ヒー!ヒーヒヒヒヒヒ!」

 と、腹を抱えてうずくまっている魔理沙の三角帽を霊夢は奪い取り、神速とも呼べるスピードで人里まで降り、質に入れた。

 その金でいくつか食物を買い、その後ろでは、魔理沙が帽子を買い戻していた。

 実質その魔理沙からおごってもらったといえる。

 魔理沙は霊夢に対し文句を言っていたが、満腹になった霊夢は耳を塞ぐことが出来た。

 

 「あら?珍しく霊夢が元気に立ってる。」

 紫は、いつものように霊夢をからかう。

 「あんたのおちょくりにはもう慣れたわ…あら?」

 白髪白髭のおっさんが紫の横に立っている。

 紫は、幻想郷の管理人でありながら、その実態はいくつもの境界を操るスキマ妖怪なのである。

 (ここでは、妖怪だから管理人をしていると言ってもいい。)

 妖怪、つまりは見た目の何十、何百年と生きている彼女は必然的に老年である。

 つまり、紫も言えばおばん、その面で見ればお似合いのおじんをつれているのだ。

 「紫…あんたついに…」

 恋人が出来たのねとからかおうとしている霊夢に対し、

 「そうなの。やっとステキな人に巡り会えたの~」

 と言い、ゲラルトの肩に両手を置き、その上に頭を乗せる。

 自分のからかいが効かず、霊夢はつまらなそうにしている。

 真に受けた魔理沙は、顔を赤らめ覆い隠しながらも、その光景を指の間からのぞき見ている。

 白髪白髭は紫にデコピンを決める。

 

 「冗談はおいといて、あ、でもステキな人には変わりないわよ。この異変を解決するための重要な人物であり、最戦力よ。」

 あら、その人が、と紅白の着物を着た少女は物珍しそうにゲラルトを見る。

 「リヴィアのゲラルトだ。」

 ゲラルトは名乗った。

 「そう、私はこの博麗神社の巫女を務めている博麗 霊夢よ。」

 よろしく、と霊夢とゲラルトは手を取り合う。

 「私は普通の魔法使い、霧雨 魔理沙だぜ!」

 ゲラルトは魔理沙とも手を交わした。

 「魔法使いということはつまり、魔法を使えるのか?」

 「そうだぜ、そうでなきゃ魔法使いとは名乗ってないぜ。」

 弾幕は道具に頼り切ってばっかでしょ、と霊夢から横やりを入れられる。

 だが、それだけでも別の場所の魔法にゲラルトは興味を抱き、いつか少し教わってみるのもありだなと思った。

 そして、次第にゲラルトと魔理沙は、魔法の話に花が咲き、霊夢と紫はヤレヤレという顔をしていた。

 




前回の「ゲラルトの住んでいる世界とは別の世界」の説明

幻想郷は本来別世界ではありませんが、ゲラルトが生きてた時代、ゲラルトが生きていたところでは魔法があるという点で、ゲラルトが済んでいるところから見れば、別世界であり、そこから連れてこられたという認識でお願いします。
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